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唐音とういん

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漢字かんじ
書体しょたい
篆刻てんこく毛筆もうひつ
かぶとこつぶん 金文きんぶん 篆書てんしょ
古文こぶん
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宋朝そうちょうたい 明朝体みんちょうたい 楷書かいしょたい
字体じたい
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標準ひょうじゅん字体じたい
せつぶんかい篆書てんしょたい
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通用つうよう規範きはん漢字かんじひょう
国字こくじ問題もんだい
当用とうよう常用漢字じょうようかんじ
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漢字かんじ廃止はいし復活ふっかつ
漢字かんじ文化ぶんかけん
なかあさこしだいしん
派生はせい文字もじ
国字こくじ 方言ほうげん のりてん文字もじ
仮名かめい たけし おんなしょ
ちぎり文字もじ おんな文字もじ 西にしなつ文字もじ
字音じおん
きよたのし歌詞かし。「きゅう」「かい」「」などのおと現代げんだい中国語ちゅうごくごことなっており、18世紀せいき前半ぜんはん以前いぜんおと反映はんえいしていることがわかる。『月琴げっきん楽譜がくふ』(1878(明治めいじ10)年刊ねんかん)より。

唐音とういん(とうおん・とういん[1])は、日本にっぽん漢字かんじおと音読おんよ)において平安へいあん時代じだい中期ちゅうき以降いこう江戸えど時代じだい末期まっきまでに中国ちゅうごくからはいってきた字音じおんにもとづくものをいう[2]そう以降いこう字音じおんである。唐音とういんとうは、漢音かんおん呉音ごおん同様どうように、王朝おうちょうめいあらわす(からあさ)のではなく、中国ちゅうごくあらわかたり唐土とうど)である。

概要がいよう

[編集へんしゅう]

室町むろまち時代ときよには宋音そうおんともばれた。唐音とういん宋音そうおんをあわせてから宋音そうおん(とうそうおん)ともばれる。唐音とういん呉音ごおん漢音かんおんのようにすべてのにわたる体系たいけいてきなものではなく、断片だんぺんてき特定とくていかたり同時どうじはいってきたおとである。遣唐使けんとうし中止ちゅうし途絶とだえたにちちゅうあいだ交流こうりゅうが、平安へいあんまつ鎌倉かまくらはつから再開さいかいし、室町むろまち江戸えどつうじてさかんになって、禅宗ぜんしゅう留学りゅうがくそう民間みんかん貿易ぼうえき商人しょうにんたちによってもたらされた。したがって唐音とういんのもとになった中国ちゅうごくおん時代じだい土地とち多様たようである。

学術がくじゅつてきには中世ちゅうせい唐音とういん(これを宋音そうおんひともいる)と近世きんせい唐音とういんけられる[3]

げんうみ』の「おさむちゅう漢語かんごは13546あるのにたいし、唐音とういんとされるものは96しかなく、日本語にほんごにはいった語彙ごいすうはきわめてちいさい[4]現代げんだいじんになじみのある唐音とういんはおおむね中世ちゅうせい唐音とういんによる。しかし、日常にちじょうにおいてどれが唐音とういんであるかの判定はんていには困難こんなんてんおおく、漢字かんじ表記ひょうき複数ふくすうあったり、たんなるや、呉音ごおん漢音かんおんけい字音じおんとのこんしゅである可能かのうせいのあるものなど、しばしば不確ふたしかである[5]

  • した(ア)
    • 下火したび(アコ)
  • くだり(アン)
  • あんず(アン)
  • あん(アン)
  • ぎん(イン)
    • 銀子ぎんす(インツウ)
  • えびす(ウ)
    • 胡散うさん(ウサン)
    • えびす盞(ウサン)
    • 胡乱うろん(ウロン)
  • そと(ウイ)
  • かい(ウイ)
  • 茴(ウイ)
  • かず(オ)
  • きゃく(カ)
    • きゃく(シカ)
  • あつもの(カン)
  • つよ(ガン)
  • あし(キャ)
  • 俠(キャン)
    • 俠(オキャン)
  • けい(キン)
    • 看経かんきん(カンキン)
    • けいぎょう(キンヒン)
    • 諷経(フギン)
  • きょう(キン)
  • かおる(キン)
  • けい(キン)
    • 剽軽ひょうきん(ヒョウキン)
  • はい(クイ)
  • (コ)
    • 下火したび(アコ)
    • かつ(カッコ)
    • 火燵こたつ(コタツ)
  • 箇(コ)
  • ちゃ(サ)
  • なま(サン)
    • なまめし(サンパン)
    • 出生しゅっしょう(スイサン)
    • さく麼生(ソモサン)
  • (シ)
    • きゃく(シカ)
  • いし(シツ)
    • 石灰せっかい(シックイ)
  • たく(シツ)
  • たけ(シツ)
    • 竹篦しっぺい(シッペイ)
  • じき(シツ)
    • ちょくとし(シッスイ)
  • あたま(ジュウ)
  • 請(シン)
  • ひじり(シン)
    • ほうりきよし(シュクシン)
  • きよし(シン)
  • (ス)
  • つかさ(ス)
  • (ス)
  • そう(ス)
    • 売僧まいす(マイス)
  • ねずみ(ス)
  • (ス)
    • けい(スヒン)
  • てら(ス)
    • かんてら(カンス)
    • てら(ツウス)
    • ふくてら(フウス)
  • 西にし(スイ)
  • とし(スイ)
    • ちょくとし(シッスイ)
  • (ソ)
    • 引座(インゾ)
    • 首座しゅざ(シュソ)
    • 典座てんぞ(テンゾ)
  • さく(ソ)
    • さく麼生(ソモサン)
  • とう(タツ)
    • 塔頭たっちゅう(タッチュウ)
  • 榻(タツ)
    • 脚榻きゃたつ(キャタツ)
  • (タン)
  • なな(チェエ)
  • ゆずりは(チャ)
    • ゆずりは(チャツ)
  • ひさげ(チョウ)
  • (チン)
    • 提灯ちょうちん(チョウチン)
  • いただき(チン)
  • 繊(チン)
  • きよし(チン)
  • 聴(チン)
    • 聴叫(チンキョウ)
    • 聴呼(チンコ)
  • ちん(チン)
  • おけ(ツウ)
    • めんおけ(メンツウ)
  • (ツウ)
    • かん(ツウカン)
    • てら(ツウス)
  • ひとし(テン)
    • 釐等(レイテング)
  • だん(トン)
  • 緞(ドン)
    • 緞子どんす(ドンス)
  • だん(ノン)
    • 暖気だんき(ノンキ)
    • だんてら(ノンジ)
    • だんりょう(ノンリョウ)
    • 暖簾のれん(ノレン)
  • あに(ヒン)
    • あなかたけい(コウホウヒン)
    • けい(スヒン)
  • びん(ビン)
  • ひらめ(ヒン)
    • なんひらめ(ナンピン)
  • もち(ヒン)
    • まきもち(ケンピン)
  • かば(フ)
  • ふく(フウ)
    • ふくてら(フウス)
  • ばば(ホ)
    • ばば(タンポ)
  • 陪(ホイ)
    • 陪堂ほいと(ホイトウ)
  • あぶ(ホイ)
    • 焙炉ほいろ(ホイロ)
  • 菠(ホウ)
  • 袱(ホク)
    • 卓袱しっぽく(シッポク)
  • はらい(ホツ)
    • 払子ほっす(ホッス)
  • (ホツ)
    • きぬ(ホッケン)
  • はじめ(マン)
    • 孟浪もうろう(マンラン)
  • あきら(ミン)
  • 麼(モ)
    • さく麼生(ソモサン)
  • うめ(モイ)
    • 梅花ばいか(モイカ)
  • なみ(ラン)
    • 孟浪もうろう(マンラン)
  • りょう(リャン)
    • 両個りゃんこ(リャンコ)
  • ろく(リュウ)
  • すず(リン)
  • あや(リン)
    • 綾子あやこ(リンズ)
  • 釐(レイ)
    • 釐等(レイテング)
  • 薐(レン) 
    • 菠薐草ほうれんそう(ホウレンソウ)
  • らん(ロン)
    • 胡乱うろん(ウロン)
  • かえ(ワン)
    • かえれい(ワンレイ)

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ 湯沢ゆざわ(1987) p.11によると、江戸えど時代じだいにはトウインで、明治めいじ以降いこうにトウオンともばれるようになった
  2. ^ 湯沢ゆざわ(1987) p.2
  3. ^ こえつめ(2005) p.201
  4. ^ 湯沢ゆざわ(1987) p.5
  5. ^ こえつめ(2005) pp.201-203

参考さんこう文献ぶんけん

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  • 湯沢ゆざわただしこう唐音とういん研究けんきゅうつとむまことしゃ、1987ねん 
  • こえつま周二しゅうじ唐音とういんけい字音じおん」『朝倉あさくら日本語にほんご講座こうざ2 文字もじ書記しょき朝倉書店あさくらしょてん、2005ねんISBN 425451512X 

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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