X (ソーシャル・ネットワーキング・サービス)

X

2023年ねん7月がつから使用しようされているロゴ
スクリーンショット 2023年ねん8月がつ時点じてんのトップページ、ログインを求もとめる表示ひょうじ。 （ログインしていない状態じょうたいで英語えいご設定せっていのブラウザ、または[2]）
URL	x.com
言語げんご	多言たげん語ご
タイプ	ソーシャル・ネットワーキング・サービス
設立せつりつ	2006年ねん3月がつ21日にち (2006-03-21)、 アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくサンフランシスコにて
事業じぎょう地域ちいき	世界中せかいじゅう（ 一部いちぶブロックされている国くにを除のぞく）
運営うんえい者しゃ	X Corp.
設立せつりつ者しゃ	ジャック・ドーシー ノア・グラス ビズ・ストーン エヴァン・ウィリアムズ
CEO	リンダ・ヤッカリーノ
株主かぶぬし	イーロン・マスク
登録とうろく	必要ひつよう
ユーザー数すう	4.50億おく人にん MAU（2023年ねん3月がつ）
開始かいし	2006年ねん7月がつ15日にち (2006-07-15)
現在げんざいの状態じょうたい	運営うんえい中ちゅう
対応たいおうプラットフォーム	iOS iPadOS Android Windows macOS
プログラミング言語げんご	Java Ruby Scala JavaScript Python

X（エックス）は、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくのX社しゃが運営うんえいするソーシャルメディア、ソーシャル・ネットワーキング・サービス。2023年ねん7月がつ24日にちに「Twitter」から「X」へ名称めいしょう変更へんこうをした。投稿とうこうは「ポスト」と呼よばれ、Twitterと同様どうように限かぎられた文字数もじすうだけで投稿とうこうできる。

Twitterからの変遷へんせん

2012年ねんから2023年ねん7月がつまで使用しようされていたロゴ（通称つうしょう：ラリー）

2022年ねん4月がつ初旬しょじゅん、個人こじん筆頭ひっとう株主かぶぬしになったイーロン・マスク（テスラCEO、スペースX創設そうせつ者しゃ兼けんCEO）の取締役とりしまりやく就任しゅうにんが発表はっぴょうされた。4月9日にちに一いち度どは辞退じたいしたものの、同年どうねん4月がつ25日にち、Twitterはマスクによる株式かぶしきの100%を取得しゅとくする買収ばいしゅう提案ていあんを受うけ入いれた。買収ばいしゅう総額そうがくは440億おくドル、日本円にほんえんでおよそ5兆ちょう6000億おく円えんであった。買収ばいしゅう提案ていあんを受うけ入いれた背景はいけいには、主要しゅよう株主かぶぬしからの売却ばいきゃく圧力あつりょくの高たかまりがあったと見みられている。

「イーロン・マスクによるTwitterの買収ばいしゅう」も参照さんしょう

しかしマスクは2022年ねん6月がつ6日にち、偽にせアカウントやスパムアカウントに関かんする必要ひつような情報じょうほうをTwitterが提供ていきょうしなければ、買収ばいしゅう破棄はきもあり得えるとの考かんがえをTwitter社しゃ宛あての書簡しょかんで明あきらかにした。同年どうねん7月がつ9日にち、重大じゅうだいな契約けいやく違反いはんがあったとしてTwitterの買収ばいしゅう撤回てっかいが報ほうじられた。結局けっきょく、2022年ねん10月がつ27日にちにマスクはTwitter社しゃを買収ばいしゅうしたが、同社どうしゃがスパムアカウントの数かずについて誤解ごかいを招まねく情報じょうほうを提供ていきょうしてきたことを理由りゆうに、CEOのアグラワルやCFOのネッド・シーガル、法務ほうむポリシー担当たんとうのビジャヤ・ガッデを含ふくむ取締役とりしまりやく9名めい全員ぜんいんが即時そくじ解任かいにんされた。

マスクによる買収ばいしゅう後ごに大量たいりょう解雇かいこが進すすめられ、2023年ねん1月がつには従業じゅうぎょう員いんが約やく1300人にんとなり買収ばいしゅう前まえの7500人にんの5分ぶんの1以下いかとなった。大量たいりょう解雇かいこを受うけ、元もと従業じゅうぎょう員いん100人にん以上いじょうが仲裁ちゅうさいを申もうし立たてたり、集団しゅうだん訴訟そしょうに乗のり出だしたりしている。このほかにも主おもな収入しゅうにゅう源げんとしている広告こうこくも激減げきげんし、2022年ねん12月には大手おおて広告こうこく主ぬし100社しゃのうち72社しゃが出稿しゅっこうを取とり止とめた。

同どうサービスのロゴは長年ながねんに渡わたって青あおい鳥とりが使用しようされてきたが、2023年ねん4月がつ4日にち早朝そうちょう（日本にっぽん時間じかん）に日本にっぽんの柴犬しばけん「かぼす」に由来ゆらいするインターネットミームである「ドージ」のものに差さし替かえられた。その後ご同月どうげつ7日にちまでに元もとのロゴに戻もどった。

同年どうねん5月がつ12日にち、マスクは後任こうにんのCEOにNBCユニバーサル広告こうこく責任せきにん者しゃのリンダ・ヤッカリーノが就任しゅうにんすると発表はっぴょうした。

2023年ねん7月がつ23日にち、マスクは「そして間あいだもなく、私わたしたちはTwitterブランドに別わかれを告つげ、徐々じょじょにすべての鳥とりとも別わかれを告つげるでしょう」とツイートを投稿とうこうし、翌日よくじつにはWebアプリのロゴが「X」に変更へんこうされた。サービス名めいとしてのTwitterも「X」に切きり替かえられた。各かくメッセージを意味いみする「ツイート」について、マスクは当初とうしょ「X's」（「エックセズ」）という呼称こしょうに変更へんこうするとしていたが、7月がつ31日にちのiOS版ばんアプリのアップデートでは「ポスト」（Post）に、「ツイート」ボタンは「投稿とうこうする」（その後ごは「ポストする」）に変更へんこうされた。また、マスクがかつて設立せつりつしたオンライン銀行ぎんこうであったX.com（2017年ねんにマスクがPayPalから買かい戻もどし）のドメインがtwitter.comへのリダイレクトに変更へんこうされた。

2024年ねん1月がつ10日とおか、同どう年内ねんないにXにて個人こじん間あいだの送金そうきん決済けっさいサービスを開始かいしすると発表はっぴょうした。

2024年ねん5月がつ17日にち、正式せいしきにURLが「twitter.com」から「x.com」に変更へんこうされた（「twitter.com」は「x.com」へのリダイレクトに変更へんこうされた）。

尚なお、X改称かいしょう後ごも旧来きゅうらいの「Twitter」と呼称こしょうする者ものが多おおく、メディア等とうで公式こうしきXのページを紹介しょうかいする際さいは「X（旧きゅうTwitter）」と表示ひょうじされる事ことが多おおい他ほか、報道ほうどう等とうでも「旧きゅうTwitterのX」等とうと紹介しょうかいされる事ことが多おおい（主おもに日本にっぽん国内こくない）。2023年ねん10月がつにMMD研究所けんきゅうじょがXについての呼よび方かたのアンケートを実施じっしした結果けっか、「X」と呼よんでいる者ものは9.1%に過すぎず、「Twitter」と呼よんでいる者ものが67.7%、両方りょうほうの呼称こしょうで呼よんでいる者ものが23.3%となっている。

機能きのうと用語ようご

「Twitter#機能きのうと用語ようご」も参照さんしょう

基本きほん的てきな使用しよう方法ほうほうや特性とくせい、インターフェースはTwitterと同おなじであるが、後述こうじゅつする有料ゆうりょう会員かいいんサービスを通とおして認証にんしょうを受うけているアカウントの場合ばあい投稿とうこう時じの文字数もじすう制限せいげんが緩和かんわされ、10,000文字もじ以内いないの投稿とうこうが可能かのう。又また、Twitterには無なかった通話つうわ機能きのうや「Grok（グロック）」なるAIでの会話かいわ機能きのう等とうも追加ついかされている。

改名かいめい後ごに追加ついかされた機能きのう

音声おんせい・ビデオ通話つうわ（Audio and Video calls）

2023年ねん10月がつに追加ついかされた機能きのう。電話でんわ番号ばんごうは不要ふようで、ダイレクトメッセージの通話つうわボタンから利用りようできる。有効ゆうこうにしていない場合ばあいは利用りようできない。

コミュニティノート

一定いっていの条件じょうけんを満みたしたユーザーが、誤解ごかいを招まねく可能かのう性せいのあるツイートに対たいして、「ノート」として役やくに立たつ背景はいけい情報じょうほうを追加ついかできる機能きのう。日本にっぽんにおいては2023年ねん7月がつ6日にちから本格ほんかく的てきに実装じっそうされた。追加ついかされたノートは、まずは一定いっていの条件じょうけんを満みたしたユーザーらによって評価ひょうかされ、肯定こうてい的てきな評価ひょうかが多数たすうの場合ばあいにのみ、全すべてのユーザーに対たいしてノートが表示ひょうじされる。なお、否定ひてい的てきな評価ひょうかが多おおいノートを繰くり返かえし作成さくせいした場合ばあい、その作成さくせい者しゃはノートを追加ついかできる権利けんりを一時いちじ的てきに失うしなう。また、コミュニティノートのアルゴリズムはGitHubにおいて公開こうかいされている。

X Premium

2021年ねん11月がつ10日とおかに「Twitter Blue」の名称めいしょうで開始かいしした有料ゆうりょう会員かいいんサービス。日本にっぽんでは2023年ねん1月がつ11日にちに開始かいしした。サービス利用りよう者しゃは、青あおいチェックマーク、ポストの編集へんしゅう、取とり消けし、広告こうこく表示ひょうじの減少げんしょう、長ながい動画どうが・1080pの動画どうがの投稿とうこうなどのサービスが受うけられる。

2023年ねん7月がつ13日にちには、一定いっていの条件じょうけんを満みたしたTwitter Blue加入かにゅう会員かいいんに広告こうこく収入しゅうにゅうの一部いちぶを分配ぶんぱいする広告こうこく収益しゅうえき分配ぶんぱいプログラムが開始かいしされた。サービスの適用てきようは順次じゅんじ拡大かくだいされ、日本にっぽんにおいても8月がつ8日にちに開始かいしされた。他方たほうで、無意味むいみであったり、悪質あくしつなデマが含ふくまれるような投稿とうこうを、収益しゅうえき目的もくてきで繰くり返かえすアカウントが急増きゅうぞうしており、問題もんだい視しされている（後述こうじゅつ）。

2023年ねん8月がつにサービス名めいを「X Premium」に変更へんこうした。また、TweetDeckのサービス名めいがX Proに変更へんこうされ、X Proの利用りようをX Premiumに加入かにゅうしているユーザーに限定げんていした。

2023年ねん10月がつ、新あらたなプランとして「プレミアムプラス」と「ベーシック」をそれぞれ追加ついかした。プレミアムプラスは長ながい動画どうがや長文ちょうぶんの投稿とうこうに加くわえ、タイムラインでの広告こうこくの非ひ表示ひょうじ、返信へんしんの最大さいだいブースト、X Pro、クリエイティブ機能きのう等とうのXの全すべてのサービスが受うけられる。一方いっぽう、ベーシックは従来じゅうらいのX Premiumと同様どうようにポストの編集へんしゅうや効果こうかの限かぎられた返信へんしんのブースト（小しょう）が適用てきようされるものの、収益しゅうえき化かやX Proは対象たいしょう外がいとなる。

Grok

マスクが設立せつりつしたxAIによって開発かいはつされた人工じんこう知能ちのうチャットボット。同年どうねん12月がつにXプレミアムプラス向むけに開始かいしした。

詳細しょうさいは「Grok」を参照さんしょう

改名かいめい後ごに変更へんこうとなった用語ようご

投稿とうこう関連かんれん

「Twitter#投稿とうこう関連かんれん」も参照さんしょう

ポスト（post）

旧きゅう：ツイート（Tweet）。ユーザーから投稿とうこうされる文章ぶんしょうのこと。

リポスト（repost）

旧きゅう：リツイート（retweet）。他たのユーザーの投稿とうこうを再さい投稿とうこうすること。

ポストボタン（Post button）

旧きゅう：ツイートボタン（Tweet button）。ソーシャルボタンのこと。

諸しょ問題もんだい

Twitter社しゃの不祥事ふしょうじ・疑惑ぎわく

マスク買収ばいしゅう後ごのTwitter広告こうこく主ぬしの大量たいりょう撤退てったい

デジタルマーケティングに関かんする市場いちば調査ちょうさ会社かいしゃ・Pathmaticsの分析ぶんせきによると、マスクによる買収ばいしゅう以前いぜんにTwitterに広告こうこくを出だしていた上位じょうい100社しゃの広告こうこく主ぬしのうち70%が、2022年ねん12月18日にちまでの1週間しゅうかんに広告こうこくを出だしていないとされた。Twitterの収益しゅうえきのうち約やく89%は広告こうこく費ひであるため、この状況じょうきょうはマスクにとって看過かんかできるものではないとWall Street Journalは指摘してきしている。

さらに年としが明あけても広告こうこく減少げんしょうの傾向けいこうが続つづいており、ニューヨーク・タイムズが入手にゅうしゅした内部ないぶ資料しりょうによると、2023年ねん4月がつ〜5月第だい1週しゅうの5週間しゅうかん余あまりのアメリカにおけるTwitterの広告こうこく収入しゅうにゅうは8800万まんドル（約やく127億おく円えん）で、前年ぜんねん同期どうき比ひ59%減少げんしょうしたとされる。

一連いちれんの原因げんいんとして、マスクの買収ばいしゅう以降いこう、主要しゅような営業えいぎょう幹部かんぶの解雇かいこや、以前いぜんに凍結とうけつされていた一部いちぶユーザ（「永久えいきゅう凍結とうけつ」となっていたドナルド・トランプなど）アカウントの凍結とうけつ解除かいじょなどを行おこなったことや、コンテンツモデレーション（不適切ふてきせつな投稿とうこうの監視かんし・削除さくじょ）を担当たんとうする安全あんぜん管理かんり責任せきにん者しゃなどが退職たいしょくした影響えいきょうもあり、ヘイトスピーチやフェイクニュース、ポルノグラフィーといったコンテンツが増ふえており、オンラインギャンブルやマリファナ関連かんれんの広告こうこくも増加ぞうかしているという。これらのことが広告こうこく主ぬしから嫌悪けんおされ、Twitterからの離反りはんを招まねいているとされる。大手おおて広告こうこく主ぬしではゼネラル・モーターズやフォルクスワーゲンなどの大手おおてメーカーがTwitterからの広告こうこくを一時いちじ撤退てったいしたとされており、アップルやアマゾン・ドット・コム、ウォルト・ディズニーといった大手おおて企業きぎょうもTwitterでの広告こうこく掲出けいしゅつの減少げんしょうの動うごきがみられる。マスクのCEO退任たいにんに伴ともない、2023年ねん6月がつにNBCユニバーサル（NBCU）の広告こうこく部門ぶもんトップであったリンダ・ヤッカリーノが後任こうにんのCEOに着任ちゃくにんし、事態じたいの打開だかいを目指めざしている。

マスクのツイートの表示ひょうじを最さい優先ゆうせんするようにアルゴリズムを変更へんこう

マスクは自分じぶんのツイートの表示ひょうじを最さい優先ゆうせんするようにアルゴリズムを変更へんこうしたり、自社じしゃに批判ひはん的てきなメディアのアカウントを凍結とうけつしたりと、言論げんろんの自由じゆうを無視むしした行為こういを多数たすう実行じっこう。さらには自社じしゃのサービスのライバルとなり得えるサービスへのリンクを遮断しゃだんしようと試こころみたりと、言論げんろんの自由じゆうどころか自分じぶんに都合つごうの良よい変更へんこうばかりをしているのが目立めだつ。また、買収ばいしゅう直後ちょくごに75%の人員じんいん削減さくげん計画けいかくがあることがリークされた際さい、マスクはそんな計画けいかくはないと直後ちょくごに否定ひていしていた。ただ、こちらも最近さいきんのBBCのインタビューで、過去かこに8000人にんいたTwitter社しゃの従業じゅうぎょう員いんが、現在げんざいは1500人にんまで減へっていることが判明はんめいし、実じつは80%を超こえる従業じゅうぎょう員いんが退職たいしょくしていることが分わかった。また、直近ちょっきんのマスクの行動こうどうで非常ひじょうに象徴しょうちょう的てきなのが、生成せいせいAIの話題わだいである。マスクは生成せいせいAIの進化しんかの早はやさに対たいして、開発かいはつを6か月げつ止とめるべきだという署名しょめい運動うんどうを先頭せんとうにたって行いっていた。しかし、自みずからは他社たしゃからAI開発かいはつ者しゃを引ひき抜ぬき、「X AI」という会社かいしゃを設立せつりつし、ライバルに追おいつくためのAI開発かいはつの準備じゅんびを着々ちゃくちゃくと行いっていることが報道ほうどうされている。もちろん、経営けいえい者しゃが事業じぎょうの状況じょうきょうをみながら判断はんだんを変かえるのは当然とうぜんであるから、発言はつげんが二に転てん三さん転てんするのは必かならずしも不思議ふしぎなことではない。しかし、通常つうじょうの経営けいえい者しゃと比較ひかくすると、激はげしく二に転てん三さん転てんすることは明白めいはくになっていると言いえる。

マスクが財務ざいむ状況じょうきょうに関かんして虚偽きょぎの申告しんこく

Twitterの経営けいえいにおいて、マスクの発言はつげんだけを聞きいていると、まるでTwitterはマスクの買収ばいしゅう前まえから大だい赤字あかじだったような印象いんしょうを持もつ方ほうも少すくなくない印象いんしょうを持もたせる。しかし、実じつはTwitter社しゃはマスクが買収ばいしゅうする前まえは、従業じゅうぎょう員いんが5000人にん近ちかくいた2019年ねんのタイミングでは黒字くろじを出だせていた。それが、8割わり以上いじょうの従業じゅうぎょう員いんをリストラした現在げんざいの1500人にん体制たいせいでも、まだ収支しゅうしが黒字くろじになっていないというのは、マスクの方針ほうしん転換てんかんを嫌きらった広告こうこく主ぬしがTwitterを離はなれたために売上うりあげが減少げんしょうしたことだけが原因げんいんでは無ない。マスクがTwitterを買収ばいしゅうした際さいに行いった巨額きょがくの借入かりいれの負債ふさいを、Twitter社しゃに負担ふたんさせたことによりTwitterの収益しゅうえき構造こうぞうが大幅おおはばに悪化あっかした結果けっかであり、借入かりいれの利子りしの支払しはらいだけでも年間ねんかん15億おくドルと言いわれている。マスクの買収ばいしゅう前まえのTwitter社しゃの売上うりあげが51億おくドルなので、その利払りばらい負担ふたんがいかに巨額きょがくかが分わかる。

マスク買収ばいしゅう後ごのデマやヘイトの急増きゅうぞう

なりすましに加くわえてデマや誹謗ひぼう中傷ちゅうしょうが急増きゅうぞうしている。前述ぜんじゅつのようにお金かねを払はらえば認証にんしょうバッジをつけられるようにしたり、社員しゃいんを大量たいりょうに解雇かいこしたりしたことの影響えいきょうが出でている。買収ばいしゅう後ご、ドラァグクイーンのことを「グルーマー（性せい犯罪はんざいなどの目的もくてきで子こどもや若者わかものを手てなずける人物じんぶつ）」と呼よびアカウントを停止ていしさせられていた格闘かくとう家かのジェイク・シールズが、買収ばいしゅう後ごに「これがグルーマーだ」とコメントを付つけた写真しゃしんを投稿とうこう。「まったく同おなじツイートをして1カ月かげつ前まえにアカウント停止ていしされた。Twitterが自由じゆうになったか試ためしてみよう」とコメントした。この投稿とうこうは今いまは見みえないが、アカウントは残のこったままである。

デマの拡散かくさん

出所しゅっしょの不確ふたしかな情報じょうほうを流ながしたり、なりすましのユーザーが故意こいにデマを流ながしたり、エイプリルフールなどのネタのポストを真しんに受うけたユーザーがポスト・リポストしたりすることによって、チェーンメールと同様どうように誤あやまった情報じょうほうが拡散かくさんするケースがある。

2024年ねんの能登半島のとはんとう地震じしんなどでも、地震じしんや感染かんせん拡大かくだいに乗じょうじたデマの拡散かくさんが問題もんだい視しされている。

アカウント凍結とうけつとそれに対たいする曖昧あいまいな対応たいおう

XではTwitterとして運営うんえいされていた時代じだいから攻撃こうげき的てきな行為こういを禁止きんししており、そのような行為こういを繰くり返かえすアカウントを凍結とうけつさせることがある。

しかし、2023年ねん7月がつには当時とうじ大雨おおあめ警報けいほうが発令はつれいされていた岩手いわて県けん花巻はなまき市しにおいて、同市どうしの公式こうしきアカウントにおいて、避難ひなん情報じょうほうを断続だんぞく的てきに投稿とうこうしていたが、警報けいほう発令はつれい中ちゅうにも関かかわらず、アカウントが一時いちじ凍結とうけつされ、災害さいがい情報じょうほうが発信はっしんできなくなる事態じたいが発生はっせいした。Twitter社しゃは花巻はなまき市しに対たいして、「プラットフォームの悪用あくようとスパムを禁止きんしするルールに違反いはんしたため」とコメントしているが、どの投稿とうこうがルールに違反いはんしているかなどについては回答かいとうしていない。

マスク買収ばいしゅう後ごの不安定ふあんていな運営うんえい体制たいせいと度重たびかさなる仕様しよう変更へんこうによる混乱こんらん

マスクの買収ばいしゅう以降いこう、Twitter社しゃの人員じんいん削減さくげんが継続けいぞく的てきに行おこなわれており、マスクが買収ばいしゅうする前まえの従業じゅうぎょう員数いんずうは7,500人にんとされていたが、2023年ねん2月がつ末まつにニューヨーク・タイムズの取材しゅざいで2,000人にんを切きっていることが明あきらかになっている。この人員じんいん削減さくげんはエンジニアなども含ふくまれており、アメリカCNBCテレビは同年どうねん1月がつの報道ほうどうで常勤じょうきんで働はたらくエンジニアの数かずは550人にん未満みまんと伝つたえている。また、マスクの買収ばいしゅう以降いこう、頻繁ひんぱんにTwitterの仕様しよう変更へんこうが行おこなわれている影響えいきょうで、2023年ねん以降いこうのTwitterの不具合ふぐあいが続出ぞくしゅつしている。2023年ねん3月がつに発生はっせいした不具合ふぐあいでは外部がいぶアプリとデータ連携れんけいするためのAPIの機能きのうの変更へんこうが障害しょうがいの原因げんいんとされている。

X社しゃの不祥事ふしょうじ・疑惑ぎわく

2023年ねん7月がつから発生はっせいした全ぜん世界せかい的てきな閲覧えつらん制限せいげんと混乱こんらん

2023年ねん7月がつ1日にち21時じ頃ごろ（日本にっぽん時間じかん）より全ぜん世界せかいのユーザで「API呼よび出だしの回数かいすう制限せいげんを超こえました」というメッセージが現出げんしゅつし、新規しんきのツイートを取得しゅとくできない事例じれいが続出ぞくしゅつしている。この件けんに関かんし、マスクは同月どうげつ2日にち（日本にっぽん時間じかん）未明みめいの自身じしんのTwitter投稿とうこうで「極端きょくたんなレベルのデータスクレイピングとシステム操作そうさに対応たいおうするため」として、認証にんしょう済ずみの利用りよう者しゃは閲覧えつらんを1日にち当あたり6,000件けん、認証にんしょうしていない利用りよう者しゃ300〜600件けんに制限せいげんしたと明あきらかにした。その後ご、制限せいげんは認証にんしょう利用りよう者しゃは10,000件けん、非ひ認証にんしょう利用りよう者しゃは500〜1,000件けんに緩和かんわされているものの、継続けいぞくして規制きせいが続つづいており、唐突とうとつかつ不明瞭ふめいりょうな制限せいげんに全ぜん世界せかいのユーザからの批判ひはんを浴あびている。

マスクが主張しゅちょうする「スクレイピング増加ぞうか」の背景はいけいとして、マスクがAPIへのアクセスを有料ゆうりょう化かし、取得しゅとくデータ数すうを制限せいげんする方針ほうしんを打うち出だしていることから、その結果けっかAPIを使つかわずに利用りよう規約きやくに違反いはんしてスクレイピングの増加ぞうかを招まねいている可能かのう性せいを指摘してきされている。また、一部いちぶの技術ぎじゅつ者しゃは異常いじょうなトラフィックの原因げんいんとして、TwitterのWebアプリのバグにより、無限むげんループ状態じょうたいでTwitterにリクエストが送信そうしんされていることを発見はっけんし、TwitterがTwitter自身じしんに対たいし、1秒びょう当あたり約やく10件けんのリクエストを送おくっていることから「最もっとも壮大そうだいな自己じこDDoSを発生はっせいさせた」事ことが原因げんいんと指摘してきする意見いけんも見みられる。これに加くわえ、マスクの就任しゅうにん以降いこうに行おこなわれているエンジニアを含ふくめた大だい規模きぼな人員じんいん削減さくげんの影響えいきょうで、障害しょうがいに対処たいしょできていない点てんも指摘してきされている。さらに経営けいえい的てきな問題もんだいとして、以前いぜんよりサービスの一部いちぶをGoogle Cloudプラットフォームに依存いぞんしていたが、Googleへの支払しはらいを停止ていしして契約けいやく条件じょうけんについて交渉こうしょうしていたものの合意ごういに至いたらず、このままでは6月がつ30日にちをもってGoogleのサーバを利用りようできなくなる見込みこみとの報道ほうどうも出でていた（その後ご、X社しゃはGoogleへの支払しはらいを再開さいかいしたとの報道ほうどうあり）。

規制きせいの予兆よちょうとして、規制きせい前まえとなる2023年ねん6月がつ30日にち頃ごろよりTwitterの閲覧えつらんについてログインが必須ひっすとなる変更へんこう（「ログインウォール」）が加くわえられている。マスクの投稿とうこうによれば「データの強奪ごうだつがあまりに多おおく、サービスの質しつが低下ていかした。一時いちじ的てきな緊急きんきゅう措置そちだ」としており、外部がいぶからのデータ取得しゅとくへの対策たいさくとみられていた。

マスクは今回こんかいの事態じたいについて自身じしんのTwitterで「深ふかいトランス状態じょうたいから目めを覚さまして、友人ゆうじんや家族かぞくに会あうために携帯けいたい電話でんわから離はなれよう」とSNSから離はなれることを促うながす煽動せんどう的てきな投稿とうこうや、「さらに皮肉ひにくなことに、この投稿とうこう（制限せいげん内容ないようの報告ほうこく）は、記録きろく的てきな閲覧えつらん数すうを達成たっせいしている」と、制限せいげん中ちゅうにも関かかわらず、多おおくのユーザーがツイートを見みていたことを指摘してきし、皮肉ひにくともとれる投稿とうこうを行おこなっているが、事態じたいへの謝罪しゃざいや真摯しんしな対応たいおうを行おこなおうとしないマスクの姿勢しせいに対たいし、全ぜん世界せかいのユーザから強つよい反発はんぱつを招まねいている。

制限せいげん発生はっせいから3日にち後ごの同月どうげつ4日にちにようやく、マスクに代かわってX社しゃのCEOに2023年ねん6月がつに就任しゅうにんしたリンダ・ヤッカリーノが今回こんかいの制限せいげんについて釈明しゃくめいし「Twitterのような使命しめいがある場合ばあい、プラットフォームを強化きょうかし続つづけるために大おおきな行動こうどうが必要ひつようだ」と制限せいげんを正当せいとう化かしたが、見解けんかい表明ひょうめいが規制きせい導入どうにゅうから3日にちも後ごだった理由りゆうについては回答かいとうしていない。また、X社しゃによるビジネス向むけリリースでは「私わたしたちのユーザーベースの信頼しんらい性せいを確保かくほすべく、プラットフォームからspamやbotを除去じょきょする必要ひつようがある。そのためには大変たいへん厳きびしい措置そちを講こうじる場合ばあいがある」としたうえで、事前じぜんに予告よこくなく規制きせいに至いたった事態じたいに関かんしては「あらかじめ告知こくちすることで、悪質あくしつ業者ぎょうしゃが行動こうどうを変かえ、Twitterによる検知けんちを逃のがれるため」と釈明しゃくめいし、「この一時いちじ的てきな閲覧えつらん制限せいげんはプラットフォームを使用しようしている人々ひとびとのごく一部いちぶに影響えいきょうを及およぼしており、作業さぎょうが完了かんりょう次第しだい、最新さいしん情報じょうほうを提供ていきょうする予定よていだ。広告こうこくへの影響えいきょうも最小限さいしょうげんにとどめた」と表明ひょうめいしているが、具体ぐたい的てきな規制きせい解除かいじょや解除かいじょ後ごも再ふたたび閲覧えつらん規制きせいを実施じっしするかどうかなどは言及げんきゅうしていない。このようなX社しゃ、マスク、ヤッカリーノらの一連いちれんの姿勢しせいについても、全ぜん世界せかいから厳きびしい批判ひはんが集あつまっている。

Twitterは政府せいふ、官公庁かんこうちょうや企業きぎょうがプロモーションツールや連携れんけい機能きのうで利用りようしているケースが多おおくみられる。特とくに日本にっぽんにおいては防災ぼうさい情報じょうほうの発信はっしんにTwitterを活用かつようしている自治体じちたいも多おおく「Twitterは現場げんばの状況じょうきょうがリアルタイムで入はいってくる。閲覧えつらん制限せいげんが続つづくと、災害さいがいの発生はっせい自体じたいの情報じょうほうが得えにくくなる」と自治体じちたいの災害さいがい状況じょうきょうの把握はあく確認かくにんに影響えいきょうを懸念けねんする意見いけんも見みられる。また、諸しょ外国がいこくでもドイツ政府せいふは広報こうほう手段しゅだんとしてTwitterの活用かつようを見直みなおす可能かのう性せいを示唆しさしている。企業きぎょうについても、今回こんかいの制限せいげんによる混乱こんらんから一部いちぶのゲームパブリッシャー（ゲーム会社かいしゃ）ではソーシャルゲームのTwitter連携れんけい機能きのうを段階だんかい的てきに終了しゅうりょうさせる動うごきがあるなど、Twitterに対たいする官公庁かんこうちょうや企業きぎょうからのさらなる信用しんよう失墜しっついも避さけられない情勢じょうせいになりつつある。ヤッカリーノは、マスクの方針ほうしんに反発はんぱつしてTwitterから離反りはんした企業きぎょうとの関係かんけい改善かいぜんを模索もさくするなど広告こうこく事業じぎょう立たて直なおしを急いそいでいるが、今回こんかいの閲覧えつらん制限せいげんによる混乱こんらんが加くわわったことで、識者しきしゃからは閲覧えつらん数すう制限せいげんが広告こうこく事業じぎょうに「壊滅かいめつ的てき」影響えいきょうを与あたえる可能かのう性せいを指摘してきしている。

今回こんかいの混乱こんらんを受うけて、代替だいたいのSNSへの移転いてんを模索もさくするユーザが増加ぞうかしており、SNSのMastodonの投稿とうこうはTwitterの制限せいげんによる混乱こんらんが起おきた週末しゅうまつに3倍ばいに増加ぞうかし、Misskeyを使用しようしたSNSサーバーの一ひとつであるMisskey.ioでは2月がつ時点じてんで3万まん人にんだった登録とうろく者しゃ数すうが7月がつ2日にちに20万まん人にんを突破とっぱし、新規しんき登録とうろく者しゃの増加ぞうかから一時いちじ登録とうろく制限せいげんを行おこなうなどの変動へんどうが見みられた。Twitter創業そうぎょう者しゃで元もとCEOのジャック・ドーシーが支援しえんする分散ぶんさん型がたSNSのBlueskyもベータテスト中ちゅうであるが、Twitterの制限せいげん以降いこう、記録きろく的てきなトラフィックが集中しゅうちゅうしており、新規しんきユーザー登録とうろくを一時いちじ的てきに停止ていしする事態じたいとなっている。また、FacebookやInstagramなどを運営うんえいするMetaは、当初とうしょは7月がつ中旬ちゅうじゅんにリリースを予定よていしていた競合きょうごうのSNSとなる「Threads（スレッズ）」を前倒まえだおしする形かたちで7月がつ6日にちにリリースした。Twitterの混乱こんらんを受うけての代替だいたいユーザ獲得かくとくを目論もくろんでの動うごきとみられている。

MetaはThreadsがスタートした同月どうげつ6日にちの時点じてんで3000万まん人にん以上いじょうが新規しんき登録とうろくしたとしている。一方いっぽう、X社しゃの弁護士べんごしはMetaに対たいし「Threadsを開発かいはつするためにTwitterの営業えいぎょう秘密ひみつなど知的ちてき財産ざいさんを、体系たいけい的てきかつ意図いと的てきに、ならびに違法いほうに不正ふせい流用りゅうようしている」「Threads開発かいはつのために数すう十じゅう人にんのTwitterの元もと社員しゃいんを採用さいようした」などと主張しゅちょうしたうえで、「Twitterは自みずからの知的ちてき所有しょゆう権けんを厳密げんみつに履行りこうする方針ほうしんで、Twitterの営業えいぎょう秘密ひみつや機密きみつ性せいの高たかい情報じょうほうの使用しようを、Metaがただちに中止ちゅうしすることを要求ようきゅうする」、「Twitterはすべての権利けんりを留保りゅうほする。これには、今後こんご通告つうこくなく民事みんじ上じょうの救済きゅうさい措置そちと差さし止とめ命令めいれいを請求せいきゅうする権利けんりも含ふくまれる」として、Metaを提訴ていそする構かまえを見みせている。X社しゃのマスク、ヤッカリーノもTwitterでMetaの姿勢しせいを批判ひはんしている。

収益しゅうえき化かに伴ともなう混乱こんらん

詳細しょうさいは「インプレゾンビ」を参照さんしょう

2023年ねん7月がつ13日にち以降いこう、X Premium（旧きゅう：Twitter Blue）に加入かにゅうし、所定しょていの条件じょうけんを満みたしたアカウントは広告こうこく収入しゅうにゅうの一部いちぶの分配ぶんぱいを得えられるようになった（広告こうこく収益しゅうえき分配ぶんぱいプログラム）。しかし、Twitterでの収益しゅうえき化かが可能かのうになったことにより、リプライ欄らんに関係かんけいのない投稿とうこうを行おこなう、他人たにんのツイートをそのままコピーして投稿とうこうする（いわゆるパクツイ）、悪質あくしつなデマを含ふくんだ投稿とうこうをする、などの問題もんだい行為こういを収益しゅうえき目的もくてきで機械きかい的てきに繰くり返かえすアカウントが急増きゅうぞうした。

こうしたアカウントは俗ぞくに「インプレゾンビ」と呼よばれ、日本にっぽんにおいては2024年ねんに発生はっせいした能登半島のとはんとう地震じしんや羽田空港はねだくうこう地上ちじょう衝突しょうとつ事故じこに関連かんれんする虚偽きょぎの情報じょうほうが拡散かくさんされるなど、大おおきな問題もんだいとなっている。

関連かんれん項目こうもく

• Twitter - Xの前身ぜんしん。
• X (2023年ねん創業そうぎょうの企業きぎょう) - Xの運営うんえい会社かいしゃ。
• ソーシャルネットワーキングサービス（SNS）
• フォロワー数すうが多おおいTwitterアカウントの一覧いちらん

外部がいぶリンク

• 公式こうしきウェブサイト
• ブログ
• X透明とうめい性せいセンター