Hadou

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『Hadou』（ハドウ）は、日本にっぽんの音楽おんがくユニット・B'zのボーカリスト・稲葉いなば浩志ひろしの4作さく目めのオリジナル・アルバム。2010年ねん8月がつ18日にちにVERMILLION RECORDSから発売はつばいされた。

『Hadou』
稲葉いなば浩志ひろし の スタジオ・アルバム
リリース	2010年ねん8月がつ18日にち
録音ろくおん	2005年ねん - 2010年ねん
ジャンル	J-POP ロック ハードロック フォークロック
時間じかん	63分ふん46秒びょう
レーベル	VERMILLION RECORDS
プロデュース	稲葉いなば浩志ひろし
チャート最高さいこう順位じゅんい
週間しゅうかん1位い（オリコン） 2010年度ねんど年間ねんかん38位い（オリコン）
稲葉いなば浩志ひろし アルバム 年表ねんぴょう
Peace Of Mind （2004年ねん） Hadou （2010年ねん） Singing Bird （2014年ねん）
『Hadou』収録しゅうろくのシングル
「Okay」 リリース: 2010年ねん6月がつ23日にち

概要がいよう

前作ぜんさく『Peace Of Mind』から約やく6年ねんぶりとなるオリジナル・アルバム。

本ほん作さくには先行せんこうシングル「Okay」の他ほか、TBS系けい『NEWS23クロス』のエンディングテーマに起用きようされた「この手てをとって走はしり出だして」や、2006年ねんに放送ほうそうされた読売よみうりテレビ・日本にほんテレビ系けいアニメ『結界けっかい師し』エンディングテーマとして発表はっぴょうされたままCD化かされていなかった「赤あかい糸いと」など、全ぜん15曲きょくを収録しゅうろく。初回しょかい限定げんてい盤ばんには、これまで発表はっぴょうされたソロ作品さくひんのミュージック・ビデオ全ぜん11曲きょくを収録しゅうろくしたDVDが付属ふぞくされている。

アルバムタイトルの『Hadou』は「波動はどう」を意味いみし、「目めの前まえにいる人ひとじゃなくて、遠とおくにいる人ひと、自分じぶんの思おもっている人ひとと波動はどうでつながっている」が本ほん作さくのテーマ。元々もともと「Hadou」というタイトルは、3曲きょく目め収録しゅうろく「The Morning Call」の仮かりタイトルだった（歌詞かしに「波動はどう」というフレーズも入はいっている）。アルバムタイトルがなかなか決きまらなかったことと、3曲きょく目めを「Hadou」というタイトルに決きめかねていたこととが合あわさり、現在げんざいに至いたった。また、漢字かんじではなくロろーマ字まじ表記ひょうきになったのは、漢字かんじにすると最初さいしょに「波動はどう」というイメージが固かたまることを嫌きらったから、とのこと。

稲葉いなばはリリースの5年ねん前まえからB'zの活動かつどうの合間あいまを縫ぬって自宅じたくのスタジオにアレンジャーの寺地てらち秀行ひでゆきを度々たびたび招まねき、リリースなども考かんがえずに思おもいついたままに少すこしずつ曲きょく作づくりを行おこなっていた。稲葉いなば曰いわく、この期間きかんに作成さくせいした楽曲がっきょくは、未み編曲へんきょくの楽曲がっきょくやデモ楽曲がっきょくを含ふくめると、32曲きょくに及およんだとのこと。また未み発表はっぴょうではあるがカバー曲きょくも制作せいさくしたという（ゾンビーズなど）。ほとんどの楽曲がっきょくに歌詞かしは付つけられていなかったが、稲葉いなばは2009年ねんの正月しょうがつ辺あたりからリリースを意識いしきし、歌詞かしを書かき始はじめた。2004年ねんに開催かいさいされた初はつのソロ・ツアー『Inaba Koshi LIVE 2004 〜en〜』の経験けいけんを経へて、無意識むいしきではあるがライブでの絵えも想像そうぞうしながら制作せいさくをしたという。

発売はつばい初はつ週しゅうで12.7万まん枚まいの売上うりあげを記録きろくし、8月がつ30日にちのオリコン週間しゅうかんアルバムランキングにて1stアルバム『マグマ』から4作さく連続れんぞくでの初はつ登場とうじょう首位しゅいを獲得かくとく。これにより、稲葉いなばは1990年代ねんだい、2000年代ねんだい、2010年代ねんだいの「3年代ねんだい連続れんぞくオリジナル・アルバム1位い」の記録きろくを達成たっせいした。これは、サザンオールスターズ、徳永とくなが英明ひであき、SMAPに続つづき4組くみ目めの達成たっせいである。

収録しゅうろく曲きょく

CD

1. LOST (1:27)
   • 本ほん作さくのイントロダクション的てきな曲きょくで、演奏えんそう時間じかんは稲葉いなばソロ曲きょくの中なかで最短さいたんの1分ふん25秒びょう。
   • 2009年ねんに、B'zとして博多はかたにレコーディングに行いった際さいにホテルで作つくられた楽曲がっきょくで、本ほん作さくでは最後さいごに完成かんせいした。メロディ自体じたいは早はやいうちから存在そんざいしており、アルバムの最終さいしゅう調整ちょうせいに入はいった際さいに、稲葉いなばが「アルバムとして足たりない気きがするからもう1曲きょく足たしたい」と思おもい、制作せいさくに至いたった。歌うたい出だしから始はじまる楽曲がっきょくで、元々もともとはその前まえに長ながいイントロが存在そんざいしたが、インパクトに欠かけるので端折はしょったという。
2. 絶対ぜったい(的まと) (4:17)
   • イントロが、打うち込こみによるエレクトリック・シタールとなっている。この部分ぶぶんは、元々もともとエレクトリックピアノであったが、音おとが丸まる過すぎたので変更へんこうしたのだと言いう。エンディング部分ぶぶんは、レコーディングメンバーの演奏えんそうが止とまらず長ながく続つづけた感かんじになったという。
   • 当初とうしょは「的まと」についている“（）”を外はずすつもりだったが、最終さいしゅう的てきに“（）”を生いかした。
3. The Morning Call (4:02)
   • 全編ぜんぺんピアノを中心ちゅうしんに構成こうせいされた、アルバム『Hadou』のタイトル曲きょくになる予定よていだった曲きょく。
   • 曲きょくにはハードなギターも入はいっているが、出来できるだけピアノの音おとを大おおきくして、ハードな中なかにクールなピアノをバランス的てきに混まぜ込こんでいる、とコメントしている。
   • 稲葉いなばがシカゴを訪おとずれた際さい、そこでピアノで始はじまる感かんじの良よい曲きょくがあり、それに影響えいきょうを受うけてピアノが歯切はぎれよく動うごいて始はじまる楽曲がっきょくをやりたくなったことで制作せいさくを始はじめた。その為ため、ピアノのフレーズをデモの段階だんかいで全部ぜんぶ作つくったのだと言いう。
   • 曲きょく終了しゅうりょう後ご、曲きょく間あいだなしで次つぎの曲きょくに移うつる。
4. Okay (5:16)
   • アルバムの先行せんこうシングル。デモの段階だんかいからシングル候補こうほであった。
5. Lone Pine (4:39)
   • 3連れんリズムで構成こうせいされる楽曲がっきょくで、「アコースティック・ギター刻きざみの雰囲気ふんいきの楽曲がっきょくを制作せいさくしたい」というテーマのもと制作せいさくされた。
   • タイトルのLone Pine（ローン・パイン）とは、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくカリフォルニア州しゅうに実在じつざいする田舎町いなかまちの名称めいしょうである。
   • この曲きょくの製作せいさく経緯けいいとして、稲葉いなばが15年ねん以上いじょうも前まえにドライブの途中とちゅうにローン・パインのモーテルに宿泊しゅくはくした際さいのイメージが強つよく残のこっており、数すう年ねん後ごにローン・パインのイメージを膨ふくらませ歌詞かしを書かいた。そのため、かなり古ふるくから歌詞かしが存在そんざいしていた曲きょくである。
6. エデン (4:21)
   • 8ビートで構成こうせいされる楽曲がっきょく。稲葉いなば曰いわく、「『絶対ぜったい(的まと)』にも通つうじる、とても好すきな楽曲がっきょく。特とくにサビのコードが好すきである」とのこと。
7. CAGE FIGHT (3:52)
   • 宇浦冴さえ香がに提供ていきょうした楽曲がっきょく「友達ともだち以上いじょう恋人こいびと未満みまん」のセルフカバー。なお原曲げんきょくは稲葉いなばの作詞さくしではないため、自身じしんで詞しを書かき直なおした。
   • タイトルのCAGE FIGHT（ケージ・ファイト）とは、金網かなあみに囲かこわれた舞台ぶたいの中なかで行おこなわれる格闘技かくとうぎの事こと。街まちが檻おりの中なかに見みえてしまうような、かなり参まいっている精神せいしん状態じょうたいの人ひとを歌詞かしのテーマにしている。この事ことについて、稲葉いなばは「自分じぶんでもそういう事ことがあるし、現代げんだいにはそういう人ひとがものすごく多おおいと思おもう。それを前向まえむきにというか。タイトルのCAGE FIGHTという言葉ことばは僕ぼくの中なかではとても明あかるい言葉ことばなんです。ファイトしている感かんじ。格闘技かくとうぎとか見みていると前向まえむきじゃないですか？それで解決かいけつするとは言いわないけれども、そういう姿勢しせいもアリなのではないかと思おもう。」と語かたっている。
   • この曲きょくのスライドギターは大賀たいがでロサンゼルスでレコーディングする前まえに、東京とうきょうで録ろくったという。
8. 今宵こよいキミト (4:31)
   • 歌詞かしが先さきにありそれに曲きょくを付つけるという、詞し先さきで制作せいさくされた楽曲がっきょく。近年きんねんのB'z関連かんれん作品さくひんではほとんど見みられないサックスソロがあり、これはギターより狂くるった感かんじが出でるためだという。
   • タイトルの「今宵こよいキミト」という言葉ことばについて稲葉いなばは、「この言葉ことばは少すこし明あかるい感かんじもあるが、内容ないようとしては、自分じぶんの気持きもちが届とどかない歯はがゆさ、それでも好すきだと言いう健気けなげな男性だんせいと、女性じょせいの方ほうにも理由りゆうがあるという感かんじを表あらわしている」と語かたっている。
9. この手てをとって走はしり出だして (5:34)
   • 曲きょく作づくりの初期しょきの頃ころには完成かんせいしており、2005年ねん頃ごろに制作せいさくされた。また、宇浦冴さえ香がに試ためしに歌うたってもらったこともあり、そのため歌詞かしは女性じょせい目線めせんで書かかれている。
   • TBS系けい『NEWS23クロス』の初代しょだいエンディングテーマ。新しん番組ばんぐみの告知こくちで流ながされていたCMにもこの曲きょくが使つかわれており、CMに稲葉いなばの名前なまえとこの曲名きょくめいのクレジットはなく、公式こうしきサイトで稲葉いなばのソロ活動かつどうのことが公表こうひょうされるまで不明ふめいのままだった。
10. 去さりゆく人ひとへ (4:24)
    • 宇浦冴さえ香がに提供ていきょうした楽曲がっきょく「君きみを想おもい眠ねむる夜よるは」のセルフカバー。こちらも「CAGE FIGHT」同様どうよう稲葉いなばの作詞さくしではないため、自身じしんで書かき直なおした。
    • 歌詞かしの内容ないようは「それなりに思おもい入いれのある人ひとと離はなれてしまうとき、その人ひとに対たいして見送みおくる時ときの言葉ことばというか、愛情あいじょうがあっての別わかれの言葉ことば」として書かかれている。
    • デモは全然ぜんぜん違ちがっており、生音なまおとでレコーディングしてから大おおきく変かわったという。
    • エンディング部分ぶぶんはバンドのセッションによる演奏えんそうが止とまらず延々のびのびと続つづいたものがそのまま収録しゅうろくされた。
11. 不死鳥ふしちょう (3:58)
    • 稲葉いなば曰いわく、この楽曲がっきょくのピアノ（打うち込こみ）とアコースティックギターのマッチングがお気きに入いりとのこと。
    • 2010年ねんに行おこなわれたライブツアー『Koshi Inaba LIVE 2010 〜enII〜』では、この曲きょく以外いがいの全すべての楽曲がっきょくが演奏えんそうされ、本ほん曲きょくのみ未み演奏えんそうだったが『Koshi Inaba LIVE 2016 〜enIII〜』 で演奏えんそうされ、本ほんアルバムの収録しゅうろく曲きょくは全すべてライブで演奏えんそうされた。
12. 主人公しゅじんこう (3:53)
    • 稲葉いなば自身じしんが、「稲葉いなばソロっぽい」と評ひょうする曲きょく。
13. リトルボーイ (3:27)
    • 「少年しょうねん」の持もつ純粋じゅんすいでひたむきな心しんと、その機微きびが併あわせ持もつ幼稚ようちで残酷ざんこくな一いち面めんを描写びょうしゃした楽曲がっきょく。歌詞かしには核兵器かくへいきそのものや使用しよう国こくに対たいする皮肉ひにくも含ふくまれており、タイトルの由来ゆらいも第だい二に次じ世界せかい大戦たいせんにおいてアメリカ軍ぐんが広島ひろしま市しに投下とうかした原子げんし爆ばく弾だんのコードネーム「リトルボーイ」による。
    • 2010年ねんに行おこなわれたツアーでは広島ひろしま公演こうえんのみ演奏えんそうされた。
14. 赤あかい糸いと (2:42)
    • 日本にほんテレビ系けいアニメ『結界けっかい師し』の初代しょだいエンディングテーマ。2006年ねんに発表はっぴょうされてから長ながい間あいだCD化かされていなかった。
    • アニメで使用しようされたものとは異ことなり、シンプルなアコースティックアレンジになっている。稲葉いなば曰いわく、「元々もともとはこういう感かんじ（アコースティック）だった」とのこと。アニメで使用しようされたバージョンは未み音源おんげん化かのままである。
15. イタイケな太陽たいよう (7:17)
    • 2005年ねん辺あたりに制作せいさくされた、本ほん作さくでは最もっとも古ふるい楽曲がっきょくだが、間奏かんそうやエンディングの部分ぶぶんはレコーディングの最後さいごの最後さいごに変かえていったという。稲葉いなば自身じしんも認みとめる、ソロ作品さくひんの中なかではかなりハツラツ系けいの楽曲がっきょく。2010年ねんのライブではアンコールラストナンバーとなった。
    • 曲きょくの終了しゅうりょう後ご、長ながい無音むおんの後のちに隠かくしトラックが収録しゅうろくされ、ライブ終了しゅうりょう後ごにSEとして流ながされた。アコースティックとハンドクラップのみの伴奏ばんそうという非常ひじょうにシンプルかつ2コーラスのみの短みじかい楽曲がっきょくで、タイトルは不明ふめい。トラックが分わかれておらず「イタイケな太陽たいよう」に含ふくまれているため、JASRACなどへのタイトルの届出とどけでなどもされていない。なお、CDのみ収録しゅうろくされており配信はいしん音源おんげんには収録しゅうろくされていない。

DVD （初回しょかい限定げんてい盤ばんのみ）

以下いかの楽曲がっきょくのミュージック・ビデオを収録しゅうろく。

1. 波なみ
2. 遠とおくまで
3. O.NO.RE
4. Touch
5. ファミレス午前ごぜん3時じ
6. AKATSUKI
7. 静しずかな雨あめ
8. I'm on fire
9. Wonderland
10. 正面しょうめん衝突しょうとつ
11. ハズムセカイ

タイアップ

• TBS系けい『NEWS23クロス』エンディングテーマ(#9)
• 読売よみうりテレビ・日本にほんテレビ系けいアニメ『結界けっかい師し』エンディングテーマ(#14)

参加さんかミュージシャン

• 稲葉いなば浩志ひろし：ボーカル、全曲ぜんきょく作詞さくし・作曲さっきょく・編曲へんきょく、アコースティックギター（#2.6.11.12.14.15）、ブルースハープ（#5）
• 寺地てらち秀行ひでゆき：全曲ぜんきょく編曲へんきょく
• シェーン・ガラース：ドラム（#1-13.15）、シェイカー（#12）
• スティーヴィー・サラス：ギター（#4）、エレクトリックギター（#6.7.12.15）
• ラファエル・モレイラ：ギター（#1.3.8-10）、エレクトリックギター（#2.5.11.13）
• ジャラ・ハリス：ベース（#4.6.7.15）
• コリー・マコーミック：ベース（#2.3.5.8-11.13）
• 小野塚おのづか晃あきら：ピアノ（#3.9）、オルガン（#10）
• 林はやしこずえ：ストリングス（#5.9.11）、ヴァイオリン（#13）
• Lime Ladies Orchestra：ストリングス（#5.9.11）
• 大賀おおが好こう修おさむ：スライドギター（#7.15）、アコースティックギター（#13）
• 勝田かつた一樹かずき：サックス（#8）
• 栗原くりはら尚子しょうこ：ヴァイオリン（#13）
• 三品みしな芽生めむ：ヴィオラ（#13）
• 島津しまつ由美ゆみ：チェロ（#13.14）
• 上石かみいし統みつる：トランペット（#13）
• 渡辺わたなべファイアー：アルトサックス（#13）
• 東條とうじょうあずさ：トロンボーン（#13）
• 武田たけだ和大かずひろ：バリトンサックス（#13）

脚注きゃくちゅう