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オールラウンダー (自転車じてんしゃ競技きょうぎ)

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出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア（Wikipedia）』

自転車じてんしゃ競技きょうぎのロードレースにおけるオールラウンダーとは、山岳さんがくコース、タイムトライアルのいずれも 弱点じゃくてんなく、ステージレースやグランツールでエース格かくになるタイプの選手せんしゅ[1]。

特徴とくちょう[編集へんしゅう]

上のぼり、平地ひらち、タイムトライアルのいずれにおいても平均へいきん以上いじょうの実力じつりょくを持もつ。一流いちりゅう選手せんしゅともなれば、クライマーと同等どうとう以上いじょうの登坂とさか能力のうりょくとタイムトライアルスペシャリストに匹敵ひってきする独走どくそう力りょくを併あわせ持もっていることもあるが、連続れんぞくした超ちょう級きゅう山岳さんがくや長距離ちょうきょりのタイムトライアルでは、特とく化か型がたの選手せんしゅには一いち歩ほ劣おとる（あくまで山やまと平地ひらちを両立りょうりつさせた選手せんしゅであるため）。

ステージレースにおいては、タイムトライアルと山岳さんがくステージでほかの選手せんしゅに差さをつけ、平地ひらちのレースではステージ優勝ゆうしょう争あらそいをするスプリンターと同おなじ集団しゅうだんでゴールする（順位じゅんい差さはつくがタイム差さはつかない）という戦たたかい方かたが基本きほんであるためスプリント能力のうりょくは特とくに要求ようきゅうされない。ただしステージ順位じゅんい上位じょうい3人にんにボーナスタイムが付つくレースではスプリント力りょくが総合そうごう成績せいせき争あらそいにおいて武器ぶきになることもある。 ただ、代表だいひょう格かくであるエディ・メルクスやベルナール・イノーはツール・ド・フランスにおいて総合そうごう優勝ゆうしょうとスプリント賞しょうを同時どうじ獲得かくとくしたことがあり、またショーン・ケリーやランス・アームストロングのようにスプリンターとしてデビューし、後のちにオールラウンダーに転向てんこうした選手せんしゅもいることなどから分わかるように、スプリントが全まったく出来できないわけではない選手せんしゅもいる。しかし、ゴールスプリントでは混戦こんせんになる事ことが多おおいため、落車の危険きけんや足あしに負担ふたんのかかるスプリントを避さける場合ばあいが多おおい（総合そうごう優勝ゆうしょうを狙ねらう選手せんしゅはゴールスプリントになった場合ばあい、ステージ優勝ゆうしょうを譲ゆずるという暗黙あんもくの了解りょうかいがあることも一因いちいん）。

レースでの役割やくわり[編集へんしゅう]

グランツールと呼よばれるツール・ド・フランス、ジロ・デ・イタリア、ブエルタ・ア・エスパーニャの三さん大だいレースを筆頭ひっとうとしたステージレースでは、エースとして総合そうごう優勝ゆうしょうを狙ねらうほか、山岳さんがくステージやタイムトライアルステージでのステージ優勝ゆうしょうも狙ねらう。

ワンデイレースにおいては、リエージュ～バストーニュ～リエージュやアムステルゴールドレースなどアップダウンの激はげしいコース設定せっていがされたレースでエースを務つとめる。

代表だいひょう的てきな選手せんしゅ[編集へんしゅう]

2020年代ねんだい以降いこうの選手せんしゅ[編集へんしゅう]

ジロ・デ・イタリア総合そうごう優勝ゆうしょう2回かい (2013, 2016)、ツール・ド・フランス総合そうごう優勝ゆうしょう1回かい (2014)、ブエルタ・ア・エスパーニャ総合そうごう優勝ゆうしょう1回かい (2010)、 ティレーノ〜アドリアティコ総合そうごう優勝ゆうしょう2回かい (2012,2013)、 イル・ロンバルディア優勝ゆうしょう2回かい (2015,2017) ミラノ〜サンレモ優勝ゆうしょう1回かい (2018)
史上しじょう6人にん目めの3大だいツール制覇せいは者しゃ。
2022年ねん引退いんたい。
ブエルタ・ア・エスパーニャ総合そうごう優勝ゆうしょう1回かい (2009)、世界せかい選手権せんしゅけんロード優勝ゆうしょう1回かい（2018）、UCIプロツアーチャンピオン2回かい (2006, 2008)、UCIワールドツアーチャンピオン2回かい (2014, 2015)
リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ優勝ゆうしょう4回かい (2006,2008,2015,2017)。
2022年ねん引退いんたい。

過去かこの選手せんしゅ[編集へんしゅう]

  • グレッグ・レモン（アメリカ）
    • ツール・ド・フランス総合そうごう優勝ゆうしょう3回かい (1986, 1989, 1990)、世界せかい選手権せんしゅけん個人こじんロード優勝ゆうしょう2回かい (1983, 1989)。
  • ジーノ・バルタリ（イタリア）
    • ジロ・デ・イタリア総合そうごう優勝ゆうしょう3回かい (1936, 1937, 1946)、ツール・ド・フランス総合そうごう優勝ゆうしょう2回かい (1938, 1948)。
  • ファウスト・コッピ（イタリア）
    • ジロ・デ・イタリア総合そうごう優勝ゆうしょう5回かい (1940, 1947, 1949, 1952, 1953)、ツール・ド・フランス総合そうごう優勝ゆうしょう2回かい (1949, 1952)、世界せかい選手権せんしゅけん個人こじんロード優勝ゆうしょう1回かい (1953)、史上しじょう初はつのダブルツール達成たっせい者しゃ。
  • ミゲル・インドゥライン（スペイン）
    • ツール・ド・フランス5連覇れんぱ (1991-1995)、ジロ・デ・イタリア総合そうごう優勝ゆうしょう2回かい (1992, 1993)、史上しじょう唯一ゆいいつの2年ねん連続れんぞくダブルツール達成たっせい者しゃ。
  • ヤン・ウルリッヒ（ドイツ）
    • ツール・ド・フランス総合そうごう優勝ゆうしょう1回かい (1997)、総合そうごう2位い5回かい (1996, 1998, 2000, 2001, 2003)、ブエルタ・ア・エスパーニャ総合そうごう優勝ゆうしょう1回かい (1999)。
  • ジャック・アンクティル（フランス）
    • ツール・ド・フランス総合そうごう優勝ゆうしょう5回かい (1957, 1961-1964)、ジロ・デ・イタリア総合そうごう優勝ゆうしょう2回かい (1960-1964)、ブエルタ・ア・エスパーニャ総合そうごう優勝ゆうしょう1回かい (1963)、史上しじょう初はつの3大だいツール制覇せいは者しゃ。
  • ベルナール・イノー（フランス）
    • ツール・ド・フランス総合そうごう優勝ゆうしょう5回かい (1978, 1979, 1981, 1982, 1985)、ジロ・デ・イタリア総合そうごう優勝ゆうしょう3回かい (1980, 1982, 1985)、ブエルタ・ア・エスパーニャ総合そうごう優勝ゆうしょう2回かい (1978, 1983)、世界せかい選手権せんしゅけん個人こじんロード優勝ゆうしょう1回かい (1980)。
  • エディ・メルクス（ベルギー）
    • ツール・ド・フランス総合そうごう優勝ゆうしょう5回かい (1969-1972, 1974)、ジロ・デ・イタリア総合そうごう優勝ゆうしょう5回かい (1968, 1970, 1972-1974)、ブエルタ・ア・エスパーニャ総合そうごう優勝ゆうしょう1回かい (1973)、世界せかい選手権せんしゅけん個人こじんロード優勝ゆうしょう3回かい(1967, 1971, 1974)、史上しじょう最多さいたの3度どのダブルツール達成たっせい者しゃ、史上しじょう初はつのトリプルクラウン達成たっせい者しゃ。
  • ジャンニ・ブーニョ（イタリア）
    • ジロ・デ・イタリア総合そうごう優勝ゆうしょう1回かい (1990)、世界せかい選手権せんしゅけん個人こじんロード優勝ゆうしょう2回かい (1991, 1992)。
  • ステファン・ロシュ（アイルランド）
    • ジロ・デ・イタリア総合そうごう優勝ゆうしょう1回かい (1987)、ツール・ド・フランス総合そうごう優勝ゆうしょう1回かい (1987)、世界せかい選手権せんしゅけん個人こじんロード優勝ゆうしょう1回かい (1987)、史上しじょう2人にん目めのトリプルクラウン達成たっせい者しゃ。
  • デニス・メンショフ（ロシア）
    • ジロ・デ・イタリア総合そうごう優勝ゆうしょう1回かい (2009)、ブエルタ・ア・エスパーニャ総合そうごう優勝ゆうしょう2回かい (2005, 2007)。
  • カデル・エヴァンス（オーストラリア）
    • ツール・ド・フランス総合そうごう優勝ゆうしょう1回かい (2011)、2007年ねんUCIプロツアーチャンピオン。世界せかい選手権せんしゅけん個人こじんロード優勝ゆうしょう1回かい (2009)
  • アレクサンドル・ヴィノクロフ（カザフスタン）
    • ブエルタ・ア・エスパーニャ総合そうごう優勝ゆうしょう1回かい (2006)
  • イヴァン・バッソ（イタリア）
    • ジロ・デ・イタリア総合そうごう優勝ゆうしょう2回かい (2006, 2010)　
  • リーヴァイ・ライプハイマー（アメリカ）
  • アンドレアス・クレーデン（ドイツ）
  • ランス・アームストロング（アメリカ）
    • 世界せかい選手権せんしゅけん個人こじんロード優勝ゆうしょう1回かい (1993)。
  • アルベルト・コンタドール（スペイン）
    • ジロ・デ・イタリア総合そうごう優勝ゆうしょう2回かい (2008, 2015)、ツール・ド・フランス総合そうごう優勝ゆうしょう2回かい (2007, 2009)、ブエルタ・ア・エスパーニャ総合そうごう優勝ゆうしょう3回かい (2008, 2012, 2014)。
史上しじょう5人にん目めの3大だいツール制覇せいは者しゃ。2009年ねんUCIワールドランキングチャンピオン。
2010年ねんツール・ド・フランス、2011年ねんジロ・デ・イタリアの総合そうごう優勝ゆうしょうはドーピング問題もんだいに関連かんれんして剥奪はくだつされた。
  • ブラッドリー・ウィギンス（イギリス）
    • ツール・ド・フランス総合そうごう優勝ゆうしょう1回かい (2012)、世界せかい選手権せんしゅけん個人こじんTT優勝ゆうしょう1回かい (2014)、ロンドンオリンピック個人こじんTT優勝ゆうしょう (2012)
  • サムエル・サンチェス（スペイン）
    • 北京ぺきんオリンピック個人こじんロード優勝ゆうしょう (2008)

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ 『ciclissimo 2021 No.64 選手せんしゅ名鑑めいかん2021』八重洲出版やえすしゅっぱん、2021年ねん、020頁ぺーじ。

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

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