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コンパクトディスク - Wikipedia

コンパクトディスク

記録きろく媒体ばいたい一種いっしゅ
Compact Discから転送てんそう

コンパクトディスクCompact Disc; CD、シーディー)は、1970年代ねんだいソニーフィリップス共同きょうどう開発かいはつ[1][2]1980年代ねんだいはじめに製品せいひんされた記憶きおく媒体ばいたい[1]金属きんぞく薄膜うすまく有機ゆうき色素しきそ材料ざいりょうポリカーボネートガラスなどの保護ほごそうはさんだひかりディスクであり[1]レーザーひかり使つかってデータしやみをする[1]。もともとは、従来じゅうらいレコードわり音楽おんがく記録きろくするための媒体ばいたいとして開発かいはつされ[1][2]、そのコンピュータようのデータを記録きろくする派生はせい規格きかく[3]策定さくていされた。

コンパクトディスク
Compact Disc, CD
  • うえ:コンパクトディスクのロゴ
  • 中央ちゅうおう直径ちょっけいが12 cmのコンパクトディスク
  • した直径ちょっけいが8 cmのコンパクトディスク
メディアの種類しゅるい ひかりディスク
記録きろく容量ようりょう 12 cmディスク
650 MB・700 MB・800 MB
8 cmディスク
155 MB・185 MB・210 MB・300 MB
速度そくど 1.2 Mbps
(1411.2 kbps、1ばいそく
最高さいこう72ばいそく
方法ほうほう 780 nm 近赤外線きんせきがいせんレーザー
策定さくてい フィリップスソニー
おも用途ようと 音声おんせい映像えいぞう、データ(ゲームソフトをふくむ)
ディスクの直径ちょっけい 12 cm、8 cm
おおきさ 120×120×1.2 mm
80×80×1.2 mm
上位じょうい規格きかく Super Audio CD
DVDオーディオ
DVD
関連かんれん規格きかく CD-DA
CD-V
CD-ROM
CD-R
CD-RW
Video CD
DDCD
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概説がいせつ

編集へんしゅう

ひかりディスクとしては最初さいしょ世代せだいだい1世代せだいひかりディスク)にたり、消費しょうひしゃけのデジタル方式ほうしきのオーディオ媒体ばいたいとしても最初さいしょのものである。

樹脂じゅしせい円盤えんばんに「ピット」とばれるちいさな凹凸おうとつきざまれており、ディスクを回転かいてんさせつつレーザーこうてたときに、凹凸おうとつにより反射はんしゃりつことなることを利用りようして、データとして[4]直径ちょっけいが12 cmのものと8 cmのものがある[4]

音楽おんがくよう
もともとは音楽おんがくよう開発かいはつされたため、たんに「CD」とうと一般いっぱんてき音楽おんがくようのCD(CD-DA)を[4]音楽おんがく最大さいだい収録しゅうろく時間じかんは74ふんから80ふんである[1]
CDに記録きろくされた音楽おんがく再生さいせいするための装置そうちCDプレーヤーといい、CDの開発かいはつとCDプレーヤーの開発かいはつ並行へいこうてきおこなわれた。
CDをもちいた最初さいしょ商用しょうよう音楽おんがくソフトは1982ねん発売はつばいされ、1986ねんにはCDの音楽おんがくソフトの年間ねんかん販売はんばい枚数まいすうやく4500まんまいとなり、LPレコードの販売はんばい枚数まいすういた(→#歴史れきし)。
コンピュータよう
コンピューターなどで使用しようするデータるい記録きろくしたものはCD-ROMばれる[4]。1985ねんから使つかわれている。CD-ROMはユーザにとっては専用せんようである。記憶きおく容量ようりょうは、直径ちょっけい12 cmのものであれば、640 MBから700 MBなどである[1]。CD-ROMからデータをすための装置そうちはCD-ROMドライブとい、光学こうがくドライブ一種いっしゅである。
また、ユーザが情報じょうほう記録きろくするための媒体ばいたいとして、1989ねんころ[ちゅう 1]CD-R(1かいかぎりの記録きろくよう)が実用じつようされ、1997ねんころに[5]CD-RWかえ記録きろくよう)が実用じつようされた。

1971ねん6がつ、ソニー創業そうぎょうしゃ井深いぶかまさるさそわれてソニーに入社にゅうしゃした中島なかじま平太郎へいたろう[6][ちゅう 2]は、1973ねんにデジタルオーディオの開発かいはつはじめ、1974ねんにソニーはつPCM音源おんげんもちいた録音ろくおんである「X-12DTC」を開発かいはつした[7]。1974ねんのオーディオフェアに参考さんこう出品しゅっぴんし、評価ひょうかしてくれる専門せんもんもいたが、発売はつばいにはいたらなかった[7]。1976ねんにはデジタルオーディオの開発かいはつくわわった土井どい利忠としただらとともに、前年ぜんねん発売はつばいされたベータマックスもちいたデジタル音声おんせい記録きろく再生さいせい機器ききである「PCM-1」を開発かいはつした[7]

一方いっぽう「PCM-1」の開発かいはつとはべつに、ソニーはフィリップスが開発かいはつした光学こうがく方式ほうしきのビデオディスク(のちのレーザーディスク)の商品しょうひんんでおり、ディスクを使つかったデジタルオーディオの録音ろくおん再生さいせいをするみもはじまっていた[7]土井どいは「PCM-1」の試作しさくもちいてビデオディスクにデジタル音声おんせい記録きろくしてみるが、使用しようこたえない結果けっかとなった[7]。その結果けっか「PCM-1」をビデオディスクのアダプターとすることは断念だんねんし、ベータマックスようのアダプターとしてオーディオフェアに出品しゅっぴんすると、ひとだかりができるほど好評こうひょうであり、「PCM-1」は1977ねん9がつ商品しょうひんされた[7]

また土井どいはディスクにかんしてはビデオ信号しんごう形式けいしきりないで、デジタルオーディオ信号しんごう直接ちょくせつひかりディスクに記録きろくすることをめ、このころにあやま訂正ていせい符号ふごう仕様しようむことをめた[7]。こうして1977ねんのオーディオフェアに出品しゅっぴんにすると、他社たしゃはビデオ信号しんごうもちいた形式けいしき利用りようしているのにソニーだけはべつ方式ほうしきをやっていると社内外しゃないがいからわれ、それにたいして土井どいは「ビデオ信号しんごう記録きろくすると演奏えんそう時間じかんは30ふんだけど、直接ちょくせつ記録きろく使つかえば13あいだ20ふん記録きろくできる」という内容ないよう講演こうえんをするが、それをいた大賀おおが典雄のりお[ちゅう 3]は「そんな長時間ちょうじかんもの音楽おんがくはいったソフトをつくるのは、コストがかかりぎてビジネスとしてりたない」と苦言くげんていした[7]

1978ねん6がつ大賀たいがはフィリップスをおとずれると、フィリップスの幹部かんぶルー・オッテンス大賀たいがにオーディオ専用せんようひかりディスクをせた。「オーディオ・ロング・プレイ」(ALP)とフィリップスではばれており、のちのレーザーディスクとなるひかりディスクを開発かいはつしているとき副産物ふくさんぶつとして開発かいはつされたものだった[8]。フィリップスからディスクの仕様しよういた大賀たいがレコードからのえができるものとの将来しょうらいせいかんじ、フィリップスとひかりディスクの共同きょうどう開発かいはつをすることを決断けつだんした[8]。そしてデジタルオーディオディスクの規格きかく統一とういつはないのために内外ないがい29しゃからなる「DAD(Digital Audio Disc)懇談こんだんかい」にけて両社りょうしゃ規格きかくをまとめて提案ていあんすることになった[8]

開発かいはつ経緯けいい

編集へんしゅう

1979ねん8がつまつから共同きょうどう開発かいはつはじまり、ソニーがわ技術ぎじゅつ交渉こうしょうたったのは技術ぎじゅつ研究所けんきゅうじょ中島なかじま土井どい、ディスク開発かいはつ宮岡みやおか千里せんり[ちゅう 4]らだった[8]

仕様しようについてとくにフィリップスとの意見いけん対立たいりつしたのが、量子りょうしビットすう[ちゅう 5]、ディスクのサイズ、記録きろく時間じかんだった[8]

量子りょうしビットすうかんしてはフィリップスは14ビットを主張しゅちょうしたが、土井どいは21世紀せいきになっても通用つうようするためには16ビットが必要ひつようであると主張しゅちょうし、ソニーがわ意見いけん採用さいようされた[8]

ディスクのサイズにかんしてはフィリップスは11.5 cm主張しゅちょうしたが、これはコンパクトカセット対角線たいかくせんながさとおなじで、 ドイツ工業こうぎょう規格きかく適合てきごうし、ヨーロッパ市場いちばでのカー・オーディオとしての将来しょうらいせい見込みこんでのことだった[8]一方いっぽうでソニーは12 cmを主張しゅちょうしたが、これは音楽家おんがくかでもある大賀たいがが「オペラ一幕ひとまくぶん、あるいはベートーヴェンだいきゅうおさまる収録しゅうろく時間じかんがユーザーから合理ごうりせいがある」と判断はんだんしたことによる[8]。この大賀たいが発言はつげんおおきな要因よういんとなったのが、かつて「PCM-1」からながれる自身じしん演奏えんそうおとさを実感じっかんした[11]指揮しきしゃカラヤンである[12]開発かいはつ当時とうじ大賀たいが親交しんこうのあったカラヤンに、11.5 cm(60ふん)と12 cm(74ふん)とのふたつの規格きかく二者択一にしゃたくいつ段階だんかいていることをはなすと、カラヤンは「ベートーヴェンの交響こうきょうきょくだい9ばんが1まいおさまったほうがいい」と提言ていげんした[ちゅう 6]。それにたいしてフィリップスは「12 cmでは上着うわぎのポケットにもはいらない」と反論はんろんしたが、にちべいおう上着うわぎのポケットのサイズを調しらべた結果けっか、12 cmでも問題もんだいないことがかり、ソニーの主張しゅちょう採用さいようされた[8]

こうして規格きかくさだまった1980ねん6がつ、DAD懇談こんだんかいではソニー・フィリップスが提案ていあんした「光学こうがくしき」、ドイツのテレフンケン提案ていあんの「機械きかいしき」、日本にほんビクター提案ていあんの「せいでんしき」という3方式ほうしき評価ひょうかはじまり、評価ひょうかでは光学こうがくしきせいでんしき集約しゅうやくされた[8]。ソニーはDAD懇談こんだんかいへの提案ていあん一方いっぽうでCD再生さいせいだい1号機ごうき商品しょうひんにも[8]、1982ねん10がつ商品しょうひんけて、大賀たいがはCDを世界せかい標準ひょうじゅん規格きかくにするため、フィリップスとともに世界中せかいじゅうのソフトウェアメーカー、レコード会社かいしゃ音楽おんがく団体だんたい会合かいごう出向でむき、内容ないよう説明せつめいとCDの演奏えんそうかえった[13]。しかし「LPレコードが世界せかいのスタンダードであり、そのおと満足まんぞくしているから余計よけいなことをしないでくれ」とレコード関係かんけいしゃ反発はんぱつつよかった[13]。アメリカCBSとの合弁ごうべん会社かいしゃCBS・ソニーレコード(げんソニー・ミュージックエンタテインメント)の幹部かんぶもCDの生産せいさん否定ひていてきであったが、大賀たいが説得せっとくした結果けっか、CBS・ソニー単独たんどく資金しきん静岡しずおか大井おおいがわにCDソフト工場こうじょう建設けんせつする許可きょか[13]

生産せいさんはじめるとCDのりの問題もんだい浮上ふじょうしたが、当時とうじしん素材そざいであったポリカーボネート使用しようを1982ねん8がつ決定けっていし、CD発売はつばい開始かいし半年はんとしまえ同年どうねん9がつなかばにプレス生産せいさん軌道きどうった[13]

黎明れいめい

編集へんしゅう

1982ねん8がつ31にち、ソニー、CBS・ソニー、フィリップス、ポリグラム[ちゅう 7]の4しゃ共同きょうどうのCDシステム発表はっぴょうかい東京とうきょう大手町おおてまち経団連会館けいだんれんかいかんひらかれ、当日とうじつ夕方ゆうがたからよるのテレビニュースと翌日よくじつ朝刊ちょうかん一斉いっせいほうじられた[13]

同年どうねん10がつ1にち、ソニーからは再生さいせいだい1号機ごうき「CDP-101」およびCBS・ソニーからは世界せかいはつのCDソフト50タイトルが発売はつばいされ、CDソフトの生産せいさんだい1ごうビリー・ジョエルの「ニューヨーク52ばんがい」となった[13]。50タイトルの内訳うちわけはクラシックだけでなく、ポップスやロック、歌謡曲かようきょくまでそろっており、その年末ねんまつまでに100タイトルあまりのソフトが発売はつばいされた[13]

こうして1980ねん6がつのDAD懇談こんだんかいでは日本にほんビクターのせいでんしき評価ひょうかとしてのこされていたが、CDが発売はつばいされたころには、ほとんどの会社かいしゃがソニー・フィリップスによるCDシステムの採用さいよう発表はっぴょうし、CDが事実じじつじょう世界せかい統一とういつ規格きかくとなった[13]

1983ねんはいると、他社たしゃからも次々つぎつぎにCDプレーヤーが発売はつばいされ、CDソフトも同年どうねんまつにはやく1000タイトルが店頭てんとうならんだ[13]。1984ねん11月になるとソニーは「CDP-101」の機能きのうわらないまま本体ほんたいサイズをCDジャケット4まいぶんあつさにし、価格かかくも49,800えんおさえたポータブルCDプレーヤー「D-50」を発売はつばい、これにより各社かくしゃのCDプレーヤーの価格かかくがり、業界ぎょうかい全体ぜんたいのCDビジネスも本格ほんかくてきがっていった[13]

普及ふきゅう

編集へんしゅう

デジタル音声おんせいかんしては当初とうしょとくにアナログオーディオ技術ぎじゅつ駆使くしする録音ろくおんスタジオのエンジニアたちによって、「アナログタイプの機器ききより1けたたかい」「音質おんしつかたく、音楽おんがくてきでない」と評価ひょうかされた[14]。そのなかでもアメリカのボーカリストのスティービー・ワンダーやジャズピアニストのハービー・ハンコックなどがデジタル音声おんせい支持しじしたことで、否定ひていてきだったミュージシャンらもデジタルオーディオに肯定こうていてきになっていった[14]。そうしてクラシックの新譜しんぷはほとんどすべてがデジタルされ、マルチトラック録音ろくおん必要ひつようなポピュラー音楽おんがくも、次々つぎつぎとデジタル録音ろくおんされるようになった[14]

CDソフトの日本にっぽん国内こくない生産せいさん枚数まいすうも1984ねんまつごろは、 LPレコードとくらべて10ぶんの1程度ていど生産せいさん枚数まいすうだったが、2ねんの1986ねんには年間ねんかん4500まんまいたっして、LPレコードを逆転ぎゃくてんした[14]。そして1988ねん前後ぜんこうには、LPレコード最盛さいせい生産せいさんりょうの1おくまいし、1992ねんには3おくまい突破とっぱした[14]中島なかじまはCDの生産せいさん枚数まいすうは「1989ねんごろにLPレコードをして、将来しょうらいてきには2おくまいぐらいにはなるだろう」と予測よそくしていたが、想定そうていよりもはやく、かつ想定そうてい以上いじょう生産せいさん枚数まいすうたっする結果けっかとなった[14]

そのCDには音声おんせい映像えいぞう文字もじようの「CD-ROM」(1985ねん規格きかく)、映像えいぞう音声おんせい両用りょうようの「ビデオCD」(1993ねん規格きかく)など、様々さまざま規格きかく策定さくていされ「CDファミリー」を形成けいせいしていった[14]

1990年代ねんだい後半こうはんにCDとおなじサイズでCDより高音こうおんしつSuper Audio CDDVD-Audioなどの次世代じせだいオーディオメディアが登場とうじょうしたが、CDをえるにはいたらなかった。

衰退すいたい

編集へんしゅう

2000年代ねんだい以降いこうインターネットによる音楽おんがく配信はいしんストリーミング配信はいしん増加ぞうかし、2010年代ねんだい以降いこうハイレゾなど配信はいしんデータの高音こうおんしつやレコードのさい評価ひょうかにより、音楽おんがく媒体ばいたいとしてのCDの売上うりあげ減少げんしょう傾向けいこうとなった。

またデータようとしてもDVDBlu-rayなどの次世代じせだい規格きかくのメディアやインターネットなどによるタ通信たつうしん台頭たいとうしたことから下火したびとなった。

2022ねん、アメリカでは1987ねん以来いらいはじめてレコードに売上うりあげ枚数まいすうかれた[15]

コンパクトディスクの外形がいけい一般いっぱんてきには、直径ちょっけい12 cmまたは8 cmあつさ1.2 mmの円盤えんばんであり、中央ちゅうおう直径ちょっけい15mmのあないている。

ただし一部いちぶには、通称つうしょうで「名刺めいしがたCD」や「カードがたCD」とばれる、8 cm CDを長方形ちょうほうけい周囲しゅういをコーティングしたものがある。同様どうよう形状けいじょう可能かのうCD-R市販しはんされていたが、可能かのう面積めんせきちいさいので、通常つうじょうの8 cm CD-Rよりも容量ようりょうちいさい。また長方形ちょうほうけいがた以外いがいにも特殊とくしゅ形状けいじょうのものもある[ちゅう 8]

構造こうぞう材質ざいしつ

編集へんしゅう
 
4そう構造こうぞう
  • A:基盤きばん樹脂じゅしそう
  • B:反射はんしゃそう記録きろくそう
  • C:ラッカーそう保護ほごそう
  • D:印刷いんさつそう
  • E:CDプレーヤー光学こうがくドライブのピックアップ
 
記録きろくそう表面ひょうめん微細びさいなピットとランドの顕微鏡けんびきょう写真しゃしん(CD-ROMのもの)
 
記録きろくそう表面ひょうめんのトラックやピット

したからじゅんに、基盤きばん樹脂じゅしそう)、反射はんしゃそう記録きろくそう)、ラッカーそう保護ほごそう)、印刷いんさつそうの4そう構造こうぞうになっている[16]

一番いちばん基盤きばん樹脂じゅしそう)の一般いっぱんてき材質ざいしつポリカーボネートであり、あつさは1.1 mm[16]。ほかにAPOあきらしつポリオレフィン)やガラス使用しようしたものもある。

反射はんしゃそう記録きろくそう)は一般いっぱんてきにはあつやく80 nmのアルミニウム蒸着じょうちゃくまくであるが、劣化れっか防止ぼうしなどのためにアルミニウムのかわりにきむ使用しようしたものもあり、これは「ゴールドディスク」とばれる。

蒸着じょうちゃくまくによってられたこまかい凹凸おうとつによってデジタル情報じょうほう表現ひょうげんしている。このめんからればりになるくぼみをピットといい、ピットのない部分ぶぶんをランドという[16]

 
干渉かんしょうによるいろ変化へんか

りには780 nmの赤外線せきがいせんレーザーもちいられ、ランドの部分ぶぶんあたったレーザーこう反射はんしゃしてそのままもどってくるが、ピットがある部分ぶぶんあたったレーザーこうはランドからの反射はんしゃと1/2波長はちょう位相いそうをもつため干渉かんしょうしてしあいくらくなる。この明暗めいあんによりデジタル信号しんごうり、これをアナログ信号しんごうもどして音声おんせいとして出力しゅつりょくする。CDの虹色にじいろのような光沢こうたくは、この規則正きそくただしくならんだトラックで回折かいせつしたひかりが、干渉かんしょうすることによる構造こうぞうしょくである。

ピットのはばは0.5 µmでながさは0.83 µmから0.3 µm単位たんいで3.56 µmまで9種類しゅるい、ピットからつぎのピットまでの距離きょりおなじ9種類しゅるいである。またピットのれつをトラックというが、このトラックは1.6 µm間隔かんかくで、内側うちがわから外側そとがわかって渦巻うずまきじょうならんでいる。

ラッカーそう保護ほごそう)はあつさがやく10 µmである。

印刷いんさつそうシルク印刷いんさつである[16]。レーベルのデザインによるが、2012ねん現在げんざいでは反射はんしゃそう印刷いんさつそうあな部分ぶぶんまで拡大かくだいされたものが主流しゅりゅうとなっている。

コンパクトディスクはセッション単位たんい記録きろくされ、セッションはリードイン、データ、リードアウトの3つの領域りょういき構成こうせいされる[16]。CD-DAのセッションは1つであるが、CD-EXTRAはマルチセッションを採用さいようしている[16]

データ領域りょういきには1から99までのトラックを記録きろくでき、トラックは複数ふくすうセクタ構成こうせいされる[16]。1セクタは1/75びょうやく13.33ミリびょう)であり、1セクタあたりのデータは2,352バイト(24バイト×98フレーム)である[16]

フレームがデータの最小さいしょう単位たんいであり、1フレームは24バイトである[16]。24バイトの内訳うちわけビット深度しんどが16 bit、チャンネルすうが2.0 ch、サンプリングデータが6であることから、16×2×6で192ビットである[16]

コンパクトディスクはあやま訂正ていせいとしてCIRC[ちゅう 9]使用しようされるため、訂正ていせいように8バイト、サブコードように1バイトが付与ふよされて、24+8+1で合計ごうけい33バイトになる[16]。さらにデータをピットれつとして記録きろくするにはEFMという変調へんちょう方式ほうしきもちいられるため、8ビットが14ビットに変換へんかんされることで、33×14で462ビットになる[16]

くわえて、変換へんかんされたデータにはマージンビットと同期どうき信号しんごう付与ふよされる[16]。マージンビットは3ビットであり、変換へんかんされたデータごとにくため、33×(14+3)で561ビットとなる。そして同期どうき信号しんごうは24ビットで同期どうき信号しんごうにもマージンビットがくため、最終さいしゅうてきに1フレームは561+24+3で588ビットとなる[16]

容量ようりょう

編集へんしゅう

CD-ROMの場合ばあい、12 cmディスクはやく650から700 MiB容量ようりょうつ。800 MiBをえる容量ようりょうのものもあるが、一部いちぶ機器ききではれない場合ばあいがある。8 cmディスクはやく155から300 MiBの容量ようりょうつ。

セクタすうは12 cmディスクの650 MiBではやく333,000セクタ、700 MiBではやく360,000セクタになる。1セクタは2,352バイトで、1セクタあたりのデータ容量ようりょうはCD-ROM MODE1およびMODE2/FORM1で2,048バイト、MODE2で2,336バイト、MODE2/FORM2で2,324バイト、CD-DAで2,352バイトである。CD-ROMはCD-DAよりも規格きかくのち作成さくせいされ、そのさいにエラー訂正ていせいがより重視じゅうしされたため、2,352バイトのうち304バイトをヘッダやエラー訂正ていせいなどにてていることからCD-DAより容量ようりょうすくなくなる。これにくわえて、以下いかのPからWまでのサブチャンネルが1セクタあたり96バイト[ちゅう 10]存在そんざいするので、1セクタたり2,448バイトとなる[17][18]

Pチャンネル
かくトラックの開始かいしてん情報じょうほう
Qチャンネル
ISRCコードやMCN(メディアカタログ番号ばんごう)、アドレス情報じょうほう
R-Wチャンネル
CD-TEXTCD+G使用しよう

容量ようりょう以下いか計算けいさんしきによってもとめられる。

  1. CD-DAでは音楽おんがくデータをサンプリング周波数しゅうはすう44.1 kHzきろへるつ、ビット深度しんど16 bit、チャンネルすう2.0 chステレオ記録きろくしている。つまり1びょうぶん音楽おんがくデータを44,100かい分割ぶんかつし、1かいあたり16 bitをついやして記録きろくしている。このため、1びょうあたりのデータりょうは44,100×16×2÷8=176,400バイト(1バイト=8 bit)である。
  2. これが74ふんだと176,400×60びょう×74ふん=783,216,000バイトとなり、これはやく747 MiBとなる。ぜん領域りょういき音楽おんがくデータだけを記録きろくするならこれだけの記録きろく可能かのうだが、CD-ROMのMODE1およびMODE2/FORM1の場合ばあいはエラー訂正ていせいようデータなどがはいるため、使用しようできる容量ようりょうは783,216,000÷2,352×2,048=681,984,000バイトとなり、これがやく650 MiBとなる。
  3. 80ふんディスクも同様どうよう計算けいさんでCD-DAのみの場合ばあいは846,720,000バイトでやく807 MiB、CD-ROMのMODE1およびMODE2/FORM1の場合ばあいは737,280,000バイトでやく703 MiBとなる。

最大さいだい収録しゅうろく時間じかん

編集へんしゅう

CD-DAでの収録しゅうろく時間じかんは12 cmディスクではやく74ふんから80ふんである。具体ぐたいてきには、規格きかくじょうデジタルのPCM形式けいしき最大さいだい79ふん57びょう、99トラック音楽おんがく記録きろくでき、また1トラックちゅうには99インデックス(位置決いちぎ標識ひょうしき)をもうけることができる。2000ねんころまでのプレーヤーは、インデックスサーチできるものが多数たすう存在そんざいした。

記録きろくトラックのはばせばめれば容量ようりょうやせるが、ふる音楽おんがくCDプレーヤーにはまれに74ふん記録きろくされたCD-Rは再生さいせいできても80ふん以上いじょう再生さいせいできないという互換ごかんせい問題もんだい存在そんざいする。2003ねん策定さくていされたガイドラインHigh Capacity Recordable Disc 1.0対応たいおうしていないCDプレーヤーでは長時間ちょうじかんCDは再生さいせいできない。MP3ファイルをデータとしてんだ場合ばあい最大さいだい収録しゅうろく時間じかんはファイルのサイズにもよるがおおむね8あいだ前後ぜんこうとなる。ただし、対応たいおう機器ききかぎられる。

8 cmCD(CD SINGLE)の最大さいだい収録しゅうろく時間じかんやく22ふん程度ていど

現在げんざい収録しゅうろく時間じかん最長さいちょう音楽おんがくCDは、マーキュリー・レーベルにザンクト・フローリアン・アルトモンテ管弦楽かんげんがくだん/レミ・バロー(指揮しき)が録音ろくおんしたブルックナー交響こうきょうきょくだい3ばん (GRML99044)の89ふん03びょうである。Eight-to-fourteen modulationさだめた[19]規格きかくじょうは97ふん[ちゅう 11][20][21]まで可能かのうであるが、YAMAHAほかのメーカーのドライブはすでに99ふん59びょうまで対応たいおうし、100ふん収録しゅうろくうたうCD-R商品しょうひんもすでに発売はつばいされている[22][23]2019ねん現在げんざいまでに990 MBのCD-Rまで開発かいはつされたので理論りろんじょうは110ふんきょうがコンパクトディスクの最大さいだい収容しゅうようりょうになるが、商用しょうよう録音ろくおんでこの収録しゅうろく時間じかんはまだていない。一時期いちじきにはソフトウェアにオーバーバーンモードまでもうけ、990 MBまで対応たいおうすることをうたったCD-Rドライブもあった。

現在げんざい市販しはんされている最大さいだい音楽おんがくようコンパクトディスクは台湾たいわんポーランドシンガポール販売はんばいされた99Min 870 MB[24][25][26][27]とドイツで販売はんばいされた100Min 900 MB[28]であるが、両方りょうほうとも頒布はんぷこく限定げんていされているうえドライブ対応たいおうといった問題もんだいのこっており、普及ふきゅうりつひくい。CDをくソフトウェアはすでに90Min 800MBへ対応たいおうしている。

2020年代ねんだいは、90ふんCDがほぼ商用しょうようめん実用じつようしており、DECCA[29]やNAXOS[30]に90ふんCDを使用しようしたクラシック音楽おんがくのためのコンパクトディスクがある。

転送てんそう速度そくど

編集へんしゅう

音楽おんがくCD(CD-DA形式けいしき)の再生さいせいのデータの転送てんそう速度そくどは1ばいそくやく176 KB/s(150 KiB/s) であり、これを基準きじゅんとして最大さいだい記録きろく時間じかんは640 MiBのディスクでやく72ふんきょう、650 MiBのディスクでやく74ふんきょう、700 MiBのディスクでやく80ふんきょう最新さいしんの800 MiBのディスクでやく90ふんきょう[31]非公式ひこうしきの900 MiBのディスクでやく100ふんきょう非公式ひこうしきの990 MiBのディスクでやく110ふんきょうとなる。この音楽おんがくCDの1ばいそく基準きじゅんとして、ディスクのデータ転送てんそう速度そくどあらわすのに「○倍速ばいそく」といういいかたをする。

当初とうしょから音声おんせい映像えいぞう記録きろく媒体ばいたいとして開発かいはつされた。物理ぶつりフォーマットはさきまっており、音声おんせい記録きろくディスクの論理ろんり仕様しよう先行せんこうして策定さくていされた。すこおくれてビデオ記録きろくようとしてCDビデオ策定さくていされたが、普及ふきゅうしなかった。のちにデータ記録きろくようとしてCD-ROMビデオ記録きろくようとしてビデオCDなどの論理ろんり仕様しよう策定さくていされた。これらと対比たいひして音声おんせい記録きろくディスクをCD-DAという。

また音声おんせいとデータを両方りょうほう収録しゅうろくできるようにしたCD EXTRAおよびミックスモードCDCD-ROM XAがある。

さらに記録きろくにピットをもちいずに、レーザーによる媒体ばいたい物理ぶつりてき変化へんか利用りようして同等どうとうなデジタルデータのみをおこな方式ほうしき開発かいはつされた。CD-Rはエンドユーザがデータの追加ついか記録きろくができる。また、記録きろくしてしまった領域りょういきもどし、領域りょういきとして記憶きおく領域りょういきさい利用りようすることができないCD-Rにたいして、CD-RWはデータの消去しょうきょ可能かのうにし、えができる。

コンパクトディスクの仕様しよう規格きかく対象たいしょうとする範囲はんい目的もくてきによって複数ふくすう規格きかくかれており、かく規格きかく基準きじゅんしょ表紙ひょうしいろによってそれぞれがけられている[32]。これらすべてを総称そうしょうしてレインボーブック英語えいごばんぶ。

レッドブック
CD-DA, CDビデオ, CD+G, CD+EG, CD-MIDI, CD-TEXT
物理ぶつり仕様しよう規定きてい音楽おんがくようCDであるが、アナログ映像えいぞう格納かくのうでき、また音楽おんがくデータを格納かくのうしないサブチャンネル領域りょういき画像がぞう文字もじデータも格納かくのうできる。
イエローブック
CD-ROM
おもにコンピュータ・データようのCD
グリーンブック
CD-i
家庭かていようマルチメディア媒体ばいたい
イエローブックMode2
CD-ROM XA
CD-ROMをマルチメディアデータによりとくしたCD
ブルーブック
CD EXTRA
CD-DA(音楽おんがく)とデータを共存きょうぞんさせているマルチセッションCD
ホワイトブック
ビデオCD
CD-ROMに動画どうが音声おんせいなどを記録きろく
ベージュブック
フォトCD
コダック独自どくじ符号ふごう方式ほうしきでデジタルされた画像がぞうのCD
オレンジブック
CD-WO, CD-MO, CD-R, CD-RW
記録きろくがたCD

後継こうけい規格きかく

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1990年代ねんだい後半こうはんからはCDよりも容量ようりょうおおきいディスクが開発かいはつされた。データ分野ぶんやではDDCD、オーディオ分野ぶんやではSuper Audio CD実用じつようされたが、いずれもCDを代替だいたいするまでの普及ふきゅうにはいたっていない。これらひかりディスクはいずれも直径ちょっけい12 cmでCDのおおきさを踏襲とうしゅうしている。

以下いか規格きかくはいずれもCDとの互換ごかんはなく、再生さいせいには専用せんよう光学こうがくドライブおよびプレーヤーが必要ひつようである。

パープルブック
DDCD
一般いっぱんてきなCDの2ばいたる1.3GBの容量ようりょうつディスク
スカーレットブック
Super Audio CD(SACD)
CDの技術ぎじゅつまえて音質おんしつ向上こうじょう著作ちょさくけん管理かんり機能きのう強化きょうかされたディスク。「次世代じせだいCD」とばれることがある[33]

関連かんれん規格きかく

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コピーコントロールCD(CCCD)
特定とくてい規格きかくではなく、同様どうよう特徴とくちょうつディスクの総称そうしょうである。保証ほしょうながらも通常つうじょうのCDプレーヤーで再生さいせいできることがおおいため、流通りゅうつうなどではしばしばCDとしてあつかわれた。
DualDisc
片面かためん音楽おんがくCD、もう片面かためんにDVDをわせた両面りょうめん再生さいせい専用せんようディスクで、2004ねん米国べいこく大手おおてレコード会社かいしゃ発売はつばいした(DVDフォーラムがさだめた規格きかくではない)[34]。CDめん正式せいしき音楽おんがくCD規格きかく(レッドブック)に準拠じゅんきょしていないためCDロゴはいておらず、メーカーは「音楽おんがく専用せんようめん」「DVDめん」など遠回とおまわしなかたをしている[35]一部いちぶ機器ききでは正常せいじょう再生さいせいできないなどの問題もんだいしょうじている[35]

寿命じゅみょう関連かんれん課題かだい

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発売はつばい当初とうしょ劣化れっかしないとわれていた[36]実際じっさいには、保存ほぞん方法ほうほうわるいとメディアが劣化れっかこす。具体ぐたいてきには、基盤きばん樹脂じゅしそう)のポリカーボネートの変化へんか蒸着じょうちゃくした反射はんしゃまく変化へんか、そしてCD-Rの場合ばあいには色素しきそ変化へんか劣化れっか要因よういんとなる。いずれでも直射ちょくしゃ日光にっこう高温こうおん多湿たしつきらう。

基盤きばん樹脂じゅしそう)のポリカーボネート湿気しっけさらされると加水かすい分解ぶんかい徐々じょじょ白濁はくだくする欠点けってんがある。これにより情報じょうほうるレーザーがとおらなくなり、情報じょうほうめなくなる。

なお、この性質せいしつ利用りようしあえて開封かいふうすう週間しゅうかん程度ていど白濁はくだくするように製造せいぞうされた媒体ばいたいもある。これにより、音楽おんがく映像えいぞうのソフトウェアを再生さいせいできる日数にっすう制限せいげんする。

温度おんど湿度しつど変化へんか影響えいきょう比較的ひかくてきすくないガラスせいのCD開発かいはつ発売はつばいされ、寿命じゅみょう改善かいぜん期待きたいされている。2008ねんには液晶えきしょうパネルようのポリカーボネートを使用しようしたスーパー・ハイ・マテリアルCD(SHM-CD)とハイ・クオリティCD(HQCD)が開発かいはつ発売はつばい。さらにブルーレイディスクの技術ぎじゅつ応用おうようしたブルースペックCD開発かいはつ発売はつばいされている。

反射はんしゃまく

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現在げんざいスパッタリングほうによってアルミニウム反射はんしゃまく形成けいせいする方法ほうほう主流しゅりゅうとなっているが、アルミニウムをもちいるCDは環境かんきょうにもよるが、20ねんから30ねん限度げんど見積みつもられており、現在げんざい長期ちょうきてき保存ほぞん可能かのうとした製品せいひん開発かいはつ急務きゅうむとなっている。その一方いっぽうで、メーカーがわなどでは80ねん前後ぜんこう保存ほぞん可能かのうとする指摘してきもある[37]。なお反射はんしゃまくきむもちいた場合ばあい、100ねん前後ぜんこう保存ほぞん可能かのう見積みつもられているが、コストの問題もんだいなど解決かいけつしなければならない課題かだいがある。安価あんかなものは印刷いんさつ反射はんしゃそうはしからはがれてきたり、水分すいぶん反射はんしゃまく浸透しんとうしてアルミニウムがびてしまい反射はんしゃ機能きのううしなうなど、たん寿命じゅみょうのものがおおい。

また記録きろくそう部分ぶぶん印刷いんさつめんから10 µm (0.01 mm)、樹脂じゅしそうからやく1.2 mmのところにある[ちゅう 12]。そのため、印刷いんさつめんからの衝撃しょうげきよわ鉛筆えんぴつやボールペンなど、フェルト以外いがい油性ゆせいマーカーで記入きにゅうおこなうと記録きろくそうにダメージがくわわりおとびなどの症状しょうじょうることもあり、最悪さいあく場合ばあいめなくなる可能かのうせいかんがえられる。印刷いんさつそうがわふかきずはいったり湿度しつどたか場所ばしょ放置ほうちすると、反射はんしゃそうまでがはがれることがある。

CD-Rでは記録きろくめん直射ちょくしゃ日光にっこうつづけると色素しきそ変化へんかめなくなったり、しつわる媒体ばいたい場合ばあいには蛍光けいこうとうふくまれる紫外線しがいせん変化へんかするものもある。また高温こうおん多湿たしつ環境かんきょうくと、ごく短時間たんじかんでも印刷いんさつ反射はんしゃそうはしからはがれてくることがある。

都市とし伝説でんせつ

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一部いちぶマスメディアにおいて、コンパクトディスクをやすと音質おんしつくなる[38]われているが、CDに記録きろくされている情報じょうほうデジタルであるため、ビットエラーがないかぎ記録きろく内容ないよう変質へんしつすることはない。CDにおいて、ディスクのねつ影響えいきょうにより符号ふごうあやまりつ増加ぞうかすることはかんがえにくいため、やしても音質おんしつには影響えいきょうしない。もともと1993ねんにロンドンの新聞しんぶん「サンデー・タイムズ」に紹介しょうかいされ、のち日本にっぽんのテレビ番組ばんぐみにも紹介しょうかいされそこからうわさひろがってしまったのではないかとされている。

年表ねんぴょう

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  • 1965ねん、アメリカの発明はつめいジェームス・ラッセルが音楽おんがくよう光学こうがくメディア・テクノロジーを発明はつめい
  • 1970年代ねんだい前半ぜんはんフィリップスMCAレーザーディスク開発かいはつ
  • 1975ねんソニーひかりディスクの開発かいはつ開始かいし
  • 1977ねん、フィリップスがCDの開発かいはつ開始かいしソニーがオーディオフェアでのひかりデジタルオーディオディスクを実証じっしょう
  • 1979ねん、フィリップスがCDプロトタイプをしめし、ソニーと共同きょうどう開発かいはつ開始かいし
  • 1981ねん、ドイツでテストCDが製造せいぞう
  • 1982ねん
    • 8がつ17にち当時とうじ西にしドイツのハノーファー(ハノーバー)のランゲンハーゲンにあるポリグラム工場こうじょうで、世界せかいはじめて音楽おんがくCDの生産せいさん開始かいし。(って当時とうじのCBSソニー、日本にほんコロムビアがつづく)[39]
    • 10月1にちCBS・ソニーEPIC・ソニー日本にほんコロムビアから、世界せかいはつ音楽おんがくCD発売はつばいされた。初回しょかい発売はつばいは、CBS・ソニー、EPIC・ソニーがわせてやく50タイトル、日本にほんコロムビアが10タイトルだった。このうち最初さいしょ生産せいさんおこなわれたのはビリー・ジョエルの『ニューヨーク52ばんがい』(CBS・ソニー/35DP-1)[40]
    • 10月15にち欧州おうしゅうはじめて、ポリグラムせい音楽おんがくCDが発売はつばいされた。日本にっぽんでも輸入ゆにゅう販売はんばいされ、ポリドールと日本にっぽんフォノグラムから、欧州おうしゅうから5にちおくれで同時どうじ発売はつばいされた[39]
  • 1983ねん米国べいこくおよびその市場いちばでも販売はんばい開始かいしされた。
  • 1986ねん販売はんばい枚数まいすうベースでCDがLPいた。これは、レコード会社かいしゃ親会社おやがいしゃであるオーディオメーカーに配慮はいりょしてレコード生産せいさん縮小しゅくしょうしたことも影響えいきょうしている。
  • 同年どうねんまつ、CD発売はつばい当初とうしょから当時とうじのデジタル録音ろくおん音質おんしつ疑問ぎもんっていたキングレコードは、CDながれにはんし、高音こうおんしつ重量じゅうりょうばん仕様しようのアナログLPレコード「ザ・スーパー・アナログ・ディスク」を発売はつばい。マスターテープはすべてアナログ録音ろくおんのものが使つかわれ、マスタリング・カッティング工程こうていでデジタル処理しょり介在かいざいさせないことを特徴とくちょうとした。デッカ・レコードきゅうさいカッティングが主体しゅたいだったが、自社じしゃ製作せいさく音源おんげんでは、CDではデジタル録音ろくおんのマスターを、「ザ・スーパー・アナログ・ディスク」では同時どうじ録音ろくおんされたアナログマスターを使つかったものもあった。これが「CDより音質おんしつい」と反響はんきょうけてシリーズされた。
  • 1987ねん 日本にっぽんのウルテックしゃ開発かいはつした、反射はんしゃまくに24Kの純金じゅんきん使用しようした「GOLD CD(24K純金じゅんきんCD)」が、Mobile Fidelity Sound Lab日本にほんコロムビアとうから発売はつばいされた。他社たしゃもそれに追随ついずいしたが、1995ねん日本にほんビクター発表はっぴょうした高音こうおんしつ仕様しようCD「XRCD」が登場とうじょうしてからはあまり発売はつばいされなくなった。物品ぶっぴんぜいから消費しょうひぜい移行いこうした1989ねん以降いこう、CDは定価ていか次々つぎつぎてい価格かかくすすみ、規格きかく品番ひんばん定価ていかおもわせる数字すうじ表記ひょうきしなくなる。
  • 1988ねん12月、世界せかいはつのCD-ROMをゲームソフト応用おうようしたゲーム厳密げんみつにはPCエンジン周辺しゅうへん機器きき)であるCD-ROM2発売はつばい
  • 1990年代ねんだい前半ぜんはんにかけ、LP一般いっぱんてきには生産せいさんされなくなっていくが、音声おんせいがアナログ記録きろくであるため完全かんぜん衰退すいたいにはいたらなかった。
  • 1990年代ねんだい中期ちゅうきごろからは、キングレコードの高音こうおんしつアナログレコードのシリーズ影響えいきょうし、欧米おうべいステレオ初期しょきべいRCAビクターやえいデッカをはじめとするオリジナルの高音こうおんしつ復刻ふっこくばん続々ぞくぞく発売はつばい。またクラブ音楽おんがく世界せかいてき流行りゅうこうもあり、アナログレコードが見直みなおされて再燃さいねんする。
  • 2000年代ねんだいはいり、音楽おんがく配信はいしんサービス普及ふきゅうにより、世界せかいてきにCDの売上うりあげ減少げんしょう傾向けいこうとなる(CDきょう)。
  • 2006ねんガラス基板きばんもちいたガラスCD発売はつばい音質おんしつ向上こうじょううた一方いっぽうで、コスト上昇じょうしょうやプレーヤーの互換ごかんせいについて欠点けってんげられる。
  • 2008ねん、CDの基盤きばん樹脂じゅしそう)に液晶えきしょうパネルようポリカーボネート採用さいようしたスーパー・ハイ・マテリアルCD(SHM-CD)が登場とうじょう。それが一定いってい評価ひょうかたことをけ、追随ついずいするかたちハイ・クオリティCDブルースペックCD同年どうねん販売はんばいされた。
  • 2010ねん以降いこう、アナログレコードのさい評価ひょうかにより、欧米おうべいだけでなく日本にっぽん国内こくないでもアナログばんさい生産せいさんされるケースがえる。
  • 2013ねん発売はつばいされたPlayStation 4では、PSシリーズはじめてCDを再生さいせいできなくなった。現役げんえきハードでCDを再生さいせいできるゲームXbox One以降いこうにおけるXboxシリーズのみとなる。
  • 2014ねん国際こくさいレコード産業さんぎょう連盟れんめい(IFPI)の調査ちょうさで、ぜん世界せかいでのCD、レコードなどのパッケージ売上うりあげだか音楽おんがく配信はいしん売上うりあげだか下回したまわ[41]
  • 2020ねん上半期かみはんき米国べいこくでは、CDの売上うりあげがレコードの売上うりあげ下回したまわ[42]一方いっぽう2021ねん米国べいこくでは、2004ねん以来いらい17ねんぶりにCDのげが上昇じょうしょうした。これはアデル「30」おおきく貢献こうけんしているとられる[43]

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ 業務ぎょうむようでは1991ねん[5]
  2. ^ のちに「CDのちち」とばれる、デジタルオーディオ技術ぎじゅつ草分くさわてき人物じんぶつ
  3. ^ 当時とうじソニーふく社長しゃちょう
  4. ^ のちのソニー常務じょうむ[9]
  5. ^ アナログ信号しんごうをデジタル信号しんごう変換へんかんするさい信号しんごう振幅しんぷくおおきさをなん段階だんかいあらわすかをしめした[10]
  6. ^ 指揮しきしゃによってわるが、カラヤンの「だいきゅう」はやく63 – 69ふんであり、ほとんどのヒストリカル指揮しきしゃによる演奏えんそう時間じかんは60ふんえていた。結果けっかてきに74ふん最大さいだい80ふん可能かのう)という収録しゅうろく時間じかんは、1951ねんにライヴ録音ろくおんされたフルトヴェングラー指揮しきのいわゆる「バイロイトのだいきゅう」(演奏えんそう時間じかんおよそ74ふん32びょう)や、それに匹敵ひってきするながさであるカール・ベームレナード・バーンスタイン演奏えんそうも、コンパクトディスク1まいおさめることが可能かのうである。
  7. ^ レコード会社かいしゃ
  8. ^ ドリームキャストはんGUILTY GEAR X特典とくてんCDは盤面ばんめん絵柄えがらによって形状けいじょうことなり、セガサターンよう初回しょかい限定げんていばんリフレインラブ ~あなたにいたい~特典とくてんCDはハートがたCDである。
  9. ^ みじかいバーストエラーからのあやま訂正ていせいおこな符号ふごうとして「リード・ソロモン符号ふごう」を提案ていあんしたのは、フィリップスのCD開発かいはつチーム責任せきにんしゃである。
  10. ^ PからWに12バイトずつてられる。なお先頭せんとう同期どうき信号しんごうふくめれば98バイト。
  11. ^ 文献ぶんけんによっては97ふん26びょうびょうすう指示しじしているものもあるが、ドライブがわは97ふん33びょうまでゆとりをもたせてあることもすくなくない。よって、Eight-to-fourteen modulationさだめたオレンジブックに準拠じゅんきょした最大さいだい収録しゅうろく時間じかんは96ふん59びょうになる。
  12. ^ 参考さんこうまでにDVD記録きろくそう印刷いんさつめんからも樹脂じゅしそうからも0.6 mm、Blu-ray Discでは印刷いんさつめんから1.1 mm、樹脂じゅしそうから0.1 mmである。

出典しゅってん

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参考さんこう文献ぶんけん

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関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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