(Translated by https://www.hiragana.jp/)
ウロカニン酸 - Wikipedia コンテンツにスキップ

ウロカニンさん

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
ウロカニンさん

transがたウロカニンさん
識別しきべつ情報じょうほう
CAS登録とうろく番号ばんごう 104-98-3, 7699-35-6 (cis/Zがた)
PubChem 11781549103 (cis/Zがた)
にち番号ばんごう J5.039C
J168.823E (cis/Zがた)
KEGG C00785
MeSH Urocanic+acid
特性とくせい
化学かがくしき C6H6N2O2
モル質量しつりょう 138.124 g/mol
融点ゆうてん

225°C

特記とっきなき場合ばあい、データは常温じょうおん (25 °C)・つねあつ (100 kPa) におけるものである。

ウロカニンさん(ウロカニンさん、Urocanic acid)は、L-ヒスチジン代謝たいしゃちゅうあいだたいの1つである。trans かたcis かたの1くみ幾何きか異性いせいたい存在そんざいする。動物どうぶつにおいて紫外線しがいせん防御ぼうぎょかかわる分子ぶんしの1つとしてもられる。

代謝たいしゃ[編集へんしゅう]

ヒスチジンアンモニアリアーゼ(またはヒスチダーゼ、ヒスチジナーゼ)によって、ヒスチジンからアミノもとを、アンモニアとして除去じょきょするによって合成ごうせいされる。

肝臓かんぞうでは、ウロカニンさんウロカニンさんヒドラターゼ(ウロカナーゼ)によってイミダゾール-4-オン-5-プロピオンさんいでグルタミン酸ぐるたみんさん変換へんかんされる。

臨床りんしょうてき意義いぎ[編集へんしゅう]

ウロカナーゼの遺伝いでんてき欠損けっそんにより、ウルカニンさん代謝たいしゃとどこおることで体内たいないにウロカニンさん蓄積ちくせきし、そのちゅう濃度のうどたかくなる。その結果けっか尿にょうちゅうにウロカニンさん異常いじょう濃度のうど排泄はいせつされるようになる。この症状しょうじょうウロカニンさん尿にょうしょう(Urocanic aciduria)としてられる。

機能きのう[編集へんしゅう]

ウロカニンさん動物どうぶつあせ皮膚ひふられ、UVB吸収きゅうしゅうすることによって、DNA損傷そんしょう防止ぼうしする作用さようがある。ウロカニンさんだい部分ぶぶん皮膚ひふ角質かくしつそう存在そんざいし、そのほとんどがフィラグリン異化いか(ヒスチジンリッチタンパクしつ派生はせいだとかんがえられている。UVBを照射しょうしゃしたときに、トランスウロカニンさんin vitroおよびin vivoではシスたい変化へんかする。このシスたいサプレッサーT細胞さいぼう活性かっせいすることられており、免疫めんえきのう低下ていかする[注釈ちゅうしゃく 1]。また、おなじくシスたいプロスタグランディンE2合成ごうせい誘導ゆうどうするため、皮膚ひふでの炎症えんしょう誘発ゆうはつされる。

なお、ウロカニンさんりょうは、たとえおなじヒトであってもおなじではなく、個体こたいられる。紫外線しがいせんたいするたいせいめる要因よういんはウロカニンさんだけではないものの、ウロカニンさんりょう紫外線しがいせんたいするたいせいめる要因よういんの1つではある。

歴史れきし[編集へんしゅう]

ウロカニンさんは1874ねんにM. Jafféによってイヌの尿にょうからはじめてたんはなされた[1]。ゆえに、ラテン語らてんご尿にょう意味いみする「urina」と、おなじくラテン語らてんごでイヌを意味いみする「canis」から、ウロカニンさん(Urocanic acid)と命名めいめいされた。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ なお、紫外線しがいせん曝露ばくろされたことによって、皮膚ひふ存在そんざいする抗原こうげん提示ていじ細胞さいぼうであるランゲルハンス細胞さいぼう機能きのう低下ていかすること免疫めんえきのう低下ていか原因げんいんである。また、UVBによってではなく、UVAが皮膚ひふ深部しんぶ到達とうたつしたことによってナチュラルキラー細胞さいぼう機能きのう低下ていかすることでも、免疫めんえきのう低下ていかする。

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ Jaffé, M. (1874) Concerning a new constituent in the urine of dogs. Ber. Deut. Chem. Ges. 7, 1669-1673.

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]