シュアファイア

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シュアファイア LLC
SureFire LLC
種類しゅるい 合同ごうどう会社かいしゃ
本社ほんしゃ所在地しょざいち アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく
カリフォルニアしゅう ファウンテンバレー
設立せつりつ 1979ねん10月17にち[1]
業種ぎょうしゅ 製造せいぞうぎょう
事業じぎょう内容ないよう フラッシュライト
タクティカルライト(ウェポンライト)
タクティカルペン
レーザーサイト
サウンドサプレッサー
ナイフ
ピカティニー・レール
電池でんち
弾倉だんそう製造せいぞう販売はんばい[2]
代表だいひょうしゃ ジョン・マシューズ(CEO
ポール・キム(技術ぎじゅつ統括とうかつ)※2014ねん退職たいしょく
ショーン・ボー(CFO[3]
売上うりあげだか 75おくドル2007ねん[4]
従業じゅうぎょう員数いんずう 500にん(2007年度ねんど[4]
主要しゅよう子会社こがいしゃ EarPro(イヤープロ)
関係かんけいする人物じんぶつ 創設そうせつしゃ:ドクター ジョン・マシューズ
ピーター・ホーク
エド・レイノルズ
外部がいぶリンク surefire.com
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シュアファイア(Surefire)は、米国べいこくSureFire LLC製造せいぞうするフラッシュライトのブランド。ムラのひかりこう出力しゅつりょく頑丈がんじょう構造こうぞう特徴とくちょうとしている。その信頼しんらいせい安定あんていせいから、アメリカではぐんほう執行しっこう機関きかんなどで採用さいようされているほか各国かっこく軍隊ぐんたい警察けいさつ標準ひょうじゅん装備そうびとしても採用さいようされている。おも懐中かいちゅう電灯でんとうがた製品せいひんと、じゅうけること主眼しゅがん開発かいはつされたウェポンライトを製造せいぞうしている。

価格かかくは6000えんだい(G2)からすうまんえん中心ちゅうしんとし、50まんえん(Beast)をえるものまで販売はんばいされた。

概要がいよう[編集へんしゅう]

シュアファイアはたんくらがりをらすライトではなく、対象たいしょう強力きょうりょくひかりびせて“目潰めつぶし”をおこなうために開発かいはつされたライトである。 人間にんげんこう照度しょうどひかり直視ちょくしすると、保護ほごするために反射はんしゃてきじ、また一瞬いっしゅん運動うんどう能力のうりょく喪失そうしつする(眩惑げんわく)。これを利用りようすることで、瞬間しゅんかんてき行動こうどう不能ふのう思考しこう停止ていしおとしいれることができる。このため犯人はんにんなどをきずつけることなく逮捕たいほする必要ひつようがある警察けいさつなどほう執行しっこう機関きかんおお利用りようされている。またくら室内しつない突入とつにゅうするさいなどにも優位ゆういつことが出来できる。このためシュアファイアの製品せいひんは、軍事ぐんじ用途ようとにもえうるこう強度きょうど信頼しんらいせい確実かくじつ目標もくひょうらしすためのムラのひかり、そして対象たいしょう眩惑げんわくさせるための強力きょうりょく出力しゅつりょく特徴とくちょうとする。

歴史れきし[編集へんしゅう]

1969ねん、マシューズにより工業こうぎょうようレーザーとくした会社かいしゃとして設立せつりつされる[5]。その、その技術ぎじゅつもとレーザーサイト開発かいはつし、マシューズとピーター・ホーク、エド・レイノルズ3にんによってレーザーサイト製品せいひんおもとしたスピンオフ会社かいしゃ1979ねん10月17にち創立そうりつした[1]1984ねんには、ロサンゼルスオリンピック警備けいびにあたるロサンゼルス警察けいさつカリフォルニアしゅう・ロサンゼルスぐん保安ほあんかん事務所じむしょたいショットガンようのレーザーサイトを納入のうにゅうし、1985ねんに『SureFire』ブランドとしてはつとなる拳銃けんじゅう専用せんようのレーザーサイトを開発かいはつしている。そして、2000ねん現在げんざいの『SureFire LLC』となる[1]2008ねんにはISO 9000認定にんていけている。

構造こうぞう[編集へんしゅう]

本体ほんたい[編集へんしゅう]

シュアファイアのほとんどの筐体きょうたいは、航空こうくう宇宙うちゅうようアルミニウム合金ごうきん「6020-T8」によって製作せいさくされている(素材そざい詳細しょうさい項目こうもく参照さんしょう)。航空こうくう宇宙うちゅうよう規格きかくは「T-6」までであるが、さらに「T-8」(「T-6」に溶体処理しょりひやあいだ加工かこうのち、さらに人工じんこう時効じこう硬化こうか処理しょり)までの熱処理ねつしょりをしてある。 「T-8」はねばりがあり、とても丈夫じょうぶ合金ごうきんである。 さらに、シュアファイアでは加工かこう精度せいどたかめるためかんざいではなく、ブロックざいからCNCけずりだし、さらに「T-8」までの熱処理ねつしょりおこなわれたものを使用しようしているため、たか強度きょうど工作こうさく精度せいどほこ反面はんめん値段ねだん高騰こうとうしてしまう欠点けってんがある。加工かこうされた部品ぶひんは、シュアファイアが「ハードアナダイズドメッキ処理しょり」としょうする硬質こうしつアルマイト(これはMIL規格きかく(MIL-A-8625)Type-III(硬質こうしつ陽極ようきょく酸化さんか皮膜ひまく) Class2に準拠じゅんきょする)処理しょりほどこされていて非常ひじょう皮膜ひまくあつく、 たかたい磨耗まもうせいたい腐食ふしょくせいほこる。シュアファイアではこの処理しょりを3じゅうわたってほどこしているため、非常ひじょうたか強度きょうどほこる。一部いちぶ製品せいひんではナイトロロン(Nitrolon)とばれるプラスチックざい使用しようしている。この素材そざい絶対ぜったいてき強度きょうど上記じょうきのアルミ鋼材こうざいおとるものの、コストがやすいため比較的ひかくてき安価あんか供給きょうきゅう出来できほか寒冷かんれいでも素手すでれる利点りてんがある。 その本体ほんたい各部かくぶOリングぼうしずくせい防水ぼうすいではない)を確保かくほするなど、ほとんどの製品せいひん全天候ぜんてんこうせいを、またOリングを2じゅうにすることで30m以上いじょう防水ぼうすいせい保証ほしょうしているモデル(M2、L5、6PN)もあった。(現在げんざい生産せいさん終了しゅうりょうしている)

ヘッド[編集へんしゅう]

光源こうげん[編集へんしゅう]

すべてのシュアファイアの光源こうげんはその目的もくてきじょうたかひかりたば照度しょうどち、かつ銃器じゅうき発砲はっぽう衝撃しょうげきえうる強度きょうどたなければならなく、光源こうげんにはおもハロゲンキセノン混合こんごうガスランプ使用しようされていた。これはシュアファイアが眩惑げんわく目的もくてき使用しようされる場合ばあいには65ルーメン以上いじょう推奨すいしょうしており、これは従来じゅうらいLEDでは実現じつげんむずかしかったためである。しかし近年きんねんLED発展はってんにより、しんモデルのほぼすべての光源こうげんLEDにするだけでなく、きゅうモデルの光源こうげんをLEDしたマイナーチェンジばん発売はつばいしている。またLED搭載とうさいモデルではDCコンバーター内蔵ないぞうし、一定いっていひかりたば維持いじされるようになっている。LED、ハロゲンキセノンランプのほかにHIDランプ搭載とうさいするモデルも存在そんざいする。

リフレクタ[編集へんしゅう]

P60キセノンバルブ

ライトをくリフレクタ(反射はんしゃきょう)はトンボ複眼ふくがんのように、こまかい凹面によって構成こうせいされている。これは光源こうげん根元ねもとたる部分ぶぶんにより照射しょうしゃされるひかりにムラが出来できてしまうのをふせため精密せいみつ設計せっけいされている。これにより、照射しょうしゃした対象たいしょう素早すばや見分みわけることが可能かのうになるのである。

レンズ[編集へんしゅう]

レンズにはおもパイレックスガラスが使つかわれている。これはランプが高熱こうねつえつつ、強度きょうど維持いじするためである。 おなじモデルでもレンズに防弾ぼうだんガラスなどにももちいられる透明とうめいプラスチックのレキサン採用さいようされた両方りょうほうのタイプがあったが、現在げんざいではガラス仕様しよう統一とういつされているようである。 (6P、9P、ミレニアムシリーズなどは両方りょうほうのモデルが同時どうじ発売はつばいされていた。)

現在げんざいのモデルはごく一部いちぶのぞいたほとんどがパイレックスかより性能せいのうボロフロートガラスである。また一部いちぶのモデルではTIR(特殊とくしゅしゅうこうレンズ)とよばれるレンズが採用さいようされており、より強力きょうりょくなスポットこうすことができる。

電池でんち[編集へんしゅう]

SF123 リチウム電池でんち

電池でんちおもにCR123Aリチウム電池でんち採用さいようしている。これはアルカリ電池でんちくら

  • 10年間ねんかん保存ほぞん可能かのう長寿ちょうじゅいのち
  • こう電圧でんあつ
  • こう出力しゅつりょく
  • 軽量けいりょう
  • 低温ていおんでの性能せいのうたか
  • こう電圧でんあつなが維持いじされる

などのてんにおいてすぐれていたためである。

一部いちぶモデルでは瞬発しゅんぱつりょくたい衝撃しょうげきせいすぐれたニカド電池でんち充電じゅうでん採用さいようしているが、メモリー効果こうか注意ちゅういする必要ひつようがある。2010ねん発売はつばいされた1つのモデルは、たんさん電池でんち2ほんもちいたものがある。2013ねん以降いこう純正じゅんせいリチウムイオン電池でんち発売はつばいされ、ていコストの運用うんよう可能かのうになった。

特徴とくちょう[編集へんしゅう]

前述ぜんじゅつしたとおり、ムラのひかりこう出力しゅつりょくこう照度しょうど頑丈がんじょう構造こうぞう特徴とくちょうとしているが、その特徴とくちょうとしては以下いかてんげられる。また、名前なまえ外観がいかんせた安価あんか製品せいひん複数ふくすうのメーカーから発売はつばいされているが、実物じつぶつ同様どうようぐん規格きかくをクリアするほど過酷かこく環境かんきょうでの使用しよう考慮こうりょしているものはすくない。

もととなる6P規格きかくでは、ボディーにP(ノーマル)、Z(コンバットリング)、C(コンバットリング+クリップ)、D(クリップ)とあった。またM(ミレニアム)も存在そんざいする。

利点りてん[編集へんしゅう]

  • アクセサリーとう充実じゅうじつしており、また構造こうぞう統一とういつされているため、くみえることで様々さまざま用途ようと対応たいおうできる。
  • ぐんほうぎょう機関きかんなが利用りようされているため、専門せんもんてきなオプションも豊富ほうふである。(ルミノール反応はんのう確認かくにんするためのブルーフィルタなど)
  • 保証ほしょう購入こうにゅうしゃいちだいかぎ期限きげんである。(ただしバッテリーやランプ、スイッチのゴムブーツなど消耗しょうもうひん保障ほしょうされない。)
  • こう電圧でんあつのリチウム電池でんち使用しようすることで、マグライトなどとくらべて小型こがたでよりこう輝度きどである。

欠点けってん[編集へんしゅう]

  • 一般いっぱんてき懐中かいちゅう電灯でんとうくら本体ほんたい価格かかくたかい(もっともやすいモデルで6000えんたかいものでは50まんえんえるものも存在そんざいする)。
  • 本体ほんたい同様どうよう使用しようするリチウム電池でんち高価こうかである。2013ねん以降いこう純正じゅんせいリチウムイオン電池でんち発売はつばいされ、電池でんちかんしてはていコスト運用うんよう可能かのうになった。
  • LEDモデルは内蔵ないぞうのDCコンバーターにより、電池でんち放電ほうでん寿命じゅみょうまで安定あんていしたあかるさがたもてるが、電池でんち消耗しょうもうともな電圧でんあつ低下ていか突然とつぜん消灯しょうとうすることがある。ただし、出力しゅつりょく選択せんたくできる製品せいひんでは、こう出力しゅつりょく突然とつぜんえてもてい出力しゅつりょくえることで、ある程度ていど点灯てんとうつづけることが可能かのうになっている。
  • キセノンランプを採用さいようしている製品せいひんでは連続れんぞく点灯てんとう推奨すいしょうされておらず、新品しんぴん電池でんちでも既定きてい出力しゅつりょくで1あいだからながくて数時間すうじかん出力しゅつりょくした場合ばあいは20ふん程度ていどしか使用しようできない。
  • 小型こがたであることの裏返うらがえしとして)襲撃しゅうげきされたさい殴打おうだするための武器ぶきわりには使用しようしにくい。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ a b c "SureFire, Laser Sight and Tactical Flashlight Pioneer, Turns 30" (PDF) (Press release). SureFire, LLC. 17 October 2009. 2010ねん10がつ26にち閲覧えつらん
  2. ^ SureFire Fact Sheet” (PDF). SureFire, LLC. 2008ねん10がつ27にち閲覧えつらん
  3. ^ SureFire, LLC.: CEO & Executives”. Bloomberg. 2010ねん10がつ26にち閲覧えつらん
  4. ^ a b Aronovich, Hanna (December 2007). “Light Up: SureFire LLC Profile”. U.S. Business Review: 102–103. http://www.surefire.com/surefire/content/graphics/pagebuilder/images/USBusinessJournal_Dec07-SureFire.jpg. 
  5. ^ The SureFire Story”. SureFire, LLC. 2010ねん10がつ26にち閲覧えつらん

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]