コウライギギ

コウライギギ
分類ぶんるい
学名がくめい
	Pseudobagrus fulvidraco; (Richardson, 1846)
和名わみょう
	コウライギギ

コウライギギ（高麗こうらい義ぎ義よし、学名がくめい：Pseudobagrus fulvidraco、英語えいご：Korean bullhead）は、ナマズ目めギギ科かの魚さかな。中国ちゅうごくでは華南かなんを中心ちゅうしんに食用しょくようにされる。特定とくてい外来がいらい生物せいぶつ。

名称めいしょう

学名がくめいのシノニムに下記かきがある。

Macrones fulvidraco Richardson, 1846
Pelteobagrus fulvidraco Richardson, 1846
Pimelodus fulvidraco Richardson, 1846
Pseudobagrus fulvidraco Richardson, 1846
Bagrus calvarius Basilewsky, 1855
Silurus calvarius Basilewsky, 1855
Pseudobagrus intermedius Pan, 1960
Pelteobagrus fulvidraco Jayaram, 1968

中国ちゅうごく語ごの標準ひょうじゅん名めいは「黄き顙魚 huángsǎngyú」、朝鮮ちょうせん語ごでは、「동자개 トンジャゲ」という。英語えいごで「yellow carfish」などと呼よばれることもある。

形態けいたい

日本にっぽんで一般いっぱん的てきなギギと同属どうぞくであるが、体からだ色しょくが全体ぜんたい的てきに緑みどり灰色はいいろで、腹はらなど一部いちぶが淡あわ黄色きいろを帯おびてまだら模様もようとなっているので区別くべつできる。全長ぜんちょう 10cmから20cm、最大さいだい30cm^[1]程度ていどで、体高たいこうとの比率ひりつは平均へいきん3.8倍ばい程度ていどと細長ほそながく、背鰭せびれの付つけ根ね周辺しゅうへんが高たかくなっている。尾おびれは2叉またしており、背せびれは2つあり、第だい一いち背せびれに1棘とげ7軟条、尻しりびれに19～20軟条、腹はらびれに5軟条を持もつ。ヒゲは4対つい、合計ごうけい8本ほんある^[2]^[3]。鱗うろこはなく、側線そくせんは明瞭めいりょう。

生態せいたい

湖沼こしょうや大だい河川かせんに生息せいそくする。流ながれがゆるやかで、水底みなそこにヘドロの堆積たいせきした浅あさい水域すいいきを好このむ^[4]。主おもにエビ類るいや底そこ生せい小型こがた魚類ぎょるいを捕食ほしょくし、約やく8cmで性せい成熟せいじゅくし4月がつから6月がつに産卵さんらんする^[5]。繁殖はんしょく行動こうどうは天候てんこうの悪化あっかした夜間やかんに行おこなわれる。オスが泥どろ底そこに巣すを作つくり、メスを誘さそい入いれて産卵さんらんさせる。オスは稚魚ちぎょが泳およぎだすまで巣すを警護けいごする^[4]。

分布ぶんぷ

シベリア西部せいぶアムール川がわ、朝鮮半島ちょうせんはんとうと中国ちゅうごくの黒竜江こくりゅうこう、遼りょう河かわ、黄河こうが、長江ながえ、閩江、珠江たまえの各かく流域りゅういき^[6]および海南かいなん島とう、香港ほんこんに分布ぶんぷする^[7]。長江ながえ流域りゅういきや、広東かんとん省しょうなどで養殖ようしょくされている。

日本にっぽんには観賞かんしょう用ようとして輸入ゆにゅうされたものが放流ほうりゅうされ、2011年ねんの調査ちょうさで利根川とねがわ水系すいけい霞ヶ浦かすみがうらに定着ていちゃくした可能かのう性せいが高たかい事ことが報告ほうこくされている^[5]。2019年ねんには、霞ケ浦かすみがうらと同おなじく利根川とねがわ水系すいけいの潮来いたこ市しの水路すいろで捕獲ほかくされており、現在げんざいは利根川とねがわ水系すいけいの広ひろい範囲はんいで定着ていちゃくしている可能かのう性せいがある^[8]。

日本にっぽんでは特定とくてい外来がいらい生物せいぶつに指定していされており、放流ほうりゅう、飼育しいく、販売はんばい、譲渡じょうとなどが禁きんじられる。

利用りよう

小振こぶりであるために、中華ちゅうか料理りょうりでは煮にて食たべるのが普通ふつうである。白身しろみで、くせはなく、鱗うろこもないため、調理ちょうりしやすい。四川しせん料理りょうりでは、「黄き臘丁（ホワンラーディン huánglàdīng）」の名なで、漬つけ物ものと共ともに酸味さんみのあるスープとしたり、豆腐とうふなどと共ともにスープや鍋なべ料理りょうりの材料ざいりょうとすることが多おおい。安徽あんき料理りょうりや淮揚料理りょうりでは、「昂のぼる刺とげ魚ぎょ（アンツーユー）」の名なで、スープにしたり、砂糖さとうと醤油じょうゆで煮付につけにもされることが多おおい。順徳じゅんとく料理りょうりでは、「黄き骨こつ魚ぎょ（ウォンクワッユー）」の名なで豆まめ豉蒸むしや土鍋どなべ焼やきなどにもされる。

脚注きゃくちゅう

^ 内水うすい面めんニュース H24.11.15 (PDF) 茨城いばらき県けん水産すいさん試験場しけんじょう内ない水面すいめん支ささえ場じょう
^ 『朝鮮ちょうせん魚類ぎょるい誌し』朝鮮ちょうせん総督そうとく府ふ水産すいさん試験場しけんじょう、1939年ねん、19頁ぺーじ。
^ 原田はらだ五ご十じゅう吉きち『海南かいなん島とう淡水魚たんすいぎょ類るい譜ふ』海南かいなん海軍かいぐん特務とくむ部ぶ政務せいむ局きょく、1943年ねん。
^ ^a ^b “黄き腊丁黄き颡鱼”. 中国科学院ちゅうごくかがくいん. 2021年ねん12月23日にち閲覧えつらん。
^ ^a ^b 霞ケ浦かすみがうらにおける外来がいらい種しゅコウライギギ（ナマズ目めギギ科か）の採集さいしゅう記録きろくと定着ていちゃくのおそれ魚類ぎょるい学がく雑誌ざっし Vol.59 (2012) No.2 p.141-146
^ 李り思おもえ忠ただし，『中国ちゅうごく淡水魚たんすいぎょ的てき分布ぶんぷ区画くかく』，pp220-221，1981，科学かがく出版しゅっぱん社しゃ，北京ぺきん
^ 『広東かんとん淡水魚たんすいぎょ類るい志こころざし』p299
^ 利根川とねがわ水系すいけいの驚愕きょうがくの実態じったいが明あきらかに！「超ちょう！超ちょう！超ちょう！緊急きんきゅうSOS〝池ちの水みずぜんぶ抜ぬく″恐怖きょうふ！日本にっぽんの危険きけん生物せいぶつぜーーんぶ出でた出でた！全ぜん21320匹ひき捕獲ほかくの瞬間しゅんかん史上しじょう最大さいだいプロジェクト」テレ東とうリリ速そく（テレ東とうリリース最速さいそく情報じょうほう）.2024年ねん4月がつ27日にち閲覧えつらん。

参考さんこう文献ぶんけん

中国ちゅうごく水産すいさん科学かがく研究けんきゅう院いん珠江たまえ水産すいさん研究所けんきゅうじょ他た編へん，『広東かんとん淡水魚たんすいぎょ類るい志こころざし』，広東かんとん科技かぎ出版しゅっぱん社しゃ，1991，広州こうしゅう

外部がいぶリンク

Fishbase Pseudobagrus fulvidraco
コウライギギ魚類ぎょるい図鑑ずかん

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[1] 内水うすい面めんニュース H24.11.15 (PDF) 茨城いばらき県けん水産すいさん試験場しけんじょう内ない水面すいめん支ささえ場じょう

[2] 『朝鮮ちょうせん魚類ぎょるい誌し』朝鮮ちょうせん総督そうとく府ふ水産すいさん試験場しけんじょう、1939年ねん、19頁ぺーじ。

[3] 原田はらだ五ご十じゅう吉きち『海南かいなん島とう淡水魚たんすいぎょ類るい譜ふ』海南かいなん海軍かいぐん特務とくむ部ぶ政務せいむ局きょく、1943年ねん。

[:0-4] “黄き腊丁黄き颡鱼”. 中国科学院ちゅうごくかがくいん. 2021年ねん12月23日にち閲覧えつらん。

[jji.59.141-5] 霞ケ浦かすみがうらにおける外来がいらい種しゅコウライギギ（ナマズ目めギギ科か）の採集さいしゅう記録きろくと定着ていちゃくのおそれ魚類ぎょるい学がく雑誌ざっし Vol.59 (2012) No.2 p.141-146

[6] 李り思おもえ忠ただし，『中国ちゅうごく淡水魚たんすいぎょ的てき分布ぶんぷ区画くかく』，pp220-221，1981，科学かがく出版しゅっぱん社しゃ，北京ぺきん

[7] 『広東かんとん淡水魚たんすいぎょ類るい志こころざし』p299

[8] 利根川とねがわ水系すいけいの驚愕きょうがくの実態じったいが明あきらかに！「超ちょう！超ちょう！超ちょう！緊急きんきゅうSOS〝池ちの水みずぜんぶ抜ぬく″恐怖きょうふ！日本にっぽんの危険きけん生物せいぶつぜーーんぶ出でた出でた！全ぜん21320匹ひき捕獲ほかくの瞬間しゅんかん史上しじょう最大さいだいプロジェクト」テレ東とうリリ速そく（テレ東とうリリース最速さいそく情報じょうほう）.2024年ねん4月がつ27日にち閲覧えつらん。

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