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エリトリトール

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エリトリトール
Skeletal formula of erythritol
Ball-and-stick model of the erythritol molecule{{{画像alt1}}}
識別しきべつ情報じょうほう
CAS登録とうろく番号ばんごう 149-32-6 ×
PubChem 222285
ChemSpider 192963 チェック
UNII RA96B954X6 チェック
E番号ばんごう E968 (その)
DrugBank DB04481
KEGG D08915 チェック
ChEBI
ChEMBL CHEMBL349605 チェック
特性とくせい
化学かがくしき C4H10O4
モル質量しつりょう 122.12 g mol−1
密度みつど 1.45 g/cm3
融点ゆうてん

121 °C, 394 K, 250 °F

沸点ふってん

329-331 ℃

磁化じかりつ −73.80·10−6 cm3/mol
危険きけんせい
NFPA 704
1
1
0
特記とっきなき場合ばあい、データは常温じょうおん (25 °C)・つねあつ (100 kPa) におけるものである。

エリトリトール(Erythritol)またはエリスリトールとは、化合かごうぶつおよびとうアルコール一種いっしゅである。食品しょくひん添加てんかぶつ砂糖さとうわりに使つかわれる。トウモロコシ原料げんりょうに、酵素こうそもちいて発酵はっこうさせて製造せいぞうする。化学かがくしきC4H10O4、 またはHO(CH2)(CHOH)2(CH2)OHである。

ショとうの60~70%のあまみをち、砂糖さとうちがいカロリーはほとんど[1]血糖けっとうには影響えいきょうあたえず[2]虫歯むしば原因げんいんになることも[3]。また、インスリン分泌ぶんぴつ促進そくしんしない[4]

歴史れきし

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1848ねんスコットランド化学かがくしゃ、ジョン・ステンハウス(John Stenhouse)がエリトリトールを発見はっけんした[5]1852ねんはじめてたんはなれ成功せいこうした。1950ねん酵母こうぼ発酵はっこうさせたはい糖蜜とうみつ(Blackstrap Molasses)としてつくられ、日本にっぽんにおいては「とうアルコール」として商品しょうひんされた[6]

エリトリトールの結晶けっしょう

自然しぜん発生はっせい

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エリトリトールは、一部いちぶ果物くだもの発酵はっこう食品しょくひん自然しぜんふくまれる[7]

服用ふくよう安全あんぜんせい

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エリトリトールを使つかってあまくしたお菓子かし

1990ねん以降いこう、エリトリトールはものものにおいて調味ちょうみりょう甘味あまみりょうとして安全あんぜん使用しよう可能かのうであるとし、60をえるくに政府せいふ機関きかん承認しょうにんされている[8]。コーヒー、紅茶こうちゃ液体えきたい栄養えいよう補助ほじょ食品しょくひん混合こんごうジュース、さけのぞもの香料こうりょう、ビスケット、クッキー、卓上たくじょう甘味あまみりょうとうのチューインガム、ふう味付あじつ飲料いんりょうすいにももちいられる[8]。エリトリトールを摂取せっしゅするとちゅう急速きゅうそく吸収きゅうしゅうされるが、経口けいこう投与とうよだい部分ぶぶん(80~90%)は24時間じかん以内いない尿にょうちゅう排泄はいせつされる[8]

エリトリトールの安全あんぜんせいについて、科学かがくしゃは、過剰かじょう放屁ほうひ腹部ふくぶ膨張ぼうちょういたみ、便びん頻度ひんど、・・・エリトリトールをどの程度ていど摂取せっしゅするとこれらの胃腸いちょう不調ふちょう発生はっせいするのかについて査定さていした。含有がんゆうりょうが1.6%であれば、下剤げざい効果こうか発生はっせいしなかった[8]許容きょよう範囲はんいない摂取せっしゅりょう上限じょうげんは、成人せいじん子供こどもとでそれぞれ0.78g/kg標準ひょうじゅん体重たいじゅう、0.71g/kg標準ひょうじゅん体重たいじゅうであった[8]欧州おうしゅう食品しょくひん安全あんぜん機関きかん(European Food Safety Authority)の科学かがく委員いいんかいは、ものおよびものにおけるエリトリトールの摂取せっしゅ上限じょうげんりょうについて、0.6g/kg標準ひょうじゅん体重たいじゅう推奨すいしょうした[8]

危険きけんせい

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2023ねん糖尿とうにょうびょうなどこころ疾患しっかん危険きけんともな基礎きそ疾患しっかんがあるひとは、ちゅうのエリトリトール濃度のうどたか場合ばあい心臓しんぞう発作ほっさ脳卒中のうそっちゅうのリスクが2ばいになると示唆しさする研究けんきゅう発表はっぴょうされた[9]

食事しょくじ代謝たいしゃ

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カロリーと標識ひょうしき

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エリトリトールの栄養えいよう表示ひょうじについてはくにによってことなる。日本にっぽん一部いちぶ欧州おうしゅう連合れんごう加盟かめいこくでは、「ゼロカロリー」と表記ひょうきされている[10]アメリカ食品しょくひん医薬品いやくひんきょく(The Food and Drug Administration, FDA)による表示ひょうじ要件ようけんは、カロリー数値すうちは0.2kcal/gである。FDAは、一般いっぱんみとめられているエリトリトールの安全あんぜんせいについては独自どくじ判定はんていくだしてはいないが、複数ふくすう食品しょくひん製造せいぞう会社かいしゃから提出ていしゅつされたエリトリトールにたいして「GRAS」(「Generally Recognized As Safe」, 「おおむね安全あんぜんである、とみとめられる」)と認定にんていしている[11]

消化しょうか

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エリトリトールは小腸しょうちょうないりゅうおおむ吸収きゅうしゅうされ、その代謝たいしゃされずに尿にょうとして排泄はいせつされ、10%ほどののこりは大腸だいちょうちょうない微生物びせいぶつによる発酵はっこうけてたんくさり脂肪酸しぼうさん転換てんかんされる[12][13]少量しょうりょうであれば、とうアルコール(マルチトール、ソルビトール、キシリトール、ラクチトール)を摂取せっしゅしたときおなじく、ガス、膨満かん下剤げざい効果こうかこることはない[14]摂取せっしゅしたエリトリトールの90%は大腸だいちょう到達とうたつまえ吸収きゅうしゅうされるが、のこりの10%は、ちょうない細菌さいきんには消化しょうかされずに排泄はいせつされる[12]

大量たいりょう摂取せっしゅした場合ばあい可能かのうせいとして、悪心あくしんちょう蠕動ぜんどうおとみずさま便びんがある[15]男性だんせいでは0.66g/kg標準ひょうじゅん体重たいじゅう以上いじょう女性じょせいでは0.8g/kg標準ひょうじゅん体重たいじゅう以上いじょう摂取せっしゅすると、とも便通べんつう反応はんのう[16]、50g以上いじょう摂取せっしゅすると下痢げりうなが[15]まれアレルギあれるぎせい膨疹こす[17]。また、特定とくてい果物くだものとの合併がっぺい症例しょうれい報告ほうこくされている[18]

血糖けっとうとインスリン

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エリトリトールは、血糖けっとうにもちゅうインスリン濃度のうどにも影響えいきょうあたえない[19][20]。それゆえに糖尿とうにょうびょう患者かんじゃにとって、有用ゆうよう砂糖さとう代替だいたいとなる可能かのうせいがある[6]ブドウ糖ぶどうとうを100とした場合ばあいGIIIinsulinaemic index)はそれぞれ、0と2である。

口腔こうくうない細菌さいきん

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エリトリトールはやさしい甘味あまみりょうである。口腔こうくうない細菌さいきんはエリトリトールを代謝たいしゃできず、う蝕原因げんいんにもならない[3][20]。それだけでなく、キシリトールおなじく、連鎖れんさ球菌きゅうきんたいして抗菌こうきん作用さようち、歯垢しこうらし、虫歯むしばふせ可能かのうせいがある[20]

製造せいぞう

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工業こうぎょう生産せいさんにおいてエリトリトールは、トウモロコシデンプンから加水かすい分解ぶんかい触媒しょくばいにしブドウ糖ぶどうとう生成せいせいするために酵素こうそもち[21]ブドウ糖ぶどうとうをモニリエラ・トメントサ・バール・ポリニス、オーレオバシディウム、カンジダ・マグノリアエとう菌株きんしゅ発酵はっこうさせて製造せいぞうする。には電気でんき化学かがく合成ごうせいによる製造せいぞう開発かいはつちゅうである[22][11][23]ヤロウイア・リポリティカ変異へんいかぶは、発酵はっこうによるエリトリトール生産せいさんさいとくされており、炭素たんそげんグリセロール使用しようし、そのたか浸透しんとうあつにより生成せいせいりつが62%まで増加ぞうかする[24]

冷却れいきゃく作用さよう

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エリトリトールには強力きょうりょく冷却れいきゃく作用さようがある(溶解ようかいによりねつ吸収きゅうしゅうする、すなわちせい溶解ようかいねつによる物理ぶつりてき作用さよう[25]。これはハッカ風味ふうみによる冷却れいきゃく作用さようもっぱ生理せいりてき作用さようである:メントール#生理せいり作用さよう参照さんしょう)としばしば対比たいひされる。この冷却れいきゃく作用さようは、みずっていない状態じょうたいでのみ存在そんざいし、糖衣とうい、チョコレート・バー、チューインガム、ハード・キャンディをエリトリトールであまくすると発生はっせいする可能かのうせいてくる。エリトリトールが冷却れいきゃく作用さようは、キシリトールによるそれとよくており、すべてのとうアルコールのなかでももっと強力きょうりょく冷却れいきゃく作用さようしめ[26]。エリトリトールのさん解離かいり定数ていすう(Acid dissociation constant)は18°Cで13.903である[27]

生物せいぶつがくてき特性とくせい

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エリトリトールはキイロショウジョウバエにとっては有効ゆうこうとうしつ存在そんざいするにもかかわらず、有毒ゆうどくせいあらわし、寿命じゅみょうちぢむことが証明しょうめいされた。エリトリトールは人体じんたい安全あんぜん害虫がいちゅう駆除くじょざいとしても使用しようできる可能かのうせいがあることを示唆しさしている[28]

エリトリトールはブルセラぞくきん優先ゆうせんてき消費しょうひする。山羊やぎうしぶた胎盤たいばん内部ないぶにエリトリトールが存在そんざいすることについて、ここにブルセラぞくきん蓄積ちくせきしていることへの説明せつめいとして提示ていじされている[29]

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19世紀せいきから20世紀せいき初頭しょとうにかけて、エリトリトールには、「erythrol」「erythrite」「erythoglucin」「eryglucin」「erythromanniteaphycite」・・・これらの同義語どうぎごもちいられてきた[30]

Zerose」は、エリトリトールの商標しょうひょうめいである[31]

参考さんこう

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関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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