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イサキ

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イサキ
分類ぶんるい
さかい : 動物界どうぶつかい Animalia
もん : 脊索せきさく動物どうぶつもん Chordata
もん : 脊椎動物せきついどうぶつもん Vertebrata
つな : じょうひれつな Actinopterygii
: スズキ Perciformes
: スズキ Percoidei
: イサキ Haemulidae
: コショウダイ Plectorhynchinae
ぞく : イサキぞく Parapristipoma
Bleeker,1873
たね : イサキ P. trilineatum
学名がくめい
Parapristipoma trilineatum
(Thunberg,1793)
英名えいめい
Chicken grunt
イサキの刺身さしみ

イサキ伊佐木いさき伊佐いさいくにわとりぎょ学名がくめい Parapristipoma trilineatum )は、スズキイサキぞくする海水かいすいぎょ一種いっしゅひがしアジア沿岸えんがん岩礁がんしょういき生息せいそくするさかなで、食用しょくよう対象たいしょうとして人気にんきたかい。

特徴とくちょう

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成魚せいぎょ全長ぜんちょう45cmにたっする。体型たいけいはやや前後ぜんご細長ほそなが紡錘形ぼうすいけいがわひらたする。からだひょうこまかいうろこ密集みっしゅうし、ザラザラしている。成魚せいぎょからだしょくはオリーブがかった褐色かっしょくだが、幼魚ようぎょ体側たいそくうえ半分はんぶん黄色おうしょく縦縞たてじまが3ほんある。成長せいちょうするにつれこの縦縞たてじまうすれるが、成魚せいぎょでもはるなつには縦縞たてじま出現しゅつげんする[1][2][3]

東北とうほく地方ちほう以南いなん日本にっぽん沿岸えんがん黄海こうかい東シナ海ひがししなかい南シナ海みなみしなかい分布ぶんぷする。南西諸島なんせいしょとう沿岸えんがん分布ぶんぷしないとされるが[2]奄美あまみ大島おおしま沖縄おきなわ本島ほんとうにも生息せいそくするとした文献ぶんけんもある[4][5]

海藻かいそうおお岩礁がんしょういき生息せいそくし、をつくる。ひる水深すいしん50mほどまでのふかみにひそむが、よるになると海面かいめんちかくまでおよす。しょくせい肉食にくしょくせいで、しょうさかな甲殻こうかくるい多毛たもうるいひとししょう動物どうぶつ捕食ほしょくする[1][2]

産卵さんらんなつで、直径ちょっけい0.8-0.9mmほどの分離ぶんり浮性たまご産卵さんらんする。1ひきのメスの産卵さんらんすうからだおおきさにもよるが、全長ぜんちょう30cmで128まんつぶほどとみられる。たまご海中かいちゅうただよいながら1にちほどで孵化ふかし、稚魚ちぎょプランクトン捕食ほしょくしながら成長せいちょうする。稚魚ちぎょ海岸かいがんあさところれをつくって生活せいかつするが、成長せいちょうするにつれふかみにうつる。オスは生後せいご2ねん成熟せいじゅくし、4ねんにはすべ成熟せいじゅくする[1][2]

名称めいしょう

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標準ひょうじゅん和名わみょう「イサキ」はいそむことにちなんだ「磯魚いさな」(イソキ)、または幼魚ようぎょしまちなんだ「はんぎょ」(イサキ)に由来ゆらいするとわれ、これに「伊佐木いさき」「伊佐いさいく」という漢字かんじてられている。もうひとつの漢字かんじにわとりぎょ」は背鰭せびれとげじょうニワトリ鶏冠けいかんるためというせつがあり、これは英名えいめい"Chicken grunt"もおなじである[6]。gruntはブーブーくことの意味いみであるが、これはイサキさかなげられるとグーグーくことに由来ゆらいするためであるとされる。

日本にっぽんでの地方ちほうめいとして、オクセイゴ(東北とうほく地方ちほう)、イサギ(東京とうきょう)、クロブタ(神奈川かながわ)、コシタメ(静岡しずおか)、エサキ(北陸ほくりく-山陰さんいん)、ウズムシ(近畿きんき)、カジヤコロシ(和歌山わかやまけん南紀なんき)、イセギ(高知こうち)、イッサキ(九州きゅうしゅう)、ハンサコ(大分おおいた-宮崎みやざき)、ハタザコ、ショフ、ジンキ(宮崎みやざき)、ソフ(鹿児島かごしまけん内之浦うちのうら)、クチグロマツ(奄美あまみ大島おおしま)などがある[2][1][3][5]南紀なんきでの呼称こしょう「カジヤゴロシ」(鍛冶屋かじやころし)は、イサキのほね非常ひじょうかたく、ほねのどさってんだ鍛冶たんやがいたことからそのいたとわれる[6]九州きゅうしゅうでの呼称こしょう「イッサキ」は「いちさき」というてられることがおおい。

幼魚ようぎょ黄色おうしょく縦縞たてじま模様もようイノシシていることから、各地かくちでウリボウ、ウリンボウ、イノコなどとばれる[3]大分おおいたでは幼魚ようぎょをウドゴと[2]

ひととのかかわり

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定置網ていちあみもうなどで漁獲ぎょかくされる。しゅん初夏しょかで、このころのイサキをむぎわらイサキ、梅雨つゆイサキとも[6]。なお「むぎわらタイ」はどう時期じきマダイすが、イサキとはぎゃく不味まずい。

刺身さしみわせ。みぎはしがイサキ。白身しろみぎょよりいろ

白身しろみで、マダイよりはやわらかくて脂肪しぼうおおい。刺身さしみざかなぎょ唐揚からあなどいろいろな料理りょうりべられる[2][5]水揚みずあげしたイサキはにごりやすいので、にご具合ぐあい鮮度せんど判断はんだん基準きじゅんにならない。近年きんねん養殖ようしょく技術ぎじゅつ研究けんきゅうがなされ、市場いちばにも養殖ようしょくものが流通りゅうつうしている。

食中毒しょくちゅうどく

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中国ちゅうごくから輸入ゆにゅうしたなかあいだ種苗しゅびょう国内こくない養殖ようしょくしたカンパチ・イサキからアニサキス幼虫ようちゅう寄生きせいこう頻度ひんどみとめられたとの報告ほうこくがあり、厚生こうせい労働ろうどうしょうでは中国ちゅうごくさん中間ちゅうかん種苗しゅびょう由来ゆらいする養殖ようしょくぎょ注意ちゅういびかけている[7]

類似るいじしゅ

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シマイサキしま伊佐木いさきRhyncopelates oxyrhynchus西日本にしにほん以南いなん水域すいいきでよくられる。からだ縦縞たてじま模様もようがあり、名前なまえにも「イサキ」とあるが、イサキではなくシマイサキ (Teraponidae) で、イサキとはまた別物べつものさかなである[2]

参考さんこう文献ぶんけん

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  1. ^ a b c d 蒲原かんばらみのるおさむちょ岡村おかむらおさむてい『エコロン自然しぜんシリーズ ぎょ』1966ねん初版しょはん・1996ねん改訂かいてい 保育ほいくしゃ ISBN 4586321091
  2. ^ a b c d e f g h 岡村おかむらおさむあまおか邦夫くにお監修かんしゅう さんけいカラー名鑑めいかん日本にっぽん海水かいすいぎょ』(解説かいせつ : 赤崎あかさき正人まさと)1997ねん やま渓谷社けいこくしゃ ISBN 4635090272
  3. ^ a b c 本村もとむら浩之ひろゆき監修かんしゅう いおワールドかごしま水族館すいぞくかん鹿児島かごしま定置網ていちあみさかなたち』2008ねん 鹿児島かごしま水族館すいぞくかん公社こうしゃ
  4. ^ 内田うちだとおる監修かんしゅう学生がくせいばん 日本にっぽん動物どうぶつ図鑑ずかん』1948ねん初版しょはん・2000ねん重版じゅうはん きたたかしかん ISBN 4832600427
  5. ^ a b c 石川いしかわあきらあきらったさかなかならずわかるカラー図鑑ずかん』2004ねん 永岡書店ながおかしょてん ISBN 4522213727
  6. ^ a b c 中村なかむら庸夫みちおさかな名前なまえ』2006ねん 東京書籍とうきょうしょせき ISBN 4487801168
  7. ^ 中国ちゅうごくさん中間なかま種苗しゅびょう由来ゆらい養殖ようしょくカンパチとうのアニサキス対策たいさくについて』(プレスリリース)厚生こうせい労働省ろうどうしょう医薬いやく食品しょくひんきょく食品しょくひん安全あんぜん、2005ねん6がつ15にちhttps://www.mhlw.go.jp/houdou/2005/06/h0615-4.html