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立体交差 - Wikipedia

立体りったい交差こうさ立体りったい交叉こうさ(りったいこうさ)は、物体ぶったい移動いどうするにあたって複数ふくすう道筋みちすじことなる平面へいめんうえ交差こうさ交叉こうさ)することをう。建築けんちく交通こうつう分野ぶんや用語ようごとしては、道筋みちすじ実際じっさい基本きほんてき路線ろせん水路すいろであり、立体りったい交差こうさする状況じょうきょう施設しせつしてう。

鉄道てつどう道路どうろ立体りったい交差こうさ
トランジリアンPせん シャンジ=サン=ジャンえき (fr) 付近ふきん(フランス、イル=ド=フランス地方ちほう
河川かせん水路すいろ立体りったい交差こうさ
河川かせん水道橋すいどうばし立体りったい交差こうさ
ガルドンがわと、ローマ水道すいどう象徴しょうちょうともえるポン・デュ・ガールフランスニーム近郊きんこう
河川かせん用水路ようすいろ立体りったい交差こうさ
谷地やつじがわ日野ひの用水ようすい日本にっぽん東京とうきょう
人間にんげんみち動物どうぶつ横断おうだん立体りったい交差こうさ
オーバーパスがた動物どうぶつ横断おうだん概念がいねんいちれい
道路どうろ橋梁きょうりょうにしたアンダーパスがた動物どうぶつ横断おうだんはししたのエリアが動物どうぶつ生活せいかつどうとなっている。カナダ、ケベックしゅう

鉄道てつどう路線ろせん道路どうろではおおくの実例じつれいげられるが、ローマ水道すいどう代表だいひょうされる水路すいろ立体りったい交差こうさ古今ここんおおくのれい見出みだせる。また、人間にんげん野生やせい動物どうぶつ生活せいかつじょう道筋みちすじ交差こうさする不都合ふつごうける目的もくてき立体りったいする設備せつび施設しせつ後述こうじゅつ)も定義ていぎからはずれない。

概要がいよう

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平面へいめん交差こうさくらべ、一方いっぽう路線ろせん通行つうこうする車両しゃりょうがもう一方いっぽう通行つうこうさまたげないため、路線ろせん容量ようりょう増加ぞうか渋滞じゅうたい解消かいしょう交通こうつう事故じこ防止ぼうしなどに役立やくだつ。なお、用水路ようすいろ河川かせんなど、水路すいろ同士どうし立体りったい交差こうさしている場合ばあいもある。

おも立体りったい交差こうさ種類しゅるい

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立体りったい交差こうさ以下いかの3種類しゅるい大別たいべつされる。

  • 複数ふくすう鉄道てつどう路線ろせん
  • 複数ふくすう道路どうろ
  • 複数ふくすう鉄道てつどう路線ろせんおよび道路どうろ

複数ふくすう鉄道てつどう路線ろせん

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列車れっしゃ本数ほんすうおお鉄道てつどう路線ろせん交差こうさする場合ばあいは、線路せんろ同士どうし立体りったい交差こうさとする場合ばあいがある。列車れっしゃ本数ほんすうおお場合ばあいには、平面へいめん交差こうさはダイヤじょうのネック、増発ぞうはつさまたげとなるため、立体りったい交差こうさ建設けんせつされることがままある。立体りったい交差こうさ理由りゆうとして列車れっしゃ運行うんこう安全あんぜんめんがあげられることもある。鉄道てつどう立体りったい交差こうさのうち橋梁きょうりょう形式けいしき立体りったい交差こうさおこなうものを線路せんろきょうぶ。

ただし、鉄道てつどう道路どうろくらべ、曲線きょくせん半径はんけい勾配こうばいなど線形せんけい条件じょうけんかんする制限せいげん事項じこうおおいため、広大こうだい用地ようち建設けんせつコストがおおきくなりがちである。平面へいめん交差こうさであったものを立体りったい交差こうさする場合ばあいには、運行うんこうしている列車れっしゃ障害しょうがいとならないことが要求ようきゅうされ、さらに交差こうさ路線ろせんあいだてんせんする列車れっしゃがある場合ばあいにはてんせんへの対応たいおう要求ようきゅうされるため、より長期間ちょうきかん工期こうきおおくの費用ひよう必要ひつようとなる。

日本にっぽんでは、新幹線しんかんせんすべ立体りったい交差こうさにすることが法律ほうりつさだめられている。

鉄道てつどう立体りったい交差こうさ地下ちかでもおこなわれる。のち建設けんせつされた路線ろせんしたとおることがおおいがさき路線ろせん建設けんせつするさいあらかじ空間くうかんつくっておき、からそこに路線ろせん追加ついかするれいもある。

複数ふくすう道路どうろ

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複数ふくすう道路どうろ立体りったい交差こうさは、いずれかの道路どうろ高架こうかきょうもしくは地下道ちかどうにて交差こうさ回避かいひするものから、ランプ使つかった複雑ふくざつインターチェンジなどがあり、複数ふくすう道路どうろ平面へいめんでの交差こうさをしない施設しせつである。

日本にっぽんでは、高速こうそく道路どうろ厳密げんみつには、道路どうろ構造こうぞうれいにおけるだい1しゅ高速こうそく自動車じどうしゃ国道こくどうおよ自動車じどうしゃ専用せんよう道路どうろだい2しゅ都市とし高速こうそく道路どうろ)の場合ばあいは、すべ立体りったい交差こうさでありほか道路どうろとの接続せつぞくインターチェンジ構造こうぞうめられている。

高速こうそく道路どうろ以外いがい道路どうろどうしの場合ばあい交差こうさする道路どうろ直進ちょくしんする場合ばあいのみ立体りったい交差こうさになり、道路どうろ右折うせつないし左折させつする場合ばあい平面へいめん交差こうさとなる構造こうぞう交差点こうさてんがある[1]

複数ふくすう鉄道てつどう路線ろせんおよび道路どうろ

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鉄道てつどう道路どうろ平面へいめん交差こうさする場所ばしょ踏切ふみきりである。踏切ふみきりは、交通こうつう錯綜さくそうすることから事故じここりやすく、また渋滞じゅうたい原因げんいんともなる。日本にっぽんでは、列車れっしゃ本数ほんすう線路せんろすうおお踏切ふみきりで、ひらいている時間じかんまっている時間じかんよりもみじかひらかずの踏切ふみきり発生はっせいし、社会しゃかい問題もんだいとなっていることがある。そのため、とく交通こうつうりょうおお踏切ふみきり中心ちゅうしんに、道路どうろ立体りったい交差こうさや、鉄道てつどう連続れんぞく立体りったい交差こうさすすめられている。

日本にっぽんで20世紀せいきまつ以降いこう建設けんせつされた鉄道てつどう路線ろせんでは、道路どうろほうだいさんじゅういちじょうに「当該とうがい道路どうろ交通こうつうりょうまた当該とうがい鉄道てつどう運転うんてん回数かいすうすくない場合ばあい地形ちけいじょうやむをない場合ばあいその政令せいれいさだめる場合ばあいのぞくほか、当該とうがい交差こうさ方式ほうしきは、立体りったい交差こうさとしなければならない。」としるされていることもあって、道路どうろとは原則げんそく立体りったい交差こうさとする構造こうぞう建設けんせつされている。結果けっかとして踏切ふみきりまったいか、あってもごく少数しょうすうという路線ろせんすくなくない。

その立体りったい交差こうさ

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立体りったい横断おうだん施設しせつ

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歩行ほこうしゃ(および場合ばあいによっては自転車じてんしゃ)が道路どうろ車両しゃりょう出会であうことなく横断おうだんする、あるいは線路せんろ列車れっしゃ出会であうことなく横断おうだんする施設しせつであり、横断おうだん歩道橋ほどうきょうおよ地下ちか横断おうだん歩道ほどうがある[2]

河川かせん人工じんこう水路すいろ水路橋すいろばしかいして立体りったい交差こうさしていることがある。

飛行場ひこうじょう

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飛行場ひこうじょう空港くうこう軍用ぐんよう飛行場ひこうじょうひとし)にあっては滑走かっそう誘導ゆうどうなどと一般いっぱん道路どうろ鉄道てつどうとを立体りったい交差こうささせるため、道路どうろ鉄道てつどうトンネルとすることがおおい。成田なりた国際こくさい空港くうこう だい3ターミナル、クアラルンプール国際こくさい空港くうこう KLIA2、ロンドン・ガトウィック空港くうこう きたターミナルなどでは、誘導ゆうどううえ歩行ほこうしゃようはしをかけている。

動物どうぶつ横断おうだん

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山間さんかんなどに道路どうろ建設けんせつする場合ばあいししどうはじめとする野生やせい動物どうぶつ生活せいかつどう[ちゅう 1]人間にんげんよう道路どうろによって分断ぶんだんされてしまうが、野生やせい動物どうぶつ棲息せいそく地域ちいきはこれによってせばまり、遺伝子いでんしてき多様たようせいをもすくなからずそこなってしまうものである[3]

動物どうぶつ横断おうだん英語えいごばんは、このような生態せいたいけいへの悪影響あくえいきょう軽減けいげんすること[3]や、動物どうぶつ安全あんぜん横断おうだんできること[3][4]目的もくてきとしてもうけられる、自然しぜん環境かんきょう保全ほぜんのための立体りったい交差こうさである。影響えいきょう予想よそうされる動物どうぶつには地上ちじょう棲とじょう棲がいることから、動物どうぶつ横断おうだんには人間にんげんよう道路どうろ下方かほうをくぐるアンダーパスと上方かみがた通過つうかするオーバーパスといった2つの類型るいけいがある。前者ぜんしゃには、暗渠あんきょ排水はいすいようかん利用りようして地下ちかみちとおすトンネルがたと、人間にんげんよう道路どうろ架橋かきょう構造こうぞうとなったものがあり、たいして後者こうしゃには、様々さまざま架橋かきょう構造こうぞうのものがある。これには、大分おおいたけんひがし九州きゅうしゅう自動車じどうしゃどうにかかる「おさるのはし」のような、だい規模きぼ土木どぼく工事こうじ必要ひつようとする施設しせつもあれば、たとえば、人間にんげんよう道路どうろまた標識ひょうしき施設しせつ活用かつようしたヤマネのためのわたし“ヤマネブリッジ”[3]や、空中くうちゅうよこはば30cmばしつないだリスようわた[3]も、十分じゅうぶん機能きのうする動物どうぶつ横断おうだん一種いっしゅである。

道路どうろ底部ていぶでの冠水かんすい

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道路どうろ線路せんろなどのしたをくぐっている立体りったい交差こうさ底部ていぶには排水はいすい貯水ちょすい設備せつびそなえている[5]。しかし、集中しゅうちゅう豪雨ごううなどで短時間たんじかん大量たいりょうみず流入りゅうにゅう排水はいすい貯水ちょすい限度げんどえる場合ばあいなどでまりをこし正常せいじょう排水はいすいできなくなると道路どうろ底部ていぶみずまり冠水かんすいしてしまう[6]かずじゅうセンチの冠水かんすいでもくるまのドアがひらかなくなり脱出だっしゅつ困難こんなんになる[7][8][9][10][11][12]。これを回避かいひするため急激きゅうげき大雨おおあめなどにはくち手前てまえ侵入しんにゅう注意ちゅうい禁止きんし表示ひょうじされるようにしている個所かしょもある。

死亡しぼう事故じこれい

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  • 2023ねん7がつ15にち - 韓国かんこく忠清ただきよ北道ほくどう清州きよすみずうみ堤防ていぼう決壊けっかい溢水いっすい近隣きんりんのアンダーパス(みやつぼだい2地下ちか車道しゃどう)にながみ、路線ろせんバスをふくむ15だい以上いじょう水没すいぼつした。この事故じこにより13にん以上いじょう死亡しぼうしている[13]

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ ししどう以外いがいにも、たとえば、カメカエルなどといったしょう動物どうぶつ繁殖はんしょくへの道筋みちすじうしなう。

出典しゅってん

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  1. ^ たとえば国道こくどう1ごう原宿はらじゅく交差点こうさてんなど。
  2. ^ 国土こくど交通省こうつうしょう道路どうろ設計せっけい便覧びんらんだい12しょう立体りったい横断おうだん施設しせつ
  3. ^ a b c d e 動物どうぶつ生息せいそく分断ぶんだん対策たいさく - 国土こくど交通省こうつうしょう国土こくど技術ぎじゅつ政策せいさく総合そうごう研究所けんきゅうじょ
  4. ^ おっとエコロード - 動物どうぶつまもるための工夫くふう”. 福島ふくしまけん. 2010ねん11月7にち閲覧えつらん
  5. ^ いのちをまもる 「アンダーパス」冠水かんすい対策たいさく現状げんじょう取材しゅざいしました。
  6. ^ アンダーパスの冠水かんすいをつけて!/こちら きたきゅう編集へんしゅう
  7. ^ 道路どうろアンダーパス
  8. ^ 道路どうろ冠水かんすい箇所かしょマップ
  9. ^ アンダーパスにおける冠水かんすい要注意ようちゅうい箇所かしょ
  10. ^ 路面ろめん冠水かんすい通報つうほうシステム(アンダーパス)
  11. ^ なぜ危険きけん大雨おおあめのアンダーパス
  12. ^ 集中しゅうちゅう豪雨ごううさいのアンダーパス通行つうこうにはご注意ちゅういねがいます
  13. ^ 地下ちか車道しゃどう浸水しんすいでバスとくるま水没すいぼつ、13にん死亡しぼう…3かい警告けいこくにも規制きせいせず”. 朝鮮日報ちょうせんにっぽう (2023ねん7がつ17にち). 2024ねん7がつ7にち閲覧えつらん

参考さんこう文献ぶんけん

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関連かんれん項目こうもく

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