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アナンケ (衛星えいせい)

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
アナンケ
Ananke
かけの等級とうきゅう (mv) 18.9[1]
分類ぶんるい 木星もくせい衛星えいせい (不規則ふきそく衛星えいせい)
軌道きどう種類しゅるい アナンケぐん
発見はっけん
発見はっけん 1951ねん9月28にち[2][3]
発見はっけんしゃ セス・B・ニコルソン
軌道きどう要素ようそ性質せいしつ
平均へいきん公転こうてん半径はんけい 21,254,000 km[4]
はなれしんりつ (e) 0.2332[4]
軌道きどう周期しゅうき 629.80 にち (1.724 ねん)[4]
軌道きどう傾斜けいしゃかく (i) 148.693°[4]
近日きんじつてん引数ひきすう (ωおめが) 95.772°[4]
のぼり交点こうてんけい (Ωおめが) 15.959°[4]
平均へいきんきんてんかく (M) 253.384deg;[4]
木星もくせい衛星えいせい
物理ぶつりてき性質せいしつ
直径ちょっけい 28 km[5]
質量しつりょう 3.0×1016 kg[5]
平均へいきん密度みつど 2.6 g/cm3 (仮定かてい)[5]
アルベド反射はんしゃのう 0.04 (仮定かてい)[5]
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アナンケ[6][7](Jupiter XII Ananke)は、木星もくせいだい12衛星えいせい[3]木星もくせい逆行ぎゃっこう軌道きどう公転こうてんする不規則ふきそく衛星えいせいひとつであり、アナンケぐんぞくする[1][8]

発見はっけん

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アナンケは、1951ねん9月28にちアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく天文学てんもんがくしゃセス・B・ニコルソンウィルソンやま天文台てんもんだい望遠鏡ぼうえんきょうもちいて発見はっけんした[2]。その10がつ24にちと11月2にち観測かんそくでも存在そんざい確認かくにんされ、この天体てんたい木星もくせい衛星えいせいであることが確実視かくじつしされた[2]

名称めいしょう

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名称めいしょうは、ギリシア神話しんわ大神おおがみゼウスとのあいだアドラステアネメシス)をもうけたニンフちなんで命名めいめいされた[8][9]必然ひつぜん擬人ぎじんした女神めがみともわれる。

発見はっけん以降いこうしばらくのあいだ命名めいめいされておらず、正式せいしき命名めいめいされたのは1975ねん10月7にちで、それ以前いぜんJupiter XIIとしてられていた[9]発見はっけんしゃのニコルソンは発見はっけん報告ほうこくなかで "J XII" と表記ひょうきしている[2]ギリシア神話しんわ登場とうじょうする女神めがみからってアドラステアという名称めいしょうばれることもあったが、これは最終さいしゅうてき採用さいようされなかった[10]。アドラステアという名称めいしょうは、1955ねんブライアン・マースデン提案ていあんしたものである[10][11]。なお、アドラステア現在げんざい木星もくせいべつ衛星えいせい名称めいしょうとして使用しようされている。このほかにも、複数ふくすう名称めいしょうあん提案ていあんされていた[10]

軌道きどう起源きげん

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アナンケは木星もくせいからおよそ2125まんkmの距離きょり公転こうてんしており、やく630にちかけて軌道きどう一周いっしゅうする[4]

逆行ぎゃっこう軌道きどうにある木星もくせい不規則ふきそく衛星えいせい軌道きどう要素ようそ半径はんけい方向ほうこう衛星えいせい軌道きどうちょう半径はんけい円周えんしゅう方向ほうこう軌道きどう傾斜けいしゃかくしめしている。またせん近木こぎてん距離きょりからとおてん距離きょりまでをあらわしており、軌道きどうはなれしんりつおおきさに対応たいおうしている。えんのサイズは衛星えいせいのサイズしめしている。

アナンケの周囲しゅういには軌道きどう特徴とくちょう衛星えいせい複数ふくすうあり、これらのグループはこのなかもっとおおきいアナンケから名前なまえってアナンケぐんばれている。アナンケぐん衛星えいせい木星もくせいから1930まんkmと2270まんkmのあいだ距離きょり逆行ぎゃっこう軌道きどう公転こうてんし、軌道きどう傾斜けいしゃかくは 150° 程度ていどとなっている。木星もくせい不規則ふきそく衛星えいせい軌道きどう要素ようそしめしたでは、アナンケにちか軌道きどう要素ようそつグループがあるのがかる (アナンケぐん外側そとがわにはどう程度ていど軌道きどう傾斜けいしゃかくパシファエぐんがある)。

アナンケぐん衛星えいせい類似るいじした軌道きどうおよび物理ぶつりてき特徴とくちょうしめすため、これらはおな起源きげんつとかんがえられている。木星もくせい重力じゅうりょく捕獲ほかくされた小惑星しょうわくせい破壊はかいされ、そのさい発生はっせいした破片はへんがアナンケぐん衛星えいせいになり、はは天体てんたいもっとおおきな残骸ざんがいがアナンケになったとかんがえられる[12][13][14]

物理ぶつりてき特徴とくちょう

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2002ねん北欧ほくおう光学こうがく望遠鏡ぼうえんきょうもちいてアナンケの観測かんそくおこなわれ、いろ指数しすうが B-V=0.90、V-R=0.38、V-I=0.86と測定そくていされた。この観測かんそくから、表面ひょうめん灰色はいいろにややあかみがかったいろであることが判明はんめいした[14]一連いちれん観測かんそくではアナンケぐんほか衛星えいせい観測かんそくされたが、イオカステプラクシディケハルパリケ表面ひょうめん灰色はいいろであり、表面ひょうめん特性とくせいがややことなる可能かのうせい示唆しさされている。

2003ねんにはジェミニきた望遠鏡ぼうえんきょうもちいて赤外線せきがいせんでの観測かんそくおこなわれた。その結果けっかアナンケのスペクトルはPがた小惑星しょうわくせい分類ぶんるいされるものであることが判明はんめいした。またスペクトルちゅうにはこおりによるとおもわれる吸収きゅうしゅう検出けんしゅつされた[15]

出典しゅってん

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  1. ^ a b Scott S. Sheppard. “Moons of Jupiter”. Carnegie Science. 2018ねん11月17にち閲覧えつらん
  2. ^ a b c d Nicholson, Seth B. (1951). “An Unidentified Object Near Jupiter, Probably a New Satellite”. Publications of the Astronomical Society of the Pacific 63: 297. doi:10.1086/126402. ISSN 0004-6280. 
  3. ^ a b Planet and Satellite Names and Discoverers”. Planetary Names. 国際こくさい天文学てんもんがく連合れんごう. 2018ねん11月17にち閲覧えつらん
  4. ^ a b c d e f g h Jet Propulsion Laboratory (2013ねん8がつ23にち). “Planetary Satellite Mean Orbital Parameters”. Jet Propulsion Laboratory Solar System Dynamics. ジェット推進すいしん研究所けんきゅうじょ. 2018ねん11月17にち閲覧えつらん
  5. ^ a b c d Jet Propulsion Laboratory (2015ねん2がつ19にち). “Planetary Satellite Physical Parameters”. Jet Propulsion Laboratory Solar System Dynamics. ジェット推進すいしん研究所けんきゅうじょ. 2018ねん11月17にち閲覧えつらん
  6. ^ 太陽系たいようけいない衛星えいせいひょう”. 国立こくりつ科学かがく博物館はくぶつかん. 2019ねん3がつ8にち閲覧えつらん
  7. ^ 『オックスフォード天文学てんもんがく辞典じてん』(初版しょはんだい1さつ朝倉書店あさくらしょてん、7ぺーじISBN 4-254-15017-2 
  8. ^ a b NASA (2017ねん12月5にち). “In Depth | Ananke – Solar System Exploration: NASA Science”. アメリカ航空こうくう宇宙うちゅうきょく. 2018ねん11月17にち閲覧えつらん
  9. ^ a b Brian G. Marsden (1975ねん10がつ7にち). “IAUC 2846: N Mon 1975 (= A0620-00); N Cyg 1975; 1975h; 1975g; 1975i; Sats OF JUPITER”. Central Bureau for Astronomical Telegrams. 国際こくさい天文学てんもんがく連合れんごう. 2018ねん11月17にち閲覧えつらん
  10. ^ a b c Owen, Tobias (1976-09). “Jovian Satellite Nomenclature”. Icarus 29 (1): 159–163. Bibcode1976Icar...29..159O. doi:10.1016/0019-1035(76)90113-5. 
  11. ^ Marsden, Brian (1955). “Satellite Nomenclature”. Journal of the British Astronomical Association 65: 308–310. 
  12. ^ Sheppard, Scott S.; Jewitt, David C. (2003). “An abundant population of small irregular satellites around Jupiter”. Nature 423 (6937): 261–263. doi:10.1038/nature01584. ISSN 0028-0836. 
  13. ^ Nesvorný, David; Beaug, Cristian; Dones, Luke (2004). “Collisional Origin of Families of Irregular Satellites”. The Astronomical Journal 127 (3): 1768–1783. doi:10.1086/382099. ISSN 0004-6256. 
  14. ^ a b Grav, Tommy; Holman, M. J.; Gladman, B. J.; Aksnes, K. (2003). “Photometric survey of the irregular satellites”. Icarus 166 (1): 33–45. arXiv:astro-ph/0301016. Bibcode2003Icar..166...33G. doi:10.1016/j.icarus.2003.07.005. 
  15. ^ Grav, Tommy; Holman, Matthew J. (2004). “Near-Infrared Photometry of the Irregular Satellites of Jupiter and Saturn”. The Astrophysical Journal 605 (2): L141–L144. arXiv:astro-ph/0312571. Bibcode2004ApJ...605L.141G. doi:10.1086/420881. 

外部がいぶリンク

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