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エタノールアミン

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
エタノールアミン
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識別しきべつ情報じょうほう
CAS登録とうろく番号ばんごう 141-43-5
PubChem 700
EC番号ばんごう 205-483-3
KEGG C00189
ChEBI
RTECS番号ばんごう KJ5775000
特性とくせい
化学かがくしき C2H7NO
モル質量しつりょう 61.08 g/mol
外観がいかん アンモニアにおいのするねば調ちょう無色むしょく液体えきたい
密度みつど 1.012 g/cm3
融点ゆうてん

10.3 °C

沸点ふってん

170 °C

みずへの溶解ようかい 均一きんいつ混和こんわ
蒸気じょうきあつ 25 Pa (20 °C)
危険きけんせい
安全あんぜんデータシート(外部がいぶリンク) モデルMSDS情報じょうほう
NFPA 704
2
3
0
Rフレーズ R20 R34 R36/37/38
Sフレーズ S26 S27 S36/37 S39 S45
引火いんかてん 85 °C c.c.
発火はっかてん 410 °C
爆発ばくはつ限界げんかい 5.5 - 17 %
許容きょよう曝露ばくろ限界げんかい 3 ppm
特記とっきなき場合ばあい、データは常温じょうおん (25 °C)・つねあつ (100 kPa) におけるものである。

エタノールアミン英語えいご: ethanolamine)、2-アミノエタノール(2-aminoethanol)ないしはモノエタノールアミン(monoethanolamine, りゃく:MEA)は、一級いっきゅうアミン(分子ぶんし構造こうぞうじょうではアミノもと)といちきゅうアルコール(同様どうようヒドロキシもと)の両方りょうほうゆうする有機ゆうき化合かごうぶつである。のアミン同様どうようにモノエタノールアミンもよわ塩基えんきとして作用さようする。エタノールアミンは毒性どくせい可燃かねんせい腐食ふしょくせい無色むしょくねば調ちょうよわアンモニアにおいがする液体えきたいである。エタノールアミンの屈折くっせつりつは1.4539である。消防しょうぼうほうさだめるだい4るい危険きけんぶつ だい3石油せきゆるい該当がいとうする[1]

一般いっぱんにエタノールアミンはジエタノールアミン(DEA)やトリエタノールアミン(TEA)と区別くべつする場合ばあいは、モノエタノールアミンないしはMEAとばれる。モノエタノールアミンは酸化さんかエチレンアンモニア反応はんのうさせて製造せいぞうされる。さらに酸化さんかエチレンが反応はんのうするとDEAやTEAがられる。エタノールアミンはリン脂質ししつ番目ばんめ豊富ほうふ頭部とうぶ構造こうぞうであり、それらは生体せいたいまくなかいだされる。

エタノールアミンはこうヒスタミンやく共通きょうつう構造こうぞうにおいて、ジフェニルメタン連結れんけつしているエチルアミン部分ぶぶんとしていだされる。たとえばジフェンヒドラミン(ドリエル)、フェニルトロキサミン(Percogesic)、ドキシラミン(Unisom、睡眠すいみん導入どうにゅうざいとう部分ぶぶん構造こうぞうである。これらはだいいち世代せだいこうヒスタミンやくであり、今日きょうでもアレルギー疾患しっかん有効ゆうこうである。しかし、スイッチOTC処方しょほう医薬品いやくひんロラタジン (クラリチン)やフェキソフェナジン(アレグラ)などあたらしいだい世代せだいこうヒスタミンやく登場とうじょうしている。だいいち世代せだいは、エタノールアミンにより血液けつえきのう関門かんもん通過つうかするので、バルビツールさんけい凌駕りょうがする鎮静ちんせい作用さようつ(あたらしいこうヒスタミンやくはそうではない)。この理由りゆうのため、エタノールアミン構造こうぞうこうヒスタミンやくつよ眠気ねむけ作用さようけることができるだい世代せだいこうヒスタミンやくがしばしば処方しょほうされる。ぎゃくに、この鎮静ちんせい作用さようつためだいいち世代せだいこうヒスタミンやくこうアレルギーやくとして以外いがいにも、睡眠すいみん導入どうにゅうざいとして薬局やっきょく薬店やくてん販売はんばいされている。

モノエタノールアミン(MEA)の利用りよう[編集へんしゅう]

MEAはさまざまな酸性さんせいガスの吸着きゅうちゃくざいとして水溶液すいようえき利用りようされる。あるいは界面かいめん活性かっせいざい乳化剤にゅうかざいみが医薬品いやくひん原料げんりょう防食ぼうしょくざい化成かせいひんとしても利用りようされる。また薬剤やくざい学的がくてきにはMEAは緩衝かんしょうざい乳化剤にゅうかざいとしてはらからだのまま利用りようされる。

MEA水溶液すいようえき都市としガスの吸着きゅうちゃくアミンとしてガス洗浄せんじょう利用りようされる。たとえば、はいガスから二酸化炭素にさんかたんそ(CO2)を除去じょきょするのにMEA水溶液すいようえき利用りようされる。水溶液すいようえき混合こんごうガスから特定とくてい成分せいぶん抽出ちゅうしゅつするのにも利用りようされる。すなわち、酸性さんせい成分せいぶん中和ちゅうわによりイオン化いおんかすることで水溶液すいようえき溶解ようかいする。低温ていおんのMEA水溶液すいようえき極性きょくせい物質ぶっしつであり、非常ひじょう安定あんていである。そのため、混合こんごうガスをガス洗浄せんじょうして酸性さんせいガスを除去じょきょするのに利用りようされる。スクラバ装置そうち(ガス洗浄せんじょう装置そうち)ではおおきな表面積ひょうめんせきでMEA水溶液すいようえき混合こんごうガスとを接触せっしょくさせ、硫化りゅうか水素すいそ(H2S)や二酸化炭素にさんかたんそ(CO2)のようなさん成分せいぶん選択せんたくてき除去じょきょする。すなわち、MEA水溶液すいようえきのようなアルカリ水溶液すいようえき使つかえば中和ちゅうわされて、H2Sは硫化りゅうか水素すいそイオン(HS-)として、二酸化炭素にさんかたんそ炭酸たんさん水素すいそイオン(HCO3-)として水溶液すいようえきちゅう存在そんざいする。

H2S や CO2弱酸じゃくさんせいのガスなので水酸化すいさんかナトリウム (NaOH)のようなつよアルカリ水溶液すいようえきでは一度いちど吸着きゅうちゃくしたガスを放出ほうしゅつすることができない。しかし、MEAはじゃく塩基えんきなので洗浄液せんじょうえき加熱かねつすることでH2S や CO2さい放出ほうしゅつすることができる。それ、MEA洗浄液せんじょうえき再生さいせい装置そうちにかけることでリサイクルされる。すなわち、MEA洗浄液せんじょうえき加熱かねつすると弱酸じゃくさんせいガスのみが遊離ゆうりがたになり放出ほうしゅつされてMEA溶液ようえき純度じゅんど復元ふくげんし、スクラバ装置そうちもどされさい利用りようされる。

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ 法規ほうき情報じょうほう (東京とうきょう化成かせい工業こうぎょう株式会社かぶしきがいしゃ)

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]