アフガニスタンの鉄道てつどう

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バルフ州しゅうハイーラターン近ちかくで機関きかん車しゃを検査けんさ中ちゅうのアフガン国境こっきょう警察けいさつ（ABP）のメンバー。

アフガニスタンの鉄道てつどうは19世紀せいきに計画けいかくされたが、まだ未完みかんの状態じょうたいである。1920年代ねんだい、首都しゅとのカーブルにて1路線ろせんが建設けんせつされたが、その後ご廃止はいしされた。経済けいざい成長せいちょうを促進そくしんする鉱山こうざん開発かいはつのプロジェクトを支援しえんするため、様々さまざまな鉄道てつどうプロジェクトが提案ていあんされている。

現在げんざい、アフガニスタンのマザーリ・シャリーフとウズベキスタン北部ほくぶとを結むすぶ鉄道てつどうがある。アフガニスタン政府せいふは、その路線ろせんをカーブルまで拡張かくちょうし、さらに東部とうぶの国境こっきょうの町まちであるトールハムまで延長えんちょうし、そこで隣国りんごくパキスタンの国鉄こくてつに接続せつぞくしようと思案しあんしている。その事業じぎょうは、中国ちゅうごく冶金やきんグループ株式会社かぶしきがいしゃ（MCC）によって、2014年ねんまでに完了かんりょうすることが期待きたいされていた。このプロジェクトはアジア開発銀行あじあかいはつぎんこうから16,500万まんドルの融資ゆうしを受うけた。他たにマザーリ・シャリーフとトルクメニスタン間あいだ330キロの鉄道てつどうを建設けんせつするプロジェクトが2013年ねん6月がつに発表はっぴょうされた。インドは鉱山こうざん資源しげんの豊富ほうふなアフガニスタンのハージーガク峠とうげとイランにあるチャーバハール港こうに接続せつぞくする900キロメートルの鉄道てつどう路線ろせんを建設けんせつする計画けいかくを立たて、建設けんせつの援助えんじょを行おこなうと確約かくやくしている。

歴史れきし

カーブル・トラム

詳細しょうさいは「カーブル＝ダルラマン・トラム」を参照さんしょう

1920年代ねんだいには、アマーヌッラー・ハーンは3両りょうの小型こがたの蒸気じょうき機関きかん車しゃをドイツカッセルのヘンシェルから購入こうにゅうし、カーブル（カブール）からダルラマン宮殿きゅうでん間あいだの7キロメートルを結むすぶトラム（軌間きかん762ミリメートル）の運行うんこうに使用しようした。そのトラムは後ご（日付ひづけ不明ふめい）廃止はいしされ、機関きかん車しゃはダルラマンのカーブル博物館はくぶつかんに保存ほぞんされている。蒸気じょうき機関きかん車しゃに関かんする雑誌ざっし、Locomotive Magazineの1922年ねん12月がつ号ごうによると「アフガニスタンの鉄道てつどうの状況じょうきょうは、カーブルからダルラマンまでの6マイルが敷設ふせつされており、車両しゃりょうの一部いちぶはカーブルの工場こうじょうで製造せいぞうされている」そして、同誌どうし1928年ねん8月がつ号ごうによると「アフガニスタンの現時点げんじてんで唯一ゆいいつの鉄道てつどうはカーブルとダルラマンの間あいだ5マイルである」とも言及げんきゅうしている。

産業さんぎょう鉄道てつどう

1950年代ねんだいに水力すいりょく発電はつでん所しょがカーブルの東ひがしスロビに建築けんちくされた。ヘンシェル社しゃ製せいで1951年ねん製せいの四よん輪りんディーゼル油圧ゆあつ式しき機関きかん車しゃ（軌間きかん600ミリメートル）（製造せいぞう番号ばんごう24892、24993、24994）3両りょうが発電はつでん所しょに提供ていきょうされた。

1979年ねんに鉱山こうざんまたは建設けんせつ業ぎょう向むけにボンのベディアマシーネンファブリーク製せいのD35/6 2車軸しゃじくディーゼル油圧ゆあつ式しき機関きかん車しゃ5両りょう（軌間きかん600ミリメートル、製造せいぞう番号ばんごう150〜154）が、アフガニスタンに引ひき渡わたされた。

これらの機関きかん車しゃの消息しょうそくは不明ふめいである。

軌間きかん

米べい軍ぐんヘリコプターから見みたアフガニスタン＝ウズベキスタン友好ゆうこう橋きょうからマザーリ・シャリーフへ延のびる鉄路てつろ

アフガニスタンの周辺しゅうへん国こくで採用さいようされている軌間きかんは3種類しゅるいあり、それらの国くにとの鉄道てつどう路線ろせんの接続せつぞくはほとんどない。

アフガニスタンの鉄道てつどう路線ろせんは25キロメートル未満みまんであり、軌間きかんは、ロシアで主おもに採用さいようされている広軌こうきである1520ミリメートルである。イギリスやロシアなどの外国がいこくによる干渉かんしょうの助長じょちょうを抑おさえる戦略せんりゃく的てきな理由りゆうから、これまでのアフガニスタン政府せいふは鉄道てつどう建設けんせつには消極しょうきょく的てきであった。

西方せいほうのイランおよび東方とうほうの中国ちゅうごくでは、標準軌ひょうじゅんきである1435ミリメートル、南方なんぽうのパキスタンでは、広軌こうきである1676ミリメートル、北方ほっぽうの中央ちゅうおうアジアのトルクメニスタン、ウズベキスタン、タジキスタンでは広軌こうきである1520ミリメートルを採用さいようしている。

2010年ねん、アフガニスタン国内こくないの鉄道てつどう網もうは、標準軌ひょうじゅんきである1435ミリメートルを採用さいようするとした。

鉄道てつどう駅えき

アフガニスタンには旅客りょかくサービスや旅客りょかく駅えきは存在そんざいしない。

アフガニスタン鉄道てつどう公社こうしゃ

アフガニスタン政府せいふは、欧州おうしゅう委員いいん会かいが提供ていきょうする技術ぎじゅつ協力きょうりょくにより鉄道てつどう建設けんせつ委員いいん会かいを形成けいせいすることにした。それは、2011年ねん7月がつのG8会議かいぎで議論ぎろんされた。鉄道てつどう建設けんせつ委員いいん会かいは、国内こくないの鉄道てつどう網もうと隣国りんごくへ接続せつぞくする路線ろせんを建設けんせつするのを監督かんとくするために、鉄道てつどう網もうの建設けんせつ工事こうじの世話せわを担当たんとうしている。2011年ねん10月がつ、アジア開発銀行あじあかいはつぎんこうは、アフガニスタン鉄道てつどう公社こうしゃへの拠出きょしゅつを承認しょうにんした。

現在げんざいの鉄道てつどうや今後こんごの計画けいかく

バルフ州しゅう北部ほくぶで運行うんこうされている貨物かもつ列車れっしゃ

ウズベキスタンとの鉄道てつどう連絡れんらく

1980年代ねんだい初頭しょとう、ソ連それんは、ウズベキスタンのテルメズからアフガニスタンのハイラーバード村むらまでの約やく15キロの鉄道てつどう路線ろせんを建設けんせつした。アムダリア川がわをアフガニスタン＝ウズベキスタン友好ゆうこう橋きょうで渡わたる。2010年ねん1月がつ、アフガニスタンとウズベキスタンの間あいだ75キロメートルの路線ろせん延長えんちょうの工事こうじが開始かいしされた。軌間きかんはソ連それんによって建設けんせつされた区間くかんと同おなじ1520ミリメートルである。2010年ねん12月には、アフガニスタン復興ふっこうプロジェクトとして建設けんせつ資材しざいの輸送ゆそうが開始かいしされた。

ハイーラターンからマザーリ・シャリーフ国際こくさい空港くうこうまでの路線ろせんが完成かんせいした。その路線ろせんの運行うんこうは、アフガニスタンの鉄道てつどう部門ぶもんが設立せつりつされるまで3年間ねんかん、ウズベキスタンの国営こくえい鉄道てつどうであるウズベキスタン鉄道てつどうが担になっている。貨物かもつ輸送ゆそうサービスは、2011年ねん8月がつごろに開始かいしした。

トルクメニスタンとの鉄道てつどう連絡れんらく

トルクメニスタンのセルヘタバットからアフガニスタンのタウラグーンディーまでの10キロメートルの延長えんちょうが行おこなわれている。この路線ろせんはソ連それんによって建設けんせつされたが、2007年ねんに改良かいりょうが行おこなわれた。

アフガニスタンのバルフ州しゅうからファーリヤーブ州しゅうのアキナ陸上りくじょう港みなとまでの330キロの鉄道てつどう軌道きどうの建設けんせつが2013年ねん6月がつに発表はっぴょうされた。推定すいてい40億おくアフガニの費用ひようで、ジョウズジャーン州しゅうのシェベルガーンを通過つうかし、ファーリヤーブ州しゅうのアンドホイ郡ぐんにあるアキナ陸上りくじょう港みなとにてトルクメニスタンの鉄道てつどうと接続せつぞくする路線ろせんである。

パキスタンとの鉄道てつどう連絡れんらく

「パキスタンの鉄道てつどう」も参照さんしょう

パキスタン国鉄こくてつの2路線ろせん（広軌こうき（1676ミリメートル））が国境こっきょう付近ふきんの町まちであるチャマンとランディー・コタルまで存在そんざいしている。2010年ねん7月がつに、パキスタンとアフガニスタンは、両国りょうこく間あいだに鉄道てつどう路線ろせんの敷設ふせつを進すすめて行いくための了解りょうかい覚書おぼえがきに署名しょめいした。鉄道てつどう路線ろせんはパキスタンのクエッタからアフガニスタンのカンダハルまでの区間くかんとパキスタンのペシャワールからアフガニスタンのジャラーラーバードまでの区間くかんを結むすぶ。

2012年ねん5月がつ29日にちには、パキスタンのチャマンからアフガニスタンのスピンボルダックの区間くかん（12キロ）が認可にんかされた。

タジキスタンとの鉄道てつどう連絡れんらく

アフガニスタンとタジキスタン間あいだに鉄道てつどう路線ろせんの接続せつぞくの計画けいかくがある。

南北なんぼく回廊かいろう

2010年ねん9月がつ、中国ちゅうごく冶金やきんグループ株式会社かぶしきがいしゃ（MCC）は、アフガニスタン鉱山こうざん大臣だいじんとアフガニスタンの南北なんぼく鉄道てつどうの建設けんせつ調査ちょうさをすることに署名しょめいした。その路線ろせんは、マザーリ・シャリーフからカーブル、それから、アフガニスタン東部とうぶの国境こっきょうの町まちであるトールハムまで建設けんせつされる。MCCは、メス・アイナクの銅どう鉱山こうざんの採掘さいくつ権けんを獲得かくとくし、そこまで鉄道てつどうと接続せつぞくする予定よていである。MCCは、軌間きかん1676ミリメートルの鉄道てつどう路線ろせんを921キロメートル建設けんせつし、カブールと北きたはウズベキスタン、東ひがしはパキスタンと連結れんけつする予定よていである。

イランとの鉄道てつどう連絡れんらく

「イラン・イスラーム共和きょうわ国こく鉄道てつどう」も参照さんしょう

イランのマシュハドを終点しゅうてんとする標準軌ひょうじゅんき（1435ミリメートル）の貨物かもつ線せんが、アフガニスタンから最もっとも近ちかい路線ろせんである。この路線ろせんは、現在げんざい、ヘラートまでの202キロメートル東ひがしに延長えんちょうされている。2007年ねん4月がつ17日にち、アフガニスタン外務がいむ大臣だいじんであったランギーン・ダードファル・スパンターは、フワーフ（ハーフ） - ヘラート間あいだの鉄道てつどう（貨物かもつのみ）の執行しっこう業務ぎょうむプロジェクトは、2006年ねんに始はじまったと言いった。イラン南部なんぶのチャーバハール港みなとからアフガニスタンの領域りょういきのハージーガク峠とうげまでの鉄道てつどうの計画けいかくもある。

ハージーガク - チャーバハール鉄道てつどう

インドは鉱山こうざん資源しげんの豊富ほうふなアフガニスタンのハージーガク峠とうげとイランにあるチャーバハール港こうに接続せつぞくする900キロメートルの鉄道てつどう路線ろせんを建設けんせつする計画けいかくを立たて、建設けんせつの援助えんじょを行おこなうと確約かくやくしている。

その他たの国くにとの鉄道てつどう連絡れんらく

中国ちゅうごくとは2016年ねんから貨物かもつ列車れっしゃが運行うんこうしている。タジキスタンとは鉄道てつどうで連絡れんらくされていないが、タジキスタンとの鉄道てつどう連絡れんらくは2008年ねんに提案ていあんされている。

異ことなる軌間きかんの接続せつぞく

2010年ねんからの鉄道てつどう建設けんせつの計画けいかくにより、軌間きかんの異ことなる路線ろせんの接続せつぞくが5か所しょ発生はっせいする。

• カンダハール 1676ミリメートル / 1435ミリメートル
• ハイバル（カイバル）峠とうげ 1676ミリメートル / 1435ミリメートル
• タウラグーンディー 1520ミリメートル / 1435ミリメートル
• マザーリ・シャリーフ 1520ミリメートル / 1435ミリメートル
• シェール・ハーン・バンダル 1520ミリメートル / 1435ミリメートル

隣接りんせつ国こくとの鉄道てつどう接続せつぞく状じょう況きょう

• トルクメニスタン - 接続せつぞくあり
• ウズベキスタン - 接続せつぞくあり
• タジキスタン - 接続せつぞくなし
• 中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこく - 接続せつぞくなし
• パキスタン - 接続せつぞくなし
• イラン - 接続せつぞくなし

地図ちず

• “アフガニスタンの地図ちず” (pdf). 国際こくさい連合れんごう. 2016年ねん2月がつ8日にち閲覧えつらん。
• “UNHCR Atlas Map”. 2016年ねん2月がつ8日にち閲覧えつらん。

関連かんれん項目こうもく

• アフガニスタンの交通こうつう
• ハイバル峠とうげ鉄道てつどう（ハイバル峠とうげを蒸気じょうき機関きかん車しゃで走はしる観光かんこう用ようの鉄道てつどう）
• 新しんシルクロード構想こうそう

参考さんこう文献ぶんけん

参照さんしょう文献ぶんけん

• Grantham, A. Railways in Afghanistan
• Waters, Paul E (2002). Afghanistan: A Railway History. Bromley: PWA. ISBN 0948904097 

外部がいぶリンク

• “Afghanistan Railway Authority” (英語えいご). 2016年ねん2月がつ8日にち閲覧えつらん。