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ひまわり油ゆ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア（Wikipedia）』
ひまわり油ゆ

ひまわり油ゆ（ひまわりゆ、ひまわりあぶら、向日葵ひまわり油ゆ）は、ヒマワリの種子しゅしを原料げんりょうとした油脂ゆし。主おもに食用しょくよう油ゆとして用もちいられる。サンフラワー油あぶらとも。ベニバナ油あぶらであるサフラワー油ゆと誤認ごにんされやすい。

生産せいさんおよび油脂ゆし品質ひんしつ

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2009年ねん、2010年ねんの全ぜん世界せかいにおける生産せいさん量りょうは約やく1160万まんトンで、パーム油ゆ・大だい豆油ご・菜種油なたねあぶらに次つぐ第だい4位い[1]。主おもなヒマワリ種子しゅしの産地さんちは東ひがしヨーロッパ諸国しょこく、アルゼンチン、米国べいこく、中国ちゅうごく、インド。16世紀せいきにアメリカからヨーロッパに持もち込こまれ、18世紀せいき頃ころから油あぶら糧かて植物しょくぶつとしての栽培さいばいが始はじまった。在来ざいらい品種ひんしゅの脂肪酸しぼうさん組成そせいはリノール酸さん70%前後ぜんご、オレイン酸さん15-20%の高こうリノール油ゆであるが、生育せいいく環境かんきょう温度おんどなどにより変化へんかする。高緯度こういどではリノール酸さんが増加ぞうかし、低てい緯度いどではオレイン酸さんに富とむ。ヒマワリ種子しゅしの油脂ゆし含有がんゆう量りょうは当初とうしょ30%であったが、品種ひんしゅ改良かいりょうにより45%程度ていどまで向上こうじょうしている。1970年ねんにはソ連それん（当時とうじ）で高こうオレイン酸さんのヒマワリの品種ひんしゅが研究けんきゅうされ、アメリカで改良かいりょうが重かさねられてオレイン酸さんを80%含ふくむ品種ひんしゅが開発かいはつされた。1980年代ねんだい半なかばから改良かいりょう種しゅの栽培さいばいが始はじまり、ハイオレイック油ゆと呼よばれる、オレイン酸さん含有がんゆう率りつの高たかい油あぶらが生産せいさんされるようになった。2000年ねん以降いこうはリノール酸さんが15 - 20%、オレイン酸さんが40 - 60%の中なかオレインタイプのNuSun品種ひんしゅが伝統でんとう的てきな交配こうはい育種いくしゅ法ほうにより育成いくせいされ、主流しゅりゅうとなっている。ヨウ素もと価かは、ハイリノール油ゆで120 - 142、中ちゅうオレイン油ゆで88 - 115、ハイオレイック油ゆで78 - 98。

2007年ねん、アメリカの中なかオレイン酸さん品種ひんしゅの作付さくづけ面積めんせきは、全ぜん作付さくづけの85 - 90%を占しめ、ハイリノール酸さん種しゅをヒマワリ油ゆの例れいとして提示ていじするのは、適切てきせつでなくなった[2]。歴史れきし的てきには圧搾あっさく法ほうを用もちいて油分ゆぶんを抽出ちゅうしゅつしていたが、今いまはノルマルヘキサンなどの有機ゆうき溶媒ようばいを用もちいて油分ゆぶんを分離ぶんりさせる手法しゅほうで工業こうぎょう的てきな大量たいりょう生産せいさんを可能かのうにしている。

ひまわり油ゆ栄養えいよう価かの代表だいひょう値ち

実際じっさいの栄養えいよう価かは、原料げんりょうひまわりの栽培さいばい条件じょうけん、生育せいいく環境かんきょう、品種ひんしゅ、産地さんちなどで異ことなるため記載きさいされている値ねは代表だいひょう値ちである。

ひまわり油ゆ（mid-oleic）
100 gあたりの栄養えいよう価か
エネルギー 3,699 kJ (884 kcal)
0 g
糖類とうるい 0 g
食物しょくもつ繊維せんい 0 g
100 g
飽和ほうわ脂肪酸しぼうさん 9.009 g
トランス脂肪酸しぼうさん 0.219 g
一価いっか不ふ飽和ほうわ 57.334 g
多た価あたい不ふ飽和ほうわ 28.962 g
0.037 g
28.705 g
0 g
ビタミン
ビタミンA相当そうとう量りょう
(0%)
0 µg
(0%)
0 µg
0 µg
チアミン (B1)
(0%)
0 mg
リボフラビン (B2)
(0%)
0 mg
ナイアシン (B3)
(0%)
0 mg
パントテン酸さん (B5)
(0%)
0 mg
ビタミンB6
(0%)
0 mg
葉酸ようさん (B9)
(0%)
0 µg
ビタミンB12
(0%)
0 µg
コリン
(0%)
0.2 mg
ビタミンC
(0%)
0 mg
ビタミンE
(274%)
41.08 mg
ビタミンK
(5%)
5.4 µg
ミネラル
ナトリウム
(0%)
0 mg
カリウム
(0%)
0 mg
カルシウム
(0%)
0 mg
マグネシウム
(0%)
0 mg
リン
(0%)
0 mg
鉄分てつぶん
(0%)
0.03 mg
亜鉛あえん
(0%)
0 mg
セレン
(0%)
0 µg
他たの成分せいぶん
水分すいぶん 0 g
%はアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくにおける
成人せいじん栄養えいよう摂取せっしゅ目標もくひょう (RDI) の割合わりあい。
出典しゅってん: USDA栄養えいようデータベース（英語えいご）
ひまわり油ゆ（mid-oleic）（100g中なか）の主おもな脂肪酸しぼうさんの種類しゅるい[3]
項目こうもく 分量ぶんりょう（g）
脂肪しぼう 100
飽和ほうわ脂肪酸しぼうさん 9.009
14:0（ミリスチン酸さん） 0.057
16:0（パルミチン酸さん） 4.219
18:0（ステアリン酸さん） 3.564
20:0（アラキジン酸さん） 0.297
22:0（ベヘン酸さん） 0.836
一価いっか不ふ飽和ほうわ脂肪酸しぼうさん 57.334
16:1（パルミトレイン酸さん） 0.095
18:1（オレイン酸さん） 57.029
20:1 0.211
多た価あたい不ふ飽和ほうわ脂肪酸しぼうさん 28.962
18:2（リノール酸さん） 28.705
18:3（αあるふぁ-リノレン酸さん） 0.037

用途ようと

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日本にっぽんではエステル交換こうかん反応はんのうによるココアバター代替だいたい脂あぶら製造せいぞう用ようが大だい部分ぶぶんで、マヨネーズやサラダドレッシング、マーガリンの原料げんりょうとしても用もちいられる。また、風味ふうみが良よいため穀類こくるいやナッツ類るいなどの表面ひょうめん保護ほご、クッキーなどのコーティング、煎餅せんべいなどのつや出だし、揚あげ物もの・炒いため物ぶつなどに使用しようされることもある。近年きんねんでは、バイオディーゼル用よう燃料ねんりょうとしても研究けんきゅうが進すすめられている。 また第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん中なかのソ連それん赤軍せきぐんでは、マイナス30℃以下いかでも凍結とうけつしない潤滑油じゅんかつゆとして使つかわれていた[4]。

脚注きゃくちゅう

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[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]
  1. ^ 植物しょくぶつ油ゆの生産せいさんから消費しょうひまで （1）世界せかいの植物しょくぶつ油ゆ生産せいさん（一般いっぱん社団しゃだん法人ほうじん 日本にっぽん植物しょくぶつ油ゆ協会きょうかい） データは2004 - 2011年ねんのISTA Mielke社しゃ「Oil World」誌し
  2. ^ http://www.sunflowernsa.com/oil/nusun/
  3. ^ USDA National Nutrient Database
  4. ^ 第だい2次じ大戦たいせんドイツの自動じどう火器かき p29

参考さんこう文献ぶんけん

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  • 『食用しょくよう油脂ゆし - その利用りようと油脂ゆし食品しょくひん』藤田ふじた哲あきら著ちょ 2000年ねん 幸こう書房しょぼう ISBN 9784782101735
  • 『第だい2次じ大戦たいせんドイツの自動じどう火器かき』ロバート・ブルース著ちょ 野木のぎ恵一けいいち訳やく 1998年ねん 大だい日本にっぽん絵画かいが ISBN 4499226821

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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