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DNA修復 - Wikipedia

DNA修復しゅうふく(DNAしゅうふく、えい: DNA repair)とは、生物せいぶつ細胞さいぼうにおいておこなわれている、様々さまざま原因げんいん発生はっせいするDNA分子ぶんし損傷そんしょう修復しゅうふくするプロセスのことである。DNA分子ぶんし損傷そんしょうは、細胞さいぼう遺伝いでん情報じょうほう変化へんかあるいは損失そんしつをもたらすだけでなく、その構造こうぞう劇的げきてき変化へんかさせることでそこにコードされている遺伝いでん情報じょうほうりに重大じゅうだい影響えいきょうあたえることがあり、DNA修復しゅうふく細胞さいぼう生存せいぞんしつづけるために必要ひつような、重要じゅうようなプロセスである。生物せいぶつ細胞さいぼうにはDNA修復しゅうふくおこな機構きこうそなわっており、これらをDNA修復しゅうふく機構きこう、あるいはDNA修復しゅうふくけいぶ。

概要がいよう

編集へんしゅう
 
DNA修復しゅうふくりつ細胞さいぼう病理びょうり決定けってい重要じゅうようである。

DNA分子ぶんし損傷そんしょうは1にち1細胞さいぼうあたり最大さいだい50まんかい程度ていど発生はっせいすることがられており、その原因げんいんは、正常せいじょう代謝たいしゃ活動かつどうともなうもの(DNAポリメラーゼによるDNA複製ふくせいミス)と環境かんきょう要因よういんによるもの(紫外線しがいせんなど)がある。それぞれに対応たいおうし、DNA修復しゅうふくには定常ていじょうてきはたらいているものと、環境かんきょう要因よういんなどによってさそえおこされるものがある。

DNA修復しゅうふく速度そくど細胞さいぼうよわいともな低下ていかや、環境かんきょう要因よういんのよるDNA分子ぶんし損傷そんしょう増大ぞうだいによりDNA修復しゅうふくがDNA損傷そんしょう発生はっせいいつかなくなると、

のいずれかの運命うんめいをたどることになる。人体じんたいにおいては、ほとんどの細胞さいぼう細胞さいぼう老化ろうか状態じょうたいたっするが、修復しゅうふくできないDNAの損傷そんしょう蓄積ちくせきした細胞さいぼうではアポトーシスがこる。この場合ばあい、アポトーシスは体内たいない細胞さいぼうがDNAの損傷そんしょうによりがんし、からだ全体ぜんたい生命せいめい危険きけんにさらされるのをふせぐための「ふだ」として機能きのうしている。

また、細胞さいぼう老化ろうか状態じょうたいたっし、DNA修復しゅうふく機能きのう効率こうりつ低下ていかをもたらすような遺伝子いでんし発現はつげん調節ちょうせつ変化へんかこると、結果けっかとして病気びょうきこす。細胞さいぼうのDNA修復しゅうふく能力のうりょくはその正常せいじょう機能きのう維持いじと、からだ全体ぜんたい健康けんこう維持いじにとって重要じゅうようであり、また、寿命じゅみょう影響えいきょうおよぼすとられる遺伝子いでんしおおくがDNA損傷そんしょう修復しゅうふく保護ほご関連かんれんしている。

なお、配偶はいぐうにおけるDNA修復しゅうふく失敗しっぱいつぎだいにおける変異へんい原因げんいんとなっており、これらは生物せいぶつにおける進化しんか速度そくどたい影響えいきょうあたえている。

DNAの損傷そんしょう

編集へんしゅう

DNAの損傷そんしょうは、細胞さいぼうないにおける正常せいじょう代謝たいしゃ過程かていでも1細胞さいぼうにつき1にちあたり50,000 - 500,000かい頻度ひんど発生はっせいし、また、様々さまざま要因よういんによりその発生はっせい頻度ひんどおおきくげられることもある。なお、損傷そんしょうとはことなるが、DNAのただしい複製ふくせい過程かていやその保持ほじかせない、ヌクレオチド塩基えんきプリン-ピリミジンあいだ適正てきせいたいごうあやまったたいごうあいだでの平衡へいこうは、高々たかだか10,000 - 100,000ばい比率ひりつしかなく、そのままではDNA分子ぶんしいち配列はいれつによる遺伝いでん情報じょうほうのコード要求ようきゅうされる高度こうど忠実ちゅうじつには不十分ふじゅうぶんである。

損傷そんしょうが3,000,000,000(30おく)の塩基えんきたいからなるヒトゲノムの0.0002%以下いかおさまっているあいだでも、がん密接みっせつ関連かんれんする遺伝子いでんし(がん抑制よくせい遺伝子いでんしなどの)へのたったひとつの修復しゅうふくされない損傷そんしょうにより、破滅はめつてき結果けっかをもたらすこともある。

かくとミトコンドリアにおけるDNA損傷そんしょうちが

編集へんしゅう

ヒトおよびかく生物せいぶつにおいては一般いっぱんに、DNAは細胞さいぼうないにおいてかくミトコンドリアふたつの領域りょういき存在そんざいする。

かくない存在そんざいするDNA(かくDNA:nDNA)は、ヒストンばれるビーズじょう蛋白質たんぱくしつき、染色せんしょくたいとしてられるだい規模きぼだんつぶ構造こうぞう形成けいせいし、保護ほごされた状態じょうたい存在そんざいしている。nDNAにコードされている遺伝いでん情報じょうほう必要ひつようがある場合ばあいは、必要ひつようとなった区間くかんだけがきほぐされ、まれ、ふたたきなおされて保護ほごされた状態じょうたいとなる。

ミトコンドリアない存在そんざいするDNA(ミトコンドリアDNA:mtDNA)は、ヒストンとのふく合体がったい形成けいせいすることなく単一たんいつあるいは複数ふくすうのコピーからなる環状かんじょうDNAとして存在そんざいしている。ヒストン蛋白質たんぱくしつによってあたえられる構造こうぞうてき保護ほごいているため、結果けっかとして、mtDNAはnDNAにくらべてはるかに損傷そんしょうけやすくなっている。くわえて、ミトコンドリアは内部ないぶ定常ていじょうてき生産せいさんされているATPのために非常ひじょうつよ酸化さんかてき環境かんきょうとなっており、これも、mtDNAをさらに損傷そんしょうけやすいものにしている。ヒトのmtDNAは13しゅタンパク質たんぱくしつかんする遺伝いでん情報じょうほうをもっているが、これらの遺伝いでん情報じょうほう破壊はかいされ、機能きのう不全ふぜんこしたミトコンドリアはアポトーシスを活性かっせいすることがある。

損傷そんしょう原因げんいん

編集へんしゅう

DNA損傷そんしょう原因げんいんは、以下いかのように分類ぶんるいすることが出来できる。

損傷そんしょうけたDNAの複製ふくせいにより、損傷そんしょうけたがわのDNAはこの不正ふせいとなった塩基えんきたいを"正式せいしきに"DNAのなか導入どうにゅうする。この正式せいしきまれた"不正ふせい"な塩基えんきたいつぎ世代せだい細胞さいぼう固定こていされ、変化へんかしたDNA配列はいれつとして永久えいきゅう保存ほぞんされる。この配列はいれつ変化へんか突然変異とつぜんへんい原因げんいんである。

損傷そんしょう形式けいしき

編集へんしゅう

DNAの損傷そんしょうはDNAのじゅうラセンといった構造こうぞうよりもむしろいち構造こうぞう影響えいきょうあたえるものがおおい。これらは以下いかのように分類ぶんるいされる。

  • 塩基えんき変化へんか
    • 塩基えんき酸化さんかたとえば、8-オキソ-7,8-ジヒドログアニン生成せいせい)や
    • 塩基えんきメチルたとえば、7-メチルグアニンの生成せいせい
    • 塩基えんき加水かすい分解ぶんかいたとえば、プリン塩基えんきやピリミジン塩基えんきだつはなれ
    • 塩基えんき不正ふせいたいごう。DNAの複製ふくせいにおいて、あたらしく生成せいせいされるDNAくさりじょう不正ふせい塩基えんきみこまれるためにしょうじる。
    • 重複じゅうふく
    • だつアミノたとえば、シトシンからウラシルへ、あるいは、アデニンからヒポキサンチンへの変化へんか
    • ヌクレオチド挿入そうにゅう、あるいはかけしつ
    • 類似るいじ塩基えんき
    • 紫外線しがいせんによるチミンりょうたい形成けいせい
  • くさり切断せつだん
    • 電離でんりせい放射線ほうしゃせんによる切断せつだん
    • 核酸かくさん骨格こっかく部分ぶぶんまれた放射ほうしゃせい物質ぶっしつ崩壊ほうかい
    • 酸化さんかてきフリーラジカル生成せいせい
  • 架橋かきょう
    • どういちくさりじょう塩基えんきたい同士どうし架橋かきょう
    • 対向たいこうする塩基えんきたい同士どうしでの架橋かきょう
    • 蛋白質たんぱくしつとの架橋かきょうたとえばヒストンなど)

DNAの修復しゅうふく機構きこう

編集へんしゅう

細胞さいぼうにおいては、遺伝子いでんしとしてコードされている情報じょうほう保全ほぜんせい可用性かようせいさまたげるようなDNAの損傷そんしょう無視むしすることが出来できない。このため、DNAにくわえられる様々さまざま形式けいしき損傷そんしょう対応たいおうし、うしなわれた情報じょうほうえるために修復しゅうふく機構きこう増加ぞうかし、発展はってんしていった。

損傷そんしょうによって変化へんかし、うしなわれた情報じょうほう修復しゅうふくするためには、ただしい情報じょうほうを、損傷そんしょうけていないはんであるDNAの相補そうほくさりか、姉妹しまい染色せんしょくたいからつくさなければならず、これらの情報じょうほう利用りようしなければ修復しゅうふくすることが出来できない。

損傷そんしょうけたDNAは、細胞さいぼうない素早すばや検出けんしゅつすることが出来できるような形状けいじょう変化へんかする。特定とくていのDNA修復しゅうふく関連かんれんする分子ぶんし損傷そんしょうけた部位ぶいあるいはそのちかくに結合けつごうし、分子ぶんし結合けつごうふく合体がったい形成けいせい誘導ゆうどうし、修復しゅうふく可能かのうにする。関係かんけいする分子ぶんし種類しゅるい修復しゅうふく機構きこう以下いか条件じょうけんによりまる。

  • DNA分子ぶんし損傷そんしょう様式ようしき
  • 細胞さいぼう老化ろうか状態じょうたい
  • 細胞さいぼう周期しゅうきのどの状態じょうたいにあるか

一本いっぽんくさり損傷そんしょう

編集へんしゅう

DNAじゅうラセンの一方いっぽうくさりへの損傷そんしょうにおいては、様々さまざまなDNA修復しゅうふく機構きこう存在そんざいする。以下いかのような様式ようしきふくまれる。

  • 損傷そんしょう直接ちょくせつ消去しょうきょ特定とくてい損傷そんしょう様式ようしきたいしてとくし、損傷そんしょう直接ちょくせつ復元ふくげんする修復しゅうふく機構きこうたとえば、メチルグアニンメチルもと転移てんい酵素こうそ (methyl guanine methyl transferase: MGMT) によるグアニンからのメチルもと除去じょきょ、あるいは細菌さいきん植物しょくぶつくわえ、ゆう胎盤たいばん哺乳類ほにゅうるい以外いがい動物どうぶつなどにられるひかり回復かいふく酵素こうそ (photolyase) による、紫外線しがいせん照射しょうしゃなどによりしょうじたピリミジンりょうたいたんりょうたいへのひらききれ復元ふくげんふくまれる。このひかり回復かいふく酵素こうそフォトリアーゼ)は、可視かしこう紫色むらさきいろ青色あおいろ利用りようしてピリミジンりょうたい相補そうほDNA修復しゅうふくおこなっている。
  • 除去じょきょ修復しゅうふく機構きこう損傷そんしょうけたヌクレオチドを除去じょきょし、損傷そんしょうけていないくさり情報じょうほうもと修復しゅうふくする機構きこう
    • 塩基えんき除去じょきょ修復しゅうふく (base excision repair: BER)。アルキル(メチルなど)あるいはだつアミノによる損傷そんしょう修復しゅうふくする機構きこうで、単一たんいつ塩基えんきたいたいする障害しょうがい修復しゅうふくする。
    • ヌクレオチド除去じょきょ修復しゅうふく (nucleotide excision repair: NER)。紫外線しがいせんによるものをふくめ、すうじゅう塩基えんきたいおよ比較的ひかくてきだい規模きぼな、じゅうくさりいがませるような損傷そんしょうたいおこなわれる修復しゅうふく
    • ミスマッチ修復しゅうふく(mismatch repair: MMR、不正ふせいたいごう修復しゅうふくとも)。DNA複製ふくせいさいしょうじたあやまりの修正しゅうせいで、単一たんいつ - 5塩基えんきたい程度ていどたいごうしない部位ぶい修復しゅうふくおこなう。
    • 校正こうせい修復しゅうふく (proof-reading repair)。DNAの複製ふくせい平行へいこうしておこなわれるたん塩基えんきたいのミスマッチ修復しゅうふく大腸菌だいちょうきん場合ばあいDNAポリメラーゼによりおこなわれるが、哺乳類ほにゅうるいのそれには同様どうよう機構きこうく、酵素こうそによるとかんがえられている。この修復しゅうふく機構きこうにより、複製ふくせい発生はっせいする不正ふせいたいごうは100,000,000 - 10,000,000,000に1かい頻度ひんどおさえられている。
  • 一本いっぽんくさり切断せつだん修復しゅうふく(あるいはたんくさり切断せつだん修復しゅうふく)。酸化さんかによりしょうじた、DNAの一方いっぽうくさりのみの切断せつだんした部分ぶぶんさい結合けつごうさせる修復しゅうふく
  • くみ修復しゅうふく

なお、レトロウイルスぎゃく転写てんしゃ酵素こうそには校正こうせい修復しゅうふく機能きのうく、これがレトロウイルスのきわめてはや変異へんい原因げんいんとなっている。レトロウイルスにおいてられる、表面ひょうめん構成こうせいする蛋白質たんぱくしつ構造こうぞう変異へんいや、ヒト免疫めんえき不全ふぜんウイルスにおけるこうレトロウイルスざいたいせい獲得かくとくとの関係かんけい指摘してきされる。

ほんくさり損傷そんしょう

編集へんしゅう

分裂ぶんれつする細胞さいぼうにとって、とく重大じゅうだいなDNA損傷そんしょう様式ようしきが、DNAじゅうラセンの両方りょうほうくさり切断せつだんされてしまう障害しょうがいで、この障害しょうがい修復しゅうふくする機構きこうには種類しゅるいある。ひとつは一般いっぱんられているあいどうくみで、もうひとつはあいどう末端まったんさい結合けつごうである。

  • あいどうくみ(homologous recombination: HR)の場合ばあい切断せつだん修復しゅうふくさいもちいる鋳型いがたとしてまったく同一どういつか、よく配列はいれつをもつゲノム利用りようする。この機構きこう細胞さいぼう周期しゅうきにおいて、DNAの複製ふくせいちゅうか、または複製ふくせい終了しゅうりょうあいだにおいておももちいられるとかんがえられている。 これは損傷そんしょうけた染色せんしょくたい修復しゅうふくが、あたらしく作成さくせいされたあいどう配列はいれつ姉妹しまい染色せんしょくぶんからだ利用りようすることで可能かのうになるからである。 ヒトゲノムではかえ配列はいれつおおく、利用りよう可能かのう同一どういつ配列はいれつおおふくんでいる。これらのほか配列はいれつとのあいだ交差こうさしてこるくみえにおいては問題もんだいこすことがおおく、結果けっかとして染色せんしょくたいてん (chromosomal translocation) や染色せんしょくたいさい編成へんせいこすことがある。

この修復しゅうふくプロセスの原因げんいんである酵素こうそてき機構きこうは、減数げんすう分裂ぶんれつなか生殖せいしょく細胞さいぼうにおける染色せんしょくたい交差こうさ原因げんいんである機構きこうとほとんどおなじである。

  • あいどう末端まったんさい結合けつごう (Non-Homologous End-Joining: NHEJ) は、本質ほんしつてきには損傷そんしょうによりしょうじたふたつの末端まったんをつなぐ機構きこうであるが、このプロセスではDNA配列はいれつがしばしばうしなわれるため、修復しゅうふく変異へんい原因げんいんとなることがある。 NHEJは細胞さいぼう周期しゅうきのすべての段階だんかい実行じっこう可能かのうであるが、DNA複製ふくせいまえの、姉妹しまい染色せんしょくぶんからだ利用りようしたあいどうくみえが不可能ふかのう段階だんかいではしゅとしてこる。ヒトあるいは細胞さいぼう生物せいぶつなどの、遺伝子いでんしではないDNA、いわゆる "ジャンクDNA"がかなりの部分ぶぶんめるようになったゲノムを細胞さいぼうにおいては、この変異へんいこす修復しゅうふくも、姉妹しまい染色せんしょくたい以外いがい配列はいれつとのあいどうくみえにくらべ、問題もんだいすくない傾向けいこうにある。

また、NHEJにおいて利用りようされる酵素こうそてき機構きこうは、B細胞さいぼうにおいて、免疫めんえきけい抗体こうたいさんせいにおける抗体こうたい可変かへん領域りょういき遺伝子いでんし (VDJ) のくみえで、RAG蛋白質たんぱくしつ (RAG proteins) によってつくられた切断せつだんてんさい結合けつごう利用りようされている。

SOS修復しゅうふく

編集へんしゅう

紫外線しがいせん照射しょうしゃなどにより高度こうどにDNAが損傷そんしょうけると、これに対応たいおうするため、一斉いっせい各種かくしゅ蛋白質たんぱくしつ合成ごうせいはじめることがられている。この反応はんのうをSOS応答おうとう (SOS response) とぶ。大腸菌だいちょうきんにおいては、DNA修復しゅうふくかかわるおおくの酵素こうそは、それをコードする遺伝子いでんし上流じょうりゅうにSOSボックスなる配列はいれつをもち、平時へいじ恒常こうじょうてき発現はつげんしているLexAというリプレッサーがここに結合けつごうし、転写てんしゃ阻害そがいされている。RecAがDNA損傷そんしょうおうじてしょうじる一本いっぽんくさりDNAに結合けつごうすることで活性かっせいすると、LexAの自己じこプロテアーゼ活性かっせい亢進こうしんし、細胞さいぼうないのLexAの濃度のうど減少げんしょうし、DNA修復しゅうふく酵素こうそ発現はつげんする。このようにして合成ごうせいされたDNA修復しゅうふく酵素こうそによりおこなわれるDNA修復しゅうふくSOS修復しゅうふくぶ。なお、SOS応答おうとうおおくの細胞さいぼうみとめられる反応はんのうで、とく大腸菌だいちょうきんのものが研究けんきゅうされている。

SOS応答おうとうにより誘導ゆうどうされるDNAポリメラーゼは、大腸菌だいちょうきんではポリメラーゼⅣ、ポリメラーゼⅤがられており、これらは普段ふだん複製ふくせいおこなっている複製ふくせいポリメラーゼとちがい3'-5'エキソヌクレアーゼ活性かっせい(校正こうせい機能きのう)をたず、また、SOS修復しゅうふくのために誘導ゆうどうされるDNA修復しゅうふく通常つうじょう塩基えんきとは立体りったい構造こうぞうことなる損傷そんしょう塩基えんきたいして塩基えんき挿入そうにゅうする必要ひつようせいから、複製ふくせいポリメラーゼとくらべ、塩基えんきたい形成けいせいする活性かっせい部位ぶいが"ゆるい"構造こうぞうとなっており、ワトソン・クリック塩基えんきたいしたがわない塩基えんきたい(たとえばフーグスティーン塩基えんきたい)を形成けいせいするなどということもおおい。このため、SOS応答おうとうにより誘導ゆうどうされるDNAの修復しゅうふくは、必然ひつぜんてきあやまりのおおいものとなる。

結果けっかとして、SOS応答おうとうにより、環境かんきょう変化へんかともな多量たりょう発生はっせいしたDNA損傷そんしょう迅速じんそく修復しゅうふくすることが出来できる。また、同時どうじにゲノムの変異へんいをもたらすが、これは長期ちょうきてきには、環境かんきょう適応てきおうしたあたらしい変異へんいかぶ発生はっせいをもたらすことで有利ゆうりはたらくとかんがえられる。

複製ふくせい修復しゅうふく(PRR)

編集へんしゅう
 
複製ふくせい修復しゅうふく転写てんしゃ共役きょうやくした修復しゅうふく

紫外線しがいせん照射しょうしゃによりしょうじる塩基えんきりょうたいはNERによって修復しゅうふくさせる。しかし、NERのみでは紫外線しがいせんによる損傷そんしょうのひとつであるCPD(シクロブタンがたピリミジンりょうたい:cyclobutane pyrimidine dimer)を完全かんぜんのぞくことはむずかしく、損傷そんしょう発生はっせいから24時間じかんっても、転写てんしゃける領域りょういきけない領域りょういきかかわらずゲノムにおおくの損傷そんしょうのこっていることがしめされている[1]。そのため、複製ふくせい転写てんしゃ途中とちゅうでポリメラーゼが損傷そんしょう遭遇そうぐうし、反応はんのう完了かんりょうできない事態じたいおちいる。これは、染色せんしょくたい異常いじょう細胞さいぼう転写てんしゃさん物量ぶつりょう激減げきげんによるあらゆる代謝たいしゃ異常いじょうこすため、生物せいぶつにとって非常ひじょう有害ゆうがいである。とく紫外線しがいせん損傷そんしょう生物せいぶつ日光にっこうしたにいる以上いじょうつね発生はっせいするため、損傷そんしょう残存ざんそんによるこのような危機きき回避かいひするためには、複製ふくせい転写てんしゃおこなさい紫外線しがいせん損傷そんしょうがDNAじょうのこっていても、どうにか複製ふくせい転写てんしゃ無事ぶじ完了かんりょうさせることがもとめられる。

生物せいぶつはこうした危機ききからみずからを防御ぼうぎょするため、転写てんしゃ共役きょうやくした修復しゅうふく(TCR)とPRR(Post-replication Repair:複製ふくせい修復しゅうふく)とばれる機構きこうをもっている。前者ぜんしゃは、RNAポリメラーゼが損傷そんしょう遭遇そうぐうしたときに、NERが活性かっせいされて転写てんしゃ反応はんのう進行しんこうちゅう鋳型いがたくさりからすみやかに損傷そんしょう除去じょきょする機構きこうである。後者こうしゃのPRRは、修復しゅうふくのための機構きこうではなく、DNAポリメラーゼが損傷そんしょう遭遇そうぐう複製ふくせいフォークが停止ていししたときに、通常つうじょう複製ふくせい反応はんのうとはことなるいくつかの経路けいろによって損傷そんしょう存在そんざいする塩基えんき複製ふくせいおこない、複製ふくせいをひとまず完了かんりょうさせる機構きこうであり、ゲノムに残存ざんそんした損傷そんしょうからべつ機構きこうにより修復しゅうふくされる。

PRRは、酵母こうぼもちいた研究けんきゅうで、あいどうえ(HR:Homologues Recombination)により複製ふくせいおこな経路けいろ(Rad51-dependent pathway)とRad6に依存いぞんする経路けいろ存在そんざいすることがわかっており、さら後者こうしゃは、テンプレートスイッチとばれる無傷むきず姉妹しまいくさり使つかって複製ふくせいおこな経路けいろ損傷そんしょうのこっているDNAくさり鋳型いがた強行きょうこうてき複製ふくせい反応はんのうすすめる経路けいろ(TLS: Translesion Synthesis, 損傷そんしょう複製ふくせい)があることがあきらかになっている。TLS以外いがい経路けいろでは、損傷そんしょういDNAくさり鋳型いがたとして複製ふくせいおこなうため、本質ほんしつてき謬であるが、TLSは損傷そんしょうDNAを鋳型いがたにして複製ふくせいすすめる性質せいしつじょう誤謬ごびゅうしょうじやすく、それゆえに普段ふだん複製ふくせいには機能きのうしないように厳密げんみつ制御せいぎょされている。

Rad6依存いぞんてき経路けいろでは、謬性(error-free)の複製ふくせいおこなわれるかTLSによるあやまりがち(error-prone)な複製ふくせいおこなわれるかは、PCNAの翻訳ほんやく修飾しゅうしょく(Post-replicational modification)によって制御せいぎょされている。Rad6-Rad18依存いぞんてきに164番目ばんめのリジンざんもとがモノユビキチンされるとTLSがおこなわれ、そのRad5依存いぞんてきにポリユビキチンおこなわれるとテンプレートスイッチによる謬性複製ふくせいおこなわれる。[2]

損傷そんしょう複製ふくせい(TLS)

編集へんしゅう

TLSは、損傷そんしょう塩基えんき鋳型いがた強行きょうこうてき複製ふくせいおこな機構きこうである。これをになっているタンパク質たんぱくしつぐんには、ユビキチンかかわる酵素こうそやDNAのすべがね(Sliding Clamp)としてはたらPCNA(Proliferating Cell Nuclear Antigen:増殖ぞうしょく細胞さいぼうかく抗原こうげん)のほか、ポリメラーゼ活性かっせい酵素こうそぐん(TLSポリメラーゼ)がある。TLSをになうポリメラーゼは、それの発見はっけん以前いぜんられていた大腸菌だいちょうきんのポリメラーゼⅠ・Ⅱ・Ⅲやポリメラーゼαあるふぁ, δでるた, εいぷしろんなどとは塩基えんき配列はいれつ構造こうぞうともに配列はいれつ類似るいじせいひくく、一方いっぽうでTLSポリメラーゼあいだではコンセンサス配列はいれつ見出みだせ、構造こうぞうてきにもあい同性どうせいがあった。そこで、これらのポリメラーゼはそれまでに発見はっけんされていたポリメラーゼとはべつに、あたらしくYファミリーポリメラーゼとして分類ぶんるいされた。[3]

TLSポリメラーゼとしておもなものは、

Rev1
Yファミリーポリメラーゼ。だつ塩基えんき部位ぶいたいしてシトシンを1つ挿入そうにゅうできるが、伸長しんちょうはできない。
ポリメラーゼηいーた
Yファミリーにぞくし、紫外線しがいせんによってしょうじるおも損傷そんしょうであるシクロブタンがたピリミジンりょうからだ唯一ゆいいつ正確せいかくにかつ効率こうりつえられ、その損傷そんしょう塩基えんき大概たいがい正確せいかくえられることから正確せいかくなTLSをおこなうために必須ひっすなポリメラーゼだとかんがえられている。また、からだ細胞さいぼうちょう変異へんい(Somatic Hyper Mutation)に、つまり免疫めんえきけいかかわっていることがわかっている。
ポリメラーゼιいおた
Yファミリーにぞくする。Polηいーたのパラログ。in vitroでの解析かいせきにより、(6-4)ひかり産物さんぶつのようなかさたか損傷そんしょうてい効率こうりつながらえられることが示唆しさされている。また、塩基えんき除去じょきょ修復しゅうふく(BER)にかかわっていることが示唆しさされている。
ポリメラーゼκかっぱ
Yファミリー。CPDはえられないものの、4-OHEN-dCのようなかさたか損傷そんしょうあやまりながらも[4]、ベンゾ[a]ピレンの付加ふかした塩基えんきえられる。
ポリメラーゼζぜーた
Bファミリー。Rev3, Rev7のヘテロりょうたいであり、比較的ひかくてきプロセッシブ(Processivityとは、DNAからはずれずに複製ふくせいつづける性能せいのうのことである)である。あやまって塩基えんきたい形成けいせいした末端まったんからヌクレオチドくさり伸長しんちょうおこなってしまうことから、変異へんい固定こていかかわっている可能かのうせいがある。
ポリメラーゼηいーたいろ素性すじょういぬいかわしょうバリアントぐん(XPV)
編集へんしゅう

TLSポリメラーゼのなかでも、とくにポリメラーゼηいーた詳細しょうさい解析かいせきすすんでいる。Polηいーた遺伝子いでんし産物さんぶつは、ヒトにおいては、劣性れっせい遺伝いでんびょうであるいろ素性すじょういぬいかわしょうのバリアントぐん(XPV;後述こうじゅつ)の責任せきにん遺伝子いでんし産物さんぶつとして同定どうていたんはなされている。[5][6]XP-V患者かんじゃは、日光にっこう過敏かびんしょう症状しょうじょうていし、日光にっこう露光ろこうにメラノーマや基底きてい細胞さいぼう上皮じょうひがんなどの皮膚ひふがんしょうじる。また、患者かんじゃ由来ゆらい細胞さいぼうは、DNA複製ふくせい不完全ふかんぜんとなりみじかいDNAがおお検出けんしゅつされる[7]おおくの場合ばあいポリメラーゼηいーたのC末端まったんがわおおきく欠損けっそんしており、C末端まったん存在そんざいするかく移行いこうシグナル(NLS)を発現はつげんしておらず、この場合ばあいはこの酵素こうそかくない移行いこうできないことがXPVの原因げんいんであるとかんがえられる。[8]また、全長ぜんちょうのPolηいーた転写てんしゃ産物さんぶつ(mRNA)をち、NLSやC末端まったんがわ存在そんざいする複製ふくせい装置そうちへの局在きょくざい必要ひつような120aaを欠損けっそんしていないPolηいーた発現はつげんしていることが期待きたいされるXPV患者かんじゃもいるが、全長ぜんちょう遺伝子いでんし産物さんぶつ発現はつげんしていても、ポリメラーゼ活性かっせいになうN末端まったんがわ領域りょういきにdeletionやpoint mutationがはいっており、正常せいじょう損傷そんしょうえポリメラーゼとしての活性かっせい発揮はっきできていないことが発症はっしょう原因げんいんだとかんがえられる。[9] マウスPolηいーたのC末端まったんがわおおきくかけしっさせたマウスも作成さくせいされており、個体こたい使つかった実験じっけんでは、紫外線しがいせん照射しょうしゃによって皮膚ひふがんこう頻度ひんどしょうじるなどXP-Vのモデルとして有用ゆうようである[10]。また、POLHノックアウトマウス培養ばいよう細胞さいぼう使つかった研究けんきゅうでは、紫外線しがいせん照射しょうしゃのDNAじょう変異へんい蓄積ちくせきすることもわかっている。

疾病しっぺい老化ろうかにおけるDNA修復しゅうふく

編集へんしゅう

DNA修復しゅうふく不順ふじゅん病理びょうり

編集へんしゅう

DNA修復しゅうふく頻度ひんど細胞さいぼう病理びょうり

編集へんしゅう

細胞さいぼう老化ろうかとともに、DNAの損傷そんしょう発生はっせい頻度ひんどがDNA修復しゅうふく速度そくどくようになり、修復しゅうふくいつかずに損傷そんしょう蓄積ちくせきする。結果けっかとして蛋白質たんぱくしつ合成ごうせい減少げんしょうする。細胞さいぼうない蛋白質たんぱくしつおおくの生命せいめい維持いじのために消耗しょうもうすると、細胞さいぼう自体じたい次第しだい損傷そんしょうけ、ついには死滅しめつする。からだかく器官きかんにおいて、おおくの細胞さいぼうがそのような状態じょうたいたっすると、器官きかん自体じたい能力のうりょくよわめ、そして、次第しだい病気びょうき症状しょうじょうとなってあらわれるようになる。

動物どうぶつ実験じっけんによる研究けんきゅうにおいて、DNA修復しゅうふく関連かんれんする遺伝子いでんし発現はつげん抑制よくせいさせたところ、老化ろうか加速かそくされ、老化ろうか初期しょきられる症状しょうじょうみとめられ、また、がん促進そくしんたい鋭敏えいびんになった。また、培養ばいよう細胞さいぼうもちいた研究けんきゅうにおいては、寿命じゅみょう延長えんちょう発癌はつがんせい物質ぶっしつたいする抵抗ていこうせいについて、DNA修復しゅうふく遺伝子いでんし関与かんよしているとかんがえられている。

DNA修復しゅうふく速度そくど変化へんか

編集へんしゅう

DNA損傷そんしょう頻度ひんど増加ぞうかし、その修復しゅうふく能力のうりょく超過ちょうかするようになると、遺伝いでん情報じょうほうあやまりが蓄積ちくせきして細胞さいぼうはそれにえられなくなり、結果けっかとして、老化ろうか、アポトーシスあるいはがんする。DNA修復しゅうふく機構きこう欠損けっそんによる遺伝いでんびょうは、早期そうき老化ろうかたとえば、ウェルナー症候群しょうこうぐんなど)や発癌はつがんせい物質ぶっしつたいする感受性かんじゅせい増加ぞうかたとえば、いろ素性すじょういぬいかわしょうなど)をこす。動物どうぶつにおける研究けんきゅうでも、DNA修復しゅうふく遺伝子いでんし機能きのう発現はつげん阻止そししたところ、同様どうよう症状しょうじょうしめすことがられている。

他方たほう、DNA修復しゅうふく機構きこう強化きょうかされた生物せいぶつ、たとえば、放射線ほうしゃせん照射しょうしゃたいせい細菌さいきんデイノコッカス・ラディオデュランスDeinococcus radiodurans: 「もっと放射線ほうしゃせんつよ細菌さいきん」としてギネスブック記載きさいされている)などは顕著けんちょ放射線ほうしゃせんたいせいゆうするが、これは、DNA修復しゅうふく酵素こうそ修復しゅうふく速度そくど格段かくだんはやく、放射線ほうしゃせんによりさそえおこされた損傷そんしょういついていけることと、遺伝子いでんしのコピーを4 - 10ほどっている(たとえば、デイノコッカス・ラディオデュランスはゲノムを環状かんじょうDNAとして、多量たりょうたいとなった染色せんしょくたいかたち保持ほじしている)ことなどによる。

ヒトにかんする研究けんきゅうにおいて、ひゃくさい以上いじょう日本人にっぽんじんでは、ミトコンドリアの遺伝子いでんしがたはDNA損傷そんしょうけにくいかたのものが一般いっぱんてきであることがかっている。また、喫煙きつえんいえでの研究けんきゅうでは、強力きょうりょくなDNA修復しゅうふく遺伝子いでんしhOGG1の表現ひょうげんがた劣性れっせいとなるような変異へんいひと場合ばあいはいやその喫煙きつえん関係かんけいするがんたい脆弱ぜいじゃくになっていることられている。 この変異へんい関連かんれんしているいち塩基えんき変異へんいがた (SNP) は臨床りんしょうてき検出けんしゅつすることができる。

DNA修復しゅうふく異常いじょうかかわる遺伝いでんてき疾患しっかん

編集へんしゅう

DNA修復しゅうふく機構きこう関与かんよする遺伝子いでんし欠陥けっかんは、いくつかのじゅうあつし遺伝いでんびょう原因げんいんとなる。たとえば、 ヌクレオチド除去じょきょ修復しゅうふく(NER)の機能きのう不全ふぜん原因げんいん遺伝いでんてき疾患しっかんとして、つぎのようなものがある[11]

いろ素性すじょういぬいかわしょう(XP)
GGR(global genome repair:ゲノム全体ぜんたい修復しゅうふく)におけるNERの機能きのう不全ふぜんによる。紫外線しがいせんへの感受性かんじゅせいたかめ、日光にっこう過敏かびんしょう皮膚ひふやその臓器ぞうきにおけるこうはつがんやシミそばかすの増加ぞうかをもたらす。XPAからXPGまでの7つの相補そうほぐんからなり、それぞれがことなる酵素こうそ欠損けっそんしていることが原因げんいんである。また、DSC(DeSanctis-Cacchoine syndrome)と合併がっぺいし、知能ちのう低下ていか運動うんどう失調しっちょうきたしている患者かんじゃおおられる。A - Gぐんほか、バリアントぐんXPVも存在そんざいするが、これはNERではなくTLSの不全ふぜん原因げんいんである。
コケイン症候群しょうこうぐん (Cockayne syndrome, CS)
TC-NER(転写てんしゃ共役きょうやくしたヌクレオチド除去じょきょ修復しゅうふく)の機能きのう不全ふぜん原因げんいんであり、CSA、CSBの2つの相補そうほぐんからなる。紫外線しがいせんおよび化学かがく薬品やくひんへの過敏かびん知能ちのう身体しんたい発育はついく不全ふぜん早老そうろうしょうなどをていする。XP-B, D, Gと合併がっぺいする場合ばあいもある。
硫黄いおう欠乏けつぼうせい毛髪もうはつ発育はついく異常いじょうしょう(TTD, trichothiodystrophy)
コケイン症候群しょうこうぐん(CS)とちか臨床りんしょう症状しょうじょうしめすが、CSではみとめられない皮膚ひふかく亢進こうしんかみつめもろみとめられる。XPB, XPD, TTDAに変異へんいはいり、GG-NERおよびTC-NERの活性かっせい低下ていかしていることが原因げんいんである。
頭蓋とうがいがお骨格こっかく症候群しょうこうぐん(COFSS, cerebro-oculo-facio-skeletal syndrome)
コケイン症候群しょうこうぐん(CS)の重症じゅうしょうがたであり、知能ちのう身体しんたいにCSよりも重度じゅうど発育はついく不全ふぜんしめし、神経しんけい細胞さいぼう急激きゅうげき細胞さいぼうにより、生後せいご1 - 2ねん死亡しぼうする。
遺伝いでんせいポリポーシス大腸だいちょうがん (hereditary non-polyposis colorectal cancer, HNPCC)
DNAミスマッチ修復しゅうふく遺伝子いでんし異常いじょうにより、DNA複製ふくせいエラーが蓄積ちくせきし、種々しゅじゅ悪性あくせい腫瘍しゅよう発症はっしょうする。

また、NER以外いがいのDNA修復しゅうふく機構きこう異常いじょう起因きいんする遺伝いでんてき疾患しっかんとしては、

ウェルナー症候群しょうこうぐん (Werner's syndrome)
早期そうき老化ろうか成長せいちょう遅延ちえんおよび発癌はつがんりつ上昇じょうしょう特徴とくちょうとする遺伝いでんてき疾患しっかんであり、10代にはいるまでは正常せいじょう発育はついくするが、それ以降いこう成長せいちょう遅延ちえんし、その白髪はくはつ脱毛だつもうをはじめとする皮膚ひふ症状しょうじょうや、白内障はくないしょう骨粗鬆症こつそしょうしょうなどさまざまな臨床りんしょう症状しょうじょうていし、40だいはいってからはつがんや心筋梗塞しんきんこうそくなどをきたす。
ブルーム症候群しょうこうぐん (Bloom's syndrome)
日光にっこう過敏かびんしょう悪性あくせい腫瘍しゅよう発生はっせいりつ上昇じょうしょう
毛細血管もうさいけっかん拡張かくちょうせい運動うんどう失調しっちょうしょう(Ataxia-Telangiectasia, A-T, also known as Louis-Bar症候群しょうこうぐん)
小脳しょうのう失調しっちょう毛細血管もうさいけっかん拡張かくちょう免疫めんえき不全ふぜんおも特徴とくちょうとし、患者かんじゃ由来ゆらい細胞さいぼう電離でんり放射線ほうしゃせんやあるしゅ化学かがく物質ぶっしつなど種々しゅじゅのDNA障害しょうがい因子いんしたか感受性かんじゅせいしめす。また、発癌はつがんりつとく白血病はっけつびょう脳腫瘍のうしゅようおよび胃癌いがん発生はっせいりつ増加ぞうかする。チェックポイント機構きこう上流じょうりゅうATMとう疾患しっかん責任せきにん分子ぶんしである。

のDNA修復しゅうふく機能きのう減退げんたいともな病気びょうきとして、ファンコーニ貧血ひんけつ (Fanconi's anemia)、遺伝いでんてき乳癌にゅうがんおよび直腸ちょくちょうがんなどがられている。DNAクロスリンク修復しゅうふくかかわるFA経路けいろじょう酵素こうそ(FANCD2など)の異常いじょうがファンコニ貧血ひんけつ原因げんいんであり、BRCAの異常いじょうこう頻度ひんど乳癌にゅうがんをもたらすことがわかっている。

慢性まんせいてきなDNA修復しゅうふく不調ふちょう

編集へんしゅう

慢性まんせいびょうおおくにおいてDNA損傷そんしょう増加ぞうかとの関連かんれん指摘してきされている。 たとえば、喫煙きつえんにおいては、酸化さんかによるDNA損傷そんしょうや、あるしゅ化合かごうぶつ心臓しんぞうはい細胞さいぼう供給きょうきゅうしてDNA分子ぶんしへの付加ふかこすなどにより、その情報じょうほう撹乱かくらんする原因げんいんとなる。DNA損傷そんしょうは、現在げんざい、アテロームせい動脈どうみゃく硬化こうかしょう (Atherosclerosis) からアルツハイマーびょう (Alzheimer's disease) までの病気びょうきにおいて、その原因げんいんとなることがしめされており、患者かんじゃのう細胞さいぼうにおけるDNA修復しゅうふくのう許容きょようりょうちいさいことがられている。また、おおくの病気びょうきにおいて、ミトコンドリアDNA損傷そんしょう関連かんれん指摘してきされている。

長寿ちょうじゅとDNA修復しゅうふく

編集へんしゅう

ほとんどの寿命じゅみょうかんする遺伝子いでんしがDNA損傷そんしょう頻度ひんど影響えいきょうあたえている。ある遺伝子いでんし生物せいぶつ集団しゅうだんにおける寿命じゅみょう変化へんか影響えいきょうおよぼすこともられており、イースト、むし、ハエあるいはネズミなどのモデル生物せいぶつにおける研究けんきゅうでは、変更へんこうにより寿命じゅみょうばいできる単一たんいつ遺伝子いでんし特定とくていされている。れいとして、せんちゅう (Caenorhabditis elegans) のage-1遺伝子いでんしにおける変異へんいなどがられている。これらの遺伝子いでんしは、DNA修復しゅうふく以外いがい細胞さいぼう機能きのう関連かんれんしていることがられていたが、その影響えいきょうおよぼす経路けいろさきで、以下いかの3つの機能きのうの1つを仲介ちゅうかいすることが確認かくにんされた。

  • DNA修復しゅうふく速度そくど上昇じょうしょう
  • こう酸化さんかのう生産せいさん速度そくど増加ぞうか
  • 酸化さんかのう生産せいさん速度そくど減少げんしょう

そのため、一般いっぱんてき様式ようしきとして、ほとんどの寿命じゅみょう影響えいきょうあたえる遺伝子いでんしは、その影響えいきょう下流かりゅうにおいてDNA損傷そんしょう頻度ひんど変更へんこう影響えいきょうあたえている。

カロリー制限せいげんとDNA修復しゅうふく増加ぞうか

編集へんしゅう
 
ほとんどの寿命じゅみょう関連かんれんする遺伝子いでんしがDNA損傷そんしょう頻度ひんど影響えいきょうする

カロリー制限せいげん (Caloric restriction: CR) は、研究けんきゅうされているすべての生物せいぶつ酵母こうぼなどの単細胞たんさいぼう生物せいぶつからワーム、ハエネズミあるいは霊長れいちょうるいなどの細胞さいぼう生物せいぶつにおいて、寿命じゅみょう延長えんちょう老化ろうか関連かんれんする病気びょうき減少げんしょうをもたらすことがしめされている[12][13]

カロリー制限せいげんはたら機構きこうは、栄養えいようとく炭水化物たんすいかぶつ不足ふそくがあるとき、細胞さいぼう代謝たいしゃ活性かっせい変更へんこうする信号しんごうる、栄養えいよう関係かんけいするおおくの遺伝子いでんし関連かんれんしている。細胞さいぼうは、利用りよう可能かのう炭水化物たんすいかぶつ減少げんしょう感知かんちした場合ばあい寿命じゅみょう関連かんれんする遺伝子いでんしのDAF-2、AGE-1、およびSIR-2(、「ほとんどの寿命じゅみょう関連かんれんする遺伝子いでんしがDNA損傷そんしょう頻度ひんど影響えいきょうする」を参照さんしょう)を発現はつげんさせる。なぜ栄養えいよう不足ふそくが、細胞さいぼうちゅうでのDNA修復しゅうふく増加ぞうかした状態じょうたいこして寿命じゅみょう延長えんちょうしめことと、進化しんかにおいて保存ほぞんされた細胞さいぼう休眠きゅうみん (cellular hibernation) の機構きこうとに関連かんれんするのか、その理由りゆうからないが、本質ほんしつてきには、これらはいずれもよりこのましい条件じょうけんおとずれるまで細胞さいぼう休眠きゅうみん状態じょうたい維持いじすることを可能かのうにする。休眠きゅうみん状態じょうたいあいだ細胞さいぼう新陳代謝しんちんたいしゃ標準ひょうじゅんとする速度そくど減少げんしょうさせ、同時どうじに、ゲノムの不安定ふあんていせい減少げんしょうさせなければならないが、ここにしめされた機構きこうはこれらを可能かのうにする方法ほうほうひとつである。したがって、細胞さいぼう老化ろうか速度そくど変化へんかしやすく、栄養えいよう利用りよう可能かのうせいといった環境かんきょう要因よういんもDNA修復しゅうふく速度そくど変更へんこうさせることでこれに影響えいきょうあたえる。

DNAとむすいているヒストンでは、N末端まったんリシンざんもとがアセチルだつアセチルされ、これが遺伝子いでんし発現はつげん制御せいぎょかかわっている。ヒストンが多数たすうアセチルされている染色せんしょくたい領域りょういきは、遺伝子いでんし転写てんしゃ活発かっぱつおこなわれており、ヒストンのアセチル遺伝子いでんし発現はつげん活性かっせいさせ、だつアセチルはヒストンとDNAの親和力しんわりょくつよ遺伝子いでんし発現はつげん抑制よくせいしDNAを安定あんていしているとかんがえられている。これらの反応はんのうヒストンアセチルトランスフェラーゼ(HAt)、ヒストンだつアセチル酵素こうそ=ヒストンデアセチラーゼ(HDAc)によって触媒しょくばいされる[14][15]。カロリー制限せいげんによってヒストンだつアセチル酵素こうそ発現はつげんさせるこう老化ろうか遺伝子いでんしばれるサーチュイン遺伝子いでんし活性かっせいされるとわれている[16]

DNA修復しゅうふく進化しんか

編集へんしゅう

DNAの損傷そんしょうは、ひとつのヌクレオチド変化へんか(あるいは変異へんい)をしょうじ、これはDNA配列はいれつとしてはこばれる情報じょうほう変化へんかをもたらす。DNAの変異へんい組替くみかえは進化しんか主要しゅよう要因よういんであり、DNA修復しゅうふく頻度ひんど進化しんか速度そくど影響えいきょうあたえている。非常ひじょうたかいDNA修復しゅうふくりつのもとでは変異へんい発生はっせい抑制よくせいされ、結果けっかとしてこれに相応そうおうする進化しんか減速げんそくをもたらすが、ぎゃくに、たか突然変異とつぜんへんいりつのもとでは、進化しんか速度そくどはやくなる。

DNA修復しゅうふく機構きこう起源きげん

編集へんしゅう

地質ちしつがくてき年代ねんだい順位じゅんい観点かんてんからは、遺伝子いでんし情報じょうほうをコードする手段しゅだんとして核酸かくさん利用りようするようになってあいだもない先カンブリア時代せんかんぶりあじだいから発展はってんさせはじめていたことがしめされている。この時代じだい大気たいきなか酸素さんそ着実ちゃくじつ増加ぞうかはじめ、カンブリアにおける光合成こうごうせい植物しょくぶつ爆発ばくはつてき増加ぞうかて、わたしたちのいる今日きょう水準すいじゅん到達とうたつした。酸素さんそおおくはビラジカルとして存在そんざいし(三重みえこう酸素さんそ)、反応はんのうせいたかくないもののラジカルとして振舞ふるまほか紫外線しがいせん吸収きゅうしゅうによって励起れいきされよりはんおうせいたか細胞さいぼう細胞さいぼうあいだ基質きしつへの障害しょうがいせいたかいちじゅうこう酸素さんそとなる。また、こうてき生物せいぶつではミトコンドリアの呼吸こきゅうくさりでATPを生成せいせいするさい酸素さんそからみず以外いがいにもスーパーオキシドという活性かっせい酸素さんそしょうじてしまう。このように大気たいきちゅう大量たいりょう存在そんざいする酸素さんそは、こう生物せいぶつにとっては生存せいぞん必須ひっす分子ぶんしであると同時どうじに、本質ほんしつてき毒性どくせいをもつ分子ぶんしであるため、それによる損傷そんしょう抑制よくせいし、修復しゅうふくする機構きこう発展はってん相当そうとうふる年代ねんだいから必要ひつようとされた。こうした背景はいけいから、この機構きこう起源きげん我々われわれとお先祖せんぞにまでさかのぼり、ヒトとマウスあるいはハエどころか、酵母こうぼのような、進化しんかてきにかなりはなれたたねあいだにも共有きょうゆうする高度こうど保存ほぞんされたDNA修復しゅうふく機構きこうることができる。

病気びょうき進化しんか

編集へんしゅう

DNA修復しゅうふくりつは(感染かんせんせいの)病気びょうき老化ろうかにおいて、細胞さいぼうあるいは個体こたいぐんのスケールにおける進化しんか決定的けっていてき役割やくわりたしており、また、以下いかの2つのてん重要じゅうよう関係かんけいつことがあきらかになっている。

  • DNA修復しゅうふくりつ変異へんい
  • DNA修復しゅうふくりつ老化ろうか

変異へんい進化しんか直接ちょくせつ関係かんけいしていることから、進化しんか老化ろうかとの関係かんけいについてあたらしい見方みかたあらわれた。進化しんか機構きこうとして、ゲノムにたいしこれに適応てきおうするように柔軟じゅうなんせいあたえているが、これはゲノムの不安定ふあんてい原因げんいんとなり、また、病気びょうき(HNPCC,BRCA関連かんれん乳癌にゅうがん卵巣らんそうがんなど)あるいは老化ろうかけやすくするようにもえる。変異へんい進化しんかしゅたる駆動くどういんとなっているから、生物せいぶつ病気びょうき老化ろうかけなければならないのか?これは論争ろんそうこす問題もんだいとしていまのこされており、多数たすう老化ろうかかんする理論りろん提供ていきょうした。

薬剤やくざいとDNA修復しゅうふく変調へんちょう

編集へんしゅう

DNA損傷そんしょうあるいは病気びょうきとの関連かんれんしめ莫大ばくだい証拠しょうこ存在そんざいする。あたらしい過剰かじょう発現はつげんかんする研究けんきゅうしめされるように、いくつかのDNA修復しゅうふく酵素こうそ活動かつどう増加ぞうかさせると、老化ろうか速度そくど発病はつびょう頻度ひんど減少げんしょうする可能かのうせいがある。これは結果けっかとして、老齢ろうれい人口じんこうたいしよりなが健康けんこう病気びょうきのない時間じかんをもたらすような、人間にんげん介入かいにゅう手段しゅだんをもたらすかもしれない。しかしながら、DNA修復しゅうふく酵素こうそ過剰かじょう発現はつげんがすべて有益ゆうえきであるとはかぎらない。いくつかのDNA修復しゅうふく酵素こうそ健全けんぜんなDNAにあらたな突然変異とつぜんへんいをもたらす場合ばあいがある。これらのあやまりにより、基質きしつ特異とくいせい減少げんしょうこすことがある。

がん治療ちりょう

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化学かがく療法りょうほう放射線ほうしゃせん療法りょうほうなどの手法しゅほうは、細胞さいぼうつDNA修復しゅうふく能力のうりょくをはるかにえる損傷そんしょうをもたらし、結果けっかとして細胞さいぼうをもたらす。がん細胞さいぼうのように急速きゅうそく分裂ぶんれつすすめる細胞さいぼうにおいては、これらの影響えいきょう優先ゆうせんてきけることになる。しかし、副作用ふくさようとして、骨髄こつづいみき細胞さいぼうのようながん細胞さいぼうではないが急速きゅうそく分裂ぶんれつすすめる細胞さいぼうたいしても影響えいきょうおよぶため、現代げんだいがん治療ちりょうでは、影響えいきょうがんかかわる組織そしきにとどめるために、DNA損傷そんしょう局所きょくしょ限定げんていしようとこころみている。

遺伝子いでんし治療ちりょう

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DNA修復しゅうふく治療ちりょうにおける利用りよう関連かんれんしてつづけられている、破損はそんしている領域りょういきたいしてもっと正確せいかく特異とくいせいしめすDNA修復しゅうふく酵素こうそ特定とくていけた挑戦ちょうせんは、その過剰かじょう発現はつげんによるDNA修復しゅうふく機構きこう増強ぞうきょうへとつながるだろう。 いったん適切てきせつ修復しゅうふく因子いんし特定とくていできれば、それらを細胞さいぼうないみちび適切てきせつ方法ほうほう選択せんたくが、実行じっこう可能かのう病気びょうき老化ろうかたいする治療ちりょうほうすためにつぎ段階だんかいとして必要ひつようとなる。細胞さいぼう状態じょうたい変化へんかもとづいて生産せいさんする蛋白質たんぱくしつりょう変化へんかさせることのできるようなすぐれた遺伝子いでんし開発かいはつは、DNA修復しゅうふく増大ぞうだいによる治療ちりょう効果こうかつよめるだろう。

遺伝子いでんし修復しゅうふく

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遺伝子いでんし修復しゅうふく(あるいは遺伝子いでんし修正しゅうせい)においては、ふくあいてき内因ないいんせいのDNA修復しゅうふく機構きこうとはことなり、病気びょうき原因げんいんとなる染色せんしょくたい変異へんい正確せいかく指定してい修復しゅうふくするような形式けいしき遺伝子いでんし治療ちりょう対象たいしょうとする。それは、オリゴヌクレオチドによる部位ぶい特異とくいてき突然変異とつぜんへんいほう(オリゴヌクレオチド指定してい変異へんいほう)などの技術ぎじゅつ使用しようして、欠陥けっかんのあるDNA配列はいれつ希望きぼうされる配列はいれつえることによっておこなわれる。修復しゅうふく必要ひつようとするような遺伝子いでんし変異へんい通常つうじょう遺伝いでんするが、いくつかの場合ばあいたとえばがんなどにおいて、このようなえを後天的こうてんてき誘導ゆうどうあるいは獲得かくとくさせることが可能かのうである。

引用いんよう文献ぶんけん

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関連かんれん項目こうもく

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