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営団06系電車 - Wikipedia

営団えいだん06けい電車でんしゃ

帝都ていと高速度こうそくど交通こうつう営団えいだん通勤つうきん電車でんしゃ

営団えいだん06けい電車でんしゃ(えいだん06けいでんしゃ)は、帝都ていと高速度こうそくど交通こうつう営団えいだん営団えいだん)が設計せっけい製造せいぞうした通勤つうきんがた電車でんしゃである[1]2004ねん平成へいせい16ねん)4がつ営団えいだん民営みんえいにともない、東京とうきょう地下鉄ちかてつ東京とうきょうメトロ)に継承けいしょうされた。

営団えいだん地下鉄ちかてつ06けい電車でんしゃ
営団えいだん06けい電車でんしゃ
(2006ねん6がつ5にち 向ヶ丘むこうがおか遊園ゆうえんえき
基本きほん情報じょうほう
運用うんようしゃ 帝都ていと高速度こうそくど交通こうつう営団えいだん
東京とうきょう地下鉄ちかてつ
製造せいぞうしょ 川崎重工業かわさきじゅうこうぎょう車両しゃりょうカンパニー
製造せいぞうねん 1992ねん
製造せいぞうすう 1編成へんせい10りょう
運用うんよう開始かいし 1993ねん3がつ18にち
廃車はいしゃ 2015ねん
投入とうにゅうさき 千代田ちよだせん
主要しゅようしょもと
編成へんせい 10りょう編成へんせい
軌間きかん 1,067 mm(狭軌きょうき
電気でんき方式ほうしき 直流ちょくりゅう 1,500 V架空かくう電車でんしゃせん方式ほうしき
最高さいこう運転うんてん速度そくど 80 km/h千代田ちよだせんない
90 km/h(常磐ときわ緩行かんこうせんない
100 km/h(小田急おだきゅうせんない
設計せっけい最高さいこう速度そくど 110 km/h
起動きどう加速度かそくど 3.3 km/h/s
減速げんそく常用じょうよう 3.7 km/h/s
減速げんそく非常ひじょう 4.7 km/h/s
編成へんせい定員ていいん 1,494にん座席ざせき 520にん
車両しゃりょう定員ていいん 先頭せんとうしゃ:138にん座席ざせき 46にん
ちゅうあいだしゃ:152にん座席ざせき 54にん
くるまいすスペースづけちゅうあいだしゃ:153にん座席ざせき 52にん
自重じちょう 21.8 - 32.4 t
編成へんせい重量じゅうりょう 271.1 t
全長ぜんちょう 先頭せんとうしゃ 20,070 mm
ちゅうあいだしゃ 20,000 mm
全幅ぜんぷく 2,800 mm
ぜんこう 4,080 mm
4,140 mm(パンタグラフ車両しゃりょう
車体しゃたい アルミニウム合金ごうきん
台車だいしゃ モノリンクしきボルスタレス台車だいしゃ
SS135かたち・SS035かたち
しゅ電動でんどう かごがたさんそう誘導ゆうどう電動でんどう
しゅ電動でんどう出力しゅつりょく ていかく出力しゅつりょく 205 kW × 4
駆動くどう方式ほうしき WNドライブ
歯車はぐるま 109:14 (7.79)
編成へんせい出力しゅつりょく 3,280 kW
制御せいぎょ方式ほうしき IGBT素子そしVVVFインバータ制御せいぎょ
制動せいどう装置そうち ATC連動れんどう電気でんき指令しれいしき空気くうきブレーキ回生かいせいブレーキ併用へいよう
保安ほあん装置そうち しんCS-ATC(ATC-10がた
OM-ATS
D-ATS-P
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概要がいよう

編集へんしゅう

1993ねん平成へいせい5ねん)3がつのダイヤ改正かいせい実施じっしされた千代田ちよだせん輸送ゆそうりょく増強ぞうきょうさい営団えいだんちの車両しゃりょう運用うんようが1ほん増加ぞうかすることになった[2]。ただし、6000けい量産りょうさんしゃ登場とうじょうからやく20ねん経過けいかしていたため、どう系列けいれつぞう備ではなくしん設計せっけい車両しゃりょう製造せいぞうすることとなった[3]

設計せっけいにあたっては「Gentle & Mild」をメインテーマとし、列車れっしゃかかわるすべてのひと環境かんきょうにやさしくあるよう設計せっけいした[1]ひととは「乗客じょうきゃく乗務じょうむいんけんおさむいん製造せいぞう作業さぎょういん」を、環境かんきょうとは「車内しゃない居住きょじゅう環境かんきょうおとひかり空調くうちょうなど)、社会しゃかい環境かんきょう振動しんどう騒音そうおん・リサイクル)」のことをあらわしている[1]。これは、21世紀せいき目指めざした車両しゃりょうは「ひと環境かんきょうしんくばり、おだやかで上品じょうひんであること」を必要ひつようとしたためである 。このメインテーマをもとにして、外観がいかん内装ないそう機器ききなどを一貫いっかんした設計せっけい実施じっしした[3]

どう時期じき落成らくせいした東京とうきょうメトロ東西とうざいせん07けいとは基本きほん設計せっけい共通きょうつうとしている。このころ営団えいだん各線かくせんきゅう世代せだい系列けいれつ車両しゃりょう交代こうたいさかんだったため、ほん系列けいれつ類似るいじ仕様しよう搭載とうさいした0xけいシリーズの新車しんしゃ営団えいだんせんにも大量たいりょう製造せいぞう投入とうにゅうされた。製造せいぞう費用ひようは14おく1,063まん6,000えんである[4]

車両しゃりょう概説がいせつ

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車体しゃたい

編集へんしゅう

外観がいかんデザインは「おだやかで、上品じょうひんなかにやさしさをち、ながくお客様きゃくさましたしまれること」をデザインコンセプトにした[3]車体しゃたいアルミニウム合金ごうきんせいで、01けい以来いらいとなる大形おおがた押出おしだしがたざいわせた工法こうほう製作せいさくされている[1]外観がいかんには千代田ちよだせんラインカラーである「グリーン」に、しろとパープルのほそいラインをわせ、「おだやかでちついたかんじ」をイメージさせた[3]

前面ぜんめんやく14後退こうたいかくけ、全体ぜんたいてきまるみをびた形状けいじょうとし、フロントガラスは側面そくめんにまでまわりこませた曲面きょくめんガラスとした[3]車両しゃりょう側面そくめんでは屋根やねたかくし、いわゆる屋根やねタイプとした[3]先頭せんとうしゃ前面ぜんめん下部かぶにははいさわうつわ(スカート)を装着そうちゃくする[3]。また、地下鉄ちかてつせんないにおけるプラグドアしき非常口ひじょうぐち非常ひじょう階段かいだんもうけられている。

全長ぜんちょうを20m程度ていどおさめて、さらに運転うんてんしつ従来じゅうらいしゃよりもひろ確保かくほするために、車内しゃない座席ざせき定員ていいん配置はいちを6000けいの「3・7・7・7・3」ではなく「4・6・7・6・4」とした[3]。そのため、先頭せんとうしゃでは4にんがけ座席ざせき相当そうとうする部分ぶぶん運転うんてんしつのスペースとなり、先頭せんとうしゃでは全長ぜんちょうは20m より7cm だけながくなった[3]後年こうねん車両しゃりょうあいだ転落てんらく防止ぼうしほろ設置せっちされた。

 
まるみをびた先頭せんとう形状けいじょう
 
LEDしき種別しゅべつ行先いきさき案内あんないばん

前面ぜんめん側面そくめん行先ゆくさき表示ひょうじはLEDしきである。さらに小田急おだきゅうせんないにおける優等ゆうとう列車れっしゃでの使用しようのために通過つうか標識ひょうしきとう設置せっちしていたが、1998ねん平成へいせい10ねん)4がつ同線どうせんでの使用しよう停止ていしされた。

冷房れいぼう装置そうち集中しゅうちゅうしきとし、外観がいかんでははしFRPせいのカバーをけ、まるみをびた形状けいじょうとした。装置そうち日立製作所ひたちせいさくしょせい外気がいき導入どうにゅうがたインバータ制御せいぎょ方式ほうしき(FTUR300-206かたち)で、能力のうりょくは48.84 kW (42,000 kcal/h) である[3]。インバータ制御せいぎょ方式ほうしきとすることで、きめこまかな温度おんど制御せいぎょしょうエネルギー効果こうかたかめている[1][ちゅう 1]空調くうちょう運転うんてんモードは「冷房れいぼう」・「暖房だんぼう」・「じょ湿しめ」・「ぜん自動じどう」・「送風そうふう」があり、ぜん自動じどうでは内蔵ないぞうカレンダー機能きのう車内しゃないがい気温きおんおうじて、冷房れいぼう暖房だんぼうじょ湿しめから自動じどう選択せんたくされるものである[1]車内しゃない冷房れいぼうふうどうはラインフローファン方式ほうしき採用さいようし、補助ほじょ送風そうふう(ラインデリア)は先頭せんとうしゃに9だい中間なかましゃに10だい設置せっちしている。

内装ないそう

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内装ないそう千代田ちよだせん沿線えんせん日暮里にっぽり千代田ちよだ赤坂あかさか神宮前じんぐうまえといった歴史れきしある格式かくしきたかまちのイメージから日本にっぽん庭園ていえんをイメージさせる和風わふうのデザインとした[3]。デザインコンセプトは07けいでは「上品じょうひん活気かっきあふれる雰囲気ふんいき」を目指めざしたが、ほん系列けいれつでは「おだやかでいた雰囲気ふんいき」をめざした[3]

化粧けしょうばん和紙わしをイメージしたこうしょく[6]のものとし、いた雰囲気ふんいき目指めざした(「こうゆう[6])。ゆか敷物しきもの日本にっぽん庭園ていえんの「そよかぜまつ葉音はおと」イメージした「松籟しょうらい(しょうらい)」[6]しょうするもので、外側そとがわあさ紫色むらさきいろすな模様もよう中央ちゅうおうは「松葉まつば」をあさ紫色むらさきいろ利休鼠りきゅうねずみしょく表現ひょうげんした[3][6]

車両しゃりょう屋根やね曲線きょくせん改良かいりょう空調くうちょうダクトの扁平へんぺいなど工夫くふうをすることで、天井てんじょうたかさ 2,230 mm とし、従来じゅうらい車両しゃりょうよりも 88 mm たかくした[1][7]。さらにそで仕切じきりにぎぼう車外しゃがいかってひろがるようにし、圧迫あっぱくかんらすようにした[1]

座席ざせき表地おもてじやま藍色あいいろ(エメラルドしょくけい[6]基調きちょうに、こまかなすな模様もようはいったもので、「風流ふうりゅうじゅ(かぜりゅうじゅ)」しょうする[6]1人ひとりぶん着座ちゃくざはば従来じゅうらいの 430mmから450mmに拡大かくだいし、バケットシート採用さいようした[8]そで仕切じきり仕切じきりパイプ(サイドバー)には腰掛こしかけおなじモケットをけしている[8]。2012ねんには座席ざせきあいだスタンションポール増設ぞうせつされた。網棚あみだなステンレスせん格子こうしじょう溶接ようせつしたものを使用しようしている。

座席ざせき配置はいち関係かんけいとびら間隔かんかくことなり、がわまどもすべておおきさがことなる[8]。ガラスはピラーによる分割ぶんかつはなく見通みとおしのよい1まいまどとされ、6にんかけ座席ざせきまどのみが開閉かいへいする(それ以外いがい固定こていまど[8]。カーテンもはばひろいものとなるが、座席ざせきはしでも操作そうさしやすいようフリーストップしき採用さいようしている[8]。なお、優先ゆうせんせき青色あおいろ座席ざせきであり、この付近ふきんつりかわはオレンジしょくのものに交換こうかんされているが、一般いっぱんせきのつりかわ白色はくしょくのままである。

車内しゃない写真しゃしん

ほん系列けいれつでは千代田ちよだせん走行そうこうする車両しゃりょうでははじめて車椅子くるまいすスペース設置せっちし、車椅子くるまいすでの乗降じょうこう考慮こうりょして車両しゃりょうゆかめんは6000けいの 1,200 mm よりも 50 mm ひくい 1,150mm とし、さらに連結れんけつめん通路つうろはばは 900mm に拡大かくだいした[7][8]。この車椅子くるまいすスペースは編成へんせいちゅうの2号車ごうしゃと9号車ごうしゃ設置せっちされ、このスペースには安全あんぜんすり、乗務じょうむいん通話つうわ可能かのう非常ひじょう通報つうほう装置そうち用意よういされている[8]

きゃくようドアのまどガラスはふくそうガラス採用さいようし、各車かくしゃはしにある連結れんけつあいだ貫通かんつうとびらはガラスがしも方向ほうこう拡大かくだいされたものとなったほかつまめんまど廃止はいしされた[7]

2007ねん平成へいせい19ねんごろには当時とうじしんせいすすんでいた有楽町ゆうらくちょうせんふく都心としんせんけの10000けいおなじく号車ごうしゃさつ常用じょうようコック非常ひじょう通報つうほう消火しょうかさつなどの表記ひょうきるい蓄光せいのシールに変更へんこう実施じっしした。

LEDしき車内しゃない案内あんない表示ひょうじ(16×16ドットで1文字もじ表示ひょうじ、11まいある。16×176ドットで構成こうせい)をかくきゃくようドア上部じょうぶ装備そうびし、つぎえきおよび案内あんないなどの表示ひょうじ可能かのうになった。表示ひょうじはしまるみをびた形状けいじょうであり、ドアチャイム鳴動めいどうする。このほか自動じどう放送ほうそう装置そうち搭載とうさいしており、6000けい同様どうよう千代田ちよだせん小田急おだきゅうせんない使用しようされている。車外しゃがい案内あんないようには車外しゃがいスピーカー設置せっちされており、車掌しゃしょうによる車外しゃがい放送ほうそうしボタン操作そうさによる「ドアがまります。手荷物てにもつをおください」のアナウンスが2かいながれる乗降じょうこう促進そくしん放送ほうそう操作そうさできる。

乗務じょうむいんしつ

編集へんしゅう
 
運転うんてんだい

乗務じょうむいん操作性そうさせいわる居住きょじゅうせい向上こうじょう前方ぜんぽう視野しや拡大かくだい客室きゃくしつからの眺望ちょうぼう配慮はいりょした機器きき形状けいじょう色彩しきさいとした。機器きき配置はいち関係かんけいから、奥行おくゆきはひろ線路せんろ方向ほうこうやく 1,900mm 確保かくほされている。室内しつないはアイボリーしょく配色はいしょく運転うんてんだい計器けいきばんはダークグレーの配色はいしょくである。

運転うんてんだいは6000けい同様どうようマスコンハンドルとブレーキハンドルが個別こべつ配置はいちされているが、ブレーキハンドルは固定こていしきである。速度そくどけいは 120 km/h 表示ひょうじで、しんCS-ATCに対応たいおうした白地しろじで2はりしきのものである。運転うんてんだい右側みぎがわには車両しゃりょう情報じょうほう管理かんり装置そうち (TIS) のモニター画面がめんがあり、さき機器ききなどがおお乗務じょうむいんしつ機器きき出来できるだけ集約しゅうやくしてユニットし、凹凸おうとつらした。

運転うんてんしつ客室きゃくしつ仕切じきりには日比谷線ひびやせんよう03けい同様どうよう運転うんてんだい背後はいごだいまどが1まい客室きゃくしつから右側みぎがわまどりの仕切じきりとびらがある。遮光しゃこうまく背面はいめんだいまどのみ設置せっちされている。当初とうしょよりだいまどはややスモークのはいったガラスを使用しようしている。仕切じきりとびらまど当初とうしょ透明とうめいであったが、フロントガラスへの反射はんしゃおおきいのでこちらも後年こうねんにスモークのはいったガラスとなった。

機器ききるい

編集へんしゅう

どう時期じき設計せっけい製造せいぞうされた07けい基本きほんてき性能せいのう共通きょうつうで、設計せっけい最高さいこう速度そくど 110km/h 、起動きどう加速度かそくど 3.3km/h/s である。ただし減速げんそくは07けいことなり、常用じょうよう 3.7km/h/s・非常ひじょう 4.7km/h/s である。

しゅ回路かいろ東芝とうしばせいVVVFインバータ制御せいぎょであるが、制御せいぎょ素子そしには日本にっぽん鉄道てつどう車両しゃりょうはじめてIGBT素子そしたいあつ 1,500 V - 600 A)が採用さいようされた[9]。1制御せいぎょ装置そうちたいして1個いっこしゅ電動でんどう駆動くどうする(1C1M制御せいぎょ)3レベル方式ほうしきである。

10りょう編成へんせいのうち4りょうが205kWしゅ電動でんどうを4搭載とうさいする動力どうりょくしゃ (M) 、6りょう付随ふずいしゃ (T) のMT 4M6T ながら、6M4T の6000けい同等どうとう性能せいのう確保かくほしている。歯車はぐるまは 7.79 とたかめに設定せっていされている。また、まんいち1個いっこしゅ電動でんどう故障こしょうしても、1C1M制御せいぎょであるために性能せいのう低下ていかふせぐことが出来できる。

この制御せいぎょ装置そうち採用さいようにあたっては東西線とうざいせんよう05けいにおいて1992ねん平成へいせい4ねん)5がつから7がつにかけて東芝とうしば三菱みつびし日立ひたち順番じゅんばんでIGBT素子そしによるVVVFインバータ装置そうちけ、実車じっしゃ走行そうこう試験しけん実施じっしした。この走行そうこう試験しけん結果けっかけてほん形式けいしき採用さいよういたった[10]

床下ゆかした機器きき写真しゃしん

しゅうでん装置そうちは6000けい同様どうよう菱形ひしがたパンタグラフだが、ほん形式けいしきでは車体しゃたい屋根やねたかくしたため、りたたみたかさを 400 mm から 330 mm に変更へんこうしたPT4322Sかたちパンタグラフを採用さいようした。空気くうき圧縮あっしゅく (CP) は03けい実績じっせきのある誘導ゆうどう電動でんどう駆動くどうのレシプロしきC-2500LBがた搭載とうさいする。

補助ほじょ電源でんげん装置そうちにはIGBT素子そし使用しようした三菱電機みつびしでんきせいのDC-DCコンバータ(出力しゅつりょく 170kW)を採用さいようした[11]。これは架線かせんからの直流ちょくりゅう 1,500 V を直流ちょくりゅう 600 V に降圧こうあつするもので、これを空気くうき圧縮あっしゅく冷房れいぼう装置そうち供給きょうきゅうする。そのほかの交流こうりゅう回路かいろには静止せいしがたインバータ (SIV) や変圧へんあつたんしょう交流こうりゅう 200 V・100 V に変換へんかんして使用しようする。直流ちょくりゅう回路かいろには整流せいりゅうにより直流ちょくりゅう 100 V・24 V が出力しゅつりょくされる。

ブレーキ装置そうち回生かいせいブレーキ併用へいようぜん電気でんき指令しれいしき空気くうきブレーキとし、保安ほあんブレーキ降雪こうせつ使用しようするたいゆきブレーキ[ちゅう 2]設置せっちする[7]

ブレーキ制御せいぎょには1りょう電動でんどうしゃくるまめた2.5両分りょうぶん回生かいせいブレーキを負担ふたんする「1M1.5Tしんおく制御せいぎょ方式ほうしき」を採用さいようした[7]。このしんおく制御せいぎょ方式ほうしきは、従来じゅうらいよりも回生かいせいブレーキ性能せいのう向上こうじょうせい減少げんしょうはかれるあたらしい方式ほうしきである。

台車だいしゃあらたに設計せっけいしたもので、営団えいだん地下鉄ちかてつにおける次世代じせだい標準ひょうじゅん台車だいしゃ目指めざしたものとして「曲線きょくせん通過つうか性能せいのう向上こうじょう」「メンテナンス省力しょうりょく」「軽量けいりょうこう粘着ねんちゃく」を設計せっけい基本きほんとした[1]。これには住友金属工業すみともきんぞくこうぎょうせいのモノリンクしきじくばこ支持しじ方式ほうしきボルスタレス台車だいしゃ動力どうりょく台車だいしゃはSS135かたち付随ふずい台車だいしゃはSS035かたち)を採用さいようしており[1]基礎きそブレーキにはユニットブレーキ使用しようしている。

ほん系列けいれつにおいても03けい以来いらいとなる車両しゃりょう制御せいぎょ情報じょうほう管理かんり装置そうち通称つうしょうTISTrain Control Information Management System)を搭載とうさいしている。これにより運転うんてん情報じょうほう集中しゅうちゅう管理かんりされ、乗務じょうむいん支援しえんけんおさむ効率こうりつてき運用うんよう可能かのうとしている[1]。さらにほん系列けいれつにおいては車両しゃりょうあいだ伝送でんそうせんひかりケーブル採用さいようし、マスコン指令しれい常用じょうようブレーキ指令しれいなどの制御せいぎょ伝送でんそう機能きのうゆうしている。運転うんてんだい表示ひょうじはカラー液晶えきしょう画面がめん採用さいようするなど操作性そうさせいわる向上こうじょうはかったものとした[1]。また、ほん系列けいれつ使用しようされる装置そうちは、三菱みつびしせい機器ききしょうされる「TIS」の名称めいしょう使用しようされているが、実際じっさいには日立ひたちせいATIAutonomous Train Integration」が搭載とうさいされている[12]

保安ほあん装置そうちには当初とうしょよりCS-ATC装置そうち(ATC-4がた)を搭載とうさいし、小田急おだきゅうせんようとしてOM-ATS搭載とうさいしていた。1999ねん平成へいせい11ねん11月27にち千代田ちよだせんしんCS-ATCひかえた同年どうねん9月30にちづけで、しんCS-ATC(ATC-10がた対応たいおう工事こうじ実施じっしされた[13]内容ないようとしてはATCしゃじょう装置そうち更新こうしん速度そくどけいそうはりしきくろはり速度そくどげんしめせようあかはりはATCはし防護ぼうご信号しんごう (ORPOver Run Protector[ちゅう 3]) の制限せいげん速度そくど表示ひょうじよう)への交換こうかんなどが施工しこうされた。2012ねんには小田急おだきゅうせんようしん保安ほあん装置そうちD-ATS-P装置そうちけがおこなわれている[14]

編成へんせい組成そせい

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号車ごうしゃ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
形式けいしき 06-100かたち
(CT1)
06-200かたち
(M1)
06-300かたち
(T)
06-400かたち
(M2)
06-500かたち
(Tc1)
06-600かたち
(Tc2)
06-700かたち
(M3)
06-800かたち
(T')
06-900かたち
(M1)
06-000かたち
(CT2)
搭載とうさい機器きき   VVVF,CP,BT   VVVF,BT DDC DDC VVVF,CP   VVVF,CP,BT  
車両しゃりょう番号ばんごう 06-101 06-201 06-301 06-401 06-501 06-601 06-701 06-801 06-901 06-001
凡例はんれい
  • VVVF:制御せいぎょ装置そうち(1C1M4ぐん
  • DDC:補助ほじょ電源でんげん装置そうち(DC-DCコンバータ)
  • CP:空気くうき圧縮あっしゅく
  • BT:蓄電池ちくでんち

ほん形式けいしきもちいた試験しけん

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2010ねん平成へいせい22ねん)2がつから営業えいぎょう運転うんてん開始かいしした丸ノ内線まるのうちせん02けいだい規模きぼ改修かいしゅう工事こうじしゃ直流ちょくりゅう600VようPMSMしゅ回路かいろシステム実用じつようしゃ)につづいて[15]直流ちょくりゅう1,500 V ようPMSMしゅ回路かいろシステムの実車じっしゃ試験しけんおこなわれた[15]試験しけんは、だい7車両しゃりょう(06-701号車ごうしゃ)に東芝とうしばせいのPMSMしゅ回路かいろシステム(VVVFインバータ装置そうち永久えいきゅう磁石じしゃく同期どうき電動でんどう出力しゅつりょく205 kW)、だんりゅうひとし)を艤装ぎそうした[15]。それ以外いがい電動でんどうしゃは、IM(誘導ゆうどう電動でんどう)システムのままとした[15]実車じっしゃ試験しけんは2010ねん平成へいせい22ねん)6がつ30にち - 7がつ23にちにかけて営業えいぎょう列車れっしゃ終了しゅうりょう実施じっしした[15]。そのほん形式けいしき使用しようしたPMSMしゅ回路かいろシステムは、若干じゃっかん改良かいりょうくわえることで後継こうけい車種しゃしゅの16000けい採用さいようした[15]

運用うんよう

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1992ねん平成へいせい4ねん)12月に10りょう編成へんせい1ほん落成らくせいし、営業えいぎょう運転うんてんは1993ねん3月18にちから開始かいしされた[1]営業えいぎょう運行うんこう開始かいししばらくは電動でんどうしゃ比率ひりつ関係かんけいから小田急おだきゅうせんには入線にゅうせんしなかったが、のち区別くべつすることなく6000けい16000けい共通きょうつう運用うんようされるようになった。千代田ちよだせんはその営団えいだん東京とうきょうメトロちの車両しゃりょう運用うんようすう変化へんかがなく、2編成へんせい以降いこう追加ついか投入とうにゅうされることはなかった。

臨時りんじ列車れっしゃでは東京とうきょうわんだいはな火祭ひまつりひとしのイベント開催かいさいさいして、有楽町ゆうらくちょうせん直通ちょくつうする列車れっしゃ充当じゅうとうされた。

その、2010ねん平成へいせい22ねん)から6000けいようとして16000けい順次じゅんじ導入どうにゅうされ、千代田ちよだせん運用うんようされる自社じしゃ車両しゃりょうを16000けい統一とういつするとともに[16]ホームドアの設置せっち決定けっていしたことから、ホームドアに対応たいおうできないほん形式けいしき線区せんく転用てんようされることなく2015ねん平成へいせい27ねん)8がつ8にち[17]資料しりょうによっては9月22にち[18]づけ廃車はいしゃされた。

  • 1993ねん3がつ14にちには綾瀬あやせ検車けんしゃ試乗しじょうかい撮影さつえいかい実施じっしされた。試乗しじょうかいには07けいだい02編成へんせい使用しようされ、事前じぜん応募おうぼの500にん参加さんかして綾瀬あやせ検車けんしゃ - 湯島ゆじまえきあいだ往復おうふく走行そうこうした。撮影さつえいかいにはほん系列けいれつと07けいだい01編成へんせいならべられ、試乗しじょうかい参加さんかしゃふくめた事前じぜん応募おうぼからえらばれた1,000にん参加さんかした。
  • 落成らくせい当初とうしょ先頭せんとうしゃ側面そくめんにロゴがられており、06-101がわ営団えいだん地下鉄ちかてつ意味いみする「TRTA[ちゅう 4]」、06-001がわに「EIDAN」ロゴがそれぞれられていたが[19]営業えいぎょう運転うんてん開始かいしまえまでにはずされている。

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ ただし、東京とうきょうメトロは後年こうねん、この方式ほうしきでは夏季かき温度おんど上昇じょうしょう対応たいおう出来できない欠点けってんがあるとひょうしている[5]
  2. ^ 営団えいだん地下鉄ちかてつ - 東京とうきょう地下鉄ちかてつではたいゆきブレーキではなくたいゆきブレーキの名称めいしょう使用しようする。
  3. ^ 終端しゅうたんえき留置とめおきせんなど「車止くるまどめ」のあるせん入線にゅうせんするさい、ATCで速度そくど監視かんしし、超過ちょうかした場合ばあい非常ひじょうブレーキを動作どうささせる機能きのう
  4. ^ Teito Rapid Transit Authorityのりゃく

出典しゅってん

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m 鉄道てつどう図書としょ刊行かんこうかい鉄道てつどうピクトリアル』1993ねん10がつ臨時りんじ増刊ぞうかんごう新車しんしゃ年鑑ねんかん1993年版ねんばん帝都ていと高速度こうそくど交通こうつう営団えいだん06けい・07けい
  2. ^ 交友こうゆうしゃ鉄道てつどうファン」2004ねん9がつごう東京とうきょうメトロ特集とくしゅう」42ぺーじ営団えいだん地下鉄ちかてつの60ねん
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m 交友こうゆうしゃ鉄道てつどうファン」1993ねん3がつごう新車しんしゃガイド1「営団えいだん千代田ちよだせんよう06けい有楽町ゆうらくちょうせんよう07けい」54-57ぺーじ
  4. ^ 東京とうきょう地下鉄ちかてつどう南北線なんぼくせん建設けんせつ、p.142の「平成へいせい4年度ねんどしんせん建設けんせつ支出ししゅつ 千代田ちよだせん」。
  5. ^ 営団えいだん地下鉄ちかてつ東京とうきょう地下鉄ちかてつどう半蔵門線はんぞうもんせん建設けんせつ
  6. ^ a b c d e f ネコ・パブリッシング公式こうしきパンフレットで東京とうきょう地下鉄ちかてつ車両しゃりょうのあゆみ - 1000がたから1000けいまで」p.171。
  7. ^ a b c d e 鉄道てつどう図書としょ刊行かんこうかい鉄道てつどうピクトリアル」1995ねん8がつ臨時りんじ増刊ぞうかんごう帝都ていと高速度こうそくど交通こうつう営団えいだん特集とくしゅう224・225ぺーじ
  8. ^ a b c d e f g 交友こうゆうしゃ鉄道てつどうファン」1993ねん3がつごう新車しんしゃガイド1「営団えいだん千代田ちよだせんよう06けい有楽町ゆうらくちょうせんよう07けい」58-61ぺーじ
  9. ^ 東芝とうしば東芝とうしばレビュー」1993ねん3がつごう帝都ていと高速度こうそくど交通こうつう営団えいだんIGBT VVVFインバータシステム」p.241。
  10. ^ 鉄道てつどうピクトリアル1995ねん7がつ臨時りんじ増刊ぞうかんごう参照さんしょう
  11. ^ 三菱電機みつびしでんき三菱電機みつびしでんきわざほう』1994ねん1がつごうIGBT高周波こうしゅうはリンクしきDC/DCコンバータ」 (PDF) 」p.72。
  12. ^ 最近さいきん車両しゃりょう情報じょうほう制御せいぎょシステム (PDF) - 日立ひたち評論ひょうろん1994ねん5がつごう
  13. ^ 鉄道てつどうピクトリアル新車しんしゃ年鑑ねんかん2000年版ねんばん
  14. ^ 東京とうきょうメトロ06けい小田急おだきゅうせんない試運転しうんてん アーカイブ 2013ねん3がつ21にち - ウェイバックマシン - 交友こうゆうしゃ鉄道てつどうファン』railf.jp 鉄道てつどうニュース 2012ねん12がつ10日とおか
  15. ^ a b c d e f 日本にっぽん鉄道てつどうサイバネティスク協議きょうぎかい鉄道てつどうサイバネ・シンポジウムろん文集ぶんしゅうだい47かい(2010ねん)「直流ちょくりゅう1500VようPMSMしゅ回路かいろシステム試験しけん報告ほうこく論文ろんぶん番号ばんごう510。
  16. ^ 千代田ちよだせんに16000けい4しゃ導入どうにゅうします Archived 2015ねん9がつ17にち, at Archive.is - 2015ねん9がつ15にち 東京とうきょう地下鉄ちかてつニュースリリース
  17. ^ 交友こうゆうしゃ鉄道てつどうファン」2016ねん8がつごう付録ふろく大手おおて私鉄してつ車両しゃりょうファイル2016」ならびに鉄道てつどう図書としょ刊行かんこうかい鉄道てつどうピクトリアル」2016ねん12月臨時りんじ増刊ぞうかんごう302ぺーじ
  18. ^ 鉄道てつどうダイヤ情報じょうほう2016ねん4がつごう(No.384)p.128
  19. ^ 交通こうつう新聞しんぶんしゃ営団えいだん地下鉄ちかてつ車両しゃりょう写真しゃしんしゅう」 P.68-69

参考さんこう文献ぶんけん

編集へんしゅう
  • 交友こうゆうしゃ鉄道てつどうファン」
    • 1993ねん3がつごう新車しんしゃガイド「営団えいだん千代田ちよだせんよう06けい有楽町ゆうらくちょうせんよう07けい」(帝都ていと高速度こうそくど交通こうつう営団えいだん しゃ両部りょうぶ設計せっけい
  • 鉄道てつどう図書としょ刊行かんこうかい鉄道てつどうピクトリアル
    • 1993ねん3がつごう営団えいだん千代田ちよだせんよう06けい有楽町ゆうらくちょうせんよう07けい」(帝都ていと高速度こうそくど交通こうつう営団えいだん しゃ両部りょうぶ設計せっけい
    • 1993ねん10がつ臨時りんじ増刊ぞうかんごう新車しんしゃ年鑑ねんかん1993年版ねんばん帝都ていと高速度こうそくど交通こうつう営団えいだん06けい、07けい」(帝都ていと高速度こうそくど交通こうつう営団えいだん しゃ両部りょうぶ設計せっけい せきづか
  • 鉄道てつどうともかい会誌かいし「RAILFAN」1994ねん2がつごう
  • ネコ・パブリッシング公式こうしきパンフレットで東京とうきょう地下鉄ちかてつ車両しゃりょうのあゆみ - 1000がたから1000けいまで」
  • 日本にっぽん鉄道てつどうサイバネティスク協議きょうぎかい鉄道てつどうサイバネ・シンポジウムろん文集ぶんしゅうだい47かい(2010ねん)「直流ちょくりゅう1500VようPMSMしゅ回路かいろシステム試験しけん報告ほうこく論文ろんぶん番号ばんごう510
  • 東京とうきょう地下鉄ちかてつどう南北線なんぼくせん建設けんせつ帝都ていと高速度こうそくど交通こうつう営団えいだん、2002ねん3がつ31にちhttps://metroarchive.jp/content/ebook_nanboku.html/ 

外部がいぶリンク

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