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行灯あんどん」のはんあいだ差分さぶん

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{{Otheruseslist|照明しょうめい器具きぐ|灯火ともしびもちいた工場こうじょう安全あんぜんシステム|アンドン|タクシー・貸切かしきりバスの社名しゃめい表示ひょうじとう|社名しゃめい表示ひょうじとう}}
{{Otheruses|[[照明しょうめい器具きぐ]]のひとつ|そのほかのあんどん|あんどん}}
'''行灯あんどん'''、'''行燈あんどん'''(あんどん)は[[照明しょうめい器具きぐ]]のひと。[[ろうそく]]や[[油脂ゆし]]を燃料ねんりょうとしたほのお光源こうげんとするはこぶもの、室内しつないくもの、[[かべ]]にけるものなど様々さまざま種類しゅるいがある。もともとははこぶものだったため「行灯あんどん」のてられ、これを[[唐音とういん]]みして「あんどん」となった。携行けいこうようのちに[[提灯ちょうちん]]にってわられたため据付すえつけがた主流しゅりゅうとなった。
[[ファイル:行燈あんどん(あんどん)8163423.jpg|thumbnail|240px|和紙わし使つかった行燈あんどん]]
'''行灯あんどん'''、'''行燈あんどん'''(あんどん、{{Lang-en-short|Oriental lamp}})は[[照明しょうめい器具きぐ]]のひとつ。はこぶもの、室内しつないくもの、[[かべ]]にけるものなど様々さまざま種類しゅるいがある。もともとははこぶものだったため「行灯あんどん」のてられ、これを[[唐音とういん]]みして「あんどん」となった。携行けいこうようのちに[[提灯ちょうちん]]にってわられたため据付すえつけがた主流しゅりゅうとなった。


== 概要がいよう ==
== 概要がいよう ==
[[File:Kusakabe Kimbei - Writing Letter (large).jpg|thumb|200px|行灯あんどんひらき、火皿ひざらえる状態じょうたい(写真しゃしんみぎ)]]
一般いっぱんてき普及ふきゅうしたのは[[江戸えど時代じだい]]である。それまでは火皿ひざらおおわれていなかった。[[たけ]]、[[木材もくざい|]]、[[金属きんぞく]]などでつくられたわくに[[和紙わし]]をり、ふう光源こうげんほのおえないようにつくられている。光源こうげんおもに[[灯明とうみょう]](とうみょう)で中央ちゅうおう火皿ひざらをのせるだいがある。いしもしくは陶製とうせいさらあぶられ、[[木綿もめん]]などの灯心とうしん点火てんかして使用しようする。[[蝋燭ろうそく]]を使用しようするものもあったが当時とうじ高価こうかであったため、おもに[[菜種油なたねあぶら]]などが使用しようされた。[[庶民しょみん]]はさらに安価あんかだが、やすとけむり異臭いしゅうはないわし([[魚油ぎょゆ]])などを使つかっていた([[ねこ]]が行灯あんどんあぶらをなめるという伝説でんせつねこ脂肪しぼうぶん効率こうりつよく摂取せっしゅするためにこれらをよくめていたことに由来ゆらいするとかんがえられている<ref>[http://www.excite.co.jp/News/bit/00091110363307.html 日本にっぽんねこはなぜ行灯あんどんあぶらをなめる?(Excite Bit コネタ) - エキサイトニュース]</ref>)。さらに下層かそうでは「くらくなったらる」という有様ありさまだった。
行灯あんどん普及ふきゅうしたのは[[江戸えど時代じだい]]である。それ以前いぜんは、たいうえ火皿ひざらせただけでふうおおいのない[[灯明とうみょう]]さらもちいられていた。


行灯あんどんは、かざよけのおおいで火皿ひざらおおった構造こうぞうである。[[たけ]]、[[木材もくざい|]]、[[金属きんぞく]]などでつくられたわくに[[和紙わし]]をったかざよけのおおいで四方しほうかこった空間くうかんに、[[燃料ねんりょう]]となる[[油脂ゆし]]をそそいだ火皿ひざらき、[[木綿もめん]]や[[イグサ]]などの灯心とうしん点火てんかして使用しようする。{{See also|行灯あんどんさら}}
照明しょうめい器具きぐとはいっても現在げんざいのものとは比較ひかくにならないほどくらいもので、[[電球でんきゅう]]の50ぶんの1程度ていどといわれている。


燃料ねんりょう油脂ゆしには[[菜種油なたねあぶら]]や[[魚油ぎょゆ]]などがもちいられ、魚油ぎょゆ安価あんかだがやせばけむり悪臭あくしゅう発生はっせいする欠点けってんがある。「[[ねこ]]が行灯あんどんあぶらをなめる」という伝説でんせつは、行灯あんどん燃料ねんりょう魚油ぎょゆ使つかわれていたことに由来ゆらいするとかんがえられる<ref>[https://www.excite.co.jp/news/article/00091110363307/ 日本にっぽんねこはなぜ行灯あんどんあぶらをなめる?] Excite Bit コネタ、[[エキサイト]]ニュース、2005ねん3がつ12にち。</ref>。
現在げんざいでも[[和風わふう]][[旅館りょかん]]などで[[インテリア]]としてかけるが、防災ぼうさいじょうおよび実用じつようじょう観点かんてんから[[光源こうげん]]はほぼ[[電球でんきゅう]]使用しようされる。

[[明治めいじ]]時代じだいはいると[[ランプ (照明しょうめい器具きぐ)#石油せきゆランプ|石油せきゆランプ]]が普及ふきゅうはじめ、菜種油なたねあぶら行燈あんどん姿すがたしていったが、地方ちほうでは使用しようされるれいもあった。[[富山とやまけん]]の農村のうそんでは明治めいじ20年代ねんだいから30年代ねんだいまで利用りようされていたとされる<ref>上市うわいちまち編纂へんさん委員いいんかいへん上市うわいちまち』p.568、[[上市うわいちまち]]、1970ねん。</ref>。また、[[新美にいみ南吉なんきち]]の童話どうわ『[[おじいさんのランプ]]』では、[[にち戦争せんそう]]のころ([[1904ねん]])の[[愛知あいちけん]][[半田はんだ]]付近ふきん農村のうそん生活せいかつを「よるかりなしのいえおおかった。すこしぜいたくないえでは、およめさんが嫁入よめい道具どうぐってきた行灯あんどんともした」と描写びょうしゃしている。

[[21世紀せいき]]以降いこう現在げんざいでも[[和風わふう]][[旅館りょかん]]などで[[インテリア]]としてかけるが、防災ぼうさいじょうおよび実用じつようじょう観点かんてんから[[光源こうげん]]として[[電球でんきゅう]]や[[LED電球でんきゅう]]を使用しようした行灯あんどんがたの[[電気でんきスタンド]]となっている。


== 行灯あんどん種類しゅるい ==
== 行灯あんどん種類しゅるい ==
[[ファイル:Old Toshima House07s3200.jpg|thumbnail|180px|電球でんきゅう使用しようしたおけ行灯あんどん]]
[[ファイル:Old Toshima House07s3200.jpg|thumbnail|180px|電球でんきゅう使用しようしたおけ行灯あんどん]]
; おけ行灯あんどん(おきあんどん)
; おけ行灯あんどん(おきあんどん)
: もっと一般いっぱんてき室内しつないがたおおくは縦長たてながはこがたをしており、内部ないぶには[[灯明とうみょう]]をおく[[だい]]、上部じょうぶにははこよういている。下部かぶしなどをそなえたものもあり、灯心とうしん蝋燭ろうそくなどを収納しゅうのうした。小型こがたのものは雪洞せつどう(ぼんぼり・せっとう)ともばれる。
: もっと一般いっぱんてき室内しつないがたおおくは縦長たてながはこがたをしており、内部ないぶには[[灯明とうみょう]]をおく[[だい]]、上部じょうぶにははこよういている。下部かぶしなどをそなえたものもあり、灯心とうしん蝋燭ろうそくなどを収納しゅうのうした。小型こがたのものは[[雪洞せつどう]](ぼんぼり・せっとうともばれる。
; かけ行灯あんどん(かけあんどん)
; かけ行灯あんどん(かけあんどん)
: みせ軒先のきさきなどにけ、[[屋号やごう]]や商品しょうひんめいいて看板かんばんとしたもの。夜間やかんみせけている[[飲食いんしょくてん]]などにおおかった。
: みせ軒先のきさきなどにけ、[[屋号やごう]]や商品しょうひんめいいて[[看板かんばん]]としたもの。夜間やかんみせけている[[飲食いんしょくてん]]などにおおかった。
; とおしゅう行灯あんどん(えんしゅうあんどん)
; とおしゅう行灯あんどん(えんしゅうあんどん)
: おけ行灯あんどん一種いっしゅ円筒えんとうがたをしているが完全かんぜんかこわず、一部いちぶいている。ここから点火てんか消火しょうか操作そうさおこなったり、行灯あんどん自体じたいまわして光量ひかりりょう調節ちょうせつができる。一説いっせつには[[小堀こぼり政一まさかず|小堀こぼりとおしゅう]]の発明はつめいによる名称めいしょうとも。
: おけ行灯あんどん一種いっしゅ円筒えんとうがたをしているが完全かんぜんかこわず、一部いちぶいている。ここから点火てんか消火しょうか操作そうさおこなったり、行灯あんどん自体じたいまわして光量ひかりりょう調節ちょうせつができる。一説いっせつには[[小堀こぼり政一まさかず|小堀こぼりとおしゅう]]の発明はつめいによる名称めいしょうともされる
; 有明行灯ありあけあんどん(ありあけあんどん)
; 有明行灯ありあけあんどん(ありあけあんどん)
: 小型こがた行灯あんどんで、就寝しゅうしん枕元まくらもといて使用しようする。こうておかないとようしにったりなに突発とっぱつてき事態じたい発生はっせいしたとき即応そくおうできないまどいており光量ひかりりょう調節ちょうせつできるものがおおかった。名前なまえは「よるけて[[がた|有明ありあけ]]のつきまだいている」ことから
: 小型こがた行灯あんどんで、就寝しゅうしん枕元まくらもといて使用しようようしにったり突発とっぱつてき事態じたい発生はっせいしたとき即応そくおうできるよう使用しようするまどいており光量ひかりりょう調節ちょうせつできるものがおおかった。名前なまえは「よるけてもまだいている」さま[[がた|有明ありあけ]]のつきになぞらえた
; 書見しょけん行灯あんどん(しょけんあんどん)
: 外装がいそう一部いちぶまるき、そこに[[ガラス]]または[[レンズ]]をめてあるもので、[[書物しょもつ]]をよりあかるくるのにてきした構造こうぞうになっている。
; はちあいだ行灯あんどん(はちけんあんどん)
: りゃくして「はちあいだ」とも。ひらたく大型おおがた天井てんじょうからげるもので、[[湯屋ゆや]]・[[寄席よせ]]・[[居酒屋いざかや]]などひとあつまる場所ばしょで、部屋へや全体ぜんたいあかるくらした。
; つじ行灯あんどん(つじあんどん)
: [[辻番つじばんしょ]]などのまえ街路がいろてられた行灯あんどん現代げんだいの[[街灯がいとう]]の前身ぜんしんのようなもので、それにくらべるとかなりくらかったが、当時とうじとしては一定いってい防犯ぼうはん効果こうかがあった。


== 行灯あんどんから派生はせいした事項じこう ==
== 行灯あんどんから派生はせいした事項じこう ==
=== 工場こうじょうにおける「アドン」 ===
=== まつり・イベ ===
[[画像がぞう:Tonamiyotaka.jpg|thumb|[[よるだか行燈あんどん]]とばれる巨大きょだい行燈あんどん写真しゃしんは[[砺波となみよるだかまつり]]]]
{{Main|アンドン}}
* [[よるだか行燈あんどん]] - [[富山とやまけん]]つたわる[[まつり]]で使つかわれる巨大きょだい行燈あんどん[[砺波となみよるだかまつり]]などでは極彩色ごくさいしょくうつくしい行灯あんどんってあるく。
[[工場こうじょう]]や生産せいさん現場げんばにおいて各所かくしょ表示ひょうじ[[ランプ (光源こうげん)|ランプ]]がいていることがあり、これもアンドンとぶ。これはなに異常いじょう発生はっせいしたさい作業さぎょうしゃが[[開閉かいへい|スイッチ]]をすとその現場げんばのランプが点灯てんとうし、同時どうじにモニタリングルームの表示ひょうじばん点灯てんとう、[[管理人かんりにん|管理かんり責任せきにんしゃ]]がすみやかに現場げんばけつけることができる[[システム]]である。
* [[京都きょうと東山ひがしやまはなとう]] / [[京都きょうと嵐山あらしやまはなとう]] - [[京都きょうと]]で開催かいさいされる観光かんこうイベント。詳細しょうさいかく記事きじ参照さんしょう
* たんころりんの夕涼ゆうすずみ - [[愛知あいちけん]][[豊田とよだ]][[足助あすけまち (豊田とよだ)|足助あすけ]]でおこなわれるまつり。「たんころりん」とは、たけかごと[[和紙わし]]でつくった円筒えんとうがた行灯あんどん地元じもとでの


=== 照明しょうめいかんする事物じぶつ ===
様々さまざまなタイプがあるが、いちれいとしてはうえからじゅんみどりあかのランプがたてかさなったものがあり、、みどり異常いじょうなし、責任せきにんしゃ事態じたい発生はっせいあか責任せきにんしゃ要請ようせいくわえて[[ライン生産せいさん|ライン]]ストップ、を意味いみする。
* [[アンドン]] - [[工場こうじょう]]や生産せいさん現場げんばにおいて各所かくしょ表示ひょうじ[[ランプ (光源こうげん)|ランプ]]がいていることがあり、これもアンドンとぶ。これはなに異常いじょう発生はっせいしたさい作業さぎょうしゃが[[開閉かいへい|スイッチ]]をすとその現場げんばのランプが点灯てんとうし、同時どうじにモニタリングルームの表示ひょうじばん点灯てんとう、[[管理人かんりにん|管理かんり責任せきにんしゃ]]がすみやかに現場げんばけつけることができる[[システム]]である様々さまざまなタイプがあるが、いちれいとしてはうえからじゅんみどりあかのランプがたてかさなったものがあり、みどり異常いじょうなし、責任せきにんしゃ事態じたい発生はっせいあか責任せきにんしゃ要請ようせいくわえて[[ライン生産せいさん|ライン]]ストップ、を意味いみする。詳細しょうさい当該とうがい記事きじ参照さんしょう
* [[社名しゃめい表示ひょうじとう]] - [[タクシー]]の屋根やねじょうや[[貸切かしきりバス]]([[観光かんこうバス]])の前面ぜんめん設置せっちされる表示ひょうじとうぞくに「行灯あんどん」とばれる。[[日本にっぽんのタクシー#車内しゃない装備そうび]]も参照さんしょう
* [[消防車しょうぼうしゃ]]に設置せっちされる「所属しょぞく表示ひょうじとう」も同様どうように、ぞくに「行灯あんどん」とばれる。
* 行灯あんどん看板かんばん(あんどんかんばん) - [[アクリル]]や[[ガラス]]せい[[看板かんばん]]で、内側うちがわから[[電球でんきゅう]]や[[蛍光けいこうとう]]でらすもの。
* 行灯あんどんづくり - 舞台ぶたいやテレビ・映画えいがのセットのうちはこがたえないがわぶたつくらないこともある)でなか照明しょうめい器具きぐれる構造こうぞうもの大小だいしょうわずび、りゃくして「行灯あんどん」とよびばれる
* ビジネスバイク([[ホンダ・スーパーカブ]]、[[スズキ・バーディー]]など)のうち、[[1990年代ねんだい]]以前いぜんのモデルには[[ぜんあきらとう|ヘッドライト]]直下ちょっかの[[ステム (自転車じてんしゃ)|ステム]]付近ふきんに1とうのスモールランプ(ポジションランプ)が設置せっちされており、こうしたモデルはぞくに「行灯あんどんカブ」とばれる。


=== そのぎょうとうかかことこう ===
=== 形状けいじょうとうからたとえられこともの ===
* [[アンドンクラゲ]] - [[はこちゅうつな]]にぞくする[[クラゲ]]。3[[センチメートル|cm]]ほどのほぼ[[立方体りっぽうたい]]のかさをつことから「行灯あんどん」のがある有毒ゆうどくされる被害ひがいがよく発生はっせいする。
[[画像がぞう:Tonamiyotaka.jpg|thumb|[[よるだか行燈あんどん]]とばれる巨大きょだい行燈あんどん写真しゃしんは[[砺波となみよるだかまつり]]]]
* [[よるだか行燈あんどん]] - 富山とやまけん砺波となみ地方ちほうつたわるまつり極彩色ごくさいしょくうつくしい行灯あんどんあるく。
* 昼行灯ひるあんどん - やくにたないひとしめ表現ひょうげん。[[大石おおいし良雄よしお|大石おおいし内蔵助くらのすけ]]が赤穂あこうはん家老がろう時代じだい仕事しごとをしないことからこうばれたという。[[必殺ひっさつシリーズ]]で、[[中村なかむらしゅみず]]も同様どうよう理由りゆうでそのようばれている。
* 行灯あんどんだこ - 四角形しかっけいわくかみった[[たこ]]。
* 行灯あんどんだこ - 四角形しかっけいわくかみった[[たこ]]。
* 昼行灯ひるあんどん(ひるあんどん) - にちちゅうのついた行灯あんどんるように、点灯てんとうしているのかどうかよくわからない、存在そんざいかんがなく、ぼんやりしたひと。また、やくにたないひと<ref>『[[大辞林だいじりん]]』[[三省堂さんせいどう]]</ref>。[[大石おおいし良雄よしお|大石おおいし内蔵助くらのすけ]]が[[赤穂あこうはん]][[家老がろう]]時代じだい仕事しごとをしないことからこうばれたという。
* [[アンドンクラゲ]] - 3センチほどのほぼ立方体りっぽうたいのかさを[[はこちゅうつな]]にぞくする[[クラゲ]]。有毒ゆうどくされる被害ひがいがよく発生はっせいする。
* タクシーや観光かんこうバスの[[社名しゃめい表示ひょうじとう]]や[[消防車しょうぼうしゃ]]の所属しょぞく表示ひょうじとうは、通称つうしょう行灯あんどんばれる。
* 舞台ぶたいやテレビ・映画えいがのセットのうちはこがたえないがわふたつくらないこともある)でなか照明しょうめい器具きぐれる構造こうぞうもの大小だいしょうわず一般いっぱんに「行灯あんどんづくり」とげん日常にちじょうてきにはしょうりゃくして「行灯あんどん」とよび


== 脚注きゃくちゅう ==
== 脚注きゃくちゅう ==
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{{Reflist}}
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== 関連かんれん項目こうもく ==
== 関連かんれん項目こうもく ==
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{{Wiktionary|あんどん|行灯あんどん}}
* [[行灯あんどんさら]]
* [[提灯ちょうちん]](ちょうちん)
* [[提灯ちょうちん]](ちょうちん)
* [[雪洞せつどう]](ぼんぼり)
* [[雪洞せつどう]](ぼんぼり)
* [[くだりさら]]
<!--* [[かわら]] 記事きじたてこう-->
* [[シャウカステン]]
* [[アンドン]]
* [[社名しゃめい表示ひょうじとう]]


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[[en:Traditional lighting equipment of Japan#Andon]]
[[fr:Formes traditionnelles d'éclairage au Japon#Andon]]
[[it:Strumenti d'illuminazione tradizionali del Giappone#Andon]]

2023ねん8がつ14にち (月)げつ 16:28時点じてんにおける最新さいしんばん

行灯あんどん行燈あんどん(あんどん)は照明しょうめい器具きぐひとつ。ろうそく油脂ゆし燃料ねんりょうとしたほのお光源こうげんとする。はこぶもの、室内しつないくもの、かべけるものなど様々さまざま種類しゅるいがある。もともとははこぶものだったため「行灯あんどん」のてられ、これを唐音とういんみして「あんどん」となった。携行けいこうようのち提灯ちょうちんってわられたため、据付すえつけがた主流しゅりゅうとなった。

概要がいよう[編集へんしゅう]

行灯あんどんひらき、火皿ひざらえる状態じょうたい(写真しゃしんみぎ)

行灯あんどん普及ふきゅうしたのは江戸えど時代じだいである。それ以前いぜんは、たいうえ火皿ひざらせただけでふうおおいのない灯明とうみょうさらもちいられていた。

行灯あんどんは、かざよけのおおいで火皿ひざらおおった構造こうぞうである。たけ金属きんぞくなどでつくられたわく和紙わしったかざよけのおおいで四方しほうかこった空間くうかんに、燃料ねんりょうとなる油脂ゆしそそいだ火皿ひざらき、木綿こわたイグサなどの灯心とうしん点火てんかして使用しようする。

燃料ねんりょう油脂ゆしには菜種油なたねあぶら魚油ぎょゆなどがもちいられ、魚油ぎょゆ安価あんかだがやせばけむり悪臭あくしゅう発生はっせいする欠点けってんがある。「ねこ行灯あんどんあぶらをなめる」という伝説でんせつは、行灯あんどん燃料ねんりょう魚油ぎょゆ使つかわれていたことに由来ゆらいするとかんがえられる[1]

明治めいじ時代じだいはいると石油せきゆランプ普及ふきゅうはじめ、菜種油なたねあぶら行燈あんどん姿すがたしていったが、地方ちほうでは使用しようされるれいもあった。富山とやまけん農村のうそんでは明治めいじ20年代ねんだいから30年代ねんだいまで利用りようされていたとされる[2]。また、新美にいみ南吉なんきち童話どうわおじいさんのランプ』では、にち戦争せんそうころ1904ねん)の愛知あいちけん半田はんだ付近ふきん農村のうそん生活せいかつを「よるかりなしのいえおおかった。すこしぜいたくないえでは、およめさんが嫁入よめい道具どうぐってきた行灯あんどんともした」と描写びょうしゃしている。

21世紀せいき以降いこう現在げんざいでも和風わふう旅館りょかんなどでインテリアとしてかけるが、防災ぼうさいじょうおよび実用じつようじょう観点かんてんから、光源こうげんとして電球でんきゅうLED電球でんきゅう使用しようした行灯あんどんがた電気でんきスタンドとなっている。

行灯あんどん種類しゅるい[編集へんしゅう]

電球でんきゅう使用しようしたおけ行灯あんどん
おけ行灯あんどん(おきあんどん)
もっと一般いっぱんてき室内しつないがたおおくは縦長たてながはこがたをしており、内部ないぶには灯明とうみょうをおくだい上部じょうぶにははこよういている。下部かぶしなどをそなえたものもあり、灯心とうしん蝋燭ろうそくなどを収納しゅうのうした。小型こがたのものは雪洞せつどう(ぼんぼり・せっとう)ともばれる。
かけ行灯あんどん(かけあんどん)
みせ軒先のきさきなどにけ、屋号やごう商品しょうひんめいいて看板かんばんとしたもの。夜間やかんみせけている飲食いんしょくてんなどにおおかった。
とおしゅう行灯あんどん(えんしゅうあんどん)
おけ行灯あんどん一種いっしゅ円筒えんとうがたをしているが完全かんぜんかこわず、一部いちぶいている。ここから点火てんか消火しょうか操作そうさおこなったり、行灯あんどん自体じたいまわして光量ひかりりょう調節ちょうせつができる。一説いっせつには小堀こぼりとおしゅう発明はつめいによる名称めいしょうともされる。
有明行灯ありあけあんどん(ありあけあんどん)
小型こがた行灯あんどんで、就寝しゅうしん枕元まくらもといて使用しようし、ようしにったり突発とっぱつてき事態じたい発生はっせいしたとき即応そくおうできるよう使用しようする。まどいており光量ひかりりょう調節ちょうせつできるものがおおかった。名前なまえは「よるけてもまだいている」さま有明ありあけつきになぞらえたもの。
書見しょけん行灯あんどん(しょけんあんどん)
外装がいそう一部いちぶまるき、そこにガラスまたはレンズめてあるもので、書物しょもつをよりあかるくるのにてきした構造こうぞうになっている。
はちあいだ行灯あんどん(はちけんあんどん)
りゃくして「はちあいだ」とも。ひらたく大型おおがた天井てんじょうからげるもので、湯屋ゆや寄席よせ居酒屋いざかやなどひとあつまる場所ばしょで、部屋へや全体ぜんたいあかるくらした。
つじ行灯あんどん(つじあんどん)
辻番つじばんしょなどのまえ街路がいろてられた行灯あんどん現代げんだい街灯がいとう前身ぜんしんのようなもので、それにくらべるとかなりくらかったが、当時とうじとしては一定いってい防犯ぼうはん効果こうかがあった。

行灯あんどんから派生はせいした事項じこう[編集へんしゅう]

まつり・イベント[編集へんしゅう]

よるだか行燈あんどんばれる巨大きょだい行燈あんどん写真しゃしん砺波となみよるだかまつ

照明しょうめいかんする事物じぶつ[編集へんしゅう]

  • アンドン - 工場こうじょう生産せいさん現場げんばにおいて各所かくしょ表示ひょうじランプいていることがあり、これもアンドンとぶ。これはなに異常いじょう発生はっせいしたさい作業さぎょうしゃスイッチすとその現場げんばのランプが点灯てんとうし、同時どうじにモニタリングルームの表示ひょうじばん点灯てんとう管理かんり責任せきにんしゃすみやかに現場げんばけつけることができるシステムである。様々さまざまなタイプがあるが、いちれいとしてはうえからじゅんみどりあかのランプがたてかさなったものがあり、みどり異常いじょうなし、責任せきにんしゃ事態じたい発生はっせいあか責任せきにんしゃ要請ようせいくわえてラインストップ、を意味いみする。詳細しょうさい当該とうがい記事きじ参照さんしょう
  • 社名しゃめい表示ひょうじとう - タクシー屋根やねじょう貸切かしきりバス観光かんこうバス)の前面ぜんめん設置せっちされる表示ひょうじとうぞくに「行灯あんどん」とばれる。日本にっぽんのタクシー#車内しゃない装備そうび参照さんしょう
  • 消防車しょうぼうしゃ設置せっちされる「所属しょぞく表示ひょうじとう」も同様どうように、ぞくに「行灯あんどん」とばれる。
  • 行灯あんどん看板かんばん(あんどんかんばん) - アクリルガラスせい看板かんばんで、内側うちがわから電球でんきゅう蛍光けいこうとうらすもの。
  • 行灯あんどんづくり - 舞台ぶたいやテレビ・映画えいがのセットのうち、はこがたえないがわぶたつくらないこともある)で、なか照明しょうめい器具きぐれる構造こうぞうのものを、大小だいしょうわずこうび、りゃくして「行灯あんどん」とばれる。
  • ビジネスバイク(ホンダ・スーパーカブスズキ・バーディーなど)のうち、1990年代ねんだい以前いぜんのモデルにはヘッドライト直下ちょっかステム付近ふきんに1とうのスモールランプ(ポジションランプ)が設置せっちされており、こうしたモデルはぞくに「行灯あんどんカブ」とばれる。

形状けいじょうとうからたとえられる事物じぶつ[編集へんしゅう]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ 日本にっぽんねこはなぜ行灯あんどんあぶらをなめる? Excite Bit コネタ、エキサイトニュース、2005ねん3がつ12にち
  2. ^ 上市うわいちまち編纂へんさん委員いいんかいへん上市うわいちまち』p.568、上市うわいちまち、1970ねん
  3. ^ 大辞林だいじりん三省堂さんせいどう

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]