インフィニティ・FX

インフィニティ・FX (INFINITI FX) およびインフィニティ・QX70 (INFINITI QX70) は、日産にっさんが製造せいぞう、インフィニティブランドで販売はんばいされていたクロスオーバーSUVである。

概要がいよう

インフィニティが2003年ねんに北米ほくべい市場いちばへ送おくり出だした、スポーツカーとプレミアムSUVのクロスオーバーをコンセプトとしたモデル。BMW・X5やポルシェ・カイエンなどのハイパフォーマンスSUVをライバルとしている。

2001年ねんのデトロイトショーを皮切かわきりに、FXのコンセプトモデルを2台だい送おくり出だし、市販しはん化かに漕こぎ着つけている。インフィニティブランドでは、CV35型がたインフィニティ・G35クーペに続つづき成功せいこうを収おさめたモデルであり、一時期いちじき北米ほくべい市場いちばでは月販げっぱん6,000台だいを超こえる台数だいすうを記録きろくするなど、インフィニティのブランドイメージをさらに高たかめたモデルである。

アメリカ、カナダ、中東ちゅうとう、韓国かんこく、ロシア、中国ちゅうごく、台湾たいわん、EU諸国しょこく（フランス、イタリア、ポーランドなど）に輸出ゆしゅつされている。初代しょだいモデルでは左ひだりハンドル仕様しよう専用せんよう設計せっけいだったため、左側ひだりがわ通行つうこうの諸国しょこくには投入とうにゅうされなかったが、2代目だいめとなるS51型がた系けいは右みぎハンドル仕様しようも用意よういされており、イギリスなどへの輸出ゆしゅつが2009年ねん4月がつ以降いこうに開始かいしされた。ただし日本にっぽん市場いちばへの投入とうにゅうは未定みていである。

2014年ねんモデルより、インフィニティが発表はっぴょうした全ぜんラインアップに対たいする新しんネーミング戦略せんりゃくによって、「インフィニティ・FX」から「インフィニティ・QX70」へと車ぐるま名めいが変更へんこうされた。

初代しょだい S50型がた系けい

インフィニティ・FX（初代しょだい） S50型がた
前期ぜんき型がたFX45（2003-2004年ねんモデル）
前期ぜんき型がたFX45 リア
概要がいよう
販売はんばい期間きかん	2002年ねん11月 - 2008年ねん2月がつ
ボディ
乗車じょうしゃ定員ていいん	5名めい
ボディタイプ	5ドアクロスオーバーSUV
エンジン位置いち	フロント
駆動くどう方式ほうしき	後こう輪わ駆動くどう / 四よん輪りん駆動くどう
プラットフォーム	FR-Lプラットフォーム
パワートレイン
エンジン	4.5 Lガソリン車しゃ VK45DE型がた 4,494 cc V型がた8気筒きとうDOHC 3.5 Lガソリン車しゃ VQ35DE型がた 3,498 cc V型がた6気筒きとうDOHC
最高さいこう出力しゅつりょく	VK45DE型がた 239 kW (324 PS) / 6,000 rpm VQ35DE型がた 209 kW (284 PS) / 6,200 rpm （2003年ねん - 2007年ねんモデル） 205 kW (279 PS) / 6,200 rpm （2008年ねんモデル）
最大さいだいトルク	VK45DE型がた 454 N·m (46.3 kgf·m) / 4,000 rpm VQ35DE型がた 366 N·m (37.3 kgf·m) / 4,800 rpm （2003年ねん - 2007年ねんモデル） 363 N·m (37.1 kgf·m) / 4,800 rpm （2008年ねんモデル）
変速へんそく機き	5速そくAT
前まえ	前まえ：ストラット 後ご：マルチリンク
後のち	前まえ：ストラット 後ご：マルチリンク
車両しゃりょう寸法すんぽう
ホイールベース	2,850 mm
全長ぜんちょう	4,803 mm
全幅ぜんぷく	1,925 mm
全ぜん高こう	1,651 - 1,674 mm
車両しゃりょう重量じゅうりょう	1,840 - 1,982 kg

2003年ねんに発売はつばい。製造せいぞうは平塚ひらつか市しの日産車体にっさんしゃたい湘南しょうなん工場こうじょうで行おこなわれた。

デザイン

スタイリングのテーマは「バイオニックチーター」。野性やせいのチーターが持もつ躍動やくどう感かんと優美ゆうびさを狙ねらっている。デザインは、日産にっさんテクニカルセンター、設計せっけい開発かいはつは、日産車体にっさんしゃたい株式会社かぶしきがいしゃテクノセンターで行おこなわれた。2001年ねんに初はじめて発表はっぴょうされたFXコンセプトは、翌よく2002年ねんには大おおきく姿すがたを変かえており、市販しはん車しゃのスタイリングは2002年ねんのものをベースとしている。

2005年ねんにリアコンビランプがLED+クリアーレンズに変更へんこうされ、2006年ねんにはフロントグリルと20インチアルミホイールのデザインが変更へんこうされている。

メカニズム

プラットフォームは、V35型がたGシリーズと同おなじFR-Lプラットフォームを採用さいよう。サスペンションは、フロント：マクファーソンストラット、リア：マルチリンクとなっている。フロントサスペンションの形式けいしきがストラットになった背景はいけいには、V8エンジン+4WDの組合くみあわせのためのスペース確保かくほがある。

当初とうしょからFX45には、20インチアルミホイールが設定せってい（FX35にはオプション）されており、大だい径みちホイールを履はきこなせるサスペンションの設定せっていがなされている。

トランスミッションは5速そくATのみの設定せっていで、駆動くどう方式ほうしきはFRと4WDがあり、後者こうしゃはATTESA E-TSを採用さいようしている。なお、FX45は4WDのみの設定せっていである。

• 
  中期ちゅうき型がたリア
  （2005年ねんモデル）
• 
  後期こうき型がた
  （2006-2008年ねんモデル）

2代目だいめ S51型がた系けい

インフィニティ・FX（2代目だいめ） インフィニティ・QX70 S51型がた
フロント（FX30d）
リア （FX30d）
コクピット
概要がいよう
販売はんばい期間きかん	2008年ねん3月がつ - 2013年ねん3月（FX） 2013年ねん4月がつ - 2017年ねん（QX70）
ボディ
乗車じょうしゃ定員ていいん	5名めい
ボディタイプ	5ドアクロスオーバーSUV
エンジン位置いち	フロント
駆動くどう方式ほうしき	後こう輪わ駆動くどう / 四よん輪りん駆動くどう
プラットフォーム	FR-Lプラットフォーム
パワートレイン
エンジン	5.0 Lガソリン車しゃ VK50VE型がた 5,026 cc V型がた8気筒きとうDOHC 3.7 Lガソリン車しゃ VQ37VHR型がた 3,696 cc V型がた6気筒きとうDOHC 3.5 Lガソリン車しゃ VQ35HR型がた 3,498 cc V型がた6気筒きとうDOHC 3.0 Lディーゼル車しゃ V9X型がた 2,993 cc V型がた6気筒きとうDOHC
最高さいこう出力しゅつりょく	VK50VE型がた 291 kW (395 PS) / 6,500 rpm VQ37VHR型がた 239 kW (324 PS) / 7,000 rpm VQ35HR型がた 226 kW (307 PS) / 6,800 rpm V9X型がた 175 kW (238 PS)
最大さいだいトルク	VK50VE型がた 500 N·m (51.0 kgf·m) / 4,400 rpm VQ37VHR型がた 360 N·m (36.7 kgf·m) / 5,200 rpm VQ35HR型がた 355 N·m (36.2 kgf·m) / 4,800 rpm V9X型がた 550 N·m (56.1 kgf·m) / 1,750 - 2,500 rpm
変速へんそく機き	7速そくAT
前まえ	前まえ：ダブルウィッシュボーン 後ご：マルチリンク
後のち	前まえ：ダブルウィッシュボーン 後ご：マルチリンク
車両しゃりょう寸法すんぽう
ホイールベース	2,885 mm
全長ぜんちょう	4,860 mm
全幅ぜんぷく	1,925 mm
全ぜん高こう	1,680 mm
車両しゃりょう重量じゅうりょう	1,885 - 2,067 kg

2008年ねん3月4日にち、ジュネーブモーターショーのプレスデーにて新型しんがた「FX50」が発表はっぴょうされた。従来じゅうらいモデル同様どうよう、スポーツカーとSUVの要素ようそとを融合ゆうごうさせた上級じょうきゅうクロスオーバーモデルであり、2008年ねん6月より米国べいこく、同年どうねん10月がつより欧州おうしゅうにて発売はつばいされた。また、製造せいぞうは栃木とちぎ工場こうじょうに移管いかんされた。

尚なお、2014モデルより北米ほくべいを皮切かわきりに順次じゅんじ「インフィニティ・QX70」に改名かいめい。アメリカにおいては2017モデルを最後さいごに廃止はいしとなった。

デザイン

ロングノーズ・ショートオーバーハング、大だい径みち21インチホイール&タイヤの採用さいようによりスポーツカーらしいプロポーションを表現ひょうげん。エレガントさと力強ちからづよさを兼かね備そなえたボディラインの流ながれと、ダイナミックなアーチ型がたルーフのキャビン形状けいじょうが大おおきな特徴とくちょうとなっている。大胆だいたんな形状けいじょうを持もつフロントグリルや象徴しょうちょう的てきな形状けいじょうのヘッドランプやリヤコンビランプを採用さいようし、個性こせいをより際立きわだたせている。

最近さいきんのインフィニティ車しゃに共通きょうつうするダブルウェーブの流ながれを持もつインストルメントパネル形状けいじょうを特徴とくちょうとし、力強ちからづよい形状けいじょうのセンタークラスターや上質じょうしつな仕立したてのシートで快適かいてき性せいとスポーティ感かんを両立りょうりつさせている。

メカニズム

日産自動車にっさんじどうしゃとして初はつの7速そくオートマチックトランスミッションに、アダプティブシフトコントロール（ASC）やシンクロレブコントロールが採用さいようされた。

プラットフォームは初代しょだい同様どうようFR-Lプラットフォームが採用さいようされた。サスペンションは、フロントがダブルウィッシュボーン、リアがマルチリンクで、新しん開発かいはつのコンティニュアスダンピングコントロール（電子でんし制御せいぎょ式しきショックアブソーバー）とリヤアクティブステア（HICAS）が採用さいようされている。

その他た

「アラウンドビューモニター」、「インテリジェントクルーズコントロール（全ぜん車速しゃそく追従ついしょう機能きのう付づけ）」、「スクラッチシールド」などを標準ひょうじゅん装備そうび。北米ほくべい向むけにはV6エンジンのFX35も同時どうじに発表はっぴょうされ、FX50と同様どうよう、6月がつから販売はんばいされている。

また、欧州おうしゅう向むけでは、2008年ねん10月がつよりFX37およびFX50が発売はつばいされた。加くわえて2010年ねん夏なつには欧州おうしゅう市場いちばに、そして2012年ねん2月がつには韓国かんこく市場いちばにおいてもV9X型がたディーゼルエンジンを搭載とうさいしたFX30dを発売はつばい開始かいしした。インドネシアへも、2011年ねんのインフィニティブランド投入とうにゅうにあわせ右みぎハンドル仕様しようのFXがラインナップされた。

2012年ねん3月がつにはFX50をベースに、F1ドライバーのセバスチャン・ベッテルの意見いけんを取とり入いれた「セバスチャン・ベッテル・バージョン」を限定げんてい200台だいにて発売はつばい。エンジン出力しゅつりょくを420psとするなど、スペシャルチューンが施ほどこされている。

• 
  FX35

関連かんれん項目こうもく

• 日産自動車にっさんじどうしゃ
• インフィニティ
• 日産車体にっさんしゃたい
• 日産にっさん・FR-Lプラットフォーム

外部がいぶリンク

• インフィニティQX70 USサイト（英語えいご）
• インフィニティFX EUサイト（英語えいご）