平野ひらの力三りきぞう

平野ひらの 力三りきぞう（ひらの りきぞう、1898年ねん11月5日にち - 1981年ねん12月17日にち）は、日本にっぽんの農民のうみん運動うんどう家か、政治せいじ家か。反はん資本しほん・反はんファッショ・反共はんきょう農民のうみん運動うんどうの指導しどう者しゃとなり、のち国家こっか社会しゃかい主義しゅぎ者しゃとなる。数々かずかずの政党せいとう結成けっせいに関かかわり「政界せいかいの策士さくし」と呼よばれ、戦後せんごも衆議院しゅうぎいん議員ぎいんとして活動かつどうし、片山かたやま内閣ないかくの農林のうりん大臣だいじんを務つとめた。

日本にっぽんの政治せいじ家か 平野ひらの 力三りきぞう ひらの りきぞう
1954年ねん
生年月日せいねんがっぴ	1898年ねん11月5日にち
出生しゅっしょう地ち	岐阜ぎふ県けん郡上こおりかみ郡ぐん大和やまと村むら
没ぼつ年月日ねんがっぴ	(1981-12-17) 1981年ねん12月17日にち（83歳さい没ぼつ）
出身しゅっしん校こう	早稲田大学わせだだいがく政経せいけい科か
前ぜん職しょく	日本にっぽん農民のうみん組合くみあい会長かいちょう
所属しょぞく政党せいとう	（社会しゃかい民衆みんしゅう党とう→） （日本にっぽん大衆たいしゅう党とう→） （日本にっぽん農民のうみん党とう→） （日本にっぽん国家こっか社会党しゃかいとう→） （皇すめらぎ道どう会かい→） （翼賛よくさん政治せいじ体制たいせい協議きょうぎ会かい→） （翼賛よくさん政治せいじ会かい→） （大だい日本にっぽん政治せいじ会かい→） （日本にっぽん社会党しゃかいとう→） （社会しゃかい革新党かくしんとう→） （協同きょうどう党とう→） （社会党しゃかいとう右派うは→） （日本にっぽん社会党しゃかいとう→） 無所属むしょぞく
称号しょうごう	勲くん二に等とう 旭日重光章きょくじつじゅうこうしょう
配偶はいぐう者しゃ	平野ひらの成子しげこ（参議院さんぎいん議員ぎいん）
親族しんぞく	平野ひらの照子てるこ（三さん女じょ）・平野ひらの三郎さぶろう（甥おい）・内田うちだ樹いつき（姻戚いんせき）・平野ひらの力也りきや（曽そ孫まご）=若わかき日ひの平野ひらの力三りきぞうをテーマにした作文さくぶん『天辺てっぺんの月つき』で第だい61回かい全国ぜんこく小・中学生しょうちゅうがくせい作文さくぶんコンクールで読売新聞社よみうりしんぶんしゃ賞しょう受賞じゅしょう。
第だい7代だい農林のうりん大臣だいじん
内閣ないかく	片山かたやま内閣ないかく
在任ざいにん期間きかん	1947年ねん6月1日にち - 1947年ねん11月4日にち
衆議院しゅうぎいん議員ぎいん
選挙せんきょ区く	山梨やまなし県けん全県ぜんけん区く
当選とうせん回数かいすう	3回かい
在任ざいにん期間きかん	1952年ねん10月1日にち - 1955年ねん1月がつ24日にち
衆議院しゅうぎいん議員ぎいん
選挙せんきょ区く	山梨やまなし県けん全県ぜんけん区く
当選とうせん回数かいすう	5回かい
在任ざいにん期間きかん	1936年ねん2月がつ20日はつか - 1948年ねん2月がつ4日にち

兄あにに平野ひらの増吉ますきち、夫人ふじんの平野ひらの成子しげこは日本にっぽん社会党しゃかいとう参議院さんぎいん議員ぎいん。二女じじょの平野ひらの義子よしこは「呼よび屋や」と呼よばれた神かみ彰あきらの後妻ごさいとなった。三女さんじょの平野ひらの照子てるこは、民社党みんしゃとうで活動かつどうした。自由民主党じゆうみんしゅとう衆議院しゅうぎいん議員ぎいんから岐阜ぎふ県知事けんちじを務つとめた平野ひらの三郎さぶろうは甥おいにあたる。

来歴らいれき・人物じんぶつ

1898年ねん（明治めいじ31年ねん）11月5日にち岐阜ぎふ県けん大和やまと村むら（現げん郡上こおりかみ市し）に生うまれる。1920年ねん（大正たいしょう9年ねん）拓殖大学たくしょくだいがく中国語ちゅうごくご科かを経へて、1923年ねん（大正たいしょう12年ねん）早稲田大学わせだだいがく政経せいけい科かを卒業そつぎょうする。

建設けんせつ者しゃ同盟どうめいをへて山梨やまなし県けんの農民のうみん運動うんどうを指導しどうし、1924年ねん（大正たいしょう14年ねん）日本にっぽん農民のうみん組合くみあい(日にち農のう)山梨やまなし県連けんれん主事しゅじとなる。1926年ねん（大正たいしょう15年ねん）に日にち農のうの左傾さけい化かに反発はんぱつして離脱りだつし、全日本ぜんにほん農民のうみん組合くみあい同盟どうめいを結成けっせいして会長かいちょうに就任しゅうにん。

社会しゃかい民衆みんしゅう党とうの結成けっせいに関かかわるが、安部あべ磯雄いそおと対立たいりつし一いち時じは麻生あそう久ひさらと共ともに日本にっぽん大衆たいしゅう党とうを結成けっせい、党とう書記しょき長ちょうとなった。しかし大衆たいしゅう党とうの首脳しゅのう部ぶが財界ざいかいから資金しきんを受うけ取とっていたことが判明はんめいしたことから党内とうない対立たいりつを招まねき、大衆たいしゅう党とうを追おわれる格好かっこうで平野へいやは1926年ねん（大正たいしょう15年ねん）10月がつに日本にっぽん農民のうみん党とうを独自どくじに結成けっせいし、幹事かんじ長ちょうに就任しゅうにん。

1928年ねん（昭和しょうわ3年ねん）に日本にっぽん農民のうみん党とうは日本にっぽん労農ろうのう党とうと合併がっぺいして日本にっぽん大衆たいしゅう党とうを結成けっせいし、平野へいやは書記しょき長ちょうに就任しゅうにんするが、第だい56回かい帝国ていこく議会ぎかいでの政府せいふ案あん賛成さんせいとひきかえに張ちょう作さく霖問題もんだいなどを抱かかえる田中たなか義一ぎいち首相しゅしょうから相当そうとう額がくを受領じゅりょうしたことなどが暴露ばくろされ、1929年ねん（昭和しょうわ4年ねん）5月がつ16日にち、党紀とうき撹乱かくらん者しゃとして他ほかの幹部かんぶら4人にんとともに除名じょめいされる(清きよし党とう事件じけん)。

その後ごも田中たなか・宇垣うがき一成いっせいら軍部ぐんぶ首脳しゅのうとの関係かんけいは深ふかく、1932年ねん（昭和しょうわ7年ねん）に日本にっぽん国家こっか社会党しゃかいとうを組織そしきし、更さらに在郷ざいきょう軍人ぐんじん団体だんたいと農民のうみんの提携ていけいを打うち出だし1933年ねん（昭和しょうわ8年ねん）に皇すめらぎ道どう会かいを結成けっせいして常任じょうにん幹事かんじに就任しゅうにんする。1936年ねん（昭和しょうわ11年ねん）に行おこなわれた第だい19回かい衆議院しゅうぎいん議員ぎいん総そう選挙せんきょに皇すめらぎ道どう会かい公認こうにんで山梨やまなし県けんから立候補りっこうほし、当選とうせん。以後いご、通算つうさん8期き務つとめる。

戦後せんご、日本にっぽん社会党しゃかいとう結成けっせいに参加さんかする。社会党しゃかいとうでは右派うはに所属しょぞくし、常任じょうにん中央ちゅうおう執行しっこう委員いいんなどを歴任れきにんする。1947年ねん（昭和しょうわ22年ねん）2月がつには反はん資本しほん・反はんファッショ・反はん共産きょうさんの三さん反はん主義しゅぎを掲かかげて全国ぜんこく農民のうみん組合くみあいを結成けっせいした。

同年どうねんの第だい23回かい衆議院しゅうぎいん議員ぎいん総そう選挙せんきょで社会党しゃかいとうが第だい一いち党とうとなり片山かたやま内閣ないかくが成立せいりつすると農林のうりん大臣だいじんとして入閣にゅうかくするが、内閣ないかく官房かんぼう長官ちょうかんの西尾にしお末広すえひろと対立たいりつし、罷免ひめんされる。日本国にっぽんこく憲法けんぽう下したにおける閣僚かくりょう罷免ひめん1例れい目めであった。

1948年ねん2月がつに皇すめらぎ道どう会かいの経歴けいれきに関かんして公職こうしょく追放ついほうとなった際さいには日本にっぽんの司法しほう判断はんだんでは公職こうしょく追放ついほうに該当がいとうしない仮処分かりしょぶんが下くだされたが、GHQの圧あつ力りょくにより「超ちょう法規ほうき的てき措置そちであるから日本にっぽんの司法しほう判断はんだんは及およばない」として、公職こうしょく追放ついほう処分しょぶんが決定けっていした（平野ひらの事件じけん）。これに不満ふまんを持もった平野へいや派はは片かた山内やまうち閣かくに非ひ協力きょうりょく的てきとなり、うち16名めいは2月がつ17日にち、社会党しゃかいとうを離党りとうし社会しゃかい革新党かくしんとうを結成けっせいした。この公職こうしょく追放ついほうに関連かんれんする一連いちれんの騒動そうどうは、GHQ民政みんせい局きょくと前まえ首相しゅしょうの吉田よしだ茂しげるらとの対立たいりつに巻まき込こまれた形かたちだとも言いわれている。

1950年ねん（昭和しょうわ25年ねん）10月13日にちに追放ついほうが解除かいじょされると政界せいかいに復帰ふっき。1951年ねん（昭和しょうわ26年ねん）には社会しゃかい民主党みんしゅとうを結成けっせいし委員いいん長ちょうに就任しゅうにん、翌よく1952年ねん（昭和しょうわ27年ねん）に農民のうみん協同きょうどう党とうと合同ごうどうして協同きょうどう党とうを結成けっせいし引ひき続つづき委員いいん長ちょうとなる。同年どうねん10月がつ社会党しゃかいとう右派うはに合流ごうりゅうする。

しかし、保全ほぜん経済けいざい会かい事件じけんに顧問こもんとして関与かんよしたことから、1954年ねん（昭和しょうわ29年ねん）に事情じじょう聴取ちょうしゅを受うける。その後ご2月がつに衆議院しゅうぎいんで証人しょうにん喚問かんもんをされ、伊藤いとう斗と福ぶく理事りじ長ちょうの話はなしとして「自由党じゆうとうの広川ひろかわ弘ひろし禅ぜんを通つうじて池田いけだ勇人はやと・佐藤さとう栄作えいさくに3000万まん円えん、改あらため進しん党とうの重光しげみつ葵まもると大麻たいま唯男ただおに2000万まん円えん、鳩山はとやま一郎いちろうと三木みき武吉たけよしに1000万まん円えんを、それぞれ献金けんきんした」と証言しょうげんする。結局けっきょく、平野へいやはこの責せめを取とる形かたちで社会党しゃかいとう右派うはを離党りとう、1955年ねん衆院しゅういん選せんでは無所属むしょぞくで出馬しゅつばするが落選らくせんに終おわる。

その後ご、1956年ねんの参院さんいん選せん・1958年ねん衆院しゅういん選せん・1967年ねん衆院しゅういん選せんに出馬しゅつばするものの、何いずれも落選らくせんに終おわる。

政界せいかい引退いんたい後ごは、日刊にっかん農業のうぎょう新聞しんぶん社長しゃちょうとなった。

1970年代ねんだいにアメリカの公文書こうぶんしょ館かんに対たいしてGHQの公開こうかいされた内部ないぶ文書ぶんしょを請求せいきゅうし、自身じしんの公職こうしょく追放ついほうが不当ふとうであるとし、ジミー・カーター大統領だいとうりょうに名誉めいよ回復かいふくと2億おく円えんの賠償ばいしょう請求せいきゅうを求もとめ、カーターからは遺憾いかんのメッセージとアメリカ上院じょういんの名誉めいよ回復かいふく決議けつぎを引ひき出だした。

1969年ねん叙じょ勲くん二に等とう授旭日重光章きょくじつじゅうこうしょう。1981年ねん叙じょ従したがえ三さん位い。

編著へんちょ書しょ

• 『社会しゃかい思潮しちょう十じゅう講こう 建設けんせつ者しゃ同盟どうめい講演こうえん集しゅう』編へん. 同人どうじん社しゃ書店しょてん, 1922
• 『農地のうち国家こっか管理かんり法案ほうあん』農地のうち制度せいど改革かいかく同盟どうめい 1941
• 『日本にっぽん農業のうぎょう政策せいさくと農地のうち問題もんだい』一いち杉すぎ書店しょてん 1943
• 『平野ひらの力三りきぞう国会こっかい活動かつどう報告ほうこく 私わたしは農民のうみんの為ために斯かく斗とった』全国ぜんこく農民のうみん組合くみあい総本部そうほんぶ 1953
• 『日本にっぽん農業のうぎょうの新しん路線ろせん 兼業けんぎょう本命ほんめいへの道みち』日刊にっかん農業のうぎょう新聞しんぶん社しゃ 1971
• 『農地のうち改革かいかく闘争とうそうの歴史れきし』日刊にっかん農業のうぎょう新聞しんぶん社しゃ 1972

追悼ついとう録ろく

• 『悲運ひうんの農相のうしょう・平野ひらの力三りきぞう 元もと農林のうりん大臣だいじん・平野ひらの力三りきぞう先生せんせい追想ついそう録ろく』平野ひらの力三りきぞう追想ついそう録ろく刊行かんこう会かい 1982

脚注きゃくちゅう

関連かんれん項目こうもく

• 平野ひらの事件じけん

外部がいぶリンク

• 『平野ひらの力三りきぞう』 - コトバンク

公職こうしょく
先代せんだい 木村きむら小左衛門こざえもん	農林のうりん大臣だいじん 第だい7代だい: 1947年ねん	次代じだい 波多野はたの鼎かなえ