グロビドン類るい

グロビドン類るい
アメリカアリゲーター（上うえ）とスタンゲロチャンプサ（下した）
地質ちしつ時代じだい
中生代ちゅうせいだい後期こうき白はく亜紀あき - 新生代しんせいだい第だい四よん紀き完かん新しん世よ（現世げんせい）
分類ぶんるい
ドメイン : 真ま核かく生物せいぶつ Eukaryota 界さかい : 動物界どうぶつかい Animalia 門もん : 脊索せきさく動物どうぶつ門もん Chordata 亜あ門もん : 脊椎動物せきついどうぶつ亜あ門もん Vertebrata 上うえ綱つな : 四肢しし動物どうぶつ上じょう綱つな Tetrapoda 綱つな : 爬虫綱つな Reptilia 亜あ綱つな : 双そう弓ゆみ亜あ綱つな Diapsida 下綱しもつな : 主しゅ竜りゅう型がた下綱しもつな Archosauromorpha 階級かいきゅうなし : 偽にせ鰐わに類るい Pseudosuchia 上目うわめ : ワニ形がた上目うわめ Crocodylomorpha 階級かいきゅうなし : 新しん鰐わに類るい Neosuchia 目め : ワニ目め Crocodilia 上うえ科か : アリゲーター上うえ科か Alligatoridae 階級かいきゅうなし : グロビドン類るい Globidonta
学名がくめい
Globidonta Brochu, 1999
下位かい分類ぶんるい群ぐん
アキノドン? クラトスクス ナヴァジォスクス スタンゲロチャンプサ ブラキチャンプサ アリゲーター科か

グロビドン類るい（グロビドンるい、学名がくめい：Globidonta）は、アリゲーター亜あ科か、カイマン亜あ科か、そして近きん縁えんな絶滅ぜつめつ種しゅを含ふくむアリゲーター上うえ科かの分岐ぶんき群ぐん。アメリカアリゲーターと、ディプロキノドンよりもそれに近きん縁えんな全すべての種たねを含ふくむステムベースの分岐ぶんき群ぐんとして定義ていぎされている。化石かせき記録きろくはアルバートチャンプサやブラキチャンプサといった後期こうき白はく亜紀あきのものまで遡さかのぼることができる。絶滅ぜつめつしたグロビドン類るいは主おもに北きたアメリカ大陸あめりかたいりくとユーラシア大陸たいりくで繁栄はんえいしており、現生げんなまのものは南みなみアメリカ大陸あめりかたいりくにも分布ぶんぷを拡大かくだいしている。既知きちで最古さいこのグロビドン類るいはフランスから産出さんしゅつしたアキノドンで、同時どうじに最もっとも基盤きばん的てきな属ぞくでもある。

特徴とくちょう

基盤きばん的てきグロビドン類るいは全長ぜんちょう1.5メートル程度ていどと、小型こがたのワニであった。彼かれらは丸まるみを帯おびた短みじかい吻部と球根きゅうこん状じょうの歯はが特徴とくちょうとして挙あげられる。一方いっぽうで現生げんなまグロビドン類るいの吻部は扁平へんぺいで、歯はもより円錐えんすい形がたをなしており、初期しょきのグロビドン類るいよりも一般いっぱん化かしている。一般いっぱん化かした形態けいたいは特殊とくしゅ化かした形態けいたいよりも祖先そせん的てきと予想よそうされることが多おおく、グロビドン類るいのように基盤きばん的てきメンバーが特殊とくしゅ化かを遂とげているのは普遍ふへん的てきなことではない。これはエドワード・ドリンカー・コープが1894年ねんに提唱ていしょうした「非ひ特殊とくしゅ化かの法則ほうそく」に反はんしているように見みえる。「非ひ特殊とくしゅ化かの法則ほうそく」の下したでは、形態けいたい変化へんかは常つねに特殊とくしゅ化かの方向ほうこうへ進すすみ、特殊とくしゅ化かした形態けいたいが再ふたたび「非ひ特殊とくしゅ化か」した状態じょうたいへ戻もどることはない。このパターンの変化へんかは、グロビドン類るいでは見みられないが、アリゲーター上うえ科かやクロコダイル上うえ科かの基盤きばん的てきな属ぞく種しゅで確認かくにんされている。

ヨウスコウアリゲーター

扁平へんぺいな吻部をしたグロビドン類るいは、系統けいとうの進化しんかの過程かていで少すくなくとも二に度ど出現しゅつげんした。一いち度どはカイマン、もう一度いちどはアリゲーターである。ヨウスコウアリゲーターはやや鈍にぶい吻部を持もっていて特殊とくしゅ化かしていると考かんがえることができるが、アルバートチャンプサのような基盤きばん的てきグロビドン類るいのものほど丸まるく短みじかいわけではない。

ディプロキノドンとグロビドン類るいの最もっとも近ちかい共通きょうつう祖先そせんがディプロキノドンに似にた形態けいたいを示しめしていたなら、一般いっぱん化かした吻部の形かたちをしていたはずである。一方いっぽうで、ディプロキノドンの一般いっぱん化かした形かたちも、特殊とくしゅな鈍にぶい吻部を持もつ祖先そせんから生しょうじた可能かのう性せいもある。ディプロキノドンに近きん縁えんなディプロキノドン亜あ科かのバリフラクタの吻部は鈍にぶい形状けいじょうを示しめしており、祖先そせんもそのような外見がいけんであったかもしれない。

系統けいとう

以下いかは Martin (2007) に基もとづくクラドグラム。

ディプロキノドン亜あ科か    †バリフラクタ     †ディプロキノドン      グロビドン類るい    †アキノドン     †スタンゲロチャンプサ     †アルバートチャンプサ     †ブラキチャンプサ    アリゲーター科か   アリゲーター亜あ科か      †ケラトスクス     †ハスシアコスクス     †ナヴァジォスクス           †アログナトスクス     †Wilwood alligatorid       †プロカイマノイデア     †アランボウルギア           †ワンナガノスクス     アリゲーター属ぞく          カイマン亜あ科か    †エオカイマン           †プルスサウルス       †オルソゲニスクス     †モウラスクス           カイマン属ぞく     クロカイマン属ぞく         コビトカイマン属ぞく                  Blunt-snouted        Generalized        Duck-like (broad, flat, and elongate)

以下いかは2018年ねんに Lee と Yates が発表はっぴょうした、形態けいたい情報じょうほう・分子ぶんし情報じょうほう（DNAシークエンシング）・層そう序じょデータに基もとづいて行いったワニ目めの系統けいとう解析かいせきのクラドグラム。アキノドンはグロビドン類るいどころかアリゲーター上うえ科か内うちに置おかれず、ナヴァジォスクスはアリゲーター科かよりも基盤きばん的てきなグロビドン類るいに置おかれた。

ワニ目め

アリゲーター上うえ科か   レイディオスクス     ディプロキノドン亜あ科か ディプロキノドン   グロビドン類るい     スタンゲロチャンプサ     ブラキチャンプサ         ナヴァジォスクス   アリゲーター科か カイマン亜あ科か     カイマン属ぞく     クロカイマン属ぞく       コビトカイマン属ぞく     アリゲーター亜あ科か アリゲーター属ぞく   （クラウングループ）       （ステムグループ）     絶滅ぜつめつした基盤きばん的てきワニ目め（メコスクス類るいなど）   Longirostres (en)  クロコダイル上うえ科か   絶滅ぜつめつした基盤きばん的てきクロコダイル上うえ科か   クロコダイル科か   クロコダイル属ぞく       Mecistops (en)      コビトワニ属ぞく     （クラウングループ） （ステムグループ） ガビアル上うえ科か   絶滅ぜつめつした基盤きばん的てきガビアル上うえ科か   ガビアル科か   ガビアル属ぞく     マレーガビアル属ぞく   （クラウングループ） （ステムグループ） （クラウングループ）

（クラウングループ）