医療 いりょう 用 よう 超 ちょう 音波 おんぱ 検査 けんさ 装置 そうち (TOSHIBA SSA-270A)
超 ちょう 音波 おんぱ 検査 けんさ (ちょうおんぱけんさ、英語 えいご : ultrasonography, US echo )とは、超 ちょう 音波 おんぱ を対象 たいしょう 物 ぶつ に当 あ ててその反響 はんきょう を映像 えいぞう 化 か する画像 がぞう 検査 けんさ 法 ほう である。一般 いっぱん に「エコー検査 けんさ 」、略 りゃく して「エコー」とだけ呼 よ ばれることが多 おお い[1] 。超 ちょう 音波 おんぱ 検査 けんさ は非 ひ 侵 おかせ 襲 かさね 的 てき な検査 けんさ 手法 しゅほう である他 ほか に、X線画 せんが 像 ぞう 検査 けんさ などとは違 ちが って超 ちょう 音波 おんぱ 検査 けんさ には被曝 ひばく の心配 しんぱい がないため、放射線 ほうしゃせん 管理 かんり も不要 ふよう なので装置 そうち さえ用意 ようい すれば病室 びょうしつ でも行 おこな える上 うえ に、日 ひ を変 か えて検査 けんさ を何 なん 回 かい 行 おこな っても問題 もんだい ないこともあり医療 いりょう 分野 ぶんや で広 ひろ く利用 りよう されている。また近年 きんねん 、金属 きんぞく 材料 ざいりょう などを対象 たいしょう として、レーザー を用 もち いて超 ちょう 音波 おんぱ を励起 れいき ・計測 けいそく するレーザー超 ちょう 音波 おんぱ 計測 けいそく が行 おこな われる。肝臓 かんぞう 、胆嚢 たんのう 、膵臓 すいぞう 、腎臓 じんぞう 、脾臓 ひぞう 、心臓 しんぞう 、甲状腺 こうじょうせん 、乳腺 にゅうせん
、下肢 かし 血管 けっかん を主 おも な検査 けんさ 対象 たいしょう とするが、医師 いし の判断 はんだん で、胃 い や腸 ちょう 、膀胱 ぼうこう などの検査 けんさ も行 おこな われる[1] 。肝臓 かんぞう がん や乳 にゅう がん などでは、血 ち 流 りゅう を見 み る目的 もくてき で、造影 ぞうえい 剤 ざい を使用 しよう して超 ちょう 音波 おんぱ 検査 けんさ を行 おこな うこともある[2] 。本稿 ほんこう では、主 おも に医療 いりょう 用 よう 超 ちょう 音波 おんぱ 検査 けんさ について記述 きじゅつ する。
対象 たいしょう 物 ぶつ に探 さがせ 触 さわ 子 こ を当 あ てて超 ちょう 音波 おんぱ を発生 はっせい させ、反射 はんしゃ した超 ちょう 音波 おんぱ を受信 じゅしん し、画像 がぞう データとして処理 しょり する。超 ちょう 音波 おんぱ を発生 はっせい させると、ごく短 みじか い時間 じかん のうちに、その音 おと は対象 たいしょう 物 ぶつ の中 なか を進 すす んでいき、骨 ほね などの固 かた い組織 そしき に当 あ たると大 だい 部分 ぶぶん は反射 はんしゃ する
[注釈 ちゅうしゃく 1]
。また、組織 そしき の境界 きょうかい のように性状 せいじょう が変 か わる場所 ばしょ でも一部 いちぶ が反射 はんしゃ したり、散乱 さんらん が起 お こる。その後 ご 、体 からだ 表 ひょう まで戻 もど ってきた超 ちょう 音波 おんぱ を検知 けんち する。この時 とき 、超 ちょう 音波 おんぱ を発生 はっせい させてから、その超 ちょう 音波 おんぱ が体 からだ 表 ひょう まで戻 もど ってきた時間 じかん を計測 けいそく することで、体 からだ 表 ひょう からの反射 はんしゃ が起 お きた場所 ばしょ までの距離 きょり を知 し ることができる。なぜなら、音速 おんそく をv、超 ちょう 音波 おんぱ の反射 はんしゃ 点 てん までの距離 きょり をLとすると、組織 そしき 中 ちゅう の音速 おんそく を一定 いってい と仮定 かてい した場合 ばあい
[注釈 ちゅうしゃく 2]
、体 からだ 表 ひょう まで超 ちょう 音波 おんぱ が戻 もど ってくるのにかかる時間 じかん tは、
t
=
2
L
v
{\displaystyle t={2L \over v}}
と表 あらわ せるので、
L
=
t
v
2
{\displaystyle L={tv \over 2}}
と求 もと まるからである。基本 きほん 的 てき には、これを利用 りよう して生体 せいたい 内部 ないぶ の様子 ようす を可視 かし 化 か する。
ただし、超 ちょう 音波 おんぱ が探 さがせ 触 さわ 子 こ から放射 ほうしゃ されると、超 ちょう 音波 おんぱ は減衰 げんすい してゆくので、ある程度 ていど の強 つよ さの超 ちょう 音波 おんぱ を必要 ひつよう とする。しかしながら、超 ちょう 音波 おんぱ の強 つよ さを上 あ げ過 す ぎると、超 ちょう 音波 おんぱ が減衰 げんすい する時 とき に熱 ねつ を出 だ すため、この熱 ねつ によって生体 せいたい に打撃 だげき を与 あた える可能 かのう 性 せい がある。そして、約 やく 10 (W/cm)の強 つよ さだと、超 ちょう 音波 おんぱ のエネルギーそのものによって細胞 さいぼう そのものを破壊 はかい する
[3]
。
したがって、使 つか える超 ちょう 音波 おんぱ の強 つよ さには上限 じょうげん が存在 そんざい する。なお、約 やく 0.1 (W/cm)程度 ていど の強 つよ さまでの超 ちょう 音波 おんぱ であれば、超 ちょう 音波 おんぱ による加熱 かねつ 作用 さよう も問題 もんだい ないとされる
[3]
。
また、血 ち 流 りゅう のように動 うご きのある物 もの に対 たい してはドップラー効果 こうか を利用 りよう して、動 うご いている方向 ほうこう を調 しら べることも行 おこな われる。これを利用 りよう して、例 たと えば、心臓 しんぞう の拍 はく 出 で 量 りょう を調 しら べたり、血 ち 流 りゅう の逆流 ぎゃくりゅう が無 な いかを調 しら べたりすることができる。
基本 きほん 的 てき に超 ちょう 音波 おんぱ は液体 えきたい ・固体 こたい がよく伝 つた わり、気体 きたい は伝 つた わりにくい。そのため、液状 えきじょう 成分 せいぶん や軟体の描出 びょうしゅつ に優 すぐ れており、実質 じっしつ 臓器 ぞうき の描出 びょうしゅつ 能 のう が高 たか く、肺 はい ・消化 しょうか 管 かん の描出 びょうしゅつ 能 のう は低 ひく い。また、骨 ほね は表面 ひょうめん での反射 はんしゃ が強 つよ く骨 ほね 表面 ひょうめん などの観察 かんさつ に留 と まる。
探 さがせ 触 さわ 子 こ の種類 しゅるい [ 編集 へんしゅう ]
左 ひだり はセクタ型 がた 、中央 ちゅうおう がリニア型 がた 、右 みぎ がコンベックス型 がた の探 さがせ 触 さわ 子 こ の先端 せんたん 部 ぶ と、Bモードにおいて超 ちょう 音波 おんぱ ビームが発射 はっしゃ される方向 ほうこう のイメージ。
開発 かいはつ 当初 とうしょ のエコー検査 けんさ では、音波 おんぱ を一方向 いちほうこう のみに発射 はっしゃ するだけのものであったが、その後 ご 改良 かいりょう され、扇状 せんじょう に音波 おんぱ を発生 はっせい することで、対象 たいしょう 物 ぶつ の断面 だんめん 画像 がぞう がリアルタイムに見 み られるようになっている。
Linear型 がた (リニア型 がた )
体 からだ 表 ひょう へ接触 せっしょく させる超 ちょう 音波 おんぱ のビームを発射 はっしゃ する部分 ぶぶん は平面 へいめん である。ここから、その平面 へいめん に対 たい して垂直 すいちょく 方向 ほうこう のビームを、何 なん 本 ほん も発生 はっせい させる。つまり、超 ちょう 音波 おんぱ ビームの発射 はっしゃ 点 てん を、平面 へいめん 上 じょう において隈 くま なく移動 いどう させる方法 ほうほう で走査 そうさ している。よって、全 すべ ての超 ちょう 音波 おんぱ ビームは平行 へいこう である。したがって、特 とく にSector型 がた と比 くら べると、体 からだ 表 ひょう に近 ちか い部分 ぶぶん では広範囲 こうはんい に超 ちょう 音波 おんぱ ビームを当 あ てられる。このため、主 おも に体 からだ 表 ひょう に近 ちか い部分 ぶぶん に位置 いち する組織 そしき の検査 けんさ に用 もち いられ、例 たと えば、体 からだ 表 ひょう 近 ちか くの血管 けっかん や筋肉 きんにく 、乳腺 にゅうせん や甲状腺 こうじょうせん などを見 み るのに向 む く。
Sector型 がた (セクタ型 がた )
体 からだ 表 ひょう へ接触 せっしょく させる超 ちょう 音波 おんぱ のビームを発射 はっしゃ する部分 ぶぶん は、Linear型 がた などと比 くら べて狭 せま く小 ちい さい。この接触 せっしょく 部分 ぶぶん の1点 てん から超 ちょう 音波 おんぱ ビームを発射 はっしゃ する。そして、超 ちょう 音波 おんぱ ビームは角度 かくど を変 か えて次々 つぎつぎ と放射 ほうしゃ される。つまり、超 ちょう 音波 おんぱ ビームを発射 はっしゃ する角度 かくど を変 か える方法 ほうほう で走査 そうさ している。よって、いずれの超 ちょう 音波 おんぱ ビームも平行 へいこう ではない。したがって、体 からだ 表 ひょう に近 ちか い部分 ぶぶん は狭 せま い範囲 はんい にしか超 ちょう 音波 おんぱ ビームを当 あ てられないのに対 たい し、体 からだ 表 ひょう から遠 とお い部分 ぶぶん では広 ひろ い範囲 はんい に超 ちょう 音波 おんぱ ビームを当 あ てられる。また、Linear型 がた とは違 ちが って、Sector型 がた ならば超 ちょう 音波 おんぱ ビームが入 はい ってゆく場所 ばしょ は狭 せま くても問題 もんだい がない。超 ちょう 音波 おんぱ は骨 ほね に当 あ たると、そこで反射 はんしゃ して体 からだ 表 ひょう に戻 もど ってきてしまうものの、Sector型 がた なら、肋骨 あばらぼね の間 あいだ から、その向 む こう側 がわ へと超 ちょう 音波 おんぱ ビームを放射 ほうしゃ することも容易 ようい である。このため、例 たと えば肋骨 あばらぼね で囲 かこ まれた胸腔 きょうこう 内 ない の臓器 ぞうき を標的 ひょうてき とした超 ちょう 音波 おんぱ 検査 けんさ 、例 たと えば心臓 しんぞう 超 ちょう 音波 おんぱ 検査 けんさ などに用 もち いられる。なお、産婦人科 さんふじんか で用 もち いられる経 けい 膣 ちつ 超 ちょう 音波 おんぱ 検査 けんさ (英語 えいご 版 ばん ) も、超 ちょう 音波 おんぱ ビームの発射 はっしゃ 部分 ぶぶん 、つまり、探 さがせ 触 さわ 子 こ はSector型 がた のように小 ちい さくする必要 ひつよう が出 で てくる。
Convex型 がた (コンベックス型 がた )
体 からだ 表 ひょう へ接触 せっしょく させる超 ちょう 音波 おんぱ のビームを発射 はっしゃ する部分 ぶぶん は、緩 ゆる やかな凸面 とつめん である。このため、Linear型 がた と比 くら べて、凹凸 おうとつ のある体 からだ 表 ひょう にも密着 みっちゃく させやすい。しかも、接触 せっしょく 面 めん がさほど広 ひろ くなくとも、体 からだ 表 ひょう から離 はな れるにつれて超 ちょう 音波 おんぱ ビームが広 ひろ がってゆくので、体 からだ 表 ひょう から遠 とお い部分 ぶぶん では広 ひろ い範囲 はんい に超 ちょう 音波 おんぱ ビームを当 あ てられる。このため、主 おも に体 からだ 表 ひょう からの腹部 ふくぶ 超 ちょう 音波 おんぱ 検査 けんさ に用 もち いられる。
29週 しゅう の胎児 たいじ 頭部 とうぶ を3D 化 か した画像 がぞう 。
主 おも に、以下 いか の画像 がぞう モードがある。
受信 じゅしん したエコーを表現 ひょうげん するための方法 ほうほう はいくつかあるが、A(amplitude:振幅 しんぷく )モードとB(brightness:輝度 きど )モードが基本 きほん となっている。超 ちょう 音波 おんぱ は直進 ちょくしん 性 せい に優 すぐ れており、音響 おんきょう インピーダンスの異 こと なった物質 ぶっしつ 間 あいだ の境界 きょうかい 面 めん で反射 はんしゃ がおこり、受信 じゅしん するまでの時間 じかん を元 もと に物質 ぶっしつ までの位置 いち を計算 けいさん することが出来 でき る。
物質 ぶっしつ までの距離 きょり を横 よこ 軸 じく にとり、反射 はんしゃ したエコーの振幅 しんぷく を縦 たて 軸 じく にとったグラフがAモード像 ぞう である。原理 げんり としては重要 じゅうよう であるが、Aモードは実際 じっさい の検査 けんさ には、あまり用 もち いられない。
Aモードではエコーの振幅 しんぷく と位置 いち を表示 ひょうじ していたが、この振幅 しんぷく を点 てん の明 あか るさ(輝度 きど )として表示 ひょうじ したものがBモードである。1本 ほん の超 ちょう 音波 おんぱ ビームでは、一 いち 次元 じげん 像 ぞう しか得 え られないが、複数 ふくすう の超 ちょう 音波 おんぱ ビームを発生 はっせい させると二 に 次元 じげん 像 ぞう を作成 さくせい することが出来 でき る。単 たん に超 ちょう 音波 おんぱ 断層 だんそう 検査 けんさ と言 い った場合 ばあい にはBモードを指 さ すことが多 おお い。
M(Motion:動 うご き)モードとは、断面 だんめん 上 じょう のさらにある一直線 いっちょくせん 上 じょう に注目 ちゅうもく し、そこでの音波 おんぱ 反射 はんしゃ の経時 きょうじ 変化 へんか を画像 がぞう 化 か する検査 けんさ である。心臓 しんぞう の弁 べん や心筋 しんきん の動 うご きなど、動 うご きのある部位 ぶい を時 とき 系列 けいれつ で観察 かんさつ できるため、ドップラーエコーと同様 どうよう 心 しん エコーでの有用 ゆうよう 性 せい が高 たか い。
ドップラー効果 こうか によって、反射 はんしゃ した音波 おんぱ の周波数 しゅうはすう が変化 へんか することを利用 りよう して、物体 ぶったい がプローブに近 ちか づいているのか遠 とお ざかっているのかを判定 はんてい し画像 がぞう 評価 ひょうか できる。
ドップラーには、特定 とくてい 位置 いち の超 ちょう 音波 おんぱ ビームの周波数 しゅうはすう 変化 へんか を流速 りゅうそく に変換 へんかん しグラフ化 か するドップラーモードと、Bモード画像 がぞう 上 じょう に指定 してい した領域 りょういき での流速 りゅうそく 変化 へんか を色 いろ で表現 ひょうげん するカラードップラーモードがある。特 とく に心 しん エコーで、心臓 しんぞう の血 ち 流 りゅう を評価 ひょうか する際 さい に有用 ゆうよう である。
カラードップラーでは、「赤 あか 方偏 かたへん 移 うつり 」「青 あお 方偏 かたへん 移 うつり 」がそれぞれ「遠 とお ざかる」「近 ちか づく」場合 ばあい のドップラーシフトに当 あ たるが、医療 いりょう 用 よう 機器 きき では逆 ぎゃく に「近 ちか づく」「遠 とお ざかる」を表示 ひょうじ している。
カラードップラーに比較 ひかく して感度 かんど が高 たか い。一方 いっぽう 、フレームレートは落 お ち、分解能 ぶんかいのう も落 お ちる。
Bモード並 な みの分解能 ぶんかいのう とフレームレートを有 ゆう する表示 ひょうじ 方法 ほうほう 。
メーカーにより名称 めいしょう が異 こと なる。
新生児 しんせいじ をエコー検査 けんさ する様子 ようす
超 ちょう 音波 おんぱ が伝 つた わりやすいように、体 からだ の表面 ひょうめん に検査 けんさ 用 よう のゼリー を塗 ぬ り、超 ちょう 音波 おんぱ を出 だ す器械 きかい であるプローブをあてて検査 けんさ を行 おこな う。食事 しょくじ をすると臓器 ぞうき が見 み えなくなるため飲食 いんしょく は禁止 きんし [1] 。
主 おも に以下 いか のような検査 けんさ の種類 しゅるい がある。
腹部 ふくぶ 超 ちょう 音波 おんぱ 検査 けんさ [ 編集 へんしゅう ]
体 からだ 表 ひょう よりアプローチし、肝臓 かんぞう ・胆嚢 たんのう ・膵臓 すいぞう ・脾臓 ひぞう ・腎臓 じんぞう ・子宮 しきゅう ・卵巣 らんそう ・前立腺 ぜんりつせん 等 ひとし の腹部 ふくぶ の実質 じっしつ 臓器 ぞうき や妊娠 にんしん 中 なか の胎児 たいじ の評価 ひょうか を行 おこな う。また、胃 い ・大腸 だいちょう ・虫垂 ちゅうすい 等 ひとし の描写 びょうしゃ にも用 もち いられる。ただ、子宮 しきゅう ・卵巣 らんそう ・前立腺 ぜんりつせん 等 ひとし は体 からだ 表 ひょう 腹部 ふくぶ 超 ちょう 音波 おんぱ 検査 けんさ よりも経 けい 膣 ちつ ・経 けい 肛門 こうもん 超 ちょう 音波 おんぱ 検査 けんさ からの描出 びょうしゅつ の方 ほう が優 すぐ れている。
心臓 しんぞう 超 ちょう 音波 おんぱ 検査 けんさ [ 編集 へんしゅう ]
体 からだ 表 ひょう よりアプローチし、心臓 しんぞう ・大 だい 血管 けっかん の評価 ひょうか を行 おこな う。心 こころ 腔内に関 かん しては体 からだ 表 ひょう 心臓 しんぞう 超 ちょう 音波 おんぱ 検査 けんさ よりも経 けい 食道 しょくどう 心臓 しんぞう 超 ちょう 音波 おんぱ 検査 けんさ からの描出 びょうしゅつ の方 ほう が優 すぐ れている。
頸部超 ちょう 音波 おんぱ 検査 けんさ [ 編集 へんしゅう ]
体 からだ 表 ひょう よりアプローチし、頚部 けいぶ の甲状腺 こうじょうせん ・副 ふく 甲状腺 こうじょうせん ・頸動脈 みゃく ・頸静脈 じょうみゃく の評価 ひょうか を行 おこな う。
乳房 ちぶさ 超 ちょう 音波 おんぱ 検査 けんさ [ 編集 へんしゅう ]
体 からだ 表 ひょう よりアプローチし、乳房 ちぶさ の評価 ひょうか を行 おこな う。
血管 けっかん 超 ちょう 音波 おんぱ 検査 けんさ [ 編集 へんしゅう ]
体 からだ 表 ひょう よりアプローチし、腹腔 ふくこう 内 ない の大動脈 だいどうみゃく ・大 だい 静脈 じょうみゃく や上肢 じょうし ・下肢 かし の動脈 どうみゃく ・静脈 じょうみゃく の評価 ひょうか を行 おこな う。
経 けい 膣 ちつ 超 ちょう 音波 おんぱ 検査 けんさ [ 編集 へんしゅう ]
膣 ちつ 内 うち よりアプローチし、子宮 しきゅう ・卵巣 らんそう 等 ひとし の女性 じょせい 器 き の評価 ひょうか を行 おこな う。
運動 うんどう 器 き 超 ちょう 音波 おんぱ 検査 けんさ [ 編集 へんしゅう ]
体 からだ 表 ひょう よりアプローチして「筋 すじ 」「腱 けん 」などの形態 けいたい 診断 しんだん と機能 きのう 診断 しんだん を行 おこな う。
超 ちょう 音波 おんぱ 内視鏡 ないしきょう 検査 けんさ [ 編集 へんしゅう ]
軟性 なんせい 管 かん を用 もち いて上部 じょうぶ 消化 しょうか 管 かん や気管支 きかんし の腔内よりアプローチし、管 かん 壁 かべ や周囲 しゅうい 臓器 ぞうき の評価 ひょうか を行 おこな う。
その他 た の超 ちょう 音波 おんぱ 検査 けんさ [ 編集 へんしゅう ]
FAST(Focused Assessment with Sonography for Trauma)
外傷 がいしょう 患者 かんじゃ の場合 ばあい 、致死 ちし 的 てき な臓器 ぞうき 損傷 そんしょう の有無 うむ を即座 そくざ に評価 ひょうか するための迅速 じんそく 超 ちょう 音波 おんぱ 検査 けんさ 方法 ほうほう の名称 めいしょう 。これは心 しん 嚢、左右 さゆう 肋間 ろっかん 、モリソン窩 、ダグラス窩 、脾臓 ひぞう 周囲 しゅうい の6か所 しょ をすばやく超 ちょう 音波 おんぱ 検査 けんさ 施行 しこう し、腹腔 ふくこう 内 ない 出血 しゅっけつ がないことを確認 かくにん することである。出血 しゅっけつ 所見 しょけん により点数 てんすう 化 か し開腹 かいふく 手術 しゅじゅつ の必要 ひつよう 性 せい を評価 ひょうか できる。
超 ちょう 音波 おんぱ 装置 そうち を用 もち いた治療 ちりょう [ 編集 へんしゅう ]
超 ちょう 音波 おんぱ 装置 そうち を用 もち いた治療 ちりょう として集束 しゅうそく 超 ちょう 音波 おんぱ とドラッグデリバリーシステム (DDS)に関 かん して述 の べる。
集束 しゅうそく 超 ちょう 音波 おんぱ [ 編集 へんしゅう ]
強力 きょうりょく 集束 しゅうそく 超 ちょう 音波 おんぱ (High-Intensity Focused Ultrasound、HIFU)装置 そうち は標的 ひょうてき 部位 ぶい に体外 たいがい からピンポイントに超 ちょう 音波 おんぱ のエネルギーを集束 しゅうそく できる装置 そうち であり前立腺 ぜんりつせん 癌 がん 、子宮 しきゅう 筋腫 きんしゅ 、乳癌 にゅうがん に対 たい する低 てい 侵 おかせ 襲 かさね な治療 ちりょう 法 ほう として利用 りよう されている[4] 。これは強力 きょうりょく 超 ちょう 音波 おんぱ を癌 がん に集中 しゅうちゅう させることで焦点 しょうてん 部分 ぶぶん の温度 おんど を80度 ど 近 ちか くに熱 ねっ することで癌 がん 細胞 さいぼう を凝固 ぎょうこ させる治療 ちりょう 法 ほう である。本態 ほんたい 性 せい 振 ふ 戦 せん ではMRI ガイド下 か で経 けい 頭蓋 とうがい 的 てき に脳 のう 内 ない の視床 ししょう 腹中 ふくちゅう 間 あいだ 核 かく (Vim核 かく )にHIFUを照射 しょうしゃ し凝固 ぎょうこ させる治療 ちりょう 法 ほう が2019年 ねん より保険 ほけん 診療 しんりょう で可能 かのう となっている。超 ちょう 音波 おんぱ には照射 しょうしゃ 部位 ぶい を振動 しんどう させたりする機械 きかい 的 てき 作用 さよう と加熱 かねつ などを引 ひ き起 お こす熱 ねつ 的 てき 作用 さよう がある。これらは超 ちょう 音波 おんぱ の周波数 しゅうはすう や強度 きょうど により変化 へんか するものの、照射 しょうしゃ 強度 きょうど を高 たか くしていくと機械 きかい 的 てき 作用 さよう や熱 ねつ 的 てき 作用 さよう が増大 ぞうだい していく。この機械 きかい 的 てき 作用 さよう と熱 ねつ 的 てき 作用 さよう を利用 りよう して、HIFUで特定 とくてい の部位 ぶい を凝固 ぎょうこ させることが可能 かのう となる。
血液 けつえき 脳 のう 関門 かんもん を通過 つうか するDDS[ 編集 へんしゅう ]
集束 しゅうそく 超 ちょう 音波 おんぱ の超 ちょう 音波 おんぱ 照射 しょうしゃ エネルギーを徐々 じょじょ に下 さ げていくと熱 ねつ 的 てき 作用 さよう が低下 ていか して機械 きかい 的 てき 作用 さよう のみを利用 りよう することができる。この機会 きかい 的 てき 作用 さよう による組織 そしき の振動 しんどう は、組織 そしき 内 ない の毛細血管 もうさいけっかん の密着 みっちゃく 結合 けつごう を緩 ゆる めることで血管 けっかん 透過 とうか 性 せい の亢進 こうしん を導 みちび く。そのため集束 しゅうそく 超 ちょう 音波 おんぱ を用 もち いて血液 けつえき 脳 のう 関門 かんもん の透過 とうか 性 せい を亢進 こうしん させ、治療 ちりょう 薬 やく を脳 のう へ送達 そうたつ させる方法 ほうほう が考 かんが えられた。超 ちょう 音波 おんぱ 照射 しょうしゃ のみで血管 けっかん 透過 とうか 性 せい を亢進 こうしん させるためには超 ちょう 音波 おんぱ 照射 しょうしゃ 強度 きょうど が高 たか くなり組織 そしき 障害 しょうがい のリスクが高 たか まる[5] 。事実 じじつ 、1990年 ねん の報告 ほうこく では血液 けつえき 脳 のう 関門 かんもん の透過 とうか 性 せい を十分 じゅうぶん に高 たか めるには頭蓋骨 ずがいこつ 切除 せつじょ が必要 ひつよう であった[6] 。超 ちょう 音波 おんぱ 造影 ぞうえい 剤 ざい として利用 りよう されるマイクロバブル を併用 へいよう すると比較的 ひかくてき 低 ひく い超 ちょう 音波 おんぱ 強度 きょうど で超 ちょう 音波 おんぱ の機械 きかい 的 てき 作用 さよう を増強 ぞうきょう させることができる[7] 。
マイクロバブルに超 ちょう 音波 おんぱ を照射 しょうしゃ すると振動 しんどう (オシレーション)と圧 あつ 壊(キャビテーション)が誘導 ゆうどう される。マイクロバブルの振動 しんどう と圧 あつ 壊は細胞 さいぼう 膜 まく に作用 さよう し一過 いっか 性 せい の小 しょう 孔 あな を形成 けいせい し、細胞 さいぼう 外 がい の物質 ぶっしつ が細胞 さいぼう 内 ない に取 と り込 こ まれることが知 し られている。この作用 さよう をソノポレーションという。マイクロバブルを血管 けっかん 内 ない 投与 とうよ し体外 たいがい から超 ちょう 音波 おんぱ 照射 しょうしゃ すると組織 そしき の血管 けっかん 内 ない でマイクロバブルの振動 しんどう や圧 あつ 壊が誘導 ゆうどう され、周囲 しゅうい の血管 けっかん 内皮 ないひ 細胞 さいぼう 間 あいだ の密着 みっちゃく 結合 けつごう に作用 さよう して血管 けっかん 透過 とうか 性 せい を変化 へんか させることができるのではないかと考 かんが えられている[8] [9]
[10] [11] 。血液 けつえき 脳 のう 関門 かんもん の透過 とうか 性 せい の亢進 こうしん の持続 じぞく 時間 じかん は数時間 すうじかん で可逆 かぎゃく 的 てき と考 かんが えられている[12] 。代表 だいひょう 的 てき な研究 けんきゅう として下記 かき のようなものが挙 あ げられる。集束 しゅうそく 超 ちょう 音波 おんぱ を血液 けつえき 脳 のう 関門 かんもん に作用 さよう させ、乳癌 にゅうがん 治療 ちりょう 薬 やく の抗体 こうたい 医薬 いやく であるハーセプチン を脳 のう 内 ない に移行 いこう させたという研究 けんきゅう が知 し られている[13] 。脳腫瘍 のうしゅよう の患者 かんじゃ に集束 しゅうそく 超 ちょう 音波 おんぱ とマイクロバブルを用 もち いて抗癌剤 こうがんざい のドキソルビシン リポソームやテモゾロミド を脳腫瘍 のうしゅよう に送達 そうたつ させた報告 ほうこく がある[14] 。一方 いっぽう で集束 しゅうそく 超 ちょう 音波 おんぱ とマイクロバブルの併用 へいよう は無菌 むきん 性 せい 炎症 えんしょう を起 お こすという報告 ほうこく もあり副作用 ふくさよう が懸念 けねん される[15] 。
細胞 さいぼう 膜 まく を通過 つうか するDDS[ 編集 へんしゅう ]
治療 ちりょう 用 よう 超 ちょう 音波 おんぱ とマイクロバブルを併用 へいよう して細胞 さいぼう 外 がい の薬物 やくぶつ や遺伝子 いでんし を細胞 さいぼう 内 ない に導入 どうにゅう させることができる[16] [17] 。
医療 いりょう 以外 いがい での超 ちょう 音波 おんぱ 検査 けんさ [ 編集 へんしゅう ]
対象 たいしょう 物 ぶつ を破壊 はかい せずに、構造 こうぞう 内部 ないぶ の評価 ひょうか が行 おこな える非破壊 ひはかい 検査 けんさ として、広 ひろ く利用 りよう されている。またその検査 けんさ 方法 ほうほう において、超 ちょう 音波 おんぱ 探 さがせ 傷 きず 試験 しけん とSAT試験 しけん の2つに大別 たいべつ される。
超 ちょう 音波 おんぱ 探 さがせ 傷 きず 試験 しけん [ 編集 へんしゅう ]
英語 えいご : Ultrasonic Testing, UT とは、対象 たいしょう に直接 ちょくせつ 探 さがせ 触 さわ 子 こ を当 あ て評価 ひょうか を行 おこな う方法 ほうほう 。鉄 てつ 鋼構造物 こうこうぞうぶつ 、電力 でんりょく 、化学 かがく プラントなどにおいて構造 こうぞう 物 ぶつ 内部 ないぶ の欠陥 けっかん や減 げん 肉 にく 調査 ちょうさ を目的 もくてき に使用 しよう される。製作 せいさく 時 じ と経年 けいねん 変化 へんか をチェックする場合 ばあい があり、たとえば建設 けんせつ 物 ぶつ の欠陥 けっかん や老朽 ろうきゅう 化 か を測定 そくてい したり、材料 ざいりょう や部品 ぶひん の内部 ないぶ 検査 けんさ を行 おこな ったりする目的 もくてき で、超 ちょう 音波 おんぱ 検査 けんさ が実用 じつよう 化 か されている。日本 にっぽん では社団 しゃだん 法人 ほうじん 破壊 はかい 検査 けんさ 協会 きょうかい が、認定 にんてい 技術 ぎじゅつ 者 しゃ の資格 しかく を発効 はっこう している。鉄骨 てっこつ に関 かん しては、通称 つうしょう 「全 ぜん 鋼 はがね 連 れん 」の資格 しかく が求 もと められることが多 おお い。
英語 えいご : Scanning Acoustic Tomograph, SAT とは、水 みず などを媒体 ばいたい として対象 たいしょう を映像 えいぞう 化 か する方法 ほうほう 。探 さがせ 触 さわ 子 こ から対象 たいしょう へ水 みず を媒体 ばいたい として超 ちょう 音波 おんぱ を発振 はっしん し、その反射 はんしゃ もしくは透過 とうか の強弱 きょうじゃく にて内部 ないぶ 構造 こうぞう を映像 えいぞう 化 か する。金属 きんぞく 鋼材 こうざい の接合 せつごう 部 ぶ 、半導体 はんどうたい パッケージ 、ウェハー などの検査 けんさ に使用 しよう されている[18] [19] 。
リピッドバブル
帝京大学 ていきょうだいがく の丸山 まるやま らのグループは血 ち 中 ちゅう 安定 あんてい 性 せい や滞留 たいりゅう 性 せい に優 すぐ れたポリエチレングリコール (PEG)修飾 しゅうしょく リポソーム に眼科 がんか 領域 りょういき で使用 しよう されている眼 め 内 ない 長期 ちょうき 滞留 たいりゅう ガス(パーフルオロプロパン)を封入 ふうにゅう したバブル製剤 せいざい 、リピッドバブルを開発 かいはつ した[20] [21] 。リピッドバブルはもともとソノポレーションによる遺伝子 いでんし ・核酸 かくさん 導入 どうにゅう ツールとしての有効 ゆうこう 性 せい が報告 ほうこく されている。丸山 まるやま らはリピッドバブルと強力 きょうりょく 集束 しゅうそく 超 ちょう 音波 おんぱ の併用 へいよう で静脈 じょうみゃく 投与 とうよ されたエバンスブルーが脳 のう 内 ない に蓄積 ちくせき することが報告 ほうこく した[22] 。これは分子 ぶんし 量 りょう 67000程度 ていど の物質 ぶっしつ が血液 けつえき 脳 のう 関門 かんもん を通過 つうか することを意味 いみ する。この血液 けつえき 脳 のう 関門 かんもん の透過 とうか させる効果 こうか は一過 いっか 性 せい であった。蛍光 けいこう 標識 ひょうしき したデキストラン を用 もち いると2000kDaの分子 ぶんし まで透過 とうか 可能 かのう である。脳 のう へのさらなる導入 どうにゅう 効率 こうりつ 化 か を目指 めざ し、LRP1に対 たい する高 たか い親和 しんわ 性 せい を有 ゆう するペプチド配列 はいれつ であるAngiopep-2ペプチド[23] をリピッドバブル表面 ひょうめん 修飾 しゅうしょく ペプチドとして用 もち いる試 こころ みも行 おこな われている[24] 。
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ただし骨 ほね の囲 かこ まれた部分 ぶぶん への体 からだ 表 ひょう からの超 ちょう 音波 おんぱ 検査 けんさ が不可能 ふかのう というわけではない。例 たと えば、経 けい 頭蓋 とうがい 超 ちょう 音波 おんぱ 検査 けんさ と言 い って、頭皮 とうひ の上 うえ から探 さがせ 触 さわ 子 こ を当 あ てて、脳 のう の様子 ようす を探 さぐ る超 ちょう 音波 おんぱ 検査 けんさ も存在 そんざい する。Transcranial Doppler など、幾 いく つか種類 しゅるい がある。
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参考 さんこう までに、ヒトの組織 そしき を伝 つた わる音速 おんそく は組織 そしき によって異 こと なるものの、だいたい水中 すいちゅう を伝 つた わる音速 おんそく に近 ちか く、おおよそ1500 (m/秒 びょう )前後 ぜんこう である部分 ぶぶん が多 おお い。音速 おんそく が大 おお きく異 こと なる場所 ばしょ は、骨 ほね と気体 きたい が溜 た まっている場所 ばしょ である。なお、音速 おんそく は、骨 ほね では速 はや く、気体 きたい が溜 た まっている部分 ぶぶん では遅 おそ い。
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ME技術 ぎじゅつ 教育 きょういく 委員 いいん 会 かい 監修 かんしゅう 『MEの基礎 きそ 知識 ちしき と安全 あんぜん 管理 かんり (改訂 かいてい 第 だい 4版 はん )』 p.60 南江堂 なんこうどう 2002年 ねん 4月 がつ 20日 はつか 発行 はっこう ISBN 4-524-22408-4
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