シンガポールの鉄道てつどう

シンガポールの鉄道てつどう（しんがぽーるのてつどう）ではシンガポールにおける鉄道てつどうについて記しるす。シンガポールにはマレーシアから乗のり入いれてきたマレー鉄道てつどうのシンガポール駅えきがあるほか、高架こうか鉄道てつどう・地下鉄ちかてつとしてMRT・LRT、モノレールが存在そんざいする。イギリス植民しょくみん地ち時代じだいには、クランジへの軽便鉄道けいべんてつどう（1885年ねん開通かいつう）や路面ろめん電車でんしゃ、トロリーバスも存在そんざいしたが、いずれも独立どくりつ前まえに廃止はいしされた。

歴史れきし

国内こくない

マス・ラピッド・トランジット（MRT）

詳細しょうさいは「マス・ラピッド・トランジット (シンガポール)」を参照さんしょう

シンガポールにはMRT (Mass Rapid Transit) と呼よばれる高架こうか鉄道てつどう・地下鉄ちかてつが存在そんざいする。現在げんざい、南北線なんぼくせん・東西線とうざいせん・環状かんじょう線せんがSMRTにより、北東ほくとう線せん・ダウンタウン線せんがSBS Transitにより運行うんこうされ、都心としん部ぶに関かんしては地下ちかを走はしり、他たでは高架線こうかせんを走はしる。チャンギ国際こくさい空港くうこうにも支線しせんが乗のり入いれ、都心としんからのアクセスとしての役割やくわりも果はたしている。

ライト・ラピッド・トランジット（LRT）

詳細しょうさいは「ライト・ラピッド・トランジット」を参照さんしょう

また、LRT（Light Rapid Transitの略りゃくで、ライトレールではない）と呼よばれる日本にっぽんでいう新しん交通こうつうシステム (AGT) もSMRTとSBS Transitの2社しゃにより3路線ろせんが運行うんこうされている。

路面ろめん電車でんしゃ

詳細しょうさいは「シンガポールの路面ろめん電車でんしゃ」を参照さんしょう

1886年ねんから1894年ねんまで運行うんこうしていた蒸気じょうき機関きかんの路面ろめん電車でんしゃと1905年ねんから1927年ねんまで運行うんこうしていた路面ろめん電車でんしゃが存在そんざいした。いずれも成功せいこうせず、短命たんめいに終おわった。路面ろめん電車でんしゃの廃止はいし後ごは1962年ねんまでトロリーバスが運行うんこうされていた。

国際こくさい

マレー鉄道てつどう

詳細しょうさいは「マレー鉄道てつどう」を参照さんしょう

元々もともとシンガポールがマレーシアから独立どくりつした経緯けいいもあり、1903年ねんに開通かいつうしていた鉄道てつどう路線ろせんは、1965年ねんの独立どくりつ後ごも敷地しきちおよび線路せんろ・駅えき等とうの施設しせつは、マレーシアの政府せいふ全額ぜんがく出資しゅっし会社かいしゃである鉄道てつどう資産しさん公社こうしゃの所有しょゆうであり、シンガポール政府せいふの委託いたくを受うけ、運営うんえい・運行うんこうをマレーシア鉄道てつどう公社こうしゃがおこなっている。シンガポール側がわは、シンガポール領内りょうないの鉄道てつどう施設しせつを譲渡じょうとするようにマレーシア側がわに要求ようきゅうしている。2010年ねん5月がつ24日にち、両国りょうこく首脳しゅのう会談かいだんにおいてシンガポール駅えきを国境こっきょう近ちかくのウッドランズ駅えきに移転いてんすることを合意ごうい。2011年ねん6月30日にち、同どう国内こくないを走はしる大だい部分ぶぶんの路線ろせんが廃止はいしされ、また変則へんそく的てきな出入国しゅつにゅうこくも解消かいしょうされた（詳細しょうさい後述こうじゅつ）。跡地あとちは両国りょうこくが共同きょうどう出資しゅっしした合弁ごうべん会社かいしゃにより再さい開発かいはつが予定よていされている。

2015年ねん 7月がつ1日にち、マレーシア側がわ国境こっきょう駅えきであるJBセントラルとウッドランズとの間あいだを走はしるシャトル列車れっしゃ（シャトル・テブラウ）が運行うんこう開始かいし^[1]^[2]。これにともない、シンガポール側がわからJBセントラル以北いほくへ直通ちょくつうする列車れっしゃの設定せっていは無なくなった。

変則へんそく的てきな出入国しゅつにゅうこく審査しんさ

かつてはシンガポール駅えきでマレーシア・シンガポール両国りょうこくの出入国しゅつにゅうこく審査しんさがおこなわれていたが、1998年ねんにシンガポールの出入国しゅつにゅうこく審査しんさだけが国境こっきょう検問けんもん所しょ専用せんよう駅えきとなるウッドランズ・トレイン・チェックポイントに移うつされた。シンガポールからマレーシアへ向むかう場合ばあい、シンガポール駅えきでマレーシアの入国にゅうこく審査しんさがおこなわれ、その後ご、ウッドランズ・トレイン・チェックポイントでシンガポールの出国しゅっこく審査しんさがおこなわれるため、出入国しゅつにゅうこく審査しんさの順番じゅんばんが逆転ぎゃくてんすることとなった。

そのため、マレーシア入国にゅうこく証印しょういんがパスポートに押おされず（入国にゅうこく申告しんこく書しょは回収かいしゅうされない）、マレーシア出国しゅっこく時じにトラブルの原因げんいんとなっていた。シンガポールから鉄道てつどうでマレーシアに出国しゅっこくする際さいには、タンジョン・パガーでマレー鉄道てつどう乗車じょうしゃを示しめす印しるしが押印おういんされたマレーシアの出入国しゅつにゅうこく申告しんこく書しょや切符きっぷを保管ほかんしておく必要ひつようがあった。

一方いっぽうマレーシアからシンガポールへ向むかう列車れっしゃでは、マレーシアの出国しゅっこく審査しんさはマレーシア側がわの国境こっきょう駅えきであるJBセントラル駅えきに停車ていしゃ中ちゅうの列車れっしゃ内ないもしくはJBセントラル駅えき構内こうないで行おこなっていた。

廃はい線せん跡あと

シンガポール駅えき～ウッドランズ間あいだの約やく24キロの廃はい線せん跡あとは大半たいはんのレールが外はずされたが、熱帯ねったい雨林うりんの生態せいたい系けいと鉄道てつどう土木どぼく構造こうぞう物ぶつを体感たいかんできる遊歩道ゆうほどうの「グリーン・レール・コリドー（緑みどりの鉄道てつどう回廊かいろう）」として整備せいびされている^[3]。

歴史れきし

1900年ねん 4月がつ16日にち - シンガポール・クランジ鉄道てつどう(Singapore Government Railway)起工式きこうしき開催かいさい。
1903年ねん 1月がつ1日にち - シンガポール駅えき（フォート・カンニング・ヒル西南せいなんの麓ふもと）-ニュートン駅えき～カルニー駅えき～ブキッ・ティマ(旧きゅう)駅えき間あいだ開通かいつう。
1903年ねん 4月がつ10日とおか - ブキッ・ティマ(旧きゅう)駅えき～ブキッ・パンジャン駅えき～マンダイ駅えき～ウッドランズ駅えき間あいだ延長えんちょう開通かいつう (シンガポール～ウッドランズ間あいだ：16.79マイル)。
1903年ねん 7月がつ16日にち - カルニー～ブキッ・ティマ間あいだにホーランド・ロード駅えき開業かいぎょう。
1903年ねん - ウッドランズ～ジョホール・バル間あいだに鉄道てつどう連絡れんらく船せん(2隻せき)就航しゅうこう。
1907年ねん 1月がつ21日にち - シンガポール駅えきはタンク・ロード沿ぞいに移転いてんしタンクロード駅えきと改称かいしょう。タンクロード駅えき～ボルネオ埠頭ふとう駅えき～パシル・パンジャン駅えき間あいだ延長えんちょう開通かいつう。
1908年ねん 4月がつ1日にち - タンクロード駅えき～ボルネオ埠頭ふとう駅えき間あいだにピープルズ・パーク駅えき開業かいぎょう。
1918年ねん - シンガポール・クランジ鉄道てつどうは、マレー連合れんごう州しゅうに$4,136,000で売却ばいきゃくされ、マレー連合れんごう州しゅう鉄道てつどう(Federated Malay States Railway (FMSR))となる。
1923年ねん 9月17日にち - ジョホール・バル駅えき～ウッドランズ間あいだ(0.54マイル)開通かいつう。ジョホール・シンガポール・コーズウェイ経由けいゆの貨物かもつ列車れっしゃ運行うんこう開始かいし。
1923年ねん 10月1日にち - ジョホール・シンガポール・コーズウェイ経由けいゆの旅客りょかく列車れっしゃ運行うんこう開始かいし。ウッドランズ駅えき廃止はいし。
1924年ねん 6月28日にち - ジョホール・シンガポール・コーズウェイ(道路どうろ)開通かいつう。
1932年ねん 5月2日にち 17時じ15分ふん - ケッペル・ロード駅えき開業かいぎょう式しき。これに先立さきだち、開業かいぎょう式典しきてんへの出席しゅっせき者しゃを乗のせた臨時りんじ列車れっしゃをブキッ・パンジャン駅えきからケッペル・ロード駅えきへ運行うんこう。
1932年ねん5月がつ2日にち 20時じ30分ふん - タンクロード駅えき発はつクアラ・ルンプール行ぎょう最終さいしゅう列車れっしゃ発車はっしゃ。
1932年ねん 5月3日にち - ブキッ・パンジャン駅えき～ブキッ・ティマ(旧きゅう)駅えき～タンクロード駅えき間あいだ廃止はいし。ブキッ・パンジャン駅えき～ブキッ・ティマ(新しん)駅えき～タングリン～アレキサンドラ駅えき-ケッペル・ロード駅えき間あいだ(8.52マイル)開通かいつう。
1932年ねん5月がつ3日にち 8時じ00分ふん - ケッペル・ロード発はつクアラ・ルンプール行いき始発しはつ列車れっしゃ発車はっしゃ。
1936年ねん～1937年ねん - タンク・ロード～ブキッ・ティマ間あいだ施設しせつ撤去てっきょ
1965年ねん 8月がつ9日にち - マレーシアから分離ぶんり独立どくりつしたシンガポールが建国けんこく。
1965年ねん 11月11日にち - ブキッ・ティマ～ジュロン間あいだ(6マイル)支線しせんが開通かいつう。
1972年ねん年末ねんまつ - シンガポールでの蒸気じょうき機関きかん車しゃ運行うんこう停止ていし。
1992年ねん 8月がつ1日にち - 1991年ねんに成立せいりつしたマレーシア鉄道てつどう法ほうに基もとづき、マレーシア政府せいふ全額ぜんがく出資しゅっしのKTMB設立せつりつ。
1993年ねん 9月 - イースタン・オリエンタル・エクスプレス (シンガポール～クアラ・ルンプール～バンコック間あいだ) 運行うんこう開始かいし
1990年ねん代だい中期ちゅうき - ジュロン支線しせん廃止はいし。
1998年ねん 8月がつ1日にち - ウッドランズ・トレイン・チェックポイント供用きょうよう開始かいし
2010年ねん 10月21日にち - JBセントラル駅えきが開業かいぎょう(ジョホール・バル駅えき営業えいぎょう終了しゅうりょう)
2011年ねん 6月30日にち - シンガポール駅えき～ウッドランズ間あいだ廃止はいし。シンガポール側がわの終着駅しゅうちゃくえきがウッドランズに移転いてん
2015年ねん7月がつ1日にち - ウッドランズとJBセントラルとのシャトルサービス運行うんこう開始かいし。ウッドランズからJBセントラル以北いほくへの直通ちょくつう列車れっしゃの設定せっていが無なくなる。