岩佐いわさ凱実

岩佐いわさ 凱實（いわさ よしざね、1906年ねん（明治めいじ39年ねん）2月がつ6日にち - 2001年ねん（平成へいせい13年ねん）10月14日にち）は、日本にっぽんの銀行ぎんこう家か。富士銀行ふじぎんこう頭取とうどり、経済同友会けいざいどうゆうかい代表だいひょう幹事かんじ、経団連けいだんれん副ふく会長かいちょう。日本にっぽん心臓しんぞう財団ざいだん会長かいちょうを務つとめた。

いわさ よしざね 岩佐いわさ 凱實
生誕せいたん	(1906-02-26) 1906年ねん2月がつ26日にち 東京とうきょう
死没しぼつ	(2001-10-14) 2001年ねん10月14日にち（95歳さい没ぼつ）
死因しいん	肺炎はいえん
出身しゅっしん校こう	東京とうきょう帝国ていこく大学だいがく法学部ほうがくぶ
職業しょくぎょう	銀行ぎんこう家か
配偶はいぐう者しゃ	岩佐いわさ道みち
栄誉えいよ	勲一等くんいっとう瑞宝章ずいほうしょう（1976年ねん）勲一等くんいっとう旭日大綬章あさひだいじゅしょう（1986年ねん）

来歴らいれき・人物じんぶつ

日にち露ろ戦争せんそうで黒木くろき第だい二に軍ぐんの参謀さんぼうを務つとめた島田しまだ由ゆかり五郎ごろうの次男じなんとして東京とうきょうで生うまれる。 凱旋がいせん後ごに実みのった子こということから凱実と名付なづけられた。

豊島としま師範しはん附属ふぞく小学校しょうがっこう、開成かいせい中学ちゅうがく、旧制きゅうせい二に高だかを経へて、東京とうきょう帝国ていこく大学だいがく法学部ほうがくぶを卒業そつぎょう。大学だいがく卒業そつぎょう前まえに日本興業銀行にほんこうぎょうぎんこう理事りじを歴任れきにんした岩佐いわさ珵蔵の養子ようしとして珵蔵の姪めい・道みちの婿むことなる。

横浜よこはま正金しょうきん銀行ぎんこうへの入行にゅうこうを志望しぼうしたが叶かなわなかったため、1928年ねん（昭和しょうわ3年ねん）に富士銀行ふじぎんこうの前身ぜんしんである安田やすだ銀行ぎんこうに入行にゅうこう。初はつ任地にんちとして小舟こぶね町まち支店してんに配属はいぞくとなる。

金子かねこ鋭するど頭取とうどりの引びきによって課長かちょうに就任しゅうにんしてからわずか2年ねん半はんで常務じょうむに昇格しょうかくし、住友銀行すみともぎんこう系列けいれつであった丸紅まるべにに融資ゆうし攻勢こうせいを掛かけ、富士ふじの融資ゆうし金額きんがくが住友すみともを上回うわまわると丸紅まるべにに経営けいえい不振ふしんであった高島屋たかしまや飯田いいだとの合併がっぺいを持もちかけ、丸紅まるべに飯田いいだを誕生たんじょうさせたことで、その手腕しゅわんが広ひろく認知にんちされた。

1963年ねん（昭和しょうわ38年ねん）に頭取とうどりに就任しゅうにんする。翌年よくねん後半こうはんから65年ねんにかけての証券しょうけん不ふ況きょうの折おりには、日本にっぽん共同きょうどう証券しょうけんの設立せつりつや山一證券やまいちしょうけんの経営けいえい危機ききを金融きんゆう当局とうきょく等とうと連携れんけいして事案じあん処理しょりに奔走ほんそうし、66年ねん1月がつには融資ゆうし系列けいれつの社長しゃちょう会かいである芙蓉ふよう会かいを発足ほっそくさせた。71年ねんに会長かいちょう、75年ねんに相談役そうだんやくとなる。このほか、65年ねんには創業そうぎょう85周年しゅうねん記念きねん事業じぎょうの一環いっかんとして全国ぜんこくの新入学しんにゅうがく児童じどうに黄色おうしょくの腕章わんしょうを贈おくる交通こうつう安全あんぜんキャンペーンの展開てんかいを始はじめ、翌年よくねんには安田火災海上保険やすだかさいかいじょうほけんと安田生命保険やすだせいめいほけん、67年ねんには安田信託銀行やすだしんたくぎんこうもその趣旨しゅしに賛同さんどうして参加さんかした。

財界ざいかい活動かつどうでも活躍かつやくし、1958年ねん（昭和しょうわ33年ねん）から中山なかやま素もと平ひらたの後のちを受うけ、経済同友会けいざいどうゆうかい代表だいひょう幹事かんじを務つとめ、木き川田かわた一隆かずたか、井上いのうえ英えい煕ひろしとコンビを組くんだ。またアメリカとの貿易ぼうえき悪化あっかを懸念けねんする国際こくさい派は財界ざいかい人じんが結成けっせいした日米にちべい財界ざいかい経済けいざい協議きょうぎ会かいの代表だいひょう世話人せわにんに選えらばれ、日米にちべい民間みんかん経済けいざい人じんの交流こうりゅうにも尽力じんりょくした。

2001年ねん10月がつ14日にち、肺炎はいえんで死去しきょ。享年きょうねん95。富士ふじ主催しゅさいのお別わかれの会かいがホテルオークラで開ひらかれ、多磨たま霊園れいえんに埋葬まいそうされる。

家族かぞく

• 実父じっぷ・島田しまだ由ゆかり五郎ごろう - 陸軍りくぐん少将しょうしょう、のち上毛撚糸じょうもうねんし社長しゃちょう。
• 養父ようふ・岩佐いわさ珵蔵（1866～1941） - 銀行ぎんこう家か。愛媛えひめ県けん新居にのい郡ぐん沢津さわづ村むら（現げん・新居浜にいはま市し）生うまれ。士族しぞく・岩佐いわさ愛馬あいばの長男ちょうなん。東京とうきょうの共立きょうりつ英和えいわ学校がっこう、第だい三さん高等こうとう中学校ちゅうがっこう、東京とうきょう帝国ていこく大学だいがく法科ほうか政治せいじ学科がっかを卒業そつぎょう。大蔵省おおくらしょうに入省にゅうしょうし日本銀行にっぽんぎんこうに移うつる。のちに東洋とうよう拓殖たくしょく会社かいしゃ（京きょう城しろ）設立せつりつと同時どうじに理事りじとなり、上地うえち開発かいはつ事業じぎょうを手てがけた。1914年ねんから36年ねんまでは日本興業銀行にほんこうぎょうぎんこう理事りじ、監査かんさ役やくを務つとめた。妻つまのナミは子爵ししゃく税所さいしょ篤あつしの娘むすめ。
• 妻つま・道みち - 珵蔵の弟おとうと・岩佐いわさ運平うんぺいの二女じじょ、珵蔵の養子ようし。女子じょし学習がくしゅう院いん出身しゅっしん。
• 長男ちょうなん・海うみ蔵ぞう - 元もと富士ふじアドシステム副ふく社長しゃちょう。岳父がくふに乾いぬい豊彦とよひこ。娘むすめ婿むこの笠原かさはら慶久よしひさは肥後銀行ひごぎんこう頭取とうどり。
• 長女ちょうじょ - 昭和電工しょうわでんこう社長しゃちょうを務つとめた大橋おおはし光夫みつおのもとに嫁とつぐ。

著書ちょしょ

• 『櫟くぬぎ庵あん岩佐いわさ珵蔵』岩佐いわさ凱実、1943年ねん。
• 『回想かいそう八はち十じゅう年ねん グローバリストの眼め』日本にっぽん法制ほうせい学会がっかい、1990年ねん。ISBN 4931147216

先代せんだい 金子かねこ鋭するど

富士銀行ふじぎんこう頭取とうどり 第だい3代だい：1963年ねん5月がつ - 1971年ねん5月がつ

次代じだい 佐々木ささき邦彦くにひこ

先代せんだい 小倉おぐら武一たけいち

アジア経済けいざい研究所けんきゅうじょ会長かいちょう 第だい4代だい：1975年ねん7月がつ - 1980年ねん6月がつ

次代じだい 篠原しのはら三さん代だい平ひらた

先代せんだい 河野こうの文彦ふみひこ

経済けいざい団体だんたい連合れんごう会かい評議ひょうぎ員いん会かい議長ぎちょう 第だい7代だい：1980年ねん5月がつ - 1986年ねん5月がつ

次代じだい 山下やました勇いさむ