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ケプラー76b

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア（Wikipedia）』
ケプラー76b
Kepler-76b
星座せいざ はくちょう座ざ
分類ぶんるい 太陽系たいようけい外がい惑星わくせい
発見はっけん
発見はっけん年ねん 2013年ねん[1]
発見はっけん者しゃ Simchon Faigler,
Lev Tal-Or,
Tsevi Mazeh,
Dave W. Latham,
Lars A. Buchhave[1]
発見はっけん方法ほうほう ビール・アルゴリズム[1][2][3][4]
軌道きどう要素ようそと性質せいしつ
軌道きどう長ちょう半径はんけい (a) 420万まん km
(0.028 AUえーゆー[5])
離はなれ心しん率りつ (e) 0（仮定かてい）
公転こうてん周期しゅうき (P) 1.54492875 ± 0.00000027 日にち[1]
平均へいきん軌道きどう速度そくど 200 km/s
軌道きどう傾斜けいしゃ角かく (i) 78.0 ± 0.2 度ど[1]
通過つうか時刻じこく BJD 2454966.54811 ± 0.00007[1]
ケプラー76の惑星わくせい
位置いち
元もと期き:J2000.0[1]
赤あか経けい (RA, αあるふぁ)  19h 36m 46.11s[1]
赤あか緯ぬき (Dec, δでるた) +39° 37′ 08.4″[1]
距離きょり 約やく2000 光年こうねん[2][3][4]
物理ぶつり的てき性質せいしつ
直径ちょっけい 17万まん9000 km
半径はんけい 1.25 ± 0.08 RJ[1]
表面積ひょうめんせき 1.00 × 1011 km2
体積たいせき 2.99 × 1015 km3
質量しつりょう 2.00 ± 0.26 MJ[1]
(3.80 × 1027 kg)
平均へいきん密度みつど 1.27 g/cm3
表面ひょうめん重力じゅうりょく 31.7 m/s2(3.23 G)
脱出だっしゅつ速度そくど 75.3 km/s
表面ひょうめん温度おんど 1676 ℃
(1949 K[5])
■Template （■ノート ■解説かいせつ） ■Project

ケプラー76b (Kepler-76b) とは、地球ちきゅうから見みてはくちょう座ざの方向ほうこうに約やく2000光年こうねん離はなれた位置いちにある恒星こうせいケプラー76を公転こうてんする太陽系たいようけい外がい惑星わくせいである。ビール・アルゴリズム (BEER analysis) で発見はっけんされた初はじめての太陽系たいようけい外がい惑星わくせいである[1][2][3]。

発見はっけん

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ケプラー76bは、2013年ねんにテルアビブ大学だいがくの Simchon Faigler らの研究けんきゅうチームによって発見はっけんされた太陽系たいようけい外がい惑星わくせいである。彼かれらはNASAのケプラー宇宙うちゅう望遠鏡ぼうえんきょうが観測かんそくしたデータから、10年ねん前まえに提案ていあんされた手法しゅほうであるビール・アルゴリズムを用もちいて[1]、はくちょう座ざにある約やく13等級とうきゅうの恒星こうせいのデータからケプラー69bを発見はっけんした[2][3]。ビール･アルゴリズムは、以下いかの3つの効果こうかの頭文字かしらもじである[1]。

  • Beaming effect together：相対そうたい論ろん的てきビーミング効果こうか。恒星こうせいが惑星わくせいの重力じゅうりょくで揺ゆさぶられるため、観測かんそく者しゃに対たいして恒星こうせいが近ちかづくと明あかるくなり、遠とおざかると暗くらくなるため、放射ほうしゃが恒星こうせいの移動いどう方向ほうこうに集中しゅうちゅうする現象げんしょう。
  • Ellipsoidal：恒星こうせいが惑星わくせいの重力じゅうりょくでわずかに楕円だえん体たいになる事こと。観測かんそく者しゃから見みると、恒星こうせいの自転じてんによって見みかけの表面積ひょうめんせきが変化へんかするため、明あかるさも変化へんかする。
  • Reflection/emission modulations：惑星わくせいが恒星こうせいの光ひかりを反射はんしゃする事こと。惑星わくせいの公転こうてんによって明あかるさが変化へんかする。

これらの効果こうかによる恒星こうせいの同時どうじに起おこる明あかるさの変化へんかを計測けいそくすることで惑星わくせいを発見はっけんする。この方法ほうほうは、地球ちきゅうよりずっと質量しつりょうの大おおきい惑星わくせいにしか適用てきようできないという弱点じゃくてんがある。しかし、ドップラー分光ぶんこう法ほうとは異ことなり、高こう精度せいどのスペクトルを必要ひつようとしない。また、ケプラー宇宙うちゅう望遠鏡ぼうえんきょうが行おこなっているトランジット法ほうは、地球ちきゅうから見みて惑星わくせいが恒星こうせい面めんを通過つうかするという、有用ゆうようだが稀まれな現象げんしょうが必要ひつようではない[4]。このため、ドップラー分光ぶんこう法ほうとトランジット法ほうという、太陽系たいようけい外がい惑星わくせいの主おもな発見はっけん手法しゅほうであるこの2手法しゅほうで発見はっけんできなかった太陽系たいようけい外がい惑星わくせいを発見はっけんできる可能かのう性せいがあり、ケプラー76bはその最初さいしょの例れいとなった[1][2][3]。

性質せいしつ

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大おおきさの比較ひかく
木星もくせい ケプラー76b
木星 Exoplanet

ケプラー76bは、その発見はっけん方法ほうほうから公転こうてん周期しゅうきが正確せいかくに求もとまっている。公転こうてん周期しゅうきは正確せいかくに1日にち13時じ間あいだ4分ふん41.8秒びょうである。また、ケプラー76bの直径ちょっけいは木星もくせいの1.25倍ばいである17万まん9000km、質量しつりょうは木星もくせいの2.00倍ばいであると求もとまる[1]。ケプラー76からわずか420万まんkm (0.028AUえーゆー) という、水星すいせいの10分ぶんの1以下いかの軌道きどうを公転こうてんしているため、表面ひょうめん温度おんどは1676℃ (1949K) という超ちょう高温こうおんに熱ねっせられていると推定すいていされている[5]、いわゆるホット・ジュピターである。これらの性質せいしつは全すべて、ビール・アルゴリズムにおける3つの効果こうかによるケプラー76の明あかるさの変化へんかを計測けいそくすることで求もとまったものである[4]。

出典しゅってん

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[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]
  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p BEER analysis of Kepler and CoRoT light curves: I. Discovery of Kepler-76b: A hot Jupiter with evidence for superrotation arXiv
  2. ^ a b c d e TAU team takes part in discovering new planet אוניברסיטת תל־אביב
  3. ^ a b c d e New Method of Finding Planets Scores its First Discovery Center for Astrophysics
  4. ^ a b c d 系けい外がい惑星わくせい発見はっけんの新手あらて法ほう「ビール・アルゴリズム」 AstroArts
  5. ^ a b c Kepler Discoveries Kepler A Aearch for Habitable Planets

関連かんれん項目こうもく

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座標ざひょう: 星図 19h 36m 46.11s, +39° 37′ 08.4″

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