淡水たんすい

淡水たんすい（たんすい）あるいは真水しみず（まみず）とは、第だい1義ぎとして、塩分えんぶん濃度のうどの低ひくい水みずの包括ほうかつ的てき呼称こしょう（地球ちきゅうを含ふくむ宇宙うちゅうの天体てんたい上うえに存在そんざいする）。第だい2義ぎとしては、陸棲りくせいの生物せいぶつが生体せいたい維持いじのために利用りよう可能かのうな程度ていどに塩分えんぶん濃度のうどが低ひくい水みずのことである（地球ちきゅうにのみ存在そんざいする。cf. 水みず#生物せいぶつと水みず）。

地表ちひょう面めんの淡水たんすい（ニュージーランドのハウェア湖こ）

淡水たんすいは降水こうすいとして陸地りくちにもたらされて地下水ちかすいや川かわとなり、流ながれを集あつめて大おおきな川かわとなる（日本にっぽんの白糸しらいとの滝たき）

南極大陸なんきょくたいりくの雪原せつげんは地球ちきゅう上じょうの主要しゅような淡水たんすいである

古来こらい、生活せいかつの中なかに存在そんざいしてきた淡水たんすい（イタリアのエンディネ・ガイアーノの水飲みずのみ場じょう）

呼称こしょう

ミネラルなどの濃度のうどが高たかすぎても低ひくすぎても淡水たんすいとは呼よばれず、別べつの呼称こしょうが用もちいられる（高こう濃度のうど=汽水・海水かいすいなど、低てい濃度のうど=純じゅん水みずなど）。また、鹹水かんすいの対義語たいぎごである。

英語えいごでは freshwater （fresh water とも記しるす。発音はつおん[ˈfrɛʃˌwɔtər, -ˌwɒtər]日本語にほんご慣習かんしゅう的てき読よみ：フレッシュウォーター）と言いう。

存在そんざいの仕方しかた

→「水みず § 地球ちきゅう上じょうの水みず」も参照さんしょう

淡水たんすいは、地球ちきゅうの表面ひょうめんでは、流ながれる水みず（河川かせんなど）や溜たまった水みず（湖沼こしょう）、降ふり積つもった氷雪ひょうせつ（雪原せつげんや氷河ひょうが）などの状態じょうたいで存在そんざいする。また、地下ちかでは、氷雪ひょうせつを含ふくめて地下水ちかすいとして、流動りゅうどうする状態じょうたいあるいは閉とじ込こめられた状態じょうたいで存在そんざいする。一方いっぽう、海うみには海うみ氷ごおり以外いがいの流氷りゅうひょう（氷山ひょうざんを含ふくむ）として淡水たんすいが存在そんざいする。なお、地球ちきゅう上じょうにある水みずの中なかで淡水たんすいの割合わりあいは2.5%であるが、その約やく7割わりが氷河ひょうがとして存在そんざいしている。

人間にんげんが水みず資源しげんとして容易よういに利用りよう可能かのうな淡水たんすいは河川かせん水すいや土壌どじょう水すいで、地球ちきゅう上じょうの水みずの0.007%にすぎない。

化学かがく的てき定義ていぎ

淡水たんすいは、「塩分えんぶん濃度のうどが0.05％以下いかの水みず」と定義ていぎされている。淡水たんすいは主おもに雨あめや雪ゆきで供給きょうきゅうされる。

淡水たんすい湖みずうみ濃度のうどの違ちがいによる塩化えんかナトリウム水溶液すいようえきの呼称こしょうの変化へんか
淡水たんすい	汽水	食しょく塩水えんすい	塩水えんすい
0.05% <	0.05 - 3.5%	3.5 - 5.0%	> 5.0%

陸りく水すい

→「陸りく水すい学がく」も参照さんしょう

例外れいがい的てきに塩分えんぶん濃度のうど（ミネラル含有がんゆう度ど）の高たかい河川かせんや湖沼こしょうもあるが、このような水みずも含ふくめた「陸りくに存在そんざいする水みず」を指さす包括ほうかつ的てき呼称こしょうとしては、陸りく水すい（りくすい、特定とくていの英語えいご名めいは無むし）がある。

脚注きゃくちゅう

参考さんこう文献ぶんけん

• 田中たなか正ただし 著ちょ「水みず文ぶん科学かがくとは」、杉田すぎた倫明みちあき・田中たなか正ただし 編へん『水みず文ぶん科学かがく』共立きょうりつ出版しゅっぱん、2009年ねん、1-20頁ぺーじ。ISBN 978-4-320-04704-4。 

関連かんれん項目こうもく

• 水みず - 水みず循環じゅんかん - 水みず資源しげん - 蒸留じょうりゅう水すい - 純じゅん水みず - 軟水なんすい - 硬水こうすい - 海水かいすい - 鹹水かんすい
• 海水かいすい淡水たんすい化か
• 陸りく水すい学がく
• 淡水魚たんすいぎょ
• 淡水たんすい湖みずうみ
• バイカルアザラシ ：淡水たんすいの環境かんきょうに棲息せいそくする唯一ゆいいつの鰭ひれ脚あし類るい。なぜそのような分布ぶんぷ状じょう況きょうになったかは地質ちしつ学がく的てきに未み解明かいめいである。