イサキオス1世せいコムネノス

イサキオス1世せいコムネノス Ἰσαάκιος Αあるふぁʹ Κομνηνός Isaakios I Komnēnos
東ひがしローマ皇帝こうてい
イサキオス1世せいが印しるされた金貨きんか
在位ざいい	1057年ねん - 1059年ねん
出生しゅっしょう	1005年ねん?
死去しきょ	1061年ねん
配偶はいぐう者しゃ	アイカテリネー
子女しじょ	マヌエル マリア
家名かめい	コムネノス家か

イサキオス1世せいコムネノス（ギリシア語ご：Ἰσαάκιος Αあるふぁʹ Κομνηνός, Isaakios I Komnēnos, 1005年ねん? - 1061年ねん）は、東ひがしロろーマ帝国まていこくの皇帝こうてい（在位ざいい：1057年ねん - 1059年ねん）。中世ちゅうせいギリシア語ごでは「イサアキオス1世せいコムニノス」となる。

生涯しょうがい

アナトリアのパフラゴニア に多おおくの所領しょりょうを持もつ軍事ぐんじ貴族きぞくコムネノス家かの出身しゅっしん。1057年ねん、時ときの皇帝こうていであったミカエル6世せいストラティオティコスの文治ぶんじ政治せいじに対たいし反乱はんらんを起おこし、軍ぐんを率ひきいて首都しゅとコンスタンティノポリスに進軍しんぐんし、ミカエル6世せいを退位たいいさせて、自みずからが皇帝こうていとなった。

この頃ころ、東ひがしロろーマ帝国まていこくはコンスタンティノス9世せいモノマコスによる失政しっせいや相次あいつぐ内紛ないふんなどで、財政ざいせいは極度きょくどに悪化あっかし、軍事ぐんじ力りょくも弱体じゃくたい化かの一途いっとをたどっていた。このためイサキオス1世せいは、財政ざいせい再建さいけんと軍備ぐんび増強ぞうきょう、皇帝こうてい権力けんりょくの強化きょうかを目指めざし、バシレイオス2世せいを範はんとした断固だんこたる統治とうちを行おこなうようになる。まず、財政ざいせい再建さいけんのために徴税ちょうぜいを厳きびしく強化きょうかし、税ぜいを納おさめないものに対たいしては容赦ようしゃない処罰しょばつを加くわえた。さらにそれまでの歴代れきだい皇帝こうていが教会きょうかいや貴族きぞく層そうに譲渡じょうとまたは贈与ぞうよした土地とちを全すべて無効むこうとして没収ぼっしゅうしたのである。政治せいじ改革かいかくによって皇帝こうてい権力けんりょくは強化きょうかされ、財政ざいせいも再建さいけんされた。しかし元々もともとアナトリアからの成なり上あがりの身みであり、帝国ていこく首都しゅとの国民こくみんや貴族きぞくからは粗野そやな田舎いなか者しゃと見下みくだされていたイサキオスは、貴族きぞくや教会きょうかいから多おおくの反発はんぱつを招まねいた。

さらにイサキオス1世せいは、教会きょうかいの収入しゅうにゅうを減へらされたことに反発はんぱつした総そう主教しゅきょうのミカエル1世せいケルラリオスを逮捕たいほした。ところが、これがかえってさらに教会きょうかいや国民こくみん、貴族きぞくなどの反発はんぱつを招まねき、イサキオス1世せいの改革かいかくは行いき詰づまった。1059年ねん、ハンガリー王国おうこくとペチェネグ族ぞくとの戦たたかいに勝利しょうりし、ハンガリーと平和へいわ条約じょうやくを結むすぶことに成功せいこうしたがその直後ちょくご、狩かりの最中さいちゅうに負おった傷きずがもとで病やまいに倒たおれた。一時いちじは命いのちが危あやぶまれるほど病状びょうじょうが悪化あっかしたため、元老げんろう院いん議長ぎちょうで宮廷きゅうていの実力じつりょく者しゃであった知識ちしき人じんミカエル・プセルロスと弟おとうとのヨハネス・コムネノス、さらに皇后こうごうのアイカテリネー（最後さいごのブルガリア皇帝こうていイヴァン・ブラディスラフの娘むすめ）たちから説得せっとくを受うけて退位たいいし、元老げんろう院いん議員ぎいんのコンスタンティノス・ドゥーカスへ譲位じょういした。退位たいい後ごは妻つまや娘むすめと共ともに修道しゅうどう士しとなり、1061年ねんに死去しきょした。

ヨハネスの息子むすこで甥おいのアレクシオス1世せいコムネノスは、後のちに皇帝こうていとなってコムネノス王朝おうちょうを開ひらいている。

参考さんこう文献ぶんけん

• George Finlay, History of the Byzantine and Greek Empires from 1057–1453, Volume 2, William Blackwood & Sons, 1854
• Runciman, Steven (1951) A History of the Crusades, Vol. I: The First Crusade, Cambridge University Press.
• Varzos, Konstantinos (1984) (Greek). [The Genealogy of the Komnenoi]. A. Thessaloniki: Centre for Byzantine Studies, University of Thessaloniki. http://www.kbe.auth.gr/bkm20a1.pdf 
• Kazhdan, Alexander, ed. (1991). The Oxford Dictionary of Byzantium. Oxford University Press. ISBN 978-0-19-504652-6。 {{cite encyclopedia}}: |title=は必須ひっすです。 (説明せつめい)
• Norwich, John Julius (1993), Byzantium: The Apogee, Penguin, ISBN 0-14-011448-3 
• Canduci, Alexander (2010), Triumph & Tragedy: The Rise and Fall of Rome's Immortal Emperors, Pier 9, ISBN 978-1-74196-598-8 

関連かんれん項目こうもく

• 双頭そうとうの鷲わし - 元々もともとのロろーマ帝国まていこくの国くに章あきらは「単たん頭あたまの鷲わしの紋章もんしょう」であったが、イサキオス1世せいが「単たん頭あたまの鷲わし」を故郷こきょうアナトリアの聖せい獣ししである「双頭そうとうの鷲わし」に変更へんこうさせたとするい伝いつたえがある。