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シンデレラ・エクスプレス (CM)

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

シンデレラ・エクスプレスは、東海旅客鉄道とうかいりょかくてつどう(JR東海とうかい)が1987ねん1992ねん展開てんかいしていた、東海道新幹線とうかいどうしんかんせんのテレビCMである。制作せいさく電通でんつうTYO

概要がいよう[編集へんしゅう]

国鉄こくてつ分割ぶんかつ民営みんえいにより誕生たんじょうしたJR東海とうかい最初さいしょ企業きぎょう広告こうこくとして製作せいさくされた。東京とうきょうはつ新大阪しんおおさか最終さいしゅう列車れっしゃ「ひかり289ごう」(当時とうじ)の出発しゅっぱつ時刻じこくである21ちょうどを、童話どうわシンデレラ主人公しゅじんこう舞踏ぶとうかいくための魔法まほうける午前ごぜん0見立みたてて(新幹線しんかんせん営業えいぎょう運行うんこうも0終了しゅうりょうするようダイヤまれている)、はなばなれにらす恋人こいびとたちが週末しゅうまつ出会であい、ふたたわかれていく日曜日にちようびよる新幹線しんかんせんプラットホームひろげるこいのドラマをモチーフとした。CM撮影さつえいは、列車れっしゃ営業えいぎょう運行うんこう終了しゅうりょうした深夜しんや東京とうきょうえき名古屋なごやえき岐阜ぎふ羽島はしまえき使つかい、当時とうじ最新さいしんがたであった100けい電車でんしゃすうかい往復おうふくさせておこなわれた。ホームの一部いちぶにはぬのかれ、スモークを発生はっせいさせるなど大掛おおがかりな撮影さつえいとなった。テレビCMと同時どうじにポスター収録しゅうろくおこなったが、このさい使用しようしたのは100けいX3編成へんせいである[1]

新幹線しんかんせん舞台ぶたいにした遠距離えんきょり恋愛れんあい」というCMテーマについては、当時とうじJR東海とうかい入社にゅうしゃ5ねんだった東京とうきょう広報こうほう社員しゃいんで、のち営業えいぎょう本部ほんぶふく本部ほんぶちょうなどを名古屋なごやステーション開発かいはつ社長しゃちょうなどをつとめた坂田さかた一広かずひろ実体験じつたいけんもとづくアイデアからまれたものであるという[2][3]広島ひろしま彼女かのじょ長距離ちょうきょり恋愛れんあいしていた坂田さかたは、毎週まいしゅうまつのように中間ちゅうかん大阪おおさか名古屋なごや彼女かのじょっており、最終さいしゅう列車れっしゃのホームかくドアでひろげられる恋人こいびとたちのドラマをえんじる一人ひとりとしての経験けいけんを、企画きかくしょいて提案ていあんし、これが採用さいようされたものであるという。

一方いっぽうで、CMをがけた電通でんつう三浦みうら武彦たけひことTYOの早川はやかわ和良かずよしによる著書ちょしょによると、このCMは競合きょうごうプレゼンテーションにより三浦みうららが提案ていあんしたあん採用さいようされたものだという[4]三浦みうらは「新幹線しんかんせんは(ひとひと出会であう、まちまちむすぶ)コミュニケーションメディアである」というコンセプトをかか[注釈ちゅうしゃく 1]、このコンセプトをもとに、当時とうじ日曜にちよう21東京とうきょうはつ最終さいしゅう列車れっしゃひかり」をモチーフとした遠距離えんきょり恋愛れんあい物語ものがたりのシナリオをえがいた[4]。このCMの誕生たんじょうするまえ1985ねんに『日立ひたちテレビシティ』(TBS)で『シンデレラ・エクスプレス-48あいだ恋人こいびとたち-』というドキュメンタリー放映ほうえいされており、このなか東海道新幹線とうかいどうしんかんせん東京とうきょうはつ最終さいしゅう列車れっしゃ「ひかり313ごう」を舞台ぶたいに、遠距離えんきょり恋愛れんあいのカップルが東京とうきょうでの週末しゅうまつごす様子ようすと、東京とうきょうえきでのわかれの場面ばめん撮影さつえいしたものがげられており、これを当時とうじ国鉄こくてつ経営けいえい企画きかくしつ人物じんぶつ偶然ぐうぜんており、「ああいうかんじのCMをつくりたい」とはなしたことで前述ぜんじゅつのようなシナリオにつながったとしるされている[6]

CM放送ほうそうともない、恋人こいびとたちが新幹線しんかんせん週末しゅうまつ恋人こいびといにき、新幹線しんかんせん最終さいしゅう列車れっしゃのホームでわかれをしむ姿すがたマスメディア注目ちゅうもくされるようになり、社会しゃかい現象げんしょうした。当時とうじ実際じっさいかく車両しゃりょう出入口でいりぐちごとに1くみのカップルという状況じょうきょうられたが、この状況じょうきょう自体じたいはCM放送ほうそう以前いぜんから存在そんざいしていた。また、該当がいとう列車れっしゃのひかり289ごう当初とうしょ0けい運用うんようだったが、1987ねん8がつ16にちからは日曜日にちようびのみCMにわせた100けいでの運用うんよう変更へんこうした[7]たた時刻じこくひょうにはこのさいに「シンデレラ・エクスプレス」と記載きさいされるようになり、CMにももちいられた松任谷まつとうや由実ゆみ同名どうめい楽曲がっきょくをアレンジした車内しゃない放送ほうそうようチャイムも導入どうにゅうされた。そのぞうつぶさによって100けい毎日まいにち充当じゅうとうするようになってからは、ひかり289ごう東京とうきょう - 新大阪しんおおさかあいだ所要しょよう時間じかん当時とうじ最速さいそくの2あいだ49ふん短縮たんしゅくした。

1992ねん東京とうきょうはつ新大阪しんおおさかきの最終さいしゅう列車れっしゃが21:18はつの「のぞみ303ごう」(当時とうじ)にわったことをけ、「シンデレラ・エクスプレス」だい2さくが5ねんぶりに作成さくせいされた。このバージョンではのぞみに充当じゅうとうされていた300けいもちいられており、一連いちれんの「エクスプレス」シリーズCM(後述こうじゅつ)では唯一ゆいいつ登場とうじょうとなっている。

このCMの好評こうひょうけ、JR東海とうかい東海道新幹線とうかいどうしんかんせんをモチーフとした一連いちれんの「エクスプレス」シリーズCMを制作せいさくほんさくのち「アリスのエクスプレス」「プレイバック・エクスプレス」[注釈ちゅうしゃく 2]「ハックルベリー・エクスプレス」「ホームタウン・エクスプレス」「クリスマス・エクスプレス」「ファイト・エクスプレス」「リニア・エクスプレス」とつづいたが、1992ねんにシリーズを終了しゅうりょうした(2000ねんに「クリスマス・エクスプレス2000」で1ねんかぎりの復活ふっかつたしている)。

音楽おんがく・メディアミックス[編集へんしゅう]

1985ねんのドキュメンタリー『シンデレラ・エクスプレス-48あいだ恋人こいびとたち-』の制作せいさく担当たんとうしたCMディレクターの一人ひとりに、松任谷まつとうや舞台ぶたい演出えんしゅつがけていた黒田くろだあきらがいたえんで、松任谷まつとうや番組ばんぐみオリジナルの楽曲がっきょく制作せいさく依頼いらいし、CMでももちいられた「シンデレラ・エクスプレス」が誕生たんじょうしている(「シンデレラ・エクスプレス」のネーミングも松任谷まつとうや発案はつあんによるものであるという[5])。このときにはわたせせいぞう漫画まんがハートカクテル』とのコラボレーション企画きかく(いわゆるメディアミックス)も実現じつげんさせており[5]日本にほんテレビけいテレビアニメはんでも放送ほうそうされた。

出演しゅつえんしゃ[編集へんしゅう]

その[編集へんしゅう]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注記ちゅうき[編集へんしゅう]

  1. ^ このメインコンセプトは、以後いごの「エクスプレス」シリーズCMにもつらぬかれているという[5]
  2. ^ 3さくのキャッチコピーは「うのが、いちばん。」で、このとき新幹線しんかんせんたんなる移動いどう手段しゅだんではなくコミュニケーションツールなのだとうことを社内しゃないさい認識にんしきしたと坂田さかたかたっている[2][3]

出典しゅってん[編集へんしゅう]

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

  • 三浦みうら武彦たけひこ早川はやかわ和良かずよし しる高嶋たかしま健夫たけお へん『クリスマス・エクスプレスのころ日経にっけいBP企画きかく、2009ねんISBN 978-4-86130-374-6 
  • 福原ふくはら俊一しゅんいち新幹線しんかんせん100けい物語ものがたりちくま新書しんしょ、2021ねん4がつISBN 978-4480073945 

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]