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LED照明しょうめい

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
LED電球でんきゅうから転送てんそう
クリアタイプの白熱はくねつ電球でんきゅうせた形状けいじょう機種きしゅ開発かいはつされている。写真しゃしんPanasonic LDA4L/C[1]
電球でんきゅうがた(E26口金くちがね)LED照明しょうめい(LED電球でんきゅう)。2009ねん発売はつばい製品せいひん

LED照明しょうめい(エルイーディーしょうめい、えい: LED lamp, LED light bulb)は、発光はっこうダイオード (LED) を使用しようした照明しょうめい器具きぐのことである。

LEDを使用しようしているため、てい消費しょうひ電力でんりょく長寿ちょうじゅいのちといった特徴とくちょうつ。ていかく範囲はんいない使用しようするかぎ発光はっこう素子そし自身じしん比較的ひかくてき長寿ちょうじゅいのちであり、ねつによる劣化れっか寿命じゅみょう決定けってい要因よういんとなる[よう出典しゅってん]

LEDは、1970年代ねんだいから普及ふきゅうしている発光はっこう素子そしだが、当初とうしょ赤色あかいろ緑色みどりいろといった、比較的ひかくてき波長はちょうながひかりしかすことができなかった。その1990年代ねんだい青色あおいろLEDじゅん緑色みどりいろLEDが発明はつめいされたことにより、ひかり三原色さんげんしょくそろい、一般いっぱんてき照明しょうめいもとめられる白色はくしょく発色はっしょく可能かのうとなったため、照明しょうめいとしての応用おうようはじまり、照明しょうめい器具きぐ主力しゅりょく光源こうげんとなっている。

特徴とくちょう

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LED照明しょうめいは、蛍光けいこうとう白熱はくねつ電球でんきゅうといった従来じゅうらいがた照明しょうめい器具きぐ比較ひかくすると以下いか特徴とくちょうそなえる。

長寿ちょうじゅいのち高信頼こうしんらいせい
白熱はくねつ電球でんきゅう蛍光けいこうとうすうばい以上いじょう設計せっけい寿命じゅみょうで、一度いちど設置せっちすればかんだま交換こうかんのような頻繁ひんぱん交換こうかん手間てまはぶけ、LED照明しょうめい寿命じゅみょうむかえるまでのかんだま購入こうにゅう費用ひよう削減さくげんできる[注釈ちゅうしゃく 1]
てい消費しょうひ電力でんりょくてい発熱はつねつせい
供給きょうきゅうされる電力でんりょくおおくが発光はっこう使つかわれる(発光はっこう効率こうりつたかい)ため、消費しょうひ電力でんりょくすくない。また、ジュールねつとなってうしなわれる電力でんりょくすくないため、あつくなりにくい。
こう価格かかく
2023ねん現在げんざい白色はくしょくはなこう輝度きどLED製造せいぞうには高価こうか半導体はんどうたい製造せいぞう装置そうち高度こうど技術ぎじゅつ必要ひつようとされ、LED照明しょうめいそのものの生産せいさん販売はんばいすうすくないことも量産りょうさん効果こうかまず、こう価格かかくである理由りゆうの1つとなっている。また、電源でんげん回路かいろ必要ひつようとし放熱ほうねつばんはいこうようのレンズ、散乱さんらんパネルとう器具きぐ全体ぜんたいこう価格かかくにしている。LED電球でんきゅうについては、価格かかく低廉ていれんがみられるものの、ちょくかん蛍光けいこうとうがたのLED照明しょうめい円形えんけい蛍光けいこうとうのLED照明しょうめいについては、まだ市場いちば規模きぼもLED電球でんきゅうほどおおきくなっておらず、技術ぎじゅつてき生産せいさんコストてきにも発展はってん途上とじょう市場いちばであり、とくにLED電球でんきゅう白熱はくねつ電球でんきゅう比較ひかくされるのにたいし、蛍光けいこうとうとの比較ひかくとなり、価格かかく競争きょうそうりょくよわい。しかしこちらも、価格かかく低下ていか発光はっこう効率こうりつ改善かいぜん生産せいさんせい改善かいぜんすすみ、従来じゅうらい蛍光けいこうとうからのえがすすみつつある。
RoHSたいするたか順応じゅんのうせい
LED照明しょうめいは、RoHS指令しれいさだめられた6種類しゅるい人体じんたい環境かんきょう汚染おせん物質ぶっしつ使用しようせずに生産せいさんできる。蛍光けいこうとう性質せいしつじょう水銀すいぎん使用しようしなければならず、代替だいたい物質ぶっしつもないが、LED照明しょうめい水銀すいぎん使用しようしていない。
たい衝撃しょうげきせい
真空しんくうかんフィラメント必要ひつようとしないため、衝撃しょうげきたいして比較的ひかくてきつよい。
小型こがたてん光源こうげん
てん光源こうげんのため発光はっこうちいさくつくれる。設置せっち空間くうかんちいさくできるためデザインじょう利点りてんではあるが、放熱ほうねつ工夫くふうはいこうかく、すなわちひかり照射しょうしゃ範囲はんいひろくする設計せっけいもとめられる。比較的ひかくてきふるくから存在そんざいする「しも方向ほうこうタイプ」などとしょうされるもののはいこうかくやく120しかなかった。これははいこうかくやく330白熱はくねつとうの1/3にもおよばず、部屋へや全体ぜんたいるとくらかった。その技術ぎじゅつ進展しんてんはめざましいもので、2011ねんまつにはパナソニックやく300達成たっせいしたと発表はっぴょう、2015ねん現在げんざいでは最大さいだいやく350にまで向上こうじょうしている。その一方いっぽうで、120製品せいひん淘汰とうたされていない。
高速こうそく応答おうとうせい
ねつ慣性かんせいがほとんどいLED照明しょうめいは、供給きょうきゅう電源でんげん断続だんぞくすれば、それにおうじて高速度こうそくど明滅めいめつする[注釈ちゅうしゃく 2]ため、蛍光けいこうとう白熱はくねつ電球でんきゅう水銀すいぎんとう比較ひかくするときわめて高速こうそく明滅めいめつするほか、明滅めいめつかえすような場所ばしょにも効果こうかがある。ヒトでは感知かんちできないが、点滅てんめつ速度そくど電源でんげん交流こうりゅう場合ばあい商用しょうよう電源でんげん周波数しゅうはすう依存いぞんするため、ビデオカメラ映像えいぞうとして記録きろくした場合ばあいに、問題もんだいとなることもある[注釈ちゅうしゃく 3]
直流ちょくりゅうてい電圧でんあつ駆動くどう
1つ1つのLED発光はっこう素子そし直流ちょくりゅうひく電圧でんあつ電源でんげんによって発光はっこうするので、100V交流こうりゅう商用しょうよう電源でんげん接続せつぞくする、通常つうじょう照明しょうめいのように使用しようするためには(基本きほんてきには)複雑ふくざつ電源でんげん回路かいろ設計せっけい必要ひつようになる。家庭かてい照明しょうめい器具きぐ場合ばあい電源でんげん回路かいろ内蔵ないぞうしており、基本きほんてきだい電流でんりゅうをかけてこう輝度きど発光はっこうおこなうため、発熱はつねつによって素子そし自身じしん周囲しゅういふうとめパッケージが劣化れっかしてき、最悪さいあく場合ばあいにはLED素子そし損傷そんしょうけ、発光はっこう不良ふりょうこす。これをけて長寿ちょうじゅいのち高信頼こうしんらいせい実現じつげんするには、放熱ほうねつせいたか筐体きょうたい設計せっけい外周がいしゅう冷却れいきゃくようのフィンをそなけるなどただしい放熱ほうねつもとめられる[2]。そのため、LED電球でんきゅうは、発熱はつねつ放熱ほうねつ上回うわまわらない限界げんかいの「白熱はくねつ電球でんきゅう100W相当そうとう」ルーメンのものが目安めやす上限じょうげんとして市販しはんされている[注釈ちゅうしゃく 4]
その
特徴とくちょうとして、内蔵ないぞうしたかくいろLEDの発光はっこうえることで、発光はっこうしょく容易よういえられる。そのほか、赤外線せきがいせんさないため、放射ほうしゃねつさない。また、紫外線しがいせんさないことで紫外線しがいせんこのむしるいがほとんどってこない利点りてんがある[3]

基本きほんてき発色はっしょく

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LED素子そし帯域たいいきレーザーのようなせんスペクトルほどではないが、既存きそん光源こうげんくらべるとずっとせまく、単一たんいつのLEDで白色はくしょくこうすことはできない[注釈ちゅうしゃく 5]

ただし、蛍光けいこうたいにより短波たんぱちょうひかり長波ちょうはちょうひかり変換へんかんすることができるので、LED自体じたい青色あおいろのみにしていろ蛍光けいこうによってすこともできる。いずれも青色あおいろLEDが必須ひっすであり、青色あおいろLEDの発明はつめいによってはじめてLED照明しょうめい現実げんじつてきとなった。

青色あおいろLEDと黄色おうしょく蛍光けいこうたい使つかったものがもっと普及ふきゅうしている。いわゆる「疑似ぎじ白色はくしょく」である。このタイプのスペクトル分布ぶんぷあおの460nm近辺きんぺんするどいピークがあり、蛍光けいこうたいによる500~600nmあたりを中心ちゅうしんとしたゆるやかなピークをもつ(蛍光けいこうたいのピーク位置いちやピークのなだらかさは蛍光けいこうたい依存いぞんする)。昼光色ちゅうこうしょくタイプだとあおのピークが圧倒的あっとうてきたかく、黄色おうしょく蛍光けいこうたいのピークはひくくなる。一方いっぽう電球でんきゅうしょくタイプは蛍光けいこうたいのピークがあおのピークよりもたか[4]

かず非常ひじょうすくないが、青色あおいろLED+あか緑色みどりいろ蛍光けいこうたい、もしくはきんむらさきがい(もしくはむらさき)LED+あかみどり青色あおいろ発光はっこうたい使つかったものもある[5]。このタイプはRGB3しょくによる発光はっこうとなるためえんじしょくせいたか反面はんめん一番いちばん発光はっこう効率こうりつわる赤色あかいろ蛍光けいこうたいわせて蛍光けいこうたいりょうめるため、総体そうたいとして擬似ぎじ白色はくしょくくらべて効率こうりつわる[6]

以上いじょうは、単体たんたいLEDチップをもちいたれいだが、あかみどりあお単色たんしょくLEDをわせたマルチチップタイプのLEDも存在そんざいする。このタイプはコストがたかく、かつ白色はくしょく実現じつげんするには複雑ふくざつ駆動くどう回路かいろ必要ひつようとするため[7]蛍光けいこうたい改良かいりょうすすむにれて照明しょうめいへのおう用例ようれいとしてはほとんどなくなった。

照明しょうめい器具きぐ比較ひかく

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各種かくしゅ照明しょうめい器具きぐ同士どうし比較ひかくひょうしめす。

照明しょうめい器具きぐ比較ひかく2023ねん12がつ現在げんざい[8][9]
特性とくせい LED照明しょうめい 白熱はくねつ電球でんきゅう 蛍光けいこうとう HIDランプ
発光はっこう強度きょうど 2023ねん 普及ふきゅうがた
810lm
(7.3W)
800lm
(60W)
3,100lm
(40W)
40,000lm
(400W)
発光はっこう効率こうりつ 63% (200lm/W製品せいひん) 8 - 14% 25% 20 - 40%
エネルギー変換へんかんりつ
発光はっこうスペクトル 470nmと575nmにピーク 400nmから700nmまで増加ぞうか 蛍光けいこうたいの2つのピークと400nm、550nm、570nmに水銀すいぎん輝線きせんがある
いろ温度おんど 2,700 - 15,000K 2,400 - 3,000K 4,200 - 6,500K 3,800 - 6,000K
えんじしょくせい
平均へいきんえんじしょく評価ひょうかすう
73~95 100 61 - 74 65 - 70
寿命じゅみょう 2まん - 8まんあいだ 1000あいだ 1まん2000あいだ 1まん2000あいだ
発熱はつねつ ねつ損失そんしつ
37%(200lm/W製品せいひん
ねつ損失そんしつ+あかがい放射ほうしゃ
90%
ねつ損失そんしつ+あかがい放射ほうしゃ
75%
ねつ損失そんしつ+あかがい放射ほうしゃ
80%
応答おうとうせい 100ナノびょう以下いか 0.15 - 0.25びょう 1 - 2びょう 安定あんていまですうふん
指向しこうせい ひかり拡散かくさん機構きこうにより可変かへん ひとしかたせい
電流でんりゅう - ひかり出力しゅつりょく
ひかり出力しゅつりょく電流でんりゅうn
比例ひれい関係かんけい
n<1
n=6ほど 比例ひれい関係かんけい
n<1
比例ひれい関係かんけい
n>1
温度おんど - ひかり出力しゅつりょく 温度おんど依存いぞんせいしょう 温度おんど依存いぞんせいだい 温度おんど依存いぞんせいしょう

パナソニック電工でんこうによれば、白熱はくねつとうくらべてやく87%、蛍光けいこうとうくらべてやく30%消費しょうひ電力でんりょく削減さくげんできるとされ、初期しょき費用ひようについても消費しょうひ電力でんりょく削減さくげんによって2 - 3ねん回収かいしゅうできるとしている[10]

こう輝度きどLEDの構造こうぞう

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紫外発光LED
むらさきがい発光はっこうLED
標準的な砲弾型の構造
標準ひょうじゅんてき砲弾ほうだんがた構造こうぞう

こう輝度きどLEDの外形がいけい形状けいじょうは、シングルチップの砲弾ほうだんがた表面ひょうめん実装じっそうがた(SMDがた)、マルチチップの表面ひょうめん実装じっそうがた多様たよう形態けいたい大別たいべつできる。LEDはぎゃく電圧でんあつよわいため、逆接ぎゃくせつダイオードをそなえたり、静電気せいでんきたいして保護ほご素子そし内蔵ないぞうするものもある。

砲弾ほうだんがた

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砲弾ほうだんがたでは直径ちょっけい3mmや5mmのものがおおい。配線はいせん極性きょくせい砲弾ほうだんがたではアノードがわ(プラスがわ)がリードせんながく、表面ひょうめん実装じっそうがたではカソードがわ(マイナスがわ)にしるしはいっていることがおおいが例外れいがいもあるので注意ちゅうい必要ひつようである。

5しゅのLEDと発光はっこうしょく
素材そざい GaAsPけい GaPけい AlGaAsけい AlGaInPけい InGaNけい
発光はっこうしょく
構造こうぞう概略がいりゃく
発光はっこう効率こうりつ 0.2 - 1.0lm/W 2.0 - 3.0lm/W 6 - 12lm/W 15 - 40lm/W 10 - 50lm/W

表面ひょうめん実装じっそうがた

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表面ひょうめん実装じっそうかた(SMDかた)は多様たよう形状けいじょう存在そんざいする。2009ねん現在げんざい登場とうじょうしている「パワーLED」とばれるあらたな照明しょうめいようLEDのパッケージは、放熱ほうねつせい発光はっこう特性とくせい考慮こうりょして各社かくしゃことなるため、それらの形状けいじょうはまちまちである。パッケージの背面はいめん放熱ほうねつばん(ヒートシンク)が密着みっちゃくしてけられるので、放熱ほうねつには有利ゆうりとなる。

基本きほんてき表面ひょうめん実装じっそうがたでは、配線はいせんえがかれた小型こがた基板きばんうえにリフレクタがけられ、その中央ちゅうおう素子そしかれてダイ・ボンディングされ、素子そし基板きばんあいだがワイヤ・ボンディングで接続せつぞくされる。蛍光けいこうたい樹脂じゅしがリフレクタでかこまれたうえそそがれ素子そしおおっている。小型こがた基板きばん樹脂じゅし金属きんぞく、セラミックが使用しようされる。

InGaNけいLED半導体はんどうたい構造こうぞう概略がいりゃく
うす黄色おうしょくしめした電極でんきょくパッドにワイヤがボンデングされる。

SMD(surface mount device)がたは、一般いっぱんにフェース・アップ実装じっそうとフリップチップ実装じっそうのものがある。これらのほかに、チップのあらたな構造こうぞうとして、わせタイプがある。

フェース・アップ実装じっそう
フェース・アップ実装じっそうでは、素直すなお素子そし上面うわつら外面がいめんけてパッケージのリードやサブストレートに実装じっそうし、ワイヤ・ボンディングするものである。樹脂じゅしねつひずみでワイヤが断線だんせんする危険きけんがある。ワイヤが邪魔じゃま発光はっこう効率こうりつげる。発光はっこう素子そしのサファイヤ基板きばんねつ伝導でんどうりつひくいため放熱ほうねつはボンディングされたワイヤにもたよるが、それでもねつそとがしがたい。
フリップチップ実装じっそう
フリップチップ実装じっそうでは、発光はっこう素子そしをサブマウントじょうにフリップチップ実装じっそうしたのち、サブマウントをパッケージのリードやサブストレートに実装じっそうする。ワイヤ・ボンティングはサブマウントにたいしておこなう。発光はっこう素子そし上下じょうげぎゃくになるため、ひかりはサファイヤ基板きばん透過とうかして外面がいめんかう。発光はっこうによってねつしょうじる活性かっせいそうはサブマウントちかくになるため、バンプをつうじての放熱ほうねつおこないやすい。ただし発光はっこう素子そしをバンプでサブマウントにけるときに、ねつちょう音波おんぱ振動しんどうくわえられるために素子そし周辺しゅうへん負担ふたんがかかる。
バンプ
バンプは金線きんせん使用しようしたワイヤ・ボンディングを利用りようしてつくる。トーチで金線きんせん先端せんたん加熱かねつしボールをつくる。ボールをキャピラリで発光はっこう素子そし配線はいせんパッドじょうけ、荷重かじゅうちょう音波おんぱ加熱かねつにより配線はいせんパッドと金線きんせん合金ごうきんするとともにバンプを形成けいせいする。キャピラリを配線はいせんパッドからはなし、バンプだけをのこす。加熱かねつはバンプ形成けいせいではやく230℃である。

わせタイプではフリップチップの素子そしているが形状けいじょうすこことなり、フリップしたとき外部がいぶくサファイヤそうのぞかれて反対はんたい基部きぶになるそうとして導電性どうでんせい基板きばんけられる。

パッケージへの直接ちょくせつ実装じっそう

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6角形かくがた白色はくしょくLED発光はっこうモジュール

フリップチップ実装じっそうによってセラミックせいのパッケージに直接ちょくせつ実装じっそうする方法ほうほうられている。セラミックせいのパッケージに直接ちょくせつ実装じっそうすれば、サブマウントをはぶくことで工程こうてい簡略かんりゃく信頼しんらいせい向上こうじょうになる。このようなものはCOB(Chip on board)とばれ、複数ふくすう素子そしを1つのおおきなパッケージに直接ちょくせつ実装じっそうしたモジュールとすることで放熱ほうねつせいたかめられる。

マルチチップの実装じっそう

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マルチチップLEDは1つのパッケージない複数個ふくすうこのLED発光はっこう素子そし搭載とうさいしたふくあい構造こうぞうのLEDである。マルチチップの実装じっそうでは、表面ひょうめん実装じっそうがたとそのほかの多様たよう形態けいたいのパッケージがある。シングルチップでは素子そし(チップ)は高光たかみつ出力しゅつりょくおおきさも1mmかく以上いじょうおおきめのラージサイズチップが使用しようされることがおおいが、マルチチップでは0.6mmかく程度ていどのミドルサイズチップや0.35mmかく程度ていどのノーマルサイズチップが使用しようされることがおおい。

マルチチップでは素子そし自身じしん発光はっこうしょくわせによって2とおりの構成こうせいがある。

  • すべて青色あおいろ発光はっこうおこない、黄色おうしょくけい赤色あかいろけい蛍光けいこうたいからのいろふくめたこんしょく白色はくしょく
  • 複数ふくすう発光はっこう素子そし利用りようしてRGBかくいろ発光はっこうおこない、それらのこんしょく白色はくしょく

前者ぜんしゃえんじしょくせい問題もんだいすくなく、一般いっぱん照明しょうめい用途ようとく。

後者こうしゃかくいろのスペクトルがせまえんじしょくせい問題もんだいがある。一般いっぱん照明しょうめい用途ようとかないがカラー液晶えきしょうようのバックライトにはてきしている[注釈ちゅうしゃく 6][注釈ちゅうしゃく 7][11]

マルチチップでは発熱はつねつげん分散ぶんさんできるが発熱はつねつえるのでシングルチップ以上いじょう放熱ほうねつもとめられる。また、発熱はつねつ部分ぶぶん集中しゅうちゅうして温度おんど部分ぶぶんてき上昇じょうしょうぎないように留意りゅういする必要ひつようがある[9]

蛍光けいこうたい充填じゅうてん

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蛍光けいこうたい使用しようする白色はくしょくLEDでは、蛍光けいこうたいはリフレクタによるつくられるくぼみなどに充填じゅうてんされる。沈降ちんこうなどで発光はっこう素子そしちかくにだけ蛍光けいこうたい分子ぶんし濃密のうみつ分布ぶんぷしないよう均質きんしつ分散ぶんさんしている必要ひつようがあり、充填じゅうてんりょうもどの製品せいひんでもひとしく正確せいかくりょうでなければならない。これらがまもられないと、製品せいひんいろムラによる不良ふりょうとなる[9]

シングルチップとマルチチップ

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シングルチップとマルチチップでは形態けいたいだけでなく特性とくせい用途ようとことなってくる。

特性とくせい
シングルチップのラージサイズチップでは比較的ひかくてきこう出力しゅつりょくられるが、発光はっこう効率こうりつひくくなる。反対はんたいにマルチチップのノーマルサイズチップは1つずつはこう出力しゅつりょくられないが、発光はっこう効率こうりつたかくなる。マルチチップでは放熱ほうねつ設計せっけいらくになる傾向けいこうがある。
用途ようと
シングルチップは光源こうげんが1つであるため光学こうがく設計せっけい単純たんじゅんでありレンズや反射はんしゃきょう使用しようする照明しょうめいいている。マルチチップは光源こうげん複数ふくすうになるのであつまりひかりする用途ようとなどにはかないが、めんらす照明しょうめいひとれる照明しょうめいにはてん光源こうげんごとの輝度きどひくいのでいている。つよひかりはなてん光源こうげんではかげつよて、用途ようとによってはいやとおされ、しるべこういた拡散かくさんばん使つかってめん光源こうげんとすることもある。
工程こうていでの
半導体はんどうたい素子そしおなじプロセスをているものでも製造せいぞうするごとに微妙びみょう特性とくせい変化へんかする。シングルチップを照明しょうめい用途ようとならべる場合ばあいかんがえれば発光はっこうしょく波長はちょうひかり強度きょうどにバラツキがあると使用しようつかえるため、製造せいぞう工程こうていでチップの発光はっこう特性とくせいだけはなるべく均一きんいつたもつようにしなければならない。チップをパッケージに実装じっそうするまえ電流でんりゅうながしてひかり分析ぶんせきして分別ふんべつおこない、それぞれの特性とくせい調整ちょうせいする蛍光けいこうたいくわえる必要ひつようがある。マルチチップでの1つのパッケージないのチップ同士どうしでも同様どうよう問題もんだいがあるが、特性とくせいことなる複数ふくすうのチップをわせることで解決かいけつでき、手間てまのかかる蛍光けいこうたいによる調整ちょうせい必要ひつようない[9]

駆動くどう回路かいろ

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LEDは、極性きょくせいのある直流ちょくりゅうによって発光はっこうし、適正てきせい電圧でんあつたいあつがともにひくいため、使用しようには専用せんよう電源でんげん必要ひつようとなる。LEDはダイオードであるため、じゅん方向ほうこう電流でんりゅうじゅん電圧でんあつには相関そうかんがあり、すうボルト程度ていどひくたいあつおうじたじゅん電圧でんあつすこ上昇じょうしょうするだけで過大かだいじゅん方向ほうこう電流でんりゅうながれて容易ようい損傷そんしょうける。これを回避かいひするために、電流でんりゅう制限せいげん抵抗ていこうてい電流でんりゅう素子そしてい電流でんりゅうダイオードやてい電流でんりゅうICなど)をLEDに直列ちょくれつ挿入そうにゅうして、電圧でんあつ変動へんどうによる影響えいきょうすくなくする必要ひつようがある。

基本きほん回路かいろ

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一般いっぱんにLED照明しょうめいでは複数ふくすうのLED素子そし使用しようするため、それらの接続せつぞく方式ほうしきには以下いかの3しゅがある。

直列ちょくれつ方式ほうしき
複数ふくすうのLEDを直列ちょくれつ接続せつぞくする。電流でんりゅう制限せいげん抵抗ていこうはただ1つを直列ちょくれつ挿入そうにゅうする。この直列ちょくれつ接続せつぞく方式ほうしきでは個別こべつ電源でんげん回路かいろ配線はいせんもうけずにむが、1つがショートモードで故障こしょうするとじゅん電圧でんあつ総和そうわがってじゅん電流でんりゅう増加ぞうかし、1つがオープンモードで故障こしょうするとその回路かいろ全体ぜんたい消灯しょうとうしてしまう。ショートじゅん電流でんりゅう増加ぞうかふせぐため、電流でんりゅう制限せいげん抵抗ていこうよりもてい電流でんりゅう素子そしのほうがい。
並列へいれつ方式ほうしき
複数ふくすうのLEDを並列へいれつ接続せつぞくする。電流でんりゅう制限せいげん抵抗ていこうかくLED素子そしごとに1つずつ挿入そうにゅうする。1つの素子そし故障こしょうしても、回路かいろへの影響えいきょうすくない。
ちょく並列へいれつ方式ほうしき
直列ちょくれつ方式ほうしき並列へいれつ方式ほうしきりょう方式ほうしきれ、いくつかの並列へいれつ接続せつぞくしたぐん直列ちょくれつ接続せつぞくすることで回路かいろはハシゴじょうになる。LED素子そしの1つがショートモードで故障こしょうしても並列へいれつぐん発光はっこうつづけ、1つがオープンモードで故障こしょうしても故障こしょうした以外いがいのLED素子そし発光はっこう維持いじできることが期待きたいできる。

上記じょうきのLED素子そし単体たんたい故障こしょうに、たとえ発光はっこう維持いじできても、規定きていした電流でんりゅう電圧でんあつからははずれるため、照度しょうど寿命じゅみょう考慮こうりょすれば、故障こしょうしたLED素子そし交換こうかんするほうい。

また、LEDのじゅん電圧でんあつ総和そうわが、電源でんげん電圧でんあつちかくなるかずだけ直列ちょくれつ接続せつぞくすれば、電源でんげん回路かいろはぶいて100V交流こうりゅう商用しょうよう電源でんげんに、そのまま接続せつぞくすることは可能かのうであるが、素子そしすう制約せいやくだけでなく、LED素子そしきわめてたいあつひくいため、ちょっとしたサージで簡単かんたん損傷そんしょうする可能かのうせいがあり、商用しょうよう電源でんげん周波数しゅうはすう影響えいきょうをまともにけ、ひとによってはチカチカと点滅てんめつかえした照明しょうめいとなるため、商品しょうひんとしての設計せっけいにはいていない。

実用じつよう回路かいろ

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LEDの駆動くどうには電圧でんあつ変動へんどうすくなくするために、てい電圧でんあつ回路かいろによる駆動くどう考慮こうりょされる。また、じゅん電圧でんあつにはまけ温度おんど特性とくせいがあり、温度おんどがるとじゅん電圧でんあつがるので、温度おんど特性とくせいによる光量ひかりりょう変化へんかけたい場合ばあいにはてい電流でんりゅう回路かいろ駆動くどうすることもかんがえられる。

照明しょうめい器具きぐでは考慮こうりょする必要ひつようがないが、LEDは微弱びじゃく電流でんりゅうでもそれに相当そうとうするよわひかりはなつため、消灯しょうとうには電源でんげん回路かいろからの電流でんりゅうがLEDにくわわらないようにする必要ひつようがある。かずμみゅーAほど微弱びじゃく電流でんりゅうでも暗闇くらやみでは点灯てんとう判別はんべつできるので、電源でんげん回路かいろ設計せっけいには注意ちゅういもとめられる。

それ自身じしん発熱はつねつする電源でんげん回路かいろは、ねつよわいLED素子そし放熱ほうねつ阻害そがいしないようにはなして設置せっちする必要ひつようがあるが、供給きょうきゅう電圧でんあつひく場合ばあいにあまり両者りょうしゃはなすと、給電きゅうでんよう電線でんせん抵抗ていこう電圧でんあつ降下こうかこしエネルギー損失そんしつとも予定よていした光度こうどられない可能かのうせいがあるので、注意ちゅういもとめられる。

じゅん方向ほうこう電圧でんあつ

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以下いかはTa:25℃ If:20mA のとき[9][12]

  • 赤色あかいろLED:Vf:2.1 - 2.6V
  • 緑色みどりいろLED:Vf:3.3 - 3.9V
  • 青色あおいろLED:Vf:3.2 - 4.0V
  • 白色はくしょくLED:Vf:3.1 - 4.0V

EMC対策たいさく

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LED照明しょうめい使用しようちゅう電源でんげん回路かいろからは電源でんげんコイルがはっする磁力じりょく影響えいきょうにより、ノイズが発生はっせいすることがおおい(回路かいろによってはてい電流でんりゅうダイオード(CRD)を使用しようし、ノイズが発生はっせいしない構成こうせいるものもある[13])。そのため電源でんげん回路かいろにはノイズが漏洩ろうえいしないよう、フィルタ回路かいろ適切てきせつ電磁でんじ両立りょうりつせい(EMC)対策たいさくほどこすことがもとめられる。

2012ねん7がつより、日本にっぽん国内こくないにおいてはLED関連かんれん器具きぐ(LEDランプおよびLED電灯でんとう器具きぐ)が、電気でんき用品ようひん安全あんぜんほう(PSE)の規制きせい対象たいしょうとなり、製品せいひん安全あんぜん試験しけんくわ不要ふよう輻射ふくしゃ(EMI測定そくてい)が必須ひっす要求ようきゅうとなった。規制きせいまえは、おも格安かくやす製品せいひん中心ちゅうしんに、適切てきせつなEMC対策たいさくほどこされていないものすくなくなかった。

このような製品せいひんは、LED照明しょうめい点灯てんとうしているあいだつねにノイズが発生はっせいするため、なかにはテレビ・ラジオなど無線むせん通信つうしん受信じゅしん悪影響あくえいきょう場合ばあいもあり、街路がいろとう光源こうげんすべてLED電球でんきゅう交換こうかんしたところ、テレビへの混信こんしん発生はっせいしたため、不要ふよう輻射ふくしゃ対策たいさくひんへのさい交換こうかんおこなった事例じれいもある[14]

寿命じゅみょう

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ていかく範囲はんいない使用しようするかぎ発光はっこう素子そし自身じしん比較的ひかくてき長寿ちょうじゅいのちである[注釈ちゅうしゃく 8]。ただし、発光はっこう素子そしかこ樹脂じゅし材料ざいりょうつよひかり発熱はつねつ劣化れっかするため発光はっこう素子そし正常せいじょうでも比較的ひかくてき早期そうき透明とうめいうしなわれて実用じつようにはてきさなくなる。また発光はっこう(LED)以外いがいたとえば電源でんげん回路かいろ受動じゅどう部品ぶひん(コンデンサとう)や電源でんげん供給きょうきゅうよう半導体はんどうたい基板きばん配線はいせんとうおも温度おんど湿度しつど変化へんかけて照明しょうめい器具きぐ寿命じゅみょうめる要素ようそとなる。

照明しょうめい器具きぐ全体ぜんたいでの温度おんど湿度しつどたいする耐久たいきゅうせいもとめられるが、その全体ぜんたい寿命じゅみょう発光はっこう電源でんげん回路かいろだけでなく、スイッチや電線でんせんなども経年けいねん変化へんかけるため、電気でんき機器きき同様どうように10ねん程度ていど目処めど交換こうかんすることが推奨すいしょうされる[9][15]

樹脂じゅし材料ざいりょう劣化れっか
白色はくしょくLEDが登場とうじょうした初期しょきには、従来じゅうらい赤色あかいろLEDと同様どうようエポキシ樹脂じゅしもちいられていたが、ていかく動作どうさしただけで蛍光けいこうとう同等どうとうかそれよりもはや劣化れっかすすみ、白色はくしょくLEDの出力しゅつりょく向上こうじょうでは一層いっそうそれは顕著けんちょとなった。いまではシリコーン樹脂じゅしふうじとめ材料ざいりょうえらぶことでかなりの改善かいぜんられるが、依然いぜんとしてねつによる劣化れっか透明とうめい低下ていかがLED素子そし寿命じゅみょう決定けっていしている。
寿命じゅみょう判定はんてい基準きじゅん
従来じゅうらいのLEDが状態じょうたい表示ひょうじとう使つかわれているかぎりはあかるさの低下ていかはその装置そうち全体ぜんたい性能せいのう決定的けっていてき要素ようそではなかったが、照明しょうめい器具きぐとしての白色はくしょくLEDではあかるさの低下ていか使用しようしゃ利便りべんそこなうだけでなくエネルギーの無駄むだとなるため、あかるさ低下ていか許容きょよう範囲はんいおのずとかぎられる。従来じゅうらいのLEDは電子でんし部品ぶひん寿命じゅみょうとして「輝度きど初期しょきの50%となるまで」と定義ていぎされているが、照明しょうめい用途ようとではとても許容きょようできない。たとえば一般いっぱん蛍光けいこうとうではひかりたば初期しょきの70%になるまでと定義ていぎされており、おそらく同様どうよう規定きていになるとかんがえられる[注釈ちゅうしゃく 9]

環境かんきょう特性とくせい

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発熱はつねつ

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LED発光はっこう素子そしひかりのぞけばおおむね半導体はんどうたいじゅん方向ほうこう電圧でんあつによる電力でんりょく消費しょうひとそれ以外いがい内部ないぶ抵抗ていこうによる電力でんりょく消費しょうひによって発熱はつねつする。半導体はんどうたい部分ぶぶん温度おんどはジャンクション温度おんどばれ、もっと高温こうおんとなる部位ぶいである。ジャンクション温度おんど以下いか温度おんどモデルで表現ひょうげんされる。

:ジャンクション温度おんど

:ジャンクションとボードとの温度おんど

:ボードと環境かんきょうとの温度おんど

:ジャンクションとボードあいだねつ抵抗ていこう[K・W-1]

:ボードと環境かんきょうあいだねつ抵抗ていこう[K・W-1]

環境かんきょう温度おんど

消費しょうひ電力でんりょく

LED発光はっこう素子そしのジャンクション温度おんど上昇じょうしょう樹脂じゅし蛍光けいこうたい、はんだ、電極でんきょく金属きんぞく半導体はんどうたい結晶けっしょうなどの劣化れっか要素ようそとなるため、ジャンクション温度おんど抑制よくせい寿命じゅみょう不良ふりょう低減ていげん有効ゆうこうとなる。ジャンクション温度おんど抑制よくせいには、うえしきしめとおり、消費しょうひ電力でんりょくねつ抵抗ていこう環境かんきょう温度おんどのそれぞれをげることが有効ゆうこうである。

低温ていおん環境かんきょう

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照明しょうめい器具きぐでは低温ていおん環境かんきょうでの使用しよう考慮こうりょされなければならない。低温ていおん環境かんきょうでは高温こうおんによる劣化れっかといったまけ効果こうかけられるが、水分すいぶん浸透しんとうによる凍結とうけつ膨張ぼうちょう結露けつろ、ショート、水分すいぶん吸収きゅうしゅうによる部材ぶざい化学かがく変化へんかなどに配慮はいりょする必要ひつようがある。

放熱ほうねつ

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劣化れっかこう温度おんどによって加速かそくされるため、ねつ効率こうりつよくがして過度かど高温こうおん状態じょうたいとならないようにすることがもとめられる。このため照明しょうめいようLEDは十分じゅうぶんひろ面積めんせき放熱ほうねつばんけられることが推奨すいしょうされ、これが不可能ふかのう場合ばあいには強制きょうせい空冷くうれいにするか駆動くどう電流でんりゅうらして照度しょうどちいさくする、さもなくば寿命じゅみょう短縮たんしゅく甘受かんじゅすることになる。照明しょうめい器具きぐとして利用りようする場合ばあいに、従来じゅうらい白熱はくねつとう蛍光けいこうとう、HIDランプと同等どうとう施工しこう業者ぎょうしゃあつかって放熱ほうねつ対策たいさく万全ばんぜんおこなわないときには、寿命じゅみょう極端きょくたんみじかくなるおそれがある。

発光はっこうによる劣化れっか

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従来じゅうらい赤色あかいろLEDでは発光はっこうによってもそれほど劣化れっかしなかったエポキシ樹脂じゅしも、あお紫外線しがいせんでの発光はっこうでは光子こうしのエネルギーがおおきいために、局部きょくぶてきへんすることがられている。照明しょうめい用途ようとではひかり劣化れっかこしにくいシリコーン樹脂じゅし採用さいようもとめられる。

EMC ノイズ対策たいさく

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外部がいぶ機器きき電源でんげんラインから侵入しんにゅうしてくる「静電気せいでんき」「過電圧かでんあつ」「電磁波でんじは」から、保護ほご故障こしょう誤動作ごどうさこさない性能せいのうもとめられる。また、LED 照明しょうめい自身じしん電源でんげんせん空間くうかん外部がいぶ放出ほうしゅつする電磁波でんじは不要ふよう輻射ふくしゃ)によって、周辺しゅうへん使用しようされる電気でんき製品せいひん誤動作ごどうさしたり、ラジオやテレビの受信じゅしん障害しょうがいしょうじない性能せいのうもとめられる。

静電気せいでんき
一般いっぱん半導体はんどうたい素子そし静電気せいでんきたいして脆弱ぜいじゃくである。これはおおくの半導体はんどうたい回路かいろ同様どうよう規模きぼ微小びしょうであり静電気せいでんき放電ほうでんによるジュールねつによって回路かいろ一部いちぶ溶断ようだんなどによる破壊はかいけたり絶縁ぜつえん破壊はかいこすためである。LED素子そし静電気せいでんきたいするたい電圧でんあつは200 - 2,000Vほどであるが、静電気せいでんき放電ほうでんにはすうkV-30kVほどになる。このとき電流でんりゅうによってはLED素子そし破壊はかいされる可能かのうせいがある。そのため、LEDを駆動くどうする電源でんげん経由けいゆしてくる静電気せいでんき電撃でんげき遮断しゃだんする回路かいろんだり、LEDが直接ちょくせつ間接かんせつせっする配線はいせん導体どうたい部分ぶぶん外部がいぶからの静電気せいでんき放電ほうでんさらされないよう遮蔽しゃへいなどによって保護ほごしておく必要ひつようがある[8]
過電圧かでんあつ
電源でんげんせんとおして侵入しんにゅうしてくる過電圧かでんあつから保護ほごするため対策たいさく必要ひつようる。たとえば、落雷らくらい、インバーター搭載とうさい機器きき起動きどう停止ていしともな電圧でんあつ変動へんどう変電へんでんしょでの配電はいでん送電そうでん経路けいろ切替きりかえ開閉かいへい作動さどうにより様々さまざま過電圧かでんあつしょうじている。
電磁波でんじは
外部がいぶから飛来ひらい照射しょうしゃ)し内部ないぶ侵入しんにゅうしてくる電磁波でんじはと、LED照明しょうめい外部がいぶ放出ほうしゅつする電磁波でんじは不要ふよう輻射ふくしゃ)の双方そうほうたいする対策たいさく必要ひつようである。たとえば、制御せいぎょ回路かいろようとLED点灯てんとう回路かいろことなる電圧でんあつ必要ひつよう製品せいひんでは、内部ないぶ使用しようする複数ふくすう種類しゅるい直流ちょくりゅう電圧でんあつ発生はっせいさせる回路かいろ構成こうせいされているが、変換へんかん回路かいろ発振器はっしんきがあった場合ばあい電波でんぱ障害しょうがいしょうじたり、電子でんし機器きき影響えいきょうあたえる周波数しゅうはすう電磁波でんじは放出ほうしゅつされ、混信こんしんみなもとになることがある。

感度かんど

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照明しょうめいとして使用しようされるLEDには人間にんげんにとって都合つごう白色はくしょくこう使つかわれる。白色はくしょくLEDの発光はっこう原理げんりはいくつかあるが、発光はっこう効率こうりつ波長はちょうたいする強度きょうどことなるので、LED照明しょうめい使用しよう目的もくてきわせててきする種類しゅるい選択せんたくする。

発光はっこう特性とくせい考慮こうりょすべきなのは人間にんげん照明しょうめいとして使用しようする場合ばあい、LEDの発光はっこう効率こうりつたん物理ぶつりてきひかりのエネルギーとして計測けいそくするだけでは不十分ふじゅうぶんであり、人間にんげん感度かんどまで考慮こうりょする必要ひつようがあるてんである。

ヒトのは、あかるい環境かんきょうでは波長はちょう555nm緑色みどりいろもっと敏感びんかんあかるさを感知かんちし、それよりながいかみじか波長はちょうでは感度かんど徐々じょじょひくくなり、赤外線せきがいせん紫外線しがいせんではまったえなくなる。このため照明しょうめい発色はっしょく設計せっけいするさいには、ヒトが肉眼にくがん場合ばあい自然しぜんかんじるようヒトの感度かんど考慮こうりょする必要ひつようがある。このことは比較的ひかくてき発光はっこう効率こうりつ長波ちょうはちょう赤色あかいろ領域りょういきでは問題もんだいとはならないが、発光はっこう効率こうりつがあまりくない短波たんぱちょう青色あおいろ領域りょういきでそれだけおおくの電力でんりょく消費しょうひすることになる[16]

いろ性能せいのう

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CIE 1931 xy 色度図上での4種のLEDの色度例 3色の色が混色されることで中央の白色光が得られる。
CIE 1931 xy しょく図上ずじょうでの4しゅのLEDのいろれい
3しょくいろこんしょくされることで中央ちゅうおう白色はくしょくこうられる。
LEDの電磁スペクトル分布
LEDの電磁でんじスペクトル分布ぶんぷ
緑色の発色を例に示す。 左上の縁が主波長であり、色純度(色飽和度)はa/a+bで表現される。
緑色みどりいろ発色はっしょくれいしめす。
左上ひだりうええんしゅ波長はちょうであり、いろ純度じゅんどいろ飽和ほうわ)はa/a+bで表現ひょうげんされる。

照明しょうめい器具きぐ性能せいのう電力でんりょく消費しょうひ寿命じゅみょうなどのほかに、発色はっしょくするひかりそのものの性能せいのうもとめられる。照明しょうめい器具きぐいろ性能せいのうは「いろ」、「相対そうたいしょく温度おんど」、「えんじしょくせい」によって表現ひょうげんされる。

これらの性能せいのうのうち、いろ相対そうたいしょく温度おんどは、照明しょうめいとして使用しようされる用途ようとおうじた特性とくせいもとめられる。えんじしょくせいは0 - 100のあいだおおきな数値すうちほうい。

いろ

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いろ図上ずじょうでの外周がいしゅうじょうかくてん単色たんしょくこう(Monochrome)にちかく「飽和ほうわしている」(Saturation)もしくは「いろ純度じゅんどい」(Color purity)とばれ、「ドミナントカラー」(Dominant color)ともばれる。外縁がいえん線上せんじょうならいろがそれぞれのしゅ波長はちょうでありいろ純度じゅんどいろ飽和ほうわ)が100%になる。いろ純度じゅんどいろ飽和ほうわ)はa/a+bで表現ひょうげんされ、LEDの発光はっこうはスペクトルにはばまれるため、そのぶんだけ内側うちがわにずれる。LEDにかぎらずひろいスペクトルはばこうしょく純度じゅんど低下ていかして中心ちゅうしんちかくなる[17]

相対そうたいしょく温度おんど

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くろたい放射ほうしゃともな発光はっこう現象げんしょうでの発色はっしょくあらわすのにいろ温度おんど(Color Temperature)がもちいられるが、白色はくしょくLEDはくろたい放射ほうしゃによる発光はっこうではないため、その近似きんじとして相対そうたいしょく温度おんど(Correlated Color Temperature, CCT)をもちいる。

各種かくしゅ光源こうげん相対そうたいしょく温度おんど[18]
ろうそく - 1,800以下いか
100W白熱はくねつ電球でんきゅう - 2,675
白色はくしょくLED - 5,000
白昼はくちゅう太陽光たいようこう - 5,400

えんじしょくせい

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照明しょうめいえんじしょくせいは、白昼はくちゅう太陽光たいようこう最大さいだいの100とする指数しすうあらわす。いろ空間くうかん座標ざひょうじょうでのしろみどりみどりあかむらさきなど8しょく標準ひょうじゅん光源こうげんたいする標準ひょうじゅん対象たいしょうぶつからの反射はんしゃスペクトルと、検査けんさ対象たいしょう照明しょうめい光源こうげんからのひかりによる標準ひょうじゅん対象たいしょうぶつからの反射はんしゃスペクトルとを比較ひかくすることで、計算けいさんしきによる指数しすう平均へいきんからいち般演しょく指数しすう(Color Rendering Index, CRI)を導出どうしゅつする。また、平均へいきんえんじしょく評価ひょうかすう(Ra)という指数しすうもある。

このCRIは白昼はくちゅう太陽光たいようこう最大さいだいの100であるため、これよりちいさくなるにつれてその照明しょうめい光源こうげんからのひかりしたではいろ再現さいげんせいおとっていることをあらわ[16]

2009ねん時点じてんでは青色あおいろ発光はっこうLEDにYAGけい黄色おうしょく蛍光けいこうたい使用しようした照明しょうめいようLED(擬似ぎじ白色はくしょく発光はっこうダイオード)がもっと一般いっぱんてきであるがこれはRaが60 - 85である。一部いちぶには青色あおいろ発光はっこうLEDに赤色あかいろ緑色みどりいろ蛍光けいこうたい使用しようし、Raが90以上いじょうこうえんじしょくせいLEDとばれるものがつくられ使用しようされているが、青色あおいろ発光はっこうLEDと黄色おうしょく蛍光けいこうたいとのわせにくらべれば発光はっこう効率こうりつは2 - 3わり低下ていかしてしまう[10]蛍光けいこうたい使つかわずにRGBかくいろそれぞれのLEDを使つかってこんしょくにより白色はくしょく方法ほうほうでは、緑色みどりいろ発光はっこう発光はっこう効率こうりつがかなりひくいだけでなく、3しょくとも発光はっこうしょくはばせまいためにえんじしょくせいもいくつかある方式ほうしきなかでは最低さいていであり、かくいろはいこうパターンもことなりしょくにムラができるなどの理由りゆう照明しょうめいにはあまりもちいられない。LEDは発光はっこうスペクトルが比較的ひかくてきせまいため、えんじしょくせいたかめるには複数ふくすう蛍光けいこうたい使つかいできるだけ発光はっこうスペクトルをひろげるほうい。青色あおいろ発光はっこうLEDに赤色あかいろ緑色みどりいろ蛍光けいこうたいわせ以上いじょうえんじしょくせいもとめるには、開発かいはつ途上とじょう紫外線しがいせん発光はっこうLEDにあおあかみどりの3しょく蛍光けいこうたい使用しようするのがいとかんがえられる。しかし紫外線しがいせん発光はっこうLEDは発光はっこう効率こうりつがまだひくく、照明しょうめい使用しようできるまで開発かいはつすすんでいない。

経済けいざいせい

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以下いかは2009ねんはる時点じてんでのランプ費用ひよう電気でんきだい、CO2排出はいしゅつりょうをそれぞれ4まんあいだ前提ぜんてい算出さんしゅつしたれいである[9][注釈ちゅうしゃく 10][19]。なお光源こうげんによってはこの出典しゅってん掲載けいさい以降いこう技術ぎじゅつ革新かくしん量産りょうさんにより価格かかく性能せいのう大幅おおはば向上こうじょうしている場合ばあいがあるので、比較ひかくさい最新さいしん売価ばいかはいこう寿命じゅみょうなどの性能せいのう消費しょうひ電力でんりょくでのさい計算けいさんようするほか、電球でんきゅうがた蛍光けいこうとう白熱はくねつ電球でんきゅう製造せいぞう終了しゅうりょうしているメーカーがおおいため、入手にゅうしゅせいなんている。

照明しょうめい器具きぐ経済けいざいせい比較ひかく
特性とくせい 白色はくしょくLED照明しょうめい
(5mmランプ)
白色はくしょくLED照明しょうめい
(パワータイプ)
白熱はくねつ電球でんきゅう 蛍光けいこうランプ
電球でんきゅうがた
ぜんひかりたば消費しょうひ電力でんりょく
点灯てんとう回路かいろふくむ)
800lm
12W
800lm
17W
790lm
60W
810lm
13W
光源こうげん効率こうりつ 100lm/W 70lm/W 13lm/W 62lm/W
総合そうごう効率こうりつ 66lm/W 46lm/W
ていかく寿命じゅみょう 4まんあいだ 1,000あいだ 6,000あいだ
ランプ費用ひよう 7,000えん
(ランプ1個いっこ点灯てんとう回路かいろふくむ)
5,000えん
(ランプ1個いっこ点灯てんとう回路かいろふくむ)
3,200えん
(ランプ40単価たんか80えん
6,300えん
(ランプ7単価たんか900えん
電気でんきだい
23えん/kWh
11,100えん 15,800えん 55,200えん 12,000えん
CO2排出はいしゅつりょう 267kg 382kg 1,350kg 290kg

市場いちば産業さんぎょう

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1990年代ねんだい青色あおいろ発光はっこうダイオードが開発かいはつされて以降いこうは、LEDによる白色はくしょくこう照明しょうめい実用じつよう可能かのうせいたかまり、局所きょくしょ照明しょうめい中心ちゅうしん徐々じょじょ市販しはん製品せいひん登場とうじょうした[18]

白色はくしょくLED照明しょうめい世界せかい市場いちば
2009ねん以降いこう野村のむら総合そうごう研究所けんきゅうじょ予測よそく

野村のむら総合そうごう研究所けんきゅうじょ予測よそくでは白色はくしょくLED照明しょうめい世界せかい全体ぜんたいで2012ねんには2009ねんの3ばいちかくのやく4782おくえん相当そうとうになるとされた。富士ふじ経済けいざいでは日本にっぽん国内こくないのLED照明しょうめい市場いちばは、2008ねんぜん照明しょうめい市場いちば4494おくえんうちやく3%ぶん133おくえん程度ていどから、2012ねんにはぜん照明しょうめい市場いちば4880おくえんうちやく12%ぶん578おくえん程度ていどになると予測よそくしていた[注釈ちゅうしゃく 11]

白熱はくねつ電球でんきゅう世界せかいてきにも環境かんきょう対策たいさくしょうエネルギー政策せいさく観点かんてんから使用しよう中止ちゅうしもとめられ、日本にっぽん国内こくないでは環境省かんきょうしょう経済けいざい産業さんぎょうしょうが2012ねんまでに白熱はくねつ電球でんきゅう販売はんばい自粛じしゅく要請ようせいし、大手おおてメーカーも積極せっきょくてき販売はんばいひかえたため、代替だいたい出来できない製品せいひんのぞいて、生産せいさん縮小しゅくしょうした。

大韓民国だいかんみんこくでは「15/30プロジェクト」という2015ねんまでにぜん照明しょうめいの30%をLED照明しょうめいえる計画けいかくすすめていた。中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこくでは「10都市とし街灯がいとう普及ふきゅうプロジェクト」によって国内こくない21都市としでLED街灯がいとう試験しけんてき設置せっちする。中華民国ちゅうかみんこく政府せいふは、2008年間ねんかんからの4年間ねんかん総額そうがく20おく台湾たいわんもとをLED関連かんれん研究けんきゅう開発かいはつ支援しえん投資とうしする。

中華民国ちゅうかみんこく同様どうように、中国ちゅうごく米国べいこくもLED照明しょうめい開発かいはつ政府せいふ多額たがく資金しきん援助えんじょおこなっている。日本にっぽんでも、国内こくない立地りっち推進すいしん事業じぎょうとうとおして、LED(にはリチウムイオン電池でんち太陽光たいようこう発電はつでんとう)の事業じぎょう工場こうじょう立地りっちすすんだ。

照明しょうめい器具きぐ産業さんぎょうは、製品せいひん技術ぎじゅつ市場いちば変化へんかてんながあいだおおきな変化へんかがなく、白熱はくねつ電球でんきゅう蛍光けいこうとうかんという光源こうげんつくいくつかのメーカーとそれをける器具きぐメーカーがあり、両方りょうほうおこな総合そうごう照明しょうめいメーカーもふくめてけをおこな成熟せいじゅくした市場いちば安定あんていてき関係かんけい構築こうちくしてきた。とく光源こうげんメーカーとして新規しんき参入さんにゅうする機会きかいとぼしかったが、LED照明しょうめい登場とうじょう産業さんぎょう構造こうぞう変化へんかきざしがある。半導体はんどうたい使用しようしたLEDの光源こうげんは、半導体はんどうたい産業さんぎょうからの光源こうげんメーカーの参入さんにゅう機会きかいつくりだした。新規しんき参入さんにゅう古参こさんのいずれのメーカーでも、小型こがた調しらべこう比較的ひかくてき容易よういなLED照明しょうめいならではの製品せいひん市場いちば提案ていあんしており、電球でんきゅう市場いちばだけをねらっているわけではない。

また、白熱はくねつ電球でんきゅうだけでなくちょくかんがた蛍光けいこうとうえも視野しやはいっていた。新規しんき参入さんにゅう企業きぎょうおおくが白熱はくねつ電球でんきゅうがたではなくちょくかんがた蛍光けいこうとう代替だいたい用途ようとでの製品せいひん開発かいはつ販売はんばいすすめた[注釈ちゅうしゃく 12][注釈ちゅうしゃく 13]ちょくかんがたLED照明しょうめい器具きぐすべてがLED照明しょうめい専用せんようであるものから、既設きせつちょくかんがた蛍光けいこうとう器具きぐから安定あんていやインバータはずして配線はいせんをつなぐもの、既設きせつちょくかんがた蛍光けいこうとう器具きぐから安定あんていやインバータはずさずにそのままけるもの、の3とおりがある[注釈ちゅうしゃく 14]。ただし、既設きせつ器具きぐから安定あんていとう撤去てっきょする行為こうい器具きぐメーカーの保証ほしょうけられなくなるほか、再度さいど蛍光けいこうかんえるさい安定あんていさい設置せっちする必要ひつようがある。また、安定あんてい残置ざんちできるタイプのものはちょくかんがたLED照明しょうめい搭載とうさいする部品ぶひんえるため、後述こうじゅつ問題もんだい増大ぞうだいさせる。

なお、蛍光けいこうかんぜん方位ほういひかり放射ほうしゃするのにたいし、ちょくかんがたLED照明しょうめいはLEDの特性とくせいじょういち方向ほうこうにしかひかり放射ほうしゃしないため、指定していされたかたち蛍光けいこうかんりつけることしか想定そうていしていない既存きそん蛍光けいこうとう器具きぐでこういったちょくかんがたLED照明しょうめいもちいるのはひかり性質せいしつじょうてきしていない。また、ちょくかんがたLED照明しょうめい蛍光けいこうかんくらべてかなりの重量じゅうりょうぞうとなり、ソケットなど蛍光けいこう灯用とうよう器具きぐ部品ぶひん損傷そんしょうしたりちょくかんがたLED照明しょうめいがソケットから落下らっかする危険きけんせいたかい。また、経年けいねん劣化れっかすすんだソケットや安定あんてい残置ざんちする場合ばあいは、いくら長寿ちょうじゅいのちちょくかんがたLED照明しょうめいけたとしても、そのまえにソケットや安定あんてい寿命じゅみょうむかえててんとなる。そのため、東芝とうしばライテックパナソニックなど日本にっぽん国内こくない有力ゆうりょく照明しょうめい器具きぐメーカーは下記かきのJEL 801が制定せいていされるまでは器具きぐとLEDユニットを一体化いったいかしたちょくかんがた蛍光けいこう灯用とうよう器具きぐ代替だいたいたるLED照明しょうめいのみを販売はんばいしていた。

2010ねん10がつ日本にっぽん電球でんきゅう工業こうぎょうかいあらたな規格きかくとして、「Lかたち口金くちがねづけちょくかんがたLEDランプシステム(JEL801)」を制定せいていした[20]。これは既存きそん蛍光けいこうとう器具きぐちょくかんがたLED照明しょうめいもちいることの危険きけんせい電球でんきゅう工業こうぎょうかい問題もんだいし、また経済けいざい産業さんぎょうしょうから電球でんきゅう工業こうぎょうかいたいしてちょくかんがたLEDランプシステムの標準ひょうじゅん音頭取おんどとりをするように指導しどうがあったためである。そして、東芝とうしばライテックパナソニック ライティングデバイスなどはこの規格きかく適合てきごうするLかたち口金くちがねづけちょくかんがたLEDランプシステムの製品せいひん開発かいはつ発売はつばい発表はっぴょうした。また、この規格きかく制定せいていにより、日本にっぽん国内こくないではG13口金くちがねもちいるちょくかんがたLEDランプは規格きかくがいひんというあつかいとなったほか、2011ねん2がつ改定かいていされたグリーン購入こうにゅうほうにおける環境かんきょう物品ぶっぴんとう調達ちょうたつ推進すいしんかんする基本きほん方針ほうしんにおいても、G13口金くちがねもちいたなど既存きそん蛍光けいこうとう構造こうぞうてき互換ごかんせいゆうするちょくかんがたLEDは、当面とうめんあいだ、グリーン購入こうにゅうにおけるLED照明しょうめいから除外じょがいされることとなった[21]

LED照明しょうめいなが製品せいひん寿命じゅみょうつため、1顧客こきゃく購入こうにゅうすれば24あいだ点灯てんとうつづけても4ねん以上いじょう交換こうかんする必要ひつようがない。このため従来じゅうらい白熱はくねつ電球でんきゅうちょくかん蛍光けいこうとうのような交換こうかん需要じゅようちいさく、かくメーカーでは最初さいしょ販売はんばい機会きかいのがさないように注力ちゅうりょくしている[19]

2014ねん3がつには業界ぎょうかい先陣せんじんってパナソニックが「白熱はくねつ電球でんきゅうおよ蛍光けいこうとうもちいる一般いっぱん住宅じゅうたく従来じゅうらいがた照明しょうめい器具きぐ生産せいさんを2015年度ねんどもっ終了しゅうりょうし、今後こんごはLEDへ完全かんぜん移行いこうする」むね公式こうしき発表はっぴょうした(蛍光けいこうランプ・電球でんきゅうがた蛍光けいこうランプ・一部いちぶ白熱はくねつとう交換こうかん用途ようとしぼって生産せいさん継続けいぞく。2014ねん3がつ4にちづけ朝日新聞あさひしんぶん日本経済新聞にほんけいざいしんぶん経済けいざいめん記事きじにて報道ほうどう。なお卓上たくじょうがた電球でんきゅうおよ蛍光けいこうとう器具きぐ乾電池かんでんち充電じゅうでんしき電池でんち駆動くどうする蛍光けいこうとうアウトドアランタンは2011ねんかぎりで生産せいさんえ、LEDへの移行いこう完了かんりょう)。こうした「だつ蛍光けいこうとう」のうごきは国内こくない他社たしゃにもひろがっている。なお白熱はくねつ電球でんきゅう生産せいさんは(一部いちぶ特殊とくしゅ用途ようとのぞき)2012年度ねんどもっ国内こくないメーカー全社ぜんしゃ完全かんぜん終了しゅうりょうした。

おも日本にっぽん国内こくないのLED照明しょうめい器具きぐメーカー

[編集へんしゅう]
  • パナソニック ライティングシステムズ
  • 東芝とうしばライテック(一般いっぱん家庭かていようシーリングライト電球でんきゅう生産せいさんは2019ねんより中国ちゅうごくかみなり照明しょうめい日本にっぽん法人ほうじんである「NVC Lighting Japan」へ委託いたく)
  • 三菱電機みつびしでんき照明しょうめい(LED電球でんきゅうのうち「昼光色ちゅうこうしょく」は生産せいさん。ボールがたLED電球でんきゅう生産せいさん終了しゅうりょう。LED照明しょうめい器具きぐ一部いちぶ製品せいひん東芝とうしばライテックへ生産せいさん委託いたく)
  • 日立ひたちグローバルライフソリューションズきゅう日立ひたちライティング。LED電球でんきゅうは2021ねん12月かぎりで、一般いっぱん住宅じゅうたくけLED照明しょうめい器具きぐは2022ねん12月かぎりでそれぞれ生産せいさん在庫ざいこひんかぎりで販売はんばい終了しゅうりょう今後こんご日立ひたちチェーンストール供給きょうきゅうされるLEDの照明しょうめい器具きぐ&電球でんきゅうはパナソニック・東芝とうしばライテック・三菱電機みつびしでんき照明しょうめい大光たいこう電機でんき・アイリスオーヤマなどの他社たしゃ製品せいひん変更へんこう
  • ホタルクスきゅう・NECライティング。LED電球でんきゅう生産せいさんからは撤退てったいしたため、LED電球でんきゅう器具きぐのランプはパナソニック・東芝とうしばライテック・三菱電機みつびしでんき照明しょうめいなどから供給きょうきゅう
  • 岩崎電気いわさきでんき
  • ティーネットジャパン
  • 星和電機せいわでんき
  • 遠藤照明えんどうしょうめい
  • 大光おおみつ電機でんき(LED電球でんきゅう器具きぐのランプは生産せいさんのため、パナソニック・東芝とうしばライテック・三菱電機みつびしでんき照明しょうめいなどから供給きょうきゅう)
  • YAMAGIWA
  • コイズミ照明しょうめい(LED電球でんきゅう器具きぐのランプは生産せいさんのため、パナソニック・東芝とうしばライテック・三菱電機みつびしでんき照明しょうめいなどから供給きょうきゅう)
  • アイリスオーヤマDCMホールディングスヤマダホールディングスへもOEM供給きょうきゅう。このほか一部いちぶ家電かでん量販りょうはんてんせん売品ばいひん供給きょうきゅう。LED電球でんきゅうのうち「ひる白色はくしょく」は生産せいさん
  • オーデリック(LED電球でんきゅう器具きぐのランプは生産せいさんのため、パナソニック・東芝とうしばライテック・三菱電機みつびしでんき照明しょうめいなどから供給きょうきゅう)
  • ツインバード(LED電球でんきゅう器具きぐのランプは生産せいさんのため、パナソニック・東芝とうしばライテック・三菱電機みつびしでんき照明しょうめいなどから供給きょうきゅう)
  • 朝日あさひ電器でんき
  • ム電機むでんき
  • ダイトク
  • ヤザワコーポレーション(LED電球でんきゅうのうち「昼光色ちゅうこうしょく」は生産せいさん
  • 山田やまだ照明てるあき(LED電球でんきゅう器具きぐのランプは生産せいさんのため、パナソニック・東芝とうしばライテック・三菱電機みつびしでんき照明しょうめいなどから供給きょうきゅう)

なおLED電球でんきゅうのうち「ミニレフがた(E17口金くちがね)」を生産せいさんしている国内こくないメーカーはパナソニック・朝日あさひ電器でんき(ELPA)・ム電機むでんき3しゃのみ。電球でんきゅうがた蛍光けいこうとう専用せんようダウンライト器具きぐ対応たいおう「Tかたち」はパナソニック・東芝とうしばライテック・三菱電機みつびしでんき照明しょうめいム電機むでんき・ヤザワコーポレーションが生産せいさんしている。またコンセント・かべスイッチを自社じしゃ生産せいさんしている国内こくないメーカーは現在げんざいパナソニック・東芝とうしばライテック・神保じんぼ電器でんき3しゃのみ。

生産せいさんより撤退てったい

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  • シャープ経営けいえい再建さいけんともなリストラ一環いっかんとして2014ねんかぎりで撤退てったい
  • ローム(AGLEDブランドで展開てんかい。LED素子そし自体じたいつづ生産せいさんしているが、LED照明しょうめい器具きぐは2016ねんにアイリスオーヤマに事業じぎょう譲渡じょうとして撤退てったい


用途ようと

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自由が丘駅のベースライトとして採用されたLED照明
自由じゆうおかえきのベースライトとして採用さいようされたLED照明しょうめい
自転車の前照灯
自転車じてんしゃぜんあきらとう
ホンダ・インサイトの前照灯
ホンダ・インサイトぜんあきらとう

LED電球でんきゅう

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白熱はくねつ電球でんきゅうのソケット[注釈ちゅうしゃく 15]装着そうちゃく可能かのうなLED電球でんきゅうは、価格かかく競争きょうそうなどによって大幅おおはば価格かかく下落げらくした。LED電球でんきゅうは、製品せいひん寿命じゅみょう消費しょうひ電力でんりょく考慮こうりょすれば、白熱はくねつ電球でんきゅう電球でんきゅうがた蛍光けいこうとうよりもていコストであるとうたわれているが、発売はつばいされてからまだあさ商品しょうひんであり、公称こうしょう寿命じゅみょうとして、かくメーカーがうたう40000あいだ[22]たっしたれいがほとんどなく[よう出典しゅってん]点灯てんとう消灯しょうとうかえしや連続れんぞく点灯てんとうが、寿命じゅみょうかかわる劣化れっかにどう影響えいきょうあたえるかはいま検証けんしょう可能かのう個体こたいすくなく、未知数みちすうである。あかるさや照射しょうしゃ範囲はんいなどは型式けいしきによってちがいがあり、より電球でんきゅうちかづけたとうたうものや、こうはいこううたうもの、しも方向ほうこうのみのものなど多種たしゅ多様たようである。なかでもあかるさについては、実際じっさいあかるさよりもあかるいと不適切ふてきせつ表示ひょうじ優良ゆうりょう誤認ごにん)をおこなったとして、メーカー12しゃ[23]たいして、2012ねん6がつ消費しょうひしゃちょう景品けいひん表示法ひょうじほうもとづく措置そち命令めいれい[24]おこなった。そのおおくのLED電球でんきゅう製品せいひんパッケージには、あかるさがぜんひかりたば(ルーメン)によって表記ひょうきされるようになった。とししきすすむにつれLED電球でんきゅう本体ほんたいは「従来じゅうらいがた白熱はくねつ電球でんきゅうおなおおきさ」にまで小型こがたすすみ・同時どうじにランプ消費しょうひ電力でんりょく登場とうじょう当初とうしょモデルより大幅おおはば削減さくげんされた。
なお、調しらべこうあかるさが調節ちょうせつ可能かのうな)器具きぐもちいるLED電球でんきゅうは、かなら調しらべこう器具きぐ対応たいおうひんでなければならない[注釈ちゅうしゃく 16]ひとかんセンサーきLED電球でんきゅう下面かめん開放かいほうしき器具きぐ専用せんようで、カバーでおおわれた密閉みっぺいがた器具きぐ屋外おくがい玄関げんかんとう浴室よくしつとうなど)には使つかえない(センサーが感知かんちしないため。根元ねもとかべスイッチをった場合ばあいもセンサーは動作どうさしない)。
また、ダウンライトひとし断熱だんねつざい施工しこう器具きぐ場合ばあいも「断熱だんねつざい施工しこう器具きぐ対応たいおう」とかれたLED電球でんきゅうもちいなければならない(一般いっぱんがたのLED電球でんきゅう場合ばあい断熱だんねつざいによってねつ放射ほうしゃ適切てきせつ排出はいしゅつされないため)。
ひかりしょくは「電球でんきゅうしょく」・「昼光色ちゅうこうしょく」・「ひる白色はくしょく」、はいこうは「ぜん方向ほうこう」・「こうはいこう」・「しも方向ほうこう」とそれぞれ3種類しゅるいある。
LED電球でんきゅう型番かたばんはJIS C 8157でさだめられており、基本きほんてきに「LD-形状けいじょう-ていかく電圧でんあつ(100V以外いがいのみ表記ひょうき)-消費しょうひ電力でんりょく-いろ-はいこうかく-口金くちがね種類しゅるい(E26の場合ばあい表記ひょうきしない)」でしるされ、たとえば「LDA9D-G」の場合ばあいはAかたち一般いっぱん電球でんきゅうがた)でていかく電圧でんあつ100V・消費しょうひ電力でんりょく9W、昼光色ちゅうこうしょくはいこうかく180以上いじょう、E26口金くちがねのものをす。

ベースライト

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2010年代ねんだい初頭しょとうまでは、施設しせつ照明しょうめいとしてはLED照明しょうめい照度しょうど不足ふそく気味ぎみで、蛍光けいこうとう器具きぐほうが1ユニットあたりの照度しょうどたかく、コストめん有利ゆうりであったことから、メインの施設しせつ照明しょうめいにはHfがた蛍光けいこうとう器具きぐ採用さいようされることがおおかった。そのため、LED照明しょうめいは、ダウンライトなどの補助ほじょ照明しょうめいや、トイレの照明しょうめいなど頻繁ひんぱんにON/OFFする場所ばしょおおもちいられた。しかし2010年代ねんだい中頃なかごろから、技術ぎじゅつ革新かくしんにより蛍光けいこうとう遜色そんしょくない照度しょうどられるようになり、需要じゅよう供給きょうきゅう増大ぞうだいともないコストダウンがすすんだことや、環境かんきょう問題もんだいへの対応たいおう東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさい電力でんりょく事情じじょうへの対応たいおう一環いっかんとして、一部いちぶあるいは全面ぜんめんてきにLED照明しょうめい新設しんせつ更新こうしんした施設しせつもあるほか、旅客機りょかくき旅客りょかくよう鉄道てつどう車両しゃりょうバス船舶せんぱく室内しつない照明しょうめいようとして導入どうにゅうされつつある。たまかん素材そざいがガラスからポリカーボネートにかわったことで、ものでは飛散ひさん防止ぼうし対策たいさく不要ふようとなるメリットもある。
いままで照明しょうめい器具きぐあつかっていなかったメーカーによって、既設きせつ蛍光けいこう灯用とうよう器具きぐちょくかんがた蛍光けいこうとうしたLEDかんける器具きぐ発売はつばいされているが、これは蛍光けいこうかんくらべてかなりの重量じゅうりょうぞうになるため、ソケットがおもみにえられなくなり落下らっかする危険きけんせいすほか、既設きせつ器具きぐ安定あんていはずすか回路かいろから切断せつだんする手間てまがかかる[注釈ちゅうしゃく 17]
日本にっぽん国内こくないでは「エネルギーの使用しよう合理ごうりとうかんする法律ほうりつ」によって照明しょうめいしょう電力でんりょくもとめられるコンビニエンスストアとうが、店内てんない照明しょうめいをLED照明しょうめいえることで対応たいおうするれいがある。環境かんきょうへの配慮はいりょを、企業きぎょうイメージの向上こうじょうむすけられる効果こうか期待きたいされる。
蛍光けいこうとうには水銀すいぎん使用しようされているため、水銀すいぎんかんする水俣みなまた条約じょうやくによる規制きせいおこなわれている。条約じょうやく締結ていけつされた2013ねん時点じてんでは水銀すいぎん含有がんゆうりょうたいする規制きせいのみであったが、LED照明しょうめい普及ふきゅうした2023ねんには、2027ねんまつまでに蛍光けいこうとう製造せいぞう輸出入ゆしゅつにゅう全面ぜんめん禁止きんしすることが決定けっていした。

誘導ゆうどうとう

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建物たてものないでの非常口ひじょうぐち避難ひなん経路けいろしめすための消防しょうぼうよう設備せつびである誘導ゆうどうとうにもLED照明しょうめい導入どうにゅうされ、2010ねん4がつをもって製造せいぞうラインをLEDタイプに全面ぜんめん移行いこうすることを決定けっていしているメーカーもある。従来じゅうらい蛍光けいこうとうひや陰極いんきょくかん(CCFL)使用しよう誘導ゆうどうとう比較ひかくして、ねつ紫外線しがいせんによるカバーやしるべこういた変色へんしょくすくないこと、輝度きどたか視認しにんせいすぐれること、てい消費しょうひ電力でんりょく停電ていでんのバッテリーによる補償ほしょう点灯てんとう時間じかんながくとることができること、長寿ちょうじゅいのちでランプ交換こうかん手間てまやコストがかからないことなどが有利ゆうりである。

小型こがた部分ぶぶん照明しょうめい器具きぐ

[編集へんしゅう]
懐中かいちゅう電灯でんとう自転車じてんしゃようぜんあきらとうとして利用りようされる。

もの

[編集へんしゅう]
オートバイ自動車じどうしゃ鉄道てつどう車両しゃりょうといったものでは、ぜんあきらとう尾灯びとう方向ほうこう指示しじナンバー計器けいきくるまがわとうなどに採用さいようされている。自動車じどうしゃでは、前部ぜんぶ方向ほうこう指示しじくるまはばとうデイタイム・ランニング・ランプねたマルチファンクションタイプもられる。船舶せんぱく航空機こうくうきふくみ、室内しつないとうそなえるものでは、基本きほんてき照明しょうめいほか装飾そうしょくようイルミネーションとしてももちいられている。メーカー装着そうちゃく専用せんよう設計せっけいひんのほか、従来じゅうらい白熱はくねつ電球でんきゅう蛍光けいこうとうようとして、口金くちがね端子たんしをそれらにわせたものも販売はんばいされている。

道路どうろ交通こうつう分野ぶんや

[編集へんしゅう]
交通こうつう信号しんごうでのLED使用しよう普及ふきゅうむかえている。

屋外おくがい照明しょうめい

[編集へんしゅう]
ガソリンスタンド街路がいろとうのような高所こうしょ照明しょうめいがあるものは、当初とうしょ導入どうにゅうコストにくわえて設置せっち保守ほしゅ交換こうかん作業さぎょう手間てまやコストまでふくめてかんがえれば費用ひようたい効果こうかたか[19]
一方いっぽう2016ねんにはアメリカ医師いしかいが、運転うんてん睡眠すいみん生態せいたいけいあたえる影響えいきょう低減ていげんするためのガイダンスを作成さくせいしている[25]。アメリカ医師いしかいによれば、LEDを街灯がいとうなどの屋外おくがい夜間やかん照明しょうめいとしてもちいた場合ばあい健康けんこう安全あんぜんめんでの悪影響あくえいきょう低減ていげんするためには、光源こうげん純粋じゅんすい白色はくしょくいろ温度おんど4000~5000K)などにするのではなく、いろ温度おんどたかくても屋内おくない照明しょうめい電球でんきゅうしょく相当そうとうする3000K程度ていどおさえるべきとしており、なおかつブルーライトが最小限さいしょうげんになるように照明しょうめいをコントロールするべきとしている[26]

美術びじゅつひん伝統でんとう工芸こうげいひん

[編集へんしゅう]
LED照明しょうめい発光はっこう波長はちょう設計せっけい製造せいぞうめられて紫外線しがいせん赤外線せきがいせんふくまないものが容易よういつくれるため、紫外線しがいせん赤外線せきがいせんによる劣化れっかけたい美術びじゅつひん伝統でんとう工芸こうげいひんには広範囲こうはんい波長はちょうはなつハロゲン電球でんきゅう白熱はくねつ電球でんきゅう紫外線しがいせんれる蛍光けいこうとうではなくLED照明しょうめい採用さいようされるようになってきている。

漁火ぎょか

[編集へんしゅう]
イカりょうでは、集魚しゅうぎょとうともばれる漁火ぎょか(いさりび)によって海中かいちゅうのイカを海面かいめんちかくにあつめて捕獲ほかくする。1せきで180kWほどになる集魚しゅうぎょとう電力でんりょく漁船ぎょせんのエンジンによって発電はつでんされるが、航行こうこうふくめた消費しょうひ燃料ねんりょうのうちやく60%が集魚しゅうぎょとう点灯てんとうのために消費しょうひされる。従来じゅうらいのメタルハライドとうから青色あおいろLED照明しょうめいえると1/16 - 1/32ほど電力でんりょくりょうむため、燃料ねんりょう消費しょうひおおきく削減さくげんできる。これはLEDの発光はっこう効率こうりつたかさだけでなく、あおひかり海中かいちゅうつたわりやすいことやLED照明しょうめいひかり一方向いちほうこう放射ほうしゃすることなども効果こうかたかめている。

医療いりょう施設しせつ半導体はんどうたい工場こうじょう

[編集へんしゅう]
医療いりょう施設しせつ半導体はんどうたい工場こうじょうでは、精密せいみつ機器きき影響えいきょうあたえる電磁波でんじはノイズをはな照明しょうめい器具きぐきらうため、ノイズを放射ほうしゃしないLED照明しょうめい期待きたいされている。また蛍光けいこうとうことなり、MRIしつのようなつよ磁力じりょくはな部屋へやへも設置せっち可能かのうになっている。

歯科しか治療ちりょうようこう硬化こうか樹脂じゅし照射しょうしゃ光源こうげん

[編集へんしゅう]
歯科しか虫歯むしば治療ちりょう一般いっぱんてき使つかわれるようになっているひかり硬化こうか樹脂じゅしせい充填じゅうてんざい青色あおいろひかり硬化こうかするものがおおく、その光源こうげんとして光量ひかりりょうのある青色あおいろLED光源こうげん使用しようされている。従来じゅうらいハロゲン照射しょうしゃキセノン照射しょうしゃでは装置そうち幾分いくぶんおおきく赤外線せきがいせんによる患部かんぶへの刺激しげきがあり、また、だん運転うんてん必要ひつようだったり光源こうげんランプの交換こうかん手間てまや、そもそも装置そうち自体じたい規模きぼおおきく高価こうかだった。ほそいペンじょうのLED光源こうげんちいさな電源でんげんだけで構成こうせいされるLED照射しょうしゃは、そういった不便ふべんさや問題もんだいがなく価格かかくやすくできる[2]

植物しょくぶつ育成いくせいようライト

[編集へんしゅう]
植物しょくぶつ工場こうじょうともばれる室内しつない空間くうかんでの植物しょくぶつ育成いくせいようにLED照明しょうめい利用りようするかんがえがある。植物しょくぶつ育成いくせいようには一般いっぱん赤色あかいろこう(640 - 680nm)と青色あおいろこう(450 - 480nm)がもとめられ、これらの用途ようとではLEDのたん波長はちょう特性とくせいてきしているとかんがえられている。

映像えいぞうライティング

[編集へんしゅう]
照明しょうめい用途ようととも景観けいかん構成こうせいよう映像えいぞう表示ひょうじねた「映像えいぞうライティング」が商業しょうぎょう施設しせつなどでれられている。従来じゅうらい壁面へきめん天井てんじょうめんえがいて間接かんせつ照明しょうめいてていたところに、壁面へきめん天井てんじょうめん全体ぜんたい照明しょうめい自体じたい投影とうえいするものである[注釈ちゅうしゃく 18][27]

冷蔵れいぞう冷凍庫れいとうこない照明しょうめい

[編集へんしゅう]
冷蔵庫れいぞうこ冷凍庫れいとうこない蛍光けいこうとう使用しようすると低温ていおんのため照度しょうど低下ていかまたは点灯てんとう不能ふのうとなるが、LED照明しょうめいではそのようなことはこらない[19]また、白熱はくねつとうもちいる場合ばあい白熱はくねつとう自体じたい熱源ねつげんとなり冷却れいきゃく効率こうりつ低下ていかまねいていたが、LED照明しょうめいでは熱量ねつりょう大幅おおはば減少げんしょうするため、冷却れいきゃく効率こうりつ向上こうじょうはかれる。さら蛍光けいこうとう水銀すいぎんとうなどでは一旦いったん消灯しょうとうしたのちさい点灯てんとうおこなうとあかるくなるまで時間じかんがかかるため、休憩きゅうけい時間じかんとう一時いちじてき無人むじんになる場合ばあいでも消灯しょうとうできない場合ばあいおおかったが、LED照明しょうめいでは低温ていおん状態じょうたいでも即時そくじさい点灯てんとうおこなえ、こまめなにゅうきり可能かのうになるため、しょうエネがはかれる[よう出典しゅってん]
紫外線LEDを使った懐中電灯型のブラックライト
紫外線しがいせんLEDを使つかった懐中かいちゅう電灯でんとうがたブラックライト

ブラックライト

[編集へんしゅう]
LEDのたん波長はちょう特性とくせいが、従来じゅうらい照明しょうめいくらべてすぐれており、消費しょうひ電力でんりょく従来じゅうらいよりすくないため、375nm付近ふきん発光はっこうさせるブラックライトとして、採用さいようすすんでいる。

開発かいはつちゅう技術ぎじゅつ

[編集へんしゅう]

2009ねん現在げんざいていコスト発光はっこう効率こうりつ放熱ほうねつせい向上こうじょうけて技術ぎじゅつ開発かいはつすすめられている。これら3つはたがいに関連かんれんしあうが、基本きほん技術ぎじゅつ発光はっこう効率こうりつ放熱ほうねつせい向上こうじょう達成たっせいできればていコストにつながる。また、寿命じゅみょうびれば使用しようしゃにとってていコストになるため、寿命じゅみょうつよ影響えいきょうする放熱ほうねつせい改善かいぜんもとめられる。しかし放熱ほうねつのための部品ぶひんくわえることはコストだか要因よういんとなる。2009ねん現在げんざい市場いちば販売はんばいされているLED照明しょうめい製品せいひんはいわばだいいち世代せだいにあたるため、電源でんげん回路かいろ筐体きょうたいにはコスト改善かいぜんのための改善かいぜん余地よちがかなりのこされている。また発光はっこう素子そし自体じたいにおいても以下いかのような改善かいぜんおこなわれている。

ぜん反射はんしゃ低減ていげん

[編集へんしゅう]

こう屈折くっせつりつことなる界面かいめん屈折くっせつこすが、臨界りんかいかく以上いじょうではぜん反射はんしゃこす。半導体はんどうたい素子そし自身じしん内部ないぶふうとめ樹脂じゅし表面ひょうめんぜん反射はんしゃこすと、外部がいぶ放射ほうしゃされるひかりるためにぜん反射はんしゃをできるだけらす工夫くふうおこなわれている。

半導体はんどうたい素子そし
半導体はんどうたい素子そし発光はっこうそう表面ひょうめんにナノインプリント技術ぎじゅつによって凹凸おうとつ形成けいせい[注釈ちゅうしゃく 19]ひかり回折かいせつさせることでぜん反射はんしゃふせぐ。サファイヤ基板きばんがわでも同様どうよう凹凸おうとつ形成けいせいしておく。
ふうとめ樹脂じゅし
LEDランプは半導体はんどうたい素子そしとその配線はいせん保護ほごするために透明とうめい素材そざい樹脂じゅしふうされているが、半導体はんどうたい素子そしからはなれた位置いち樹脂じゅし界面かいめんではひかり角度かくどあさくなるためぜん反射はんしゃきやすい。ふうとめ樹脂じゅし球状きゅうじょうにすることで入射にゅうしゃかく臨界りんかいかくえないように工夫くふうされている[19]

蛍光けいこうたい

[編集へんしゅう]

白色はくしょくLEDでは、半導体はんどうたい素子そしからはっする青色あおいろひかり一部いちぶ黄色きいろなどの蛍光けいこうたいてていろえてから外部がいぶ放射ほうしゃしている。

塗布とふ位置いち
蛍光けいこうたいふうとめ樹脂じゅしちゅう混合こんごうされて製造せいぞうされているが、半導体はんどうたい素子そしからの青色あおいろひかりはほぼてんじょう放射ほうしゃされるのにたいして、ふうとめ樹脂じゅしちゅうひろがった蛍光けいこうたいからはっする黄色おうしょくなどのひかりはその全体ぜんたいから放射ほうしゃされるので、両者りょうしゃにはずれがしょうしょくのムラとなってしまう。半導体はんどうたい素子そし表面ひょうめん蛍光けいこうたい塗布とふすることでこのムラを解消かいしょうできる。
RG蛍光けいこうたい・RGB蛍光けいこうたい
2009ねん現在げんざいのLED照明しょうめい使つかわれている蛍光けいこうたい黄色おうしょく蛍光けいこうたい主流しゅりゅうであるが、これはあおの2しょく擬似ぎじてき白色はくしょくつくしているのであり、日光にっこうえるものいろ最良さいりょうとしたえんじしょくせい観点かんてんではかなりおとってしまう。RG蛍光けいこうたいばれるあかみどりの2種類しゅるい蛍光けいこうたい使つかえば、あおあかみどりの3しょくひかりられるのでかなり改善かいぜんできる[注釈ちゅうしゃく 20]。さらにえんじしょくせいくするために、きん紫外線しがいせん発光はっこうLEDとRGB蛍光けいこうたいというあか緑青ろくしょう蛍光けいこうたい使つかい、あお蛍光けいこうたいによる発光はっこうとすることでより自然しぜんひかりられる。

裏面りめんからの放熱ほうねつ

[編集へんしゅう]

従来じゅうらいから半導体はんどうたい素子そし金属きんぞくけい基板きばん搭載とうさいすることで放熱ほうねつせい向上こうじょうはかられているが、0.2mmあつほどの絶縁ぜつえんせい樹脂じゅしせいいた柱状ちゅうじょうどうむ(Cuバンプ)ことで裏面りめんへの放熱ほうねつせい向上こうじょうさせる手法しゅほう開発かいはつされている。ほかにもセラミックせい基板きばんとして、AlNいたにAgペーストで配線はいせん印刷いんさつしたものもあるがコストだかとなる。リードフレームにどう採用さいようしたセラミックパッケージも開発かいはつすすめられている[19]

mめん-GaN素子そし

[編集へんしゅう]

半導体はんどうたいちゅう結晶けっしょう構造こうぞうゆがみに起因きいんする「ピエゾ電界でんかい」によって発光はっこう効率こうりつ低下ていかするため、これをけられるmめん使つかったGaN素子そし開発かいはつすすめられている。サファイヤ基板きばんわってGaN結晶けっしょうをmめん沿ってした基板きばんじょうにGaNそう結晶けっしょう成長せいちょうさせて素子そし形成けいせいされる。いま量産りょうさんせいひくく、2015ねんごろ量産りょうさん目標もくひょう開発かいはつすすめられている。mめん-GaN素子そしでは半導体はんどうたい素子そし単体たんたいでの発光はっこう効率こうりつも200 - 300lm/Wが可能かのうだとされる[19]

規格きかく

[編集へんしゅう]

LED照明しょうめい特有とくゆう事情じじょうしぼった規格きかくとしては、前述ぜんじゅつの「Lかたち口金くちがねづけちょくかんがたLEDランプシステム(JEL 801)」[20]のほか、韓国かんこく政府せいふ制定せいていした標準ひょうじゅん規格きかく「KS規格きかく」が存在そんざいしている。KS規格きかくないでは、2009ねんよりあらたにLED照明しょうめい安全あんぜん性能せいのう要求ようきゅう事項じこう規定きていくわえており、韓国かんこくはこれが国際こくさい規格きかくとして採用さいようされることで世界せかい市場いちばでの自国じこく企業きぎょう国際こくさい競争きょうそうりょく強化きょうかにつなげたい意向いこうだった。LED照明しょうめい技術ぎじゅつめんでは日本にっぽん企業きぎょう世界せかいをリードしていたが、工業こうぎょう規格きかくほう整備せいびめんではおくれていた[19]。このため、日本にっぽん国内こくないでは明確めいかく製品せいひん基準きじゅんたない新規しんき参入さんにゅうメーカーなどが製造せいぞうする製品せいひん粗悪そあくひんおおかったが、グリーン購入こうにゅうほうにおける環境かんきょう物品ぶっぴんとう調達ちょうたつ推進すいしんかんする基本きほん方針ほうしん[21]などのガイドラインでは、こういった粗悪そあくひんみとめないながれになりつつあった。

JIS規格きかく(2012ねん6がつ現在げんざい

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LED電球でんきゅうのLED照明しょうめい器具きぐ登場とうじょう先行せんこうしていたが、JIS規格きかく整備せいびいつきつつある。JIS規格きかくは、LED照明しょうめい器具きぐ全体ぜんたいもしくはその主要しゅよう部品ぶひん(LEDモジュールや制御せいぎょ装置そうちとう)を対象たいしょう制定せいていされ、JIS規格きかく内容ないようは、安全あんぜんせい規定きてい性能せいのう水準すいじゅん規定きてい互換ごかんせい口金くちがねとう)の規定きてい、に大別たいべつされる。さらに、照明しょうめい器具きぐはいこう測定そくてい方法ほうほうさだめたJIS C8105-5はLED照明しょうめい器具きぐふくめて改訂かいていされている。2012ねん6がつ現在げんざい最新さいしんJISはC8157(2011ねん12月制定せいてい) - 一般いっぱん照明しょうめいよう電球でんきゅうがたLEDランプ(電源でんげん電圧でんあつ50Vちょう) - 性能せいのう要求ようきゅう事項じこうであるが、今後こんご新規しんき制定せいていあるいは既存きそんJISのあらためおこなわれる予定よていである。

産業さんぎょう標準ひょうじゅんほうもとづく国家こっか規格きかくであるJIS(Japanese Industrial Standards=日本にっぽん産業さんぎょう規格きかく)によりLED・LED照明しょうめい規格きかく次第しだい制定せいてい整備せいびされた。詳細しょうさいは、日本にっぽん産業さんぎょう規格きかく電気でんき電子でんし)の一覧いちらん (C 8000-8999)参照さんしょう

関連かんれん法令ほうれい

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2009ねん現在げんざい日本にっぽん関連かんれんする法令ほうれい以下いかしめす。

電気でんき用品ようひん安全あんぜんほう(PSEほう-2023ねん12がつ現在げんざい

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PSE記号きごう
うえ特定とくてい電気でんき用品ようひん表示ひょうじする記号きごう
した特定とくてい電気でんき用品ようひん以外いがい電気でんき用品ようひん表示ひょうじする記号きごう

2012ねん7がつ1にちより施行しこうされた改正かいせいPSEほうにおいて、「エル・イー・ディー・ランプ」および「エル・イー・ディー・電灯でんとう器具きぐ」の2品目ひんもくが、特定とくてい電気でんき用品ようひん以外いがい電気でんき用品ようひん追加ついかされた。

これらに該当がいとうする製品せいひんを、2012ねん7がつ1にち以降いこう製造せいぞうもしくは輸入ゆにゅうする場合ばあいは、製造せいぞうしゃもしくは輸入ゆにゅうしゃは、当該とうがい製品せいひんがPSEほう技術ぎじゅつ基準きじゅん合致がっちしていることを確認かくにんしたうえで、特定とくてい電気でんき用品ようひん以外いがい電気でんき用品ようひん表示ひょうじする記号きごう(○PSE記号きごう)を製品せいひん表示ひょうじする義務ぎむがある。くわえて、製造せいぞうしゃもしくは輸入ゆにゅうしゃはPSEほう規定きてい手続てつづきに沿ってけいさんしょう届出とどけでおこなうとともに、どうほうさだめた製品せいひん検査けんさ実施じっしして検査けんさ記録きろく保管ほかんする義務ぎむがある。

これら2品目ひんもくたいして適用てきようされるPSEほう技術ぎじゅつ基準きじゅんには、ノイズにかんする許容きょよう測定そくてい方法ほうほうふくまれる、電気でんき用品ようひん雑音ざつおんつよさの測定そくてい方法ほうほう附属ふぞくひょうの2) - 照明しょうめい器具きぐとうだい7しょう)。「エル・イー・ディー・ランプ」には、家庭かていおお使つかわれるE26もしくはE17口金くちがねのLED電球でんきゅうふくまれる。

なお、LEDを光源こうげんとする電気でんき製品せいひんのうち以下いかの6品目ひんもくは、すでにPSEほうにおける特定とくてい電気でんき用品ようひん以外いがい電気でんき用品ようひんである。

  • 電気でんきスタンド
  • 充電じゅうでんしき携帯けいたい電灯でんとう
  • ハンドランプ
  • 広告こうこくとう
  • 庭園ていえんとう器具きぐ
  • 装飾そうしょくよう電灯でんとう器具きぐ

電気でんき事業じぎょうほう

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経済けいざい産業さんぎょうしょう管轄かんかつする電気でんき事業じぎょうほうによって、電気でんき使用しようしゃ利益りえき保護ほご電気でんき事業じぎょう健全けんぜん発達はったつはかり、電気でんき工作こうさくぶつ工事こうじ維持いじ運営うんえい規制きせいすることで公共こうきょう安全あんぜん確保かくほ環境かんきょう保全ほぜんはかることを目的もくてきとしている。

  • 電気でんき設備せつび技術ぎじゅつ基準きじゅん電気でんき事業じぎょうほうもとづく経済けいざい産業さんぎょうしょう省令しょうれいであり、電気でんき工作こうさくぶつ設計せっけい工事こうじ維持いじかんしてまもるべき性能せいのう基準きじゅんさだめている。

電気でんき工事こうじほう

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経済けいざい産業さんぎょうしょう管轄かんかつする電気でんき工事こうじほうによって、電気でんき工事こうじ作業さぎょう従事じゅうじするもの資格しかく義務ぎむさだめ、電気でんき工事こうじによる災害さいがい発生はっせい防止ぼうし寄与きよするための法律ほうりつである。

日本にっぽん産業さんぎょう規格きかく

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しんJISマーク

日本にっぽん産業さんぎょう規格きかく(JIS)は、鉱工業こうこうぎょうせい品等ひんとうかんする日本にっぽんこくでの標準ひょうじゅん規格きかくである。いろかんする規格きかく電球でんきゅう放電ほうでんかん材料ざいりょうかんする規格きかく照明しょうめい器具きぐかんする規格きかく配線はいせん材料ざいりょうかんする規格きかくなど、おおくの規格きかくふくまれている。2005ねんからは指定してい商品しょうひん制度せいど廃止はいしされて、従来じゅうらい規格きかく対象たいしょうがいためにJISマークがけられなかった製品せいひんにも、規格きかくっていればしんJISマークが表示ひょうじできるようになった。

建築けんちく基準きじゅんほう

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国土こくど交通省こうつうしょう管轄かんかつする建築けんちく基準きじゅんほうによって、建築けんちくぶつ敷地しきち構造こうぞう設備せつび用途ようとかんする最低限さいていげん基準きじゅんさだめている。このなかには電気でんき設備せつびかんする基準きじゅんふくまれ、常用じょうよう照明しょうめい設備せつびかんする設置せっち基準きじゅんやそのあかるさなどがさだめられている。なお、2023ねん12がつ現在げんざい建築けんちく基準きじゅんほう施行しこうれいにおいては、常用じょうよう照明しょうめい設備せつびでLED照明しょうめいもちいることはみとめられていない[28]が、かくメーカーより常時じょうじはLED照明しょうめいもちい、非常時ひじょうじには施行しこうれいみとめられている白熱はくねつ・ハロゲン電球でんきゅう蛍光けいこうとうもちいる常用じょうよう照明しょうめい器具きぐ発売はつばいされていたが、2015ねんからは建築けんちく基準きじゅんほうもとづく国土こくど交通こうつう大臣だいじん認定にんてい取得しゅとくしたLED照明しょうめいもちいた常用じょうよう照明しょうめい器具きぐ発売はつばいし、蓄電池ちくでんち搭載とうさいがた機種きしゅでは従来じゅうらい光源こうげんもちいたタイプをおわりうりさせている。

消防しょうぼうほう

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誘導ゆうどうとう誘導ゆうどう標識ひょうしきなどをめているのは、基本きほんとなる消防しょうぼうほうもと細部さいぶ消防しょうぼうほう施行しこうれい消防しょうぼうほう施行しこう規則きそくによって規定きていされており、地方自治体ちほうじちたいによってちがいがある場合ばあいがある。

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ LED照明しょうめい器具きぐには「発光はっこう器具きぐ一体化いったいかした機種きしゅ」と「ランプ交換こうかん可能かのう機種きしゅ」とに二分にぶんされており、前者ぜんしゃ場合ばあい・ちらついて寿命じゅみょうむかえた場合ばあいは、器具きぐごと交換こうかんとなる(蛍光けいこうとうことなり、LED素子そしのみの交換こうかん不可ふか)。
  2. ^ LED素子そしは10-6びょう程度ていど明滅めいめつする。
  3. ^ LEDの高速こうそく応答おうとうせい欠点けってんとなるれいでは、交通こうつう信号しんごう使用しようされるLEDのひかり車載しゃさい画像がぞう記録きろくドライブレコーダー」にうつらないことひとしである。
  4. ^ 産業さんぎょうようでは、それ以上いじょうのルーメンの製品せいひんもあるが、放熱ほうねつ特別とくべつ配慮はいりょしており、高価こうかである。
  5. ^ 市場いちば出回でまわっている「白色はくしょくLED」は、蛍光けいこうたい使つかったり、2しょくたがいに補色ほしょく)または3しょく(おおよそひかり三原色さんげんしょく)の光源こうげんわせることで白色はくしょくこうしている。
  6. ^ 複数ふくすう発光はっこう素子そし使用しようする場合ばあい発光はっこういろごとにもとめられる電圧でんあつ電流でんりゅう特性とくせいことなり調整ちょうせい個別こべつ必要ひつようになるほか素子そしのボンディング位置いち上下じょうげめんのものと上面うわつらだけのものが混在こんざいするとけに工夫くふうもとめられる。また、発光はっこう効率こうりつめんでも緑色みどりいろLEDの効率こうりついちじるしくひくいためにすべてが青色あおいろ発光はっこうのものにくらべると効率こうりつおとる。緑色みどりいろLEDの発光はっこう効率こうりつ青色あおいろ発光はっこうから蛍光けいこうたいによって変換へんかんしたほうがいほどである。
  7. ^ 2009ねん7がつ16にち住友電気工業すみともでんきこうぎょうじゅん緑色みどりいろこう出力しゅつりょくできる半導体はんどうたいレーザの開発かいはつ成功せいこうしたと発表はっぴょうした。この波長はちょう531mmで発光はっこうする素子そしはGaN(窒化ガリウム結晶けっしょう使用しようしており、いろひかりから波長はちょう変換へんかんによって緑色みどりいろつく必要ひつようがなくなり、てい消費しょうひ電力でんりょくてい発熱はつねつでの純度じゅんどたか緑色みどりいろられると期待きたいされる。
  8. ^ 発光はっこう素子そし単体たんたい寿命じゅみょうはおおむね2まんあいだから6まんあいだ程度ていどとされている。
  9. ^ JISC標準ひょうじゅん仕様しようしょにおいては、LED単体たんたい寿命じゅみょう規定きてい条件下じょうけんかでLEDのぜんひかりたばね、もしくはCIE平均へいきんLED光度こうど点灯てんとう初期しょきたいして70%になるまでのそう点灯てんとう時間じかんとし、同様どうように、LEDモジュールと電球でんきゅうがた照明しょうめいよう白色はくしょくLEDの寿命じゅみょう規定きてい条件下じょうけんかでそのぜんひかりたば点灯てんとう初期しょきたいして70%になるまでのそう点灯てんとう時間じかんとしている(LED照明しょうめい推進すいしん協議きょうぎかいWebより)。
  10. ^ べつ経済けいざいせい比較ひかくでは、白熱はくねつ電球でんきゅう60Wとそれに相当そうとうする電球でんきゅうがたLEDで比較ひかくして、寿命じゅみょうはLED製品せいひんで4まんあいだたい白熱はくねつ電球でんきゅうは1,000あいだ総合そうごうコストではLED製品せいひんの1まんえんほどにたいして白熱はくねつ電球でんきゅうでは5まんえんきょう電球でんきゅうがた蛍光けいこうとうでも1まん6000えんほどになるとしている。このれいでは1まん4000時間じかん(1にち10あいだ換算かんさんでは4ねんじゃく)をえると電球でんきゅうがたLED照明しょうめいほう電球でんきゅうがた蛍光けいこうとうよりも割安わりやすとなる。
  11. ^ 日本にっぽん市場いちばえば、当初とうしょ照明しょうめい器具きぐ大手おおて東芝とうしばライテックがE26がた口金くちがね対応たいおうする40W相当そうとうのレフランプ・ミゼットがたランプを2007ねん12月に発売はつばいし、その、2008ねん8がつに60W相当そうとうのものをじつうれ価格かかく9,000えんほど発売はつばいした。電球でんきゅうがたランプとしては40W相当そうとうのものを2009ねん3がつじつうれ価格かかく8,000えんほど発売はつばいした。シャープは2009ねん6がつに60W相当そうとう電球でんきゅうがたランプをじつうれ想定そうてい価格かかく4,000えんほど発表はっぴょうしたため、東芝とうしばライテックは対抗たいこうじょう、60W相当そうとうひんおな価格かかくたいまでげた。エコリカアイリスオーヤマホタルクスパナソニック ライティングデバイス同様どうよう価格かかくたいでLED電球でんきゅう市場いちば参入さんにゅうしてきた。
  12. ^ 三菱化工機みつびしかこうきは2009ねん7がつ台湾たいわんLEDTECH ELECTRONICSしゃやシスコしゃ共同きょうどう開発かいはつしたちょくかんがた蛍光けいこう灯用とうようにそのままけられる40WがたのLED照明しょうめい発売はつばいした。
  13. ^ 三菱化学みつびしかがくは2008ねん三菱電線工業みつびしでんせんこうぎょうのLED事業じぎょう買収ばいしゅう完了かんりょうし、2010ねんからはにちおうで「Verbatim」ブランドで製品せいひん出荷しゅっかする予定よてい
  14. ^ 既設きせつちょくかんがた蛍光けいこうとう器具きぐ使用しようするLED製品せいひん専用せんようのLED照明しょうめい器具きぐ無秩序むちつじょ混在こんざいするようになると、LED照明しょうめい明確めいかく規格きかくが(韓国かんこくのぞけば)存在そんざいしないこともあって、ちょくかんがたLED照明しょうめいようとう従来じゅうらいがた蛍光けいこうとうあやまってける事態じたいや、従来じゅうらいがた蛍光けいこうとうよりおも製品せいひん落下らっかした場合ばあいのような、なんらかの事故じこきたとき責任せきにんはそれをけたものわなければならない。
  15. ^ E26がた・E17がた中心ちゅうしん
  16. ^ 玄関げんかんとうなどひとかんセンサー調ちょうこう器具きぐには、LED電球でんきゅう電球でんきゅうがた蛍光けいこうとういずれも(調しらべこう器具きぐ対応たいおうであっても)使用しよう不可ふかなので、そちらには従来じゅうらいがたミニクリプトン電球でんきゅう口金くちがねサイズE17がた最大さいだい60Wまで)をもちいることになる(調しらべこう器具きぐ対応たいおうのLED電球でんきゅう電球でんきゅうがた蛍光けいこうとうは、スライドおよびロータリーつまみで調しらべひかりするアナログしき器具きぐにのみ対応たいおう)。
  17. ^ グロースタータータイプの蛍光けいこうとう器具きぐでは、もとグローランプはずし、える製品せいひん付属ふぞくするダミーバルブにえるだけでい。
  18. ^ ラスベガスのフリーモント・エクスペリエンスのものでは400mのアーケードの天井てんじょうに1200まん以上いじょうのLEDがはいされた。
  19. ^ ナノインプリント技術ぎじゅつによる半導体はんどうたい素子そし発光はっこうそう表面ひょうめん凹凸おうとつ形成けいせいは、おおきく2つの工程こうていよりる。ウエハーの状態じょうたいで、最初さいしょにpがたGaNそう表面ひょうめん樹脂じゅしをスピンコートする。微細びさい凹凸おうとつきざんだSiきんがた樹脂じゅしけていち形状けいじょう転写てんしゃする。つぎ工程こうていでは反応はんのうせいイオン・エッチング処理しょりによってPがたGaNそうけず凹凸おうとつ形成けいせいする。
  20. ^ あかみどりこんしょくすると黄色おうしょくとなる。

出典しゅってん

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関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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