カバジタキセル

カバジタキセル

IUPAC命名めいめい法ほうによる物質ぶっしつ名めい
IUPAC名めい (1S,2S,3R,4S,7R,9S,10S,12R,15S)-4-(Acetyloxy)-15-{[(2R,3S)-3-{[(tert-butoxy)carbonyl]amino}-2-hydroxy-3-phenylpropanoyl]oxy}-1-hydroxy-9,12-dimethoxy-10,14,17,17-tetramethyl-11-oxo-6-oxatetracyclo[11.3.1.03,10.04,7]heptadec-13-ene-2-yl benzoate
臨床りんしょうデータ
ライセンス	US FDA:リンク
胎児たいじ危険きけん度ど分類ぶんるい	US: D
法的ほうてき規制きせい	US: ℞-only
投与とうよ経路けいろ	点滴てんてき静せい注ちゅう
識別しきべつ
CAS番号ばんごう	183133-96-2
ATCコード	None
PubChem	CID: 9854073
DrugBank	DB06772
KEGG	D09755
化学かがく的てきデータ
化学かがく式しき	C45H57NO14
分子ぶんし量りょう	835.93 g/mol
SMILES CC1=C2C(C(=O)C3(C(CC4C(C3C(C(C2(C)C)(CC1OC(=O)C(C(C5=CC=CC=C5)NC(=O)OC(C)(C)C)O)O)OC(=O)C6=CC=CC=C6)(CO4)OC(=O)C)OC)C)OC
InChI InChI=1S/C45H57NO14/c1-24-28(57-39(51)33(48)32(26-17-13-11-14-18-26)46-40(52)60-41(3,4)5)22-45(53)37(58-38(50)27-19-15-12-16-20-27)35-43(8,36(49)34(55-10)31(24)42(45,6)7)29(54-9)21-30-44(35, 23-56-30)59-25(2)47/h11-20,28-30,32-35,37,48,53H,21-23H2,1-10H3,(H,46,52)/t28-,29-,30+,32-,33+,34+,35-,37-,43+,44-,45+/m0/s1  Key:BMQGVNUXMIRLCK-OAGWZNDDSA-N

カバジタキセル (Cabazitaxel) は、サノフィが開発かいはつしたタキサン骨格こっかくを持もつ抗こうがん剤ざいであり、微小びしょう管かんの脱だつ重合じゅうごうを阻害そがいすることにより腫瘍しゅよう縮小しゅくしょう効果こうかを発揮はっきする。商品しょうひん名めいジェブタナ。開発かいはつコードXRP-6258。

米国べいこく、欧州おうしゅうでホルモン治療ちりょう抵抗ていこう性せい前立腺ぜんりつせん癌がんへの適応てきおうが認みとめられている。

2014年ねん7月がつ4日にち、日本にっぽんにおいても「前立腺ぜんりつせん癌がん」を対象たいしょう効能こうのう・効果こうかとして承認しょうにんされた。

他たのタキサンよりもP糖とうタンパク質たんぱくしつへの親和しんわ性せいが低ひくいので、他たのタキサンに耐たい性せいの腫瘍しゅように対たいして奏効そうこうする可能かのう性せいがある他ほか、血液けつえき脳のう関門かんもんを通過つうかする。

臨床りんしょう試験しけん

第だいIII相しょう臨床りんしょう試験しけんには755人にんの去勢きょせい抵抗ていこう性せい前立腺ぜんりつせん癌がん患者かんじゃが登録とうろくされた。中央ちゅうおう生存せいぞん期間きかんはカバジタキセル群ぐんが15.1ヶ月かげつ、対照たいしょう群ぐん（ミトキサントロン）が 12.7ヶ月かげつであった。

カバジタキセル群ぐんではグレード3および4の好こう中ちゅう球だま減少げんしょう症しょうが81.7%の患者かんじゃに発現はつげんした。一方いっぽうのミトキサントロン群ぐんでは58%であった。

副作用ふくさよう

本ほん剤ざいの過敏かびん反応はんのうを軽減けいげんさせるために、本ほん剤ざい投与とうよに先立さきだって、抗こうヒスタミン薬やく、副腎ふくじん皮質ひしつホルモン、ヒスタミンH2受容じゅよう体たい拮抗きっこう薬やくなどの前ぜん投与とうよが必要ひつようである。

また、重大じゅうだいな副作用ふくさようとして、下記かきの副作用ふくさようが挙あげられている。（頻度ひんど未み記載きさいは頻度ひんど不明ふめい）

• 骨髄こつづい抑制よくせい（好こう中ちゅう球だま減少げんしょう症しょう(30.1%)、発熱はつねつ性せい好こう中ちゅう球だま減少げんしょう症しょう(12.5%)、貧血ひんけつ(10.6%)、白血球はっけっきゅう減少げんしょう症しょう(7.0%)、リンパ球だま減少げんしょう症しょう(0.2%)、血小板けっしょうばん減少げんしょう症しょう(5.5%)、好こう中ちゅう球だま減少げんしょう性せい敗血症はいけつしょう(0.7%)、敗血症はいけつしょう性せいショック(0.7%)など）、
• 感染かんせん症しょう(16.1%)、播種はしゅ性せい血管けっかん内ない凝固ぎょうこ症候群しょうこうぐん(DIC)、静脈じょうみゃく血ち栓塞せんそく栓せん症しょう(1.2%)、
• 腎不全じんふぜん(1.0%)、肝不全かんふぜん、肝きも機能きのう障害しょうがい、急性きゅうせい膵炎、不整脈ふせいみゃく(1.0%)、心不全しんふぜん、心筋梗塞しんきんこうそく、
• 消化しょうか管かん出血しゅっけつ(1.0%)、消化しょうか管かん穿孔せんこう、イレウス(0.2%)、重じゅう篤あつしな腸ちょう炎えん(0.5%)、重じゅう篤あつしな下痢げり(5.1%)、
• 心こころタンポナーデ、浮腫ふしゅ(3.9%)、体液たいえき貯留ちょりゅう、アナフィラキシーショック、
• 末梢まっしょう神経しんけい障害しょうがい、皮膚ひふ粘膜ねんまく眼め症候群しょうこうぐん（Stevens-Johnson症候群しょうこうぐん）、間あいだ質しつ性せい肺はい疾患しっかん（肺臓はいぞう炎えん、急性きゅうせい呼吸こきゅう窮迫きゅうはく症候群しょうこうぐんなど）

日本にっぽん国内こくないで実施じっしされた第だいI相あい臨床りんしょう試験しけんでは、好こう中ちゅう球だま減少げんしょう、貧血ひんけつ、白血球はっけっきゅう減少げんしょうの発現はつげん率りつはいずれも100%、リンパ球だま減少げんしょう 88.6%、血小板けっしょうばん減少げんしょう 72.7%であり、中なかでも好こう中ちゅう球だま減少げんしょうは全ぜん例れいがグレード3以上いじょうであった。

他たのタキサンに比くらべて神経しんけい毒性どくせいが弱よわいとされる。

2014年ねん12月、発熱はつねつ性せい好こう中ちゅう球だま減少げんしょう症しょうによる死亡しぼう例れいが5例れい報告ほうこくされた事ことを受うけ、厚生こうせい労働省ろうどうしょうはサノフィに対たいして添付てんぷ文書ぶんしょを改定かいていし医療いりょう機関きかんへの情報じょうほう提供ていきょう（リスク因子いんしの理解りかいと予防よぼう措置そち、ならびに早期そうきの適切てきせつな処置しょち）を実施じっしするよう命めいじた。上記じょうきの重大じゅうだいな副作用ふくさよう欄らんにはその旨むねが反映はんえいされている。

関連かんれん項目こうもく

• パクリタキセル
• ドセタキセル

外部がいぶリンク

ウィキメディア・コモンズには、カバジタキセルに関かんするメディアがあります。

• Cabazitaxel - Official web site of manufacturer.
• Cabazitaxel Prescribing Information - Official prescribing information.
• U.S. National Library of Medicine: Drug Information Portal - Cabazitaxel