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きぼう実験 じっけん 棟 とう (左 ひだり )と船 ふね 外 がい 実験 じっけん プラットフォーム(右 みぎ )
たんぽぽ計画 けいかく (Tanpopo mission ) は、生命 せいめい および有機 ゆうき 化合 かごう 物 ぶつ の惑星 わくせい 間 あいだ 移動 いどう の可能 かのう 性 せい 、および地球 ちきゅう の低 てい 軌道 きどう における地球 ちきゅう 由来 ゆらい の粒子 りゅうし を調査 ちょうさ 中 ちゅう の宇宙 うちゅう 生物 せいぶつ 学 がく 的 てき プロジェクトである。 その目的 もくてき は、パンスペルミア仮説 かせつ と、生命 せいめい そのものおよび生命 せいめい の源 みなもと が惑星 わくせい 間 あいだ を移動 いどう する可能 かのう 性 せい の検証 けんしょう である。
実験 じっけん は日本 にっぽん の科学 かがく 者 しゃ により開発 かいはつ され、2015年 ねん 5月 がつ に国際 こくさい 宇宙 うちゅう ステーション (ISS) のきぼう実験 じっけん 棟 とう に設置 せっち された船 ふね 外 がい 実験 じっけん プラットフォームにて開始 かいし された[1] 。計画 けいかく では、超 ちょう 低 てい 密度 みつど シリカゲル(エアロゲル )を用 もち いて宇宙塵 うちゅうじん を捕 と 集 しゅう し、地球 ちきゅう に持 も ち帰 かえ り調査 ちょうさ することになっている。リーダーの山岸 やまぎし 明彦 あきひこ をはじめ、宇宙 うちゅう 航空 こうくう 研究 けんきゅう 開発 かいはつ 機構 きこう (JAXA)など26の大学 だいがく と団体 だんたい の研究 けんきゅう 者 しゃ が参加 さんか している。
計画 けいかく とその成果 せいか [ 編集 へんしゅう ]
風 ふう に運 はこ ばれるたんぽぽの種 たね
もし、たんぽぽ計画 けいかく により地球 ちきゅう 低 てい 軌道 きどう (高度 こうど 400キロメートル )において微生物 びせいぶつ が検出 けんしゅつ されれば、その事実 じじつ は地球 ちきゅう 上 じょう の生命 せいめい が他 た の惑星 わくせい へと移動 いどう する可能 かのう 性 せい があることを示 しめ す[2] 。計画 けいかく 名 めい は、宇宙 うちゅう へ飛 と んでいく生命 せいめい の種 たね を、風 ふう に運 はこ ばれるたんぽぽ の種 たね に重 かさ ね合 あ わせて命名 めいめい されている。
たんぽぽ計画 けいかく は、ISSのきぼう実験 じっけん 棟 とう 船 ふね 外 がい 実験 じっけん モジュール にて行 おこ なわれている。宇宙塵 うちゅうじん の捕 と 集 しゅう と乾燥 かんそう した微生物 びせいぶつ を地表 ちひょう から高度 こうど 400キロメートルの軌道 きどう を周回 しゅうかい するISSの船 ふね 外 がい に曝露 ばくろ する実験 じっけん が進行 しんこう 中 ちゅう である。生命 せいめい の起源 きげん は地球 ちきゅう 外 がい にあり、流星 りゅうせい 、小惑星 しょうわくせい 、彗星 すいせい 、宇宙塵 うちゅうじん などにより拡散 かくさん したとする仮説 かせつ 、パンスペルミア説 せつ のいくつかの側面 そくめん をこれらの実験 じっけん により検証 けんしょう する予定 よてい である[3] 。この計画 けいかく では、地球 ちきゅう 上 じょう の微生物 びせいぶつ (微生物 びせいぶつ コロニーを埋 う め込 こ んだエアロゾル)が、一時 いちじ 的 てき にでもフリーズドライ 状態 じょうたい で低 てい 軌道 きどう 上 じょう において生存 せいぞん できるかどうかも検証 けんしょう する[3] 。
スターダスト 計画 けいかく で使用 しよう されたエアロゲル ブロック製 せい の宇宙塵 うちゅうじん 捕 と 集 あつまり 器 き
三 みっ つの重要 じゅうよう な微生物 びせいぶつ として、デイノコッカス属 ぞく (英語 えいご 版 ばん ) の D. radiodurans 、 D. aerius 、D. aetherius が挙 あ げられる[4] 。酵母 こうぼ などの他 ほか の微生物 びせいぶつ の容器 ようき もきぼう実験 じっけん 棟 とう 外部 がいぶ に設置 せっち され、微生物 びせいぶつ が宇宙 うちゅう 空間 くうかん の冷 つめ たく厳 きび しい環境 かんきょう に曝 さら されながら長時間 ちょうじかん の旅 たび を生 い き残 のこ ることができるのかどうかを検証 けんしょう する。また、曝露 ばくろ された地球 ちきゅう 上 じょう の微生物 びせいぶつ のサンプルと地球 ちきゅう 外 がい からの物質 ぶっしつ を評価 ひょうか することで、惑星 わくせい 間 あいだ 移動 いどう の期間 きかん 中 ちゅう に生 い き残 のこ ることができるのか、及 およ び、どのように変化 へんか するのかを調 しら べることができる。
2017年 ねん 5月 がつ に公表 こうひょう された報告 ほうこく では、4種類 しゅるい の細菌 さいきん を含 ふく むバイオフィルム を穴 あな に入 い れたアルミニウム 製 せい パネル3枚 まい をISS外壁 がいへき に2015年 ねん 5月 がつ に設置 せっち し、宇宙 うちゅう 空間 くうかん に晒 さら した。うち1枚 まい を約 やく 1年 ねん 後 ご に取 と り外 はず して地球 ちきゅう に持 も ち帰 かえ り分析 ぶんせき したところ、宇宙 うちゅう 線 せん に含 ふく まれる放射線 ほうしゃせん や紫外線 しがいせん への耐 たい 性 せい が強 つよ い上記 じょうき のデイノコッカス・ラディオデュランス(D. radiodurans)など3種類 しゅるい が、最大 さいだい 10%程度 ていど 生 い き延 の びたことが確認 かくにん された[5] 。
加 くわ えて、宇宙 うちゅう を漂 ただよ う前 ぜん 生物 せいぶつ 的 てき 有機 ゆうき 化合 かごう 物 ぶつ (例 たと えばアミノ酸 あみのさん )を捕 とら える狙 ねら いもある[6] 。計画 けいかく では、3年間 ねんかん にわたって宇宙塵 うちゅうじん やその他 た の粒子 りゅうし をエアロゲル と呼 よ ばれる超 ちょう 低 てい 密度 みつど シリカゲルを用 もち いて捕 と 集 しゅう することになっている。これらのエアロゲルは、2018年 ねん まで1~2年 ねん ごとに取 と り替 か えられることになっている[6] 。
エアロゲルはきぼう実験 じっけん 棟 とう 船 ふね 外 がい のロボットアームにより設置 せっち および回収 かいしゅう される。その後 ご 、2018年 ねん に「着陸 ちゃくりく ・帰還 きかん カプセル」に搭載 とうさい されて地球 ちきゅう に向 む け射出 しゃしゅつ される[3] 。エアロゲル回収 かいしゅう 後 ご 、科学 かがく 者 しゃ により捕 と 集 しゅう された微粒子 びりゅうし とその軌跡 きせき が調査 ちょうさ され、微生物 びせいぶつ 学 がく 的 てき 、有機 ゆうき 化学 かがく 的 てき 、無機 むき 化学 かがく 的 てき 解析 かいせき が続 つづ いて行 おこ なわれる。微生物 びせいぶつ を含 ふく む可能 かのう 性 せい のある粒子 りゅうし はPCR によりrRNA 遺伝子 いでんし を増幅 ぞうふく させた後 のち に DNAシークエンシング にかけられる[7] 。