サラマンカの戦たたかい

サラマンカの戦たたかい
	半島はんとう戦争せんそう中なか
	; 半島はんとう戦争せんそう、J・クラーク作つくる
時とき	1812年ねん7月がつ22日にち
場所ばしょ	スペイン・サラマンカ・アラピレス（英語えいご版ばん）
結果けっか	同盟どうめい軍ぐんの決定的けっていてきな勝利しょうり
衝突しょうとつした勢力せいりょく
イギリス; ポルトガル王国おうこく; スペイン	フランス第だい一いち帝政ていせい
指揮しき官かん
ウェリントン伯爵はくしゃく	オーギュスト・マルモン元帥げんすい; ベルトラン・クルーセル（英語えいご版ばん）
戦力せんりょく
51,949名めい	49,647名めい
被害ひがい者しゃ数すう
イギリス3,129名めい; ポルトガル2,038名めい; スペイン6名めい	死傷ししょう者しゃ6,000名めい; 捕虜ほりょ7,000名めい

サラマンカの戦たたかい（サラマンカのたたかい、英語えいご: Battle of Salamanca）、またはアラピレスの戦たたかい（アラピレスのたたかい、フランス語ふらんすご: Bataille des Arapiles、スペイン語ご: Batalla de los Arapiles）は、半島はんとう戦争せんそう中なかの1812年ねん 7月がつ22日にち、サラマンカの南みなみのアラピレス（英語えいご版ばん）で、ウェリントン伯爵はくしゃくアーサー・ウェルズリー率ひきいるイギリス＝ポルトガル連合れんごう軍ぐん（英語えいご版ばん）がオーギュスト・マルモン元帥げんすい率ひきいるフランス軍ぐんを破やぶった戦闘せんとう。スペイン軍ぐんも戦場せんじょうにいたが後方こうほうに留とどまっており戦闘せんとうに参加さんかしなかった。

戦闘せんとうはイギリス軍ぐんの重じゅう騎兵きへい旅団りょだんとエドワード・パッケンハム（英語えいご版ばん）の第だい3師団しだん、続つづいて騎兵きへいと第だい4、第だい5、第だい6師団しだんによる斜はす行ぎょう戦術せんじゅつからの側面そくめん攻撃こうげき（英語えいご版ばん）の連続れんぞくであった。連続れんぞく攻撃こうげきの結果けっか、フランス軍ぐん左翼さよくは潰走かいそうした。マルモンも副官ふっかんのジャン・ピエール・フランソワ・ボネ（英語えいご版ばん）将軍しょうぐんも戦闘せんとう開始かいしから数すう分ふんで弾たまの破片はへんによる傷きずを負おい、それがフランス軍ぐんの指揮しきに混乱こんらんをきたした。ウェリントンはこの混乱こんらんを利用りようしてフランス軍ぐんを撃破げきはした。

第だい3指揮しき官かんのベルトラン・クルーセル（英語えいご版ばん）将軍しょうぐんはフランス軍ぐんの指揮しきを引ひき継ついで、フランスの予備よび軍ぐんを連合れんごう軍ぐんの薄うすい中央ちゅうおうに対たいし投入とうにゅうした。この動うごきは一部いちぶで成功せいこうを収おさめたが、結局けっきょくは増援ぞうえんを中央ちゅうおう部ぶへ送おくったウェリントンが押おし返かえした。

連合れんごう軍ぐんはイギリス人じん3,129名めいとポルトガル人じん2,038名めいが死傷ししょうした。スペイン軍ぐんは予あらかじめフランス軍ぐんの逃にげ道みちを塞ふさぐよう移動いどうしたため戦闘せんとうに参加さんかせず、死傷ししょう者しゃは6名めいだけだった。フランス死傷ししょう者しゃと捕虜ほりょの合計ごうけいが1万まん3千せん名めいだった。ウェリントンの勝利しょうりの結果けっか、イギリス軍ぐんはポルトガルに撤退てったいする前まえにマドリードを2か月げつ間あいだ解放かいほうすることができた。フランスはアンダルシアを放棄ほうきしなければならず、マドリードの陥落かんらくはジョセフ・ボナパルトの親しんフランス政府せいふに癒いえない傷きずを与あたえた。

背景はいけい

1812年ねん4月がつ、バダホスの包囲ほういと占領せんりょうに成功せいこうした後のち、ウェリントンとイギリス＝ポルトガル連合れんごう軍ぐんの大半たいはんは北上ほくじょうして一時いちじポルトガルに侵入しんにゅうしたマルモンのフランス軍ぐんを迎撃げいげきした。マルモンがサラマンカへ撤退てったいした後のち、ウェリントンは自軍じぐんをアゲダ川がわ（英語えいご版ばん）とコア川かわ（英語えいご版ばん）の後うしろに移動いどうした^[5]。5月、ウェリントンの命令めいれいでローランド・ヒル（英語えいご版ばん）将軍しょうぐんは7千せん人にんの軍ぐんを連つれてアルマラス（英語えいご版ばん）の橋はしを破壊はかいし、スールト軍ぐんとマルモン軍ぐんの連絡れんらくを切断せつだんした^[6]。

6月13日にち、ウェリントンはアゲダ川がわを渡河とか、東ひがしのサラマンカへ進軍しんぐんした^[7]。サラマンカはフランス軍ぐんの補給ほきゅう拠点きょてんであり、フランスはそこにある修道院しゅうどういん3院いんを強固きょうこな要塞ようさいに改造かいぞうして、サラマンカの市街地しがいちとトルメス川がわ（英語えいご版ばん）にかけてある橋はしの守備しゅびを補強ほきょうした。イギリス軍ぐんは6月がつ19日にちに砲撃ほうげきを開始かいしし、修道院しゅうどういん2院いんを炎上えんじょうさせた。フランス軍ぐんは援軍えんぐんが来こないのを見みて、27日にちに降伏ごうぶくした^[8]。

その後ご数すう週間しゅうかんにわたり、ウェリントンのサラマンカより北きたへの進軍しんぐんは補給ほきゅうの整ととのったマルモン軍ぐんに阻はばまれた。両りょう軍ぐんはトルメス川がわの両りょう岸きしで対峙たいじし、マルモンはしばしばウェリントンの補給ほきゅう線せんを脅おどかした。フランス軍ぐんは東ひがしに迂回うかいしてウエルタ（英語えいご版ばん）でトルメス川南かわみなみ岸がんへ渡河とか、続つづいて南みなみ、西にしと動うごいて、ウェリントン軍ぐんの脇腹わきばらを突つこうとした。この日ひまでにウェリントンはポルトガルへの撤退てったいを決定けっていしたが、彼かれは両りょう軍ぐんが平行へいこう線せんを辿たどるように行軍こうぐんし、そのうちイギリス軍ぐんが内線ないせんにいるためフランス軍ぐんは陣形じんけいが直線ちょくせんに伸のびたようになることを観察かんさつした。さらにマルモンが左翼さよくの軍ぐんを本ほん軍ぐんより分離ぶんりするミスを犯おかしたため、ウェリントンは即座そくざに伸のびに伸のびたフランス軍ぐん左翼さよくを攻撃こうげきするよう命めいじた。

行軍こうぐん

7月がつ22日にち早朝そうちょう、マルモン軍ぐんは南みなみに移動いどうし、その前列ぜんれつはサラマンカの南東なんとうにあたる場所ばしょに着ついた。西にしに眺望ちょうぼうすると、フランス軍ぐんにはウェリントンの第だい7師団しだんが山稜さんりょうに配置はいちされていることと、そのさらに遠とおい場所ばしょから煙けむりがのぼっていることが判明はんめいした。マルモンはこの観察かんさつでイギリス軍ぐんの大半たいはんが撤退てったい中ちゅうであり、今こん出撃しゅつげきすればイギリス後衛こうえいと戦たたかうだけで済すむ、と結論けつろんづけた。そして、彼かれはフランス軍ぐんを南みなみ、続つづいて西にしに移動いどうさせ、イギリス軍ぐんの脇腹わきばらを叩たたく戦略せんりゃくを立たてた。

しかし、ウェリントンは自軍じぐんの大半たいはんを山稜さんりょうの後うしろに隠かくしており、さらに第だい3と第だい5師団しだんがサラマンカから出撃しゅつげきしていたため、マルモンの判断はんだんミスとなった。ウェリントンはこのことを知しられたら撤退てったいする予定よていだったが、フランス軍ぐんが攻撃こうげきを仕掛しかけるかもしれないと様子ようすを見みた。

この山稜さんりょうはLを横よこに倒たおしたような形かたち（つまり「』」のような形かたち）をしており、その内側うちがわには谷たに、続つづいてもう1つの』形かたちの山稜さんりょうがある。つまり、2つの』形かたちの山稜さんりょうの間あいだに谷たにが走はしっている。マルモン軍ぐんは内側うちがわの山稜さんりょうに沿そって移動いどうしたが、この山稜さんりょうの傾斜けいしゃは「アラピル・グランデ」（スペイン語ご: Arapil Grande）と呼よばれるように、険けわしいものだった。このため、フランス軍ぐんは朝あさには2本ほんの傾斜けいしゃのうち、短みじかく、南北なんぼくを走はしる傾斜けいしゃしか占領せんりょうできなかった。マルモンは側面そくめん攻撃こうげきのために軍ぐんを長ながい、東西とうざいを走はしる傾斜けいしゃに沿そって西にしへ移動いどうさせた。もう1つの山稜さんりょうではウェリントンがフランス軍ぐんから見みえないことを利用りようして、精鋭せいえいを長ながい方ほうの傾斜けいしゃに配置はいちした。

マルモン軍ぐんは西にしへ移動いどうするにつれて、長ながい方ほうの傾斜けいしゃに薄うすく配置はいちされる形かたちになってきた。トミエール（英語えいご版ばん）師団しだんが一番いちばん西にしに配置はいちされ、キュルトの騎兵きへいがそれを支ささえた。さらにムキューナ（英語えいご版ばん）、ブエニエ（英語えいご版ばん）、クルーセル（英語えいご版ばん）、ボネ（英語えいご版ばん）、サルー（英語えいご版ばん）、ボイエーが続つづき、また短みじかい方ほうの傾斜けいしゃにはフォワとフェレ（英語えいご版ばん）が配置はいちされた。

戦闘せんとう

イギリスの第だい3師団しだんとベンジャミン・ダーバン（英語えいご版ばん）の旅団りょだんはフランス側がわの傾斜けいしゃの頂点ちょうてんに着ついたとき、トミエール師団しだんに対たいし攻撃こうげきを開始かいしした。同時どうじにウェリントンは第だい4と第だい5師団しだんをその東側ひがしがわに配置はいちして攻撃こうげきを開始かいしさせ、第だい6と第だい7師団しだんをその後衛こうえいとした。

トミエール師団しだんは展開てんかいに手間取てまどりつつも善戦ぜんせんしたが、結局けっきょくイギリス第だい3師団しだんの銃剣じゅうけん突撃とつげきで潰走かいそうし、トミエールも戦死せんしした。イギリス騎兵きへいが戦場せんじょうにいたためムキューナ師団しだんは方陣ほうじんを組くんだ。方陣ほうじんは乗馬じょうば攻撃こうげきに対たいし有効ゆうこうだが歩兵ほへいの攻撃こうげきに弱よわく、歩兵ほへいを2列れつに並ならべていたリース（英語えいご版ばん）の第だい5師団しだんはマスケット銃じゅう連射れんしゃでムキューナ師団しだんを破やぶった。フランス歩兵ほへいが倒たおれていく中なか、コットン（英語えいご版ばん）はレ・マーチャント（英語えいご版ばん）の重じゅう騎兵きへい旅団りょだん（第だい5近衛このえ竜騎兵りゅうきへい連隊れんたい（英語えいご版ばん）、第だい3竜騎兵りゅうきへい連隊れんたい（英語えいご版ばん）、第だい4竜騎兵りゅうきへい連隊れんたい（英語えいご版ばん））に突撃とつげきを命めいじた。これはナポレオン戦争せんそうを通とおして、一いち旅団りょだんによる突撃とつげきで敵てきに最もっとも壊滅かいめつ的てきな打撃だげきを与あたえた突撃とつげきとされる。フランス軍ぐん左翼さよくがイギリス＝ポルトガル連合れんごう軍ぐんの歩兵ほへいに押おされている中なか、レ・マーチャントの竜騎兵りゅうきへいが殺到さっとうして1796年ねん型がた重じゅう騎兵きへい剣けん（英語えいご版ばん）^[9]大だい隊たいごとなぎ倒たおしていき、フランス軍ぐんはイギリス騎兵きへいを掩護えんごにして竜騎兵りゅうきへいのサーベルを避さける有様ありさまであった。レ・マーチャントは自軍じぐんがフランス8個こ連隊れんたいを倒たおした後のちも分隊ぶんたいを率ひきいていたが、脊椎せきついを銃撃じゅうげきされ落命らくめいした^[10]。ウィリアム・ポンソンビー（英語えいご版ばん）が指揮しきを引ひき継ついだ。

フランス軍ぐんは開戦かいせん早々そうそう、指揮しき官かんを失うしなっていた。パッケンハムの第だい3師団しだんを見みてようやく事態じたいの厳重げんじゅうさに気きづいたマルモンは走はしって乗馬じょうばしようとしたが、イギリスの爆ばく弾だんの爆発ばくはつに巻まき込こまれ、腕うでと肋骨あばらぼね2本ほんが骨折こっせつしてしまった。副官ふっかんのボネもすぐに負傷ふしょうした。しかしこのことの記録きろくには食くい違ちがいがあり、マルモンはウェリントンが攻撃こうげきする前まえに自分じぶんが負傷ふしょうしたことで陣形じんけいを直なおす機会きかいが失うしなわれたと主張しゅちょうした。一方いっぽうでイギリスの記録きろくでは、マルモンの負傷ふしょうはウェリントンの攻撃こうげき開始かいしから20分ふん^[11]や1時じ間あいだすぎ^[12]だった。フランス側がわのポルトガル軍ぐんは指揮しき官かん不在ふざいのままであった。

ロウリー・コール（英語えいご版ばん）率ひきいる第だい4師団しだんがボネ師団しだんを攻撃こうげきする一方いっぽう、デニス・パックのポルトガル軍ぐんはアラピル・グランデを攻撃こうげきした。しかし、両方りょうほうともグレーター・アラピレスにいるフランスの砲兵ほうへい中隊ちゅうたいに撃退げきたいされた。

フランス軍ぐんの指揮しき引ひき継ついだクルーセルはなんとか状況じょうきょうをひっくり返かえそうとした。彼かれはサルー師団しだんに潰ついえている左翼さよくを補強ほきょうさせ、続つづいてボイエーの竜騎兵りゅうきへいを援護えんごに自みずからとボネの師団しだんでコールの第だい4師団しだんに対たいし危険きけんな反撃はんげきをした。この攻撃こうげきで第だい4師団しだんは敗やぶれ、その後うしろの第だい6師団しだんに打撃だげきを与あたえた。マーシャル元帥げんすい（英語えいご版ばん）はすぐさまこの脅威きょういに対処たいしょ、第だい5師団しだん下かのスプライ率ひきいるポルトガル旅団りょだんをフランス歩兵ほへいと対峙たいじさせ、ウェリントンも第だい1師団しだんと第だい7師団しだんを投入とうにゅうした。激はげしい戦闘せんとうの後のち、クルーセル師団しだんもボネ師団しだんも敗やぶれ、フランス軍ぐんは撤退てったいし始はじめた。

フランス軍ぐんが撤退てったいしている中なか、フェレは自分じぶんの師団しだんを3列れつに配置はいち、また両翼りょうよくに方陣ほうじんを組くんでいる大隊だいたいを配置はいちした。イギリス軍ぐんはまずヘンリー・クリントン（英語えいご版ばん）率ひきいる第だい6師団しだんが跳はね返がえされたが、ウェリントンが砲兵ほうへいにフランス軍ぐんの中央ちゅうおうを砲撃ほうげきするよう命めいじてから再ふたたび攻撃こうげきすると、今度こんどはフェレ師団しだんに勝利しょうり、フェレを戦死せんしさせた。

フォワ師団しだんはフランス軍ぐんのアルバ・デ・トルメス（英語えいご版ばん）への撤退てったいを援護えんごした。アルバ・デ・トルメスには橋はしが一本いっぽんあり、逃にげ道みちとして使つかえたが、ウェリントンはスペイン軍ぐんが要塞ようさいにこもりながらそこを塞ふさぐと思おもったので別べつ進路しんろをとった。しかし、スペイン軍ぐんの指揮しき官かんカルロス・デ・エスパーニャ（英語えいご版ばん）はウェリントンに知しらせずに勝手かってに撤収てっしゅうしてフランス軍ぐんを逃のがしてしまった。フランス軍ぐんは死傷ししょう者しゃ7千せん、捕虜ほりょ7千せんであった。マルモンが重傷じゅうしょうを負おった他ほか、2人ふたりの師団しだん指揮しき官かんが戦死せんし、1人ひとりが負傷ふしょうした。連合れんごう軍ぐんの死者ししゃ5,214人にんのうち、半分はんぶんは第だい4師団しだんと第だい6師団しだん所属しょぞくだった。指揮しき官かんのうち、コットン、コールとリースが負傷ふしょうした。

結果けっか

この戦闘せんとうはウェリントンを攻撃こうげき的てきな将軍しょうぐんに仕立したてて上あげ、彼かれは「40分ふんで4万まんの軍ぐんを破やぶった」と評価ひょうかされた^[13]。戦闘せんとうから6日にち後ご、フォワは日記にっきでこう綴つづっている。

「この戦闘せんとうはイギリスが最近さいきん勝利しょうりした戦闘せんとうの中なかで、最もっとも賢かしこく戦たたかわれ、最もっとも大だい規模きぼな、最もっとも重要じゅうような戦闘せんとうだ。ウェリントン卿きょうの人気にんきをほぼマールバラの程度ていどまで引ひき上あげた。今日きょうまでに私わたしたちは彼かれの慎重しんちょうさ、陣地じんちを選えらぶ目め、そして陣地じんちを使つかう能力のうりょくを知しった。しかし、彼かれはサラマンカでさらに行軍こうぐんの能力のうりょくを見みせた。彼かれは軍ぐんの配備はいびをほぼ一いち日にち中ちゅう隠かくし通とおし、私わたしたちが動うごいてから自みずからの動うごきを見みせた。彼かれはフリードリヒ大王だいおう風ふうに斜はす行ぎょう戦術せんじゅつをそのまま使つかう、という賭かけに打うって出でた。」^[14]

サラマンカの戦たたかいはフランスに重おもい打撃だげきを与あたえた。フランス軍ぐんの再さい集結しゅうけつ中ちゅう、イギリス＝ポルトガル連合れんごう軍ぐんは8月がつ6日にちにマドリードに入城にゅうじょうした。続つづいてブルゴス包囲ほうい戦せん（英語えいご版ばん）が始はじまったが、再さい集結しゅうけつしたフランス軍ぐんに包囲ほういされる危険きけんが高たかまると、連合れんごう軍ぐんはポルトガルに撤退てったいした（最もっとも、1812年ねんロシア戦役せんえきで多おおくの兵士へいしを失うしなったフランスは攻撃こうげきに打うって出でなかったが）。

スペイン軍ぐんがアルバ・デ・トルメス（英語えいご版ばん）の橋はしの封鎖ふうさに失敗しっぱいしたことで、フランスの逃走とうそうを阻止そしできず、追撃ついげきも失敗しっぱいした。原因げんいんはイギリスとスペインの指揮しき官かんの認識にんしきの齟齬そごとされる。

ガルシア・フェルナンデスの戦たたかい

次つぎの日ひ、ウェリントンの国王こくおう直属ちょくぞくドイツ人じん軍団ぐんだん（英語えいご版ばん）の竜騎兵りゅうきへいは騎兵きへいには難むずかしいとされる歩兵ほへい方陣ほうじん破やぶり（英語えいご版ばん）を数すう分間ふんかんで2回かい成功せいこうし、ガルシア・フェルナンデスの戦たたかい（英語えいご版ばん）でフランス前衛ぜんえいの一部いちぶを破やぶった。

帝国ていこくの鷲わし

サラマンカの戦たたかいにおいて、フランス帝国ていこくの鷲わし（英語えいご版ばん）が2体たい奪うばわれた。2体たいともイギリスに現存げんそんしている^[15]^[16]。

大衆たいしゅう文化ぶんかと記念きねん

レフ・トルストイの『戦争せんそうと平和へいわ』では、ボロジノの戦たたかいの前まえのシーンでサラマンカの敗戦はいせんの報しらせがナポレオンに届とどいた。
オーストラリア・タスマニア州しゅう・ホバートのサラマンカ広場ひろば（英語えいご版ばん）はこの戦闘せんとうを記念きねんして名付なづけられた。近ちかくにウェリントン山さん（英語えいご版ばん）がある。

脚注きゃくちゅう

^ Holmes, Richard (2003), Wellington: The Iron Duke, London: Harper Collins, ISBN 0-00-713750-8
^ Gates, p. 513
^ Gates, p. 514
^ Gates, p. 358
^ Oman, Charles (1914). A History of The Peninsular War, Volume 5. Oxford Clarendon Press. pp. 290–296
^ Oman, Charles (1914). A History of The Peninsular war, Volume V. Oxford Clarendon Press. pp. 320
^ Oman, Charles (1914). A History of The Peninsular war, Volume V. Oxford Clarendon Press. pp. 335
^ Porter, Maj Gen Whitworth (1889). History of the Corps of Royal Engineers Vol I. Chatham: The Institution of Royal Engineers. pp. 312–5
^ レ・マーチャントが設計せっけいしたサーベル。
^ Fletcher 1999, pp. 185–188.
^ Chandler-Pimlott p 266
^ Glover p 203
^ Military General Service Medal, with bars for Roleia, Vimiera, Busaco, Salamanca, Vittoria & St Sebastian, inscribed to Pvt. Joseph Weller, 1848
^ Oman p 58
^ Cherry, Bridget; O'Brien, Charles; Pevsner, Nikolaus (2005-01-01) (英語えいご). London: East. Yale University Press. ISBN 0300107013
^ “Channelsea River - Stratford”. edithsstreets.blogspot.co.uk. 2016年ねん10月がつ30日にち閲覧えつらん。

参考さんこう文献ぶんけん

Chandler, David (ed.), Pimlott, John Napoleon's Marshals "Marmont", Macmillan, (1987)
Chandler, David The Dictionary of the Napoleonic Wars Macmillan, (1979)
Gates, David The Spanish Ulcer: A History of the Peninsular War Da Capo Press (2001) ISBN 0-306-81083-2
Glover, Michael The Peninsular War 1807–1814 Penguin Books, (1974)
Oman, Charles Wellington's Army 1809–1814 Greenhill, (1913) 1993
Oman, Charles A History of The Peninsular war, Volume V, Oxford Clarendon Press (1914)
Smith, Digby The Napoleonic Wars Data Book Greenhill, (1998)
Weller, Jac Wellington in the Peninsula Nicolas Vane, (1962)
Beamish, N. Ludlow History of the King's German Legion Vol 2 (reprint) Naval and Military Press 1997 ISBN 0-9522011-0-0
Fletcher, Ian Salamanca 1812: Wellington Crushes Marmont Osprey Publishing, 1997, ISBN 1-85532-604-3
Muir, Rory Salamanca, 1812 Yale University Press, 2001, ISBN 0-300-08719-5
Young, Peter Wellington's masterpiece: The battle and campaign of Salamanca Allen and Unwin, 1972, ISBN 0-04-940037-1