女性じょせい

女性じょせい（じょせい、希まれ: γυναίκα、英えい: woman）は、男性だんせいと対比たいひされるヒト（人間にんげん）の性別せいべつであり、女おんなの人ひと。一般いっぱん的てきに「女性じょせい」という語かたりは成人せいじんの女おんなを指さす^[1]。未成年みせいねんの女子じょしに対たいしては「少女しょうじょ」となり、小児しょうにの場合ばあいは「女おんなの子こ」や「女児じょじ」となる。

語源ごげん

英語えいごの「woman」の語源ごげんは、古こ英語えいごの「wifman」（「妻つま」を意味いみする「wif」と、「男おとこ・人にん」を意味いみする「man」を組くみ合あわせたもの）に由来ゆらいする^[2]。

英語えいご「woman」の語源ごげんが「womb（子宮しきゅう）＋man」であるという説せつが出回でまわっていることもあるが、これは誤解ごかいである^[3]^[4]。

定義ていぎ

辞書じしょでは「女性じょせい」の定義ていぎは少すこしずつ差別さべつを無なくし、包括ほうかつ的てきなものに変化へんかしている。

オックスフォード英語えいご辞典じてんでは2020年ねんに異い性愛せいあい規範きはんを前提ぜんていとした記述きじゅつを改あらため、同性愛どうせいあいを含ふくめたものとなった^[5]。ケンブリッジ英語えいご辞典じてんでは性せい同一どういつ性せいが女性じょせいである人ひとについても記載きさいし、トランス女性じょせいを包括ほうかつするように2022年ねんに改善かいぜんされた^[6]。

生物せいぶつ学がく・医学いがく的てきな説明せつめい

骨盤こつばんの形状けいじょうの比較ひかく。右側みぎがわが女性じょせいの骨盤こつばん（左側ひだりがわは男性だんせいの骨盤こつばん）。明あきらかに形状けいじょうが異ことなる。

成人せいじん女性じょせいは骨盤こつばんやバストが発達はったつしているという特徴とくちょうがある。（パイオニア探査たんさ機きの金属きんぞく板ばんの一部いちぶに描えがかれた成人せいじんした女性じょせい像ぞう。）

詳細しょうさいは「性差せいさ」および「ヒトの生理学せいりがくにおける性差せいさ（英語えいご版ばん）」を参照さんしょう

生物せいぶつ学がく的てきな性せいとしての女性じょせいは、一般いっぱん的てきな動物どうぶつのメスに相当そうとうする。

医学いがくの立場たちばから言いえば、女性じょせいの性的せいてき特徴とくちょうは主おもに性せい染色せんしょく体たいとしてX性せい染色せんしょく体たいのみをもつ（XX）である。様々さまざまな遺伝いでん的てきまたは外的がいてき要因よういんにより、厳密げんみつには当あてはまらないケースも存在そんざいする（インターセックスや性せい分化ぶんか疾患しっかんを参照さんしょうのこと）。性せい染色せんしょく体たいがXY型がたまたはXO型がたで発現はつげんが女性じょせいである実例じつれいはあるが、その多おおくは本人ほんにんも周囲しゅういも女性じょせいとして受うけとめられている。前者ぜんしゃは、例たとえばY性せい染色せんしょく体たい上じょうの因子いんしによって作つくられるアンドロゲンの受容じゅよう体たいが機能きのうしないアンドロゲン不ふ応おう症しょうや、男性だんせいホルモンの分泌ぶんぴつ障害しょうがいである副腎ふくじん性器せいき症候群しょうこうぐんなどであり、後者こうしゃはいわゆるターナー症候群しょうこうぐんである。

また、女性じょせいは、婦人ふじん科か系けいが重要じゅうようであり卵たまごを生産せいさんし種々しゅじゅのホルモンを分泌ぶんぴつする卵巣らんそう、胎児たいじを体内たいないで育そだてるための子宮しきゅう、交接こうせつ器きと胎児たいじを母体ぼたい外がいへと運はこぶ産道さんどうを兼かねる膣ちつなどといった女性じょせい特有とくゆうの器官きかんを持もっている。

女性じょせいの場合ばあい、思春期ししゅんきに卵巣らんそうが発達はったつし、女性じょせいホルモン分泌ぶんぴつが増ふえ、第だい二に次じ性徴せいちょうが出現しゅつげんする。乳房ちぶさの発達はったつが始はじまる（Thelarche・乳房ちぶさのタナー段階だんかいII）^{[注釈ちゅうしゃく 1]}^[8]ことで思春期ししゅんきに入はいるため、この時点じてんで思春期ししゅんきに入はいった事ことに気きづきやすい^[9]。次つぎに、女性じょせい器きが発達はったつし始はじめ、陰毛いんもう・腋毛わきげが生はえ始はじめる。身長しんちょうの伸のびがピークを迎むかえた後のちに筋肉きんにくに比くらべて皮下脂肪ひかしぼうが急速きゅうそくに増大ぞうだい。これは子供こどもを産うむためにそなえているものだが、腰こし回まわりがふくよかになる。思春期ししゅんき開始かいしから初経しょけいの1年ねん以上いじょう前まえは大人おとなの体型たいけいへの変化へんかし始はじめで骨盤こつばんがまだ前ぜん傾かたぶけ傾向けいこう（女児じょじ型がた）のままで子供こどもの体型たいけいに近ちかいが、初経しょけいを挟はさむ前後ぜんご1年間ねんかんに急激きゅうげきに体型たいけいが変化へんかし、骨盤こつばんが直立ちょくりつ傾向けいこう（女性じょせい成人せいじん型がた）に転換てんかんし始はじめ、腹はらがまっすぐに尻しりが大おおきくなり始はじめ、初潮しょちょうの1年ねん後ご以降いこうに骨盤こつばんが直立ちょくりつ傾向けいこう（女性じょせい成人せいじん型がた）となり、腰こしがくびれ、大人おとなの体型たいけいに近ちかくなる^[10]^[11]^[12]^[13]。

このような生物せいぶつ学がく的てき性差せいさは根本こんぽん的てきには、染色せんしょく体たいの型かたに由来ゆらいする。上記じょうきのような解剖かいぼう学がく的てきな意味いみでの女性じょせいは、多おおくの場合ばあい、性せい染色せんしょく体たいとしてX性せい染色せんしょく体たいのみをもつ（XX）。発生はっせいのない段階だんかいでは、積極せっきょく的てきなミューラー管かんのアポトーシスを起おこす因子いんしが存在そんざいせず、ウォルフ管かんから男性だんせい生殖せいしょく器きの一部いちぶを誘導ゆうどうするホルモンがないために、自然しぜんにウォルフ管かんのアポトーシスが起おこり、ミューラー管かんが発達はったつする。

先進せんしん国こく・発展はってん途上とじょう国こくを問とわず、データの入手にゅうしゅできるほとんどの国家こっかにおいて女性じょせいは平均へいきん寿命じゅみょうが男性だんせいに比くらべ長ながい^[14]。

正常せいじょう女性じょせいの性せい染色せんしょく体たいはXX染色せんしょく体たいでありY染色せんしょく体たいより優性ゆうせい染色せんしょく体たいとされ、正常せいじょう女性じょせいでは血友病けつゆうびょうや色盲しきもうにはならないもしくはなりづらい^[15]^[16]。反面はんめんに女性じょせいの側がわ湾わん症しょうの罹患りかん率りつが男性だんせいと比較ひかくし高たかい^[17]。

法律ほうりつにおける女性じょせい

詳細しょうさいは「性せい同一どういつ性せい障害しょうがい者しゃの性別せいべつの取扱とりあつかいの特例とくれいに関かんする法律ほうりつ」を参照さんしょう

出生しゅっしょう時じに男性だんせいとして割わり当あてられ、女性じょせいとしての永続えいぞく的てきな性せい同一どういつ性せいを持もつ人ひと（トランスジェンダー）もいる。日本にっぽんでは性せい同一どういつ性せい障害しょうがい（現在げんざいは性別せいべつ不ふ合ごう）の診断しんだん書しょを取得しゅとくし、女性じょせいホルモン剤ざいの投与とうよと性別せいべつ適合てきごう手術しゅじゅつ及および、場合ばあいによっては美容びよう整形せいけいや医療いりょう脱毛だつもう・声帯せいたい手術しゅじゅつ・喉頭こうとう隆起りゅうき切除せつじょ術じゅつなどを施術しじゅつし、裁判所さいばんしょに書類しょるい等とうを全すべて揃そろえ申もうし立たてることによって戸籍こせき上じょうの性別せいべつを変更へんこうすることが可能かのうである^[18]^[19]^[20]^[21]。

日本にっぽんでは2003年ねんに性せい同一どういつ性せい障害しょうがい者しゃの性別せいべつの取扱とりあつかいの特例とくれいに関かんする法律ほうりつが議員ぎいん立法りっぽうにより成立せいりつし2004年ねんに施行しこうされた。2023年ねん10月がつ25日にちの最高さいこう裁判所さいばんしょでの違憲いけん判決はんけつにより、性別せいべつ変更へんこうの要件ようけんが再さい検討けんとうされている^[22]^[23]^[24]^[25]^[26]^[27]^[28]^[29]。

文化ぶんかと社会しゃかい

ジャンヌ・ダルク。イギリスとの闘たたかいで劣勢れっせいに陥おちいり苦境くきょうに陥おちいっていたフランスに登場とうじょう、兵へいたちを鼓舞こぶし士気しきを高たかめるのに成功せいこう、リーダーとしてフランス軍ぐんを導みちびき、勝利しょうりをもたらしたフランスの女傑じょけつ。

生物せいぶつ学がく的てきな性差せいさのほか、社会しゃかい的てき・文化ぶんか的てきに作つくられる性差せいさ（ジェンダー）によっても女性じょせいと男性だんせいは区分くぶんされる^[30]。ジェンダーは社会しゃかい的てきに構築こうちくされるものであるため各かく時代じだいや各かく背景はいけいで異ことなり、また変化へんかしうるものである^[30]。

列国議会同盟れっこくぎかいどうめいの調査ちょうさによる各国かっこく下院かいんの2019年度ねんど男女だんじょ議員ぎいん比率ひりつにおいて、女性じょせい議員ぎいんの割合わりあいは次第しだいに増ふえてきており、なかでもルワンダ 61.3%、キューバ53.2%、ボリビア 53.1%、と、これらの国くにでは女性じょせい議員ぎいんの割合わりあいのほうが50%を越こえており男性だんせい議員ぎいんより多おおい^[31]。50%越こえまでいかない国々くにぐにでも、メキシコ 48.2%、スウェーデン 47.3%、グレナダ 46.7%、ナミビア46.2%、コスタリカ 45.6%、ニカラグア 44.6%、南みなみアフリカ 42.7%、セネガル 41.8%、フィンランド 41.5%、スペイン 41.1%、ノルウェー 40.8%、ニュージーランド 40.0%、フランス 39.7%、モザンビーク 39.6%...など、女性じょせい議員ぎいんの割合わりあいが30%をはるかに越こえる割合わりあいになっている国くには非常ひじょうに多おおく、次第しだいに増ふえてきている。

一いち国こくの首相しゅしょうや大統領だいとうりょうが女性じょせいである国くにも次第しだいに増ふえてきている。イギリスでは1979年ねん5月がつから1990年ねん11月がつまで首相しゅしょうがマーガレット・サッチャーであり、王おうも1952年ねんから2022年ねんまでエリザベス2世せい（女王じょおう）であった。ドイツでは首相しゅしょうは2005年ねん11月から2021年ねん12月がつまでアンゲラ・メルケルであり、国民こくみんからの評価ひょうかが高たかくドイツ史しに残のこる長期ちょうき政権せいけんとなった。ニュージーランドの首相しゅしょうは2017年ねん10月がつよりジャシンダ・アーダーン。フィンランドの首相しゅしょうも2019年ねんからサンナ・マリンである。モルドバの首相しゅしょうも2021年ねん8月がつよりナタリア・ガブリリツァ（en:Natalia Gavrilița）であり、スウェーデンも首相しゅしょうは2021年ねん11月から2022年ねん10月がつまでマグダレナ・アンデションであった。ハンガリーでも大統領だいとうりょうが2022年ねん3月がつからノバーク・カタリン（en:Katalin Novák）となった。

併あわせて、日本にっぽんでは2023年ねん 6月がつにLGBT理解りかい増進ぞうしん法ほうが施行しこうされ、全すべての女性じょせいに対たいして社会しゃかい環境かんきょうが従前じゅうぜんの女おんならしさを押おし付つけず、性せい表現ひょうげん等ひとしや性的せいてき指向しこうなどの多様たよう性せいある自分じぶんらしく生いきれるよう社会しゃかい的てき理解りかいを守まもる法律ほうりつが成立せいりつした。

イギリス首相しゅしょうとなったマーガレット・サッチャー
ドイツ首相しゅしょうとなったアンゲラ・メルケル（4期き目め当時とうじの写真しゃしん）。仕事しごとぶりが見事みごとで、国民こくみんからの信頼しんらい・評価ひょうかが高たかく、歴史れきし的てき長期ちょうき政権せいけんとなった。
ニュージーランド首相しゅしょう（2017年ねん10月がつ - ）ジャシンダ・アーダーン
欧州おうしゅう委員いいん会かい委員いいん長ちょう（2019年ねん12月 -）ウルズラ・フォン・デア・ライエン
東京とうきょう都知事とちじ^{[注釈ちゅうしゃく 2]}（2016年ねん8月がつ -) 小池こいけ百合子ゆりこ。2022年ねん12月にはフォーブス誌しの「世界せかいで最もっとも影響えいきょう力りょくがある女性じょせい100人にん」に選えらばれた^[33]。
2017年ねんに国連こくれん事務じむ次長じちょうとなった中ちゅう満まん泉いずみ。2018年ねんにはフォーチュン誌し発表はっぴょうの「世界せかいの最もっとも偉大いだいなリーダー50人にん」に選えらばれた。
フィンランド首相しゅしょうサンナ・マリン(2019年ねん12月 - )
モルドバ首相しゅしょうナタリア・ガブリリツァ（2021年ねん7月がつ - )

歴史れきし

男性だんせいと女性じょせいの果はたす役割やくわりは、どの文化ぶんかにおいても異ことなるものとされてきたが、その役割やくわりの性せいによる差さの中身なかみは各かく文化ぶんかによって千差万別せんさばんべつであり、また必かならずしも対極たいきょくをなすものでもなかった^[34]。社会しゃかいはたいていの場合ばあい家族かぞくの集合しゅうごうによるが、父母ちちははのどちらを重視じゅうしするかによって、父系ふけい制せい、母系ぼけい制せい、そして双そう系けい制せいの3つに分わかれていた。父系ふけい制せいの場合ばあい父ちちの権力けんりょくが一般いっぱんに強つよいのに対たいし、母系ぼけい制せい社会しゃかいでは一般いっぱんに家庭かてい内ないにおける父ちちの権力けんりょくは弱よわく、母ははが実権じっけんを握にぎっていることが多おおいが、母系ぼけい制せい社会しゃかいにおいても女性じょせいが社会しゃかいの実権じっけんを握にぎっているわけではなく、母方ははかたの伯父おじなど母方ははかた男性だんせいの権力けんりょくが強つよかった。「母方ははかた女性じょせいが社会しゃかい権力けんりょくを握にぎる母権ぼけん制せい社会しゃかい」は、かつてそのようなものが存在そんざいしたと想像そうぞうされたものの実在じつざいが確認かくにんされず、歴史れきし的てきな母権ぼけん制せい社会しゃかいは空想くうそう上じょうの概念がいねんであると理解りかいされている^[35]。

しかし母系ぼけい制せいの中なかでも、ワイアンドット族ぞく^[36]やイロコイ連邦れんぽうのようなアメリカ先住民せんじゅうみんにおいては、首長しゅちょうの任免にんめん権けんにおいて女性じょせいが優越ゆうえつする例れいもある（首長しゅちょう自体じたいは男性だんせいに限かぎられていたが、この地位ちいは平時へいじにおいても戦時せんじにおいても他たの氏族しぞく員いんに対たいして権利けんりにおいて優越ゆうえつせず、氏族しぞく全体ぜんたいの意思いしと、罷免ひめん権けんを持もつ女性じょせいの意思いしを尊重そんちょうせねばならなかった）^[37]。

さらに中国ちゅうごく雲南うんなん省しょうのモソ人じん（英語えいご版ばん）においては、財産ざいさんと血統けっとうを母系ぼけいで継承けいしょうし、女おんな家長かちょうが土地とち・家屋かおく・財産ざいさんを管理かんりしている（母方ははかたオジは女おんな家長かちょうに次つぐ地位ちいとして、対外たいがい交渉こうしょうなどを担当たんとうする）^[38]。モソ人じんには女児じょじ選好せんこうがあり^[39]、また葬儀そうぎの準備じゅんびや屠殺とさつなどの不浄ふじょうな役割やくわりは男性だんせいが担当たんとうする^[40]。

インドのメーガーラヤ州しゅうに分布ぶんぷするカーシ人じん（英語えいご版ばん）（プナール人じん（英語えいご版ばん））は母系ぼけい制せいの妻つま方かた居住きょじゅう婚こんであり、女児じょじ選好せんこうがあるうえ、末すえの娘むすめが最大さいだいの財産ざいさんを相続そうぞくする^[41]。カーシ社会しゃかいでの父親ちちおやや叔父おじの地位ちいの低ひくさに不満ふまんを持もつ男性だんせいたちが、家父長制かふちょうせいの導入どうにゅうを目指めざして1990年ねんから「男性だんせい解放かいほう団体だんたい」を組織そしきして活動かつどうしているが、その勢力せいりょくは微弱びじゃくである^[41]。

インドネシアのミナンカバウ人じんも母系ぼけい制せいの妻つま方かた居住きょじゅう婚こんであり、その社会しゃかいにおいては女性じょせいが財産ざいさんを相続そうぞくし、伝統でんとう儀式ぎしきや天然てんねん資源しげん・家計かけいの管理かんりにおいて実権じっけんを握にぎっている^[42]。ギニアビサウのビジャゴ諸島しょとうでは、女性じょせいが社会しゃかい福祉ふくし・経済けいざい・司法しほう・宗教しゅうきょう・婚姻こんいんにおいて優位ゆういであり、男性だんせいは「義務ぎむから解放かいほうされた年少ねんしょう者しゃ」として扱あつかわれる^[43]。

女性じょせいが男性だんせいに比ひして不利ふりな条件下じょうけんかに置おかれることは多おおい。一いち例れいとして、世界せかい全体ぜんたいでの女性じょせいの非ひ識字しきじ率りつは男性だんせいの非ひ識字しきじ率りつよりもはるかに高たかく、2000年ねんの統計とうけいによると、男性だんせいの非ひ識字しきじ者ものが14.8%で、女性じょせいの非ひ識字しきじ者しゃは25.8%だった^[44]。

その一方いっぽうで、高等こうとう教育きょういく段階だんかいでは女子じょし学生がくせいの世界せかい的てきに見みても、女子じょし学生がくせいの進学しんがく率りつ・卒業そつぎょう率りつが男子だんし学生がくせいを上回うわまわっている。2009年ねんの時点じてんで、ヨーロッパと北米ほくべいではスイス1国こくを除のぞき、すべての国くにで高等こうとう教育きょういく機関きかんの女子じょし学生がくせい割合わりあいが男子だんし学生がくせいを上回うわまわっている^[45]。アメリカでは、1920年代ねんだいにすべての州しゅうで高校こうこうの出席しゅっせき率りつ・卒業そつぎょう率りつにおいて女子じょしが男子だんしを上回うわまわった^[46]。2021年ねんの時点じてんで大学だいがくへの入学にゅうがく率りつと卒業そつぎょう率りつも男子だんしより高たかく^[46]、2014年ねんの時点じてんで学士がくし号ごう・修士しゅうし号ごう・博士はかせ号ごうのすべての取得しゅとく者しゃ数すうにおいて、男子だんしを上回うわまわっている^[47]。2022年ねんのユネスコ報告ほうこく書しょにおいても、高等こうとう教育きょういく段階だんかいへの進学しんがく者しゃ数すうは世界せかい平均へいきんで女子じょし100人にんに対たいして男子だんし88人にんに留とまり、この男女だんじょ格差かくさはサブサハラを除のぞいたすべての地域ちいきで共通きょうつうしている^[48]。高等こうとう教育きょういく段階だんかいで男子だんしが立たち遅おくれる理由りゆうには、苛酷かこくな規律きりつ、体罰たいばつなど学校がっこうにおける暴力ぼうりょく、ジェンダー化かされた規範きはんと期待きたい、そして貧困ひんこんと児童じどう労働ろうどうがあると指摘してきされている^[48]。

18世紀せいき末すえ以降いこう、女性じょせいの権利けんり拡大かくだいや男女だんじょ同権どうけんを求もとめるフェミニズムが徐々じょじょに勢力せいりょくを拡大かくだいした。初期しょきフェミニズムの重要じゅうような目標もくひょうは女性じょせい参政さんせい権けんの獲得かくとくであり、1893年ねんのニュージーランドにおいて世界せかい初はつの女性じょせい参政さんせい権けんが承認しょうにんされ^[49]（ただし、被選挙権ひせんきょけんは1919年ねんから）、これを皮切かわきりに世界せかい各国かっこくで女性じょせい参政さんせい権けんが認みとめられるようになった。1979年ねんには国際こくさい連合れんごうで女子じょしに対たいするあらゆる形態けいたいの差別さべつの撤廃てっぱいに関かんする条約じょうやくが採択さいたくされた^[50]。

日本にっぽん

日本にっぽんでは1972年ねんに勤労きんろう婦人ふじん福祉ふくし法ほうが成立せいりつし、さらに1985年ねんにはこれを改正かいせいして「雇用こようの分野ぶんやにおける男女だんじょの均等きんとうな機会きかい及および待遇たいぐうの確保かくほ等とうに関かんする法律ほうりつ」（男女だんじょ雇用こよう機会きかい均等きんとう法ほう）が成立せいりつした^[51]。1999年ねんには男女だんじょ共同きょうどう参画さんかく社会しゃかい基本きほん法ほうが施行しこうされた^[52]。