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新石器革命 - Wikipedia

しん石器せっき革命かくめい

しん石器せっき時代じだいにおいて農耕のうこう牧畜ぼくちくはじまる変革へんかく

しん石器せっき革命かくめい(しんせっきかくめい、えい: Neolithic Revolution)とは、しん石器せっき時代じだいにおける人類じんるい農耕のうこう牧畜ぼくちく開始かいし、これに関連かんれんした定住ていじゅう生活せいかつ開始かいしという一連いちれん変革へんかくのことである。「農耕のうこう牧畜ぼくちく」と「定住ていじゅう」のどちらがさきかについては諸説しょせつある。農耕のうこう開始かいしによる観点かんてんから農耕のうこう革命かくめい(のうこうかくめい、あるいは農業のうぎょう革命かくめいとも)や定住ていじゅう生活せいかつ開始かいしによる観点かんてんから定住ていじゅう革命かくめい(ていじゅうかくめい)、食料しょくりょう生産せいさん安定あんていによる観点かんてんから食料しょくりょう生産せいさん革命かくめい(しょくりょうせいさんかくめい)[ちゅう 1][1][2][3]などとも呼称こしょうされる[4]

概要がいよう

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人類じんるい農耕のうこう開始かいしした理由りゆうについては、狩猟しゅりょう採集さいしゅうたよった慢性まんせいてき飢餓きが状態じょうたいからだっするためというせつ[5]や、気候きこう変動へんどうによって狩猟しゅりょう採集さいしゅう生活せいかつ不安定ふあんていとなったてに穀類こくるい採取さいしゅおこなうようになったというせつ[6]、これ以前いぜん人口じんこう増加ぞうかがおき狩猟しゅりょう採集さいしゅう生活せいかつにおける臨界りんかいてん突破とっぱしたため、それまで食料しょくりょう認識にんしきされていなかった穀類こくるい採取さいしゅおこなうようになったというせつ(M.コーエン)など諸説しょせつある[6]。また、定住ていじゅう生活せいかつはじめたことにより必然ひつぜんてき農耕のうこう牧畜ぼくちくはじめるにいたったというせつもある[4][7][8]

農耕のうこう開始かいしした時期じきについても諸説しょせつあるが、しん石器せっき革命かくめい提唱ていしょう[9]したマルクス主義まるくすしゅぎ考古こうこ学者がくしゃヴィア・ゴードン・チャイルドによれば、紀元前きげんぜん1まんねんから紀元前きげんぜん8000ねんごろシュメールはじまり、これとは独立どくりつして紀元前きげんぜん9500ねんから紀元前きげんぜん7000ねんごろインドペルーでもはじまったとされる。その紀元前きげんぜん6000ねんごろエジプト紀元前きげんぜん5000ねんごろ中国ちゅうごく紀元前きげんぜん2700ねんごろメソアメリカでも開始かいしされるにいたった(農耕のうこう開始かいし時期じきについての詳細しょうさいは、「先史せんし時代じだい#農耕のうこう開始かいし」および「農耕のうこう#農耕のうこう歴史れきし」を参照さんしょう)。

農耕のうこう牧畜ぼくちく開始かいしにより、それまでの狩猟しゅりょう採集さいしゅうによる獲得かくとく経済けいざいから安定あんていした食料しょくりょう生産せいさん可能かのうとする生産せいさん経済けいざいへと移行いこうした(食料しょくりょう生産せいさん革命かくめい[1][2][3]生産せいさんせい向上こうじょうにより人口じんこう急増きゅうぞうし、さらなる生産せいさんりょく向上こうじょうつながり農耕のうこう牧畜ぼくちく社会しゃかい拡大かくだいしていった[3]一方いっぽう定住ていじゅう生活せいかつにより集団しゅうだん組織そしきき、やがて定着ていちゃく集落しゅうらく村落そんらく)が形成けいせいされた。また、いち箇所かしょまることが可能かのうとなったことで余暇よかまれ、時間じかんけて様々さまざまもの製作せいさくできるようになり、石器せっきもより手入ていれを必要ひつようとするすりせい石器せっき主流しゅりゅうとなっていった。余剰よじょう生産せいさん労働ろうどうりょくにより社会しゃかいゆとりまれ、交易こうえきおこな行商ぎょうしょう専門せんもん技術ぎじゅつにな職人しょくにんてくるようになった[10]定住ていじゅう農耕のうこう社会しゃかい分業ぶんぎょう促進そくしんさせていくととも階級かいきゅうしょうじ、社会しゃかい構造こうぞう複雑ふくざつすることで文明ぶんめいとなり[11]、やがて国家こっか市場いちば誕生たんじょうするにいたっている。

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ 食糧しょくりょう生産せいさん革命かくめいとも表記ひょうき

出典しゅってん

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  1. ^ a b 高等こうとう学校がっこう地理ちり歴史れきし世界せかいB[いつ?][ようページ番号ばんごう]
  2. ^ a b ヴィア・ゴードン・チャイルド「食料しょくりょう生産せいさん革命かくめい
  3. ^ a b c 世界せかいだい百科ひゃっか事典じてん採集さいしゅう狩猟しゅりょう文化ぶんか
  4. ^ a b 松木まつき武彦たけひこ進化しんか考古学こうこがくだい冒険ぼうけん』(新潮しんちょう選書せんしょ)/参考さんこう進化しんか考古学こうこがくだい冒険ぼうけん松木まつき武彦たけひこ (新潮しんちょう選書せんしょ)文芸ぶんげい評論ひょうろん 加藤かとう弘一こういち/紀伊国屋きのくにや書店しょてん 書評しょひょう空間くうかん. 2014ねん3がつ29にち閲覧えつらん
  5. ^ トマス・ロバート・マルサス人口じんこうろん』、ルイス・ヘンリー・モーガン文化ぶんか進化しんかせつ」、ヴィア・ゴードン・チャイルド「しん石器せっき革命かくめい
  6. ^ a b 先史せんし時代じだいワールドモデルの構築こうちくはら俊彦としひこ/北海道東海大学ほっかいどうとうかいだいがく国際こくさい文化ぶんか学部がくぶ植木うえきたけし/共立きょうりつ女子じょし短期大学たんきだいがく生活せいかつ科学かがく学科がっか/札幌さっぽろ市立しりつ大学だいがくデザイン学部がくぶ, 2014ねん3がつ29にち閲覧えつらん
  7. ^ 西田にしだ正規まさき人類じんるいのなかの定住ていじゅう革命かくめい』 (講談社こうだんしゃ学術がくじゅつ文庫ぶんこ[ようページ番号ばんごう]
  8. ^ 谷行たにいきじん世界せかい構造こうぞう』(岩波書店いわなみしょてん[ようページ番号ばんごう]
  9. ^ 佐藤さとう洋一郎よういちろうしょく人類じんるい ユーラシアの狩猟しゅりょう採集さいしゅう農耕のうこう遊牧ゆうぼく中央公論ちゅうおうこうろんしんしゃ、2016ねん、76ぺーじISBN 978-4-12-102367-4 
  10. ^ 世界せかいだい百科ひゃっか事典じてんしん石器せっき時代じだい」「チャイルド」
  11. ^ 西村にしむらしん人類じんるいがく概論がいろん文化ぶんか人類じんるいがく』、p.45早稲田大学わせだだいがく出版しゅっぱん、1924ねん

関連かんれん項目こうもく

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