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ジェット機じぇっとき

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ジェット旅客機りょかくき

ジェット機じぇっとき(ジェットき)とは、ジェットエンジンもちい、その推力すいりょくによって飛行ひこうする飛行機ひこうきである。

ジェットエンジンにはターボプロップエンジンふくまれるが、ターボプロップエンジンでプロペラ駆動くどうする飛行機ひこうき一般いっぱんプロペラ分類ぶんるいされる。一方いっぽうこうバイパスターボファンエンジン推力すいりょくのほとんどを燃焼ねんしょうガスによるジェット噴流ふんりゅうではなくエンジン前方ぜんぽうファンによってるが、この場合ばあいジェット機じぇっとき分類ぶんるいされる。

航空こうくうほうではパイロット整備せいび資格しかく発動はつどうピストンタービン)で区別くべつされており、プロペラの有無うむわれない。

歴史れきし[編集へんしゅう]

黎明れいめい[編集へんしゅう]

世界せかいはつジェットエンジン搭載とうさい航空機こうくうき1910ねんルーマニア開発かいはつされたコアンダ=1910である。だがコアンダ=1910のエンジンは、レシプロエンジン駆動くどうりょく空気くうきおくモータージェットであり、純粋じゅんすいジェット推進すいしんであったわけではなく、飛行ひこう自体じたい失敗しっぱいわった。


世界せかいはじめてジェットエンジン(ターボジェット)の推進すいしんりょくだけで飛行ひこうしたのは、ドイツハインケルによって開発かいはつされたHe 178である。はつ飛行ひこうは、1939ねん8がつ24にちかずm上昇じょうしょうしたときだというものと、8がつ27にち本格ほんかく周回しゅうかい飛行ひこうをしたときだというものの、ふたつの見解けんかいがある。だがこの機体きたい結局けっきょく速度そくどなどの性能せいのう当時とうじのレシプロよりもおとっていたことや、政治せいじてきあつりょくにより軍用ぐんようとしては採用さいようされなかった。連合れんごうぐんがわはつのジェット試験しけんイギリスグロスター E.28/39で、1941ねん5がつ15にちに17分間ふんかんはつ飛行ひこう成功せいこうしたのです。

ハインケル He 178

はじめて量産りょうさんされたジェット戦闘せんとうアメリカ陸軍りくぐん航空こうくうぐんP-59で、1943ねん6がつベル・エアクラフトしゃ量産りょうさんがたP-59Aを80発注はっちゅうしたが、性能せいのう当時とうじのレシプロ戦闘せんとうおとっていたため30製造せいぞう時点じてんでキャンセルとなり、実戦じっせんには投入とうにゅうされずに研究けんきゅうようとしてイギリス空軍くうぐんに1提供ていきょうされ、アメリカ海軍かいぐんにもYF2L-1として3提供ていきょうされたがたか評価ひょうかられなかった。

はじめて正式せいしき実戦じっせん運用うんよう開始かいしされた実用じつようジェット戦闘せんとうイギリスグロスター ミーティアで、最初さいしょ作戦さくせん行動こうどうは1944ねん7がつ27にちおこなわれ、同年どうねん8がつ4にちV1飛行ひこうばくだんはつ撃墜げきついだい世界せかい大戦たいせん期間きかん最終さいしゅうてき戦果せんかは、V1飛行ひこうばくだんを14はつ撃墜げきついしたのみで、その期間きかんないには航空機こうくうきとの交戦こうせん経験けいけんかった。同機どうき朝鮮ちょうせん戦争せんそうにも投入とうにゅうされ、最終さいしゅうてき1960年代ねんだいまで運用うんようされた。

はじめて航空機こうくうき同士どうし交戦こうせんおこなった実用じつようジェット戦闘せんとうメッサーシュミット Me262で、1944ねん7がつ試験しけん飛行ひこうちゅう実験じっけんたいデ・ハビランド モスキート交戦こうせんした。同機どうき正式せいしき実戦じっせん配備はいび同年どうねん10がつで、だい世界せかい大戦たいせん末期まっき、ロケット弾幕だんまくもちいて連合れんごうこくぐんばくげき撃墜げきつい戦果せんかげたものの、すでに劣勢れっせいにあったドイツは状況じょうきょうてき機体きたいもロケットだん十分じゅうぶん配備はいびすうそろえる余裕よゆうく、戦況せんきょうくつがえすにはいたらなかった。

たちばなはな

Me262の技術ぎじゅつ日本にっぽんにもはこばれており、陸海りくかいりょうぐん開発かいはつおこなわれた。大日本帝国だいにっぽんていこく海軍かいぐんでは皇国こうこくごう兵器へいきたちばなはな)という名前なまえで、沿岸えんがん敵艦てきかんせん攻撃こうげきする特殊とくしゅ攻撃こうげきとして試験しけん開発かいはつされた。3あんのエンジン配置はいちほう機体きたい上部じょうぶ配置はいち機体きたいみ、げ)のうち当時とうじ技術ぎじゅつりょく国内こくない現状げんじょうからMe262とおな方式ほうしき採用さいようされ、1945ねん8がつ7にちに11分間ふんかん低空ていくう飛行ひこうはつ飛行ひこう成功せいこうする。しかし、同年どうねん8がつ11にちかいのテスト飛行ひこうおこなわれたさい、テストパイロットが滑走かっそうちゅう離陸りりく加速かそくよう固体こたい燃料ねんりょう燃焼ねんしょう終了しゅうりょうしたのをトラブルと誤認ごにん離陸りりく中止ちゅうしこころみたものの、れいしき艦上かんじょう戦闘せんとう流用りゅうようしたあし制動せいどうりょく機体きたい重量じゅうりょうくらべてよわく、オーバーランであし破損はそん試作しさくまりで終戦しゅうせんいたった。大日本帝国だいにっぽんていこく陸軍りくぐんではMe262を大型おおがたしたキ201(りゅう戦闘せんとう襲撃しゅうげき戦闘せんとう爆撃ばくげき/攻撃こうげき)として開発かいはつちゅうであったが、こちらは機体きたい設計せっけいちゅう終戦しゅうせんむかえている。

ほかにも、試作しさくのみでわったハインケルHe280(ドイツ)、戦闘せんとうとしてだい世界せかい大戦たいせん末期まっき配備はいびされ実戦じっせんにも参加さんかしたハインケルHe162(ドイツ)、配備はいびされたが実戦じっせんには参加さんかしなかったP-80 シューティングスター(アメリカ)、当初とうしょ偵察ていさつとして開発かいはつされ、のちばくげきへと改変かいへんされたアラドAr234(ドイツ)などがある。

エンジンの種類しゅるい[編集へんしゅう]

初期しょきジェット機じぇっときのエンジンはバイパスのターボジェットエンジンがほとんどであった。2017ねん現在げんざい純粋じゅんすいなジェットエンジン(ピュアジェット)はほぼ姿すがたしたが、戦闘せんとうなどの小型こがたちょう音速おんそくにおいてはていバイパスのターボファンエンジンを搭載とうさいしている。

民間みんかん旅客機りょかくき代表だいひょうされる音速おんそく大型おおがたは、こう音速おんそくでの効率こうりつたかさからこうバイパスのターボファンエンジンをもちいるのが主流しゅりゅうである。例外れいがいとしては、ちょう音速おんそく旅客機りょかくきコンコルドTu-144げられる。コンコルドやTu-144はアフターバーナーそなえたターボジェットエンジンを4はつ搭載とうさいしていた。

エンジンすう[編集へんしゅう]

飛行機ひこうきのエンジンは、エンジンに着目ちゃくもくした場合ばあいに、1、2、3...とかぞえ、飛行機ひこうき着目ちゃくもくした場合ばあいには、単発たんぱつ(または1はつ)、双発そうはつ(または2はつ)、3はつ、4はつ...とかぞえることがおおい。

一般いっぱんにジェットエンジンは、小型こがたであればあるほど推力すいりょく重量じゅうりょうたかくなる傾向けいこうにある。そのため小型こがたエンジンを多数たすう搭載とうさいしたほうが、大型おおがたエンジンを少数しょうすう搭載とうさいするよりも、重量じゅうりょう推力すいりょくでは有利ゆうりになる。

その一方いっぽうぎゃく小型こがたエンジンを多数たすう搭載とうさいするよりも、大型おおがたエンジンを少数しょうすう搭載とうさいしたほうが、燃費ねんぴ効率こうりつめんでは有利ゆうりになる。また、エンジンは航空機こうくうき部品ぶひんなかではもっと高価こうかかつ精緻せいちなものであり、かずやすこと製造せいぞう維持いじコスト上昇じょうしょうにもつながる。

実際じっさい航空機こうくうきにおいては、民間みんかんビジネスジェット旅客機りょかくき輸送ゆそうでは、双発そうはつ以上いじょう通例つうれいである。これは、まんいちのエンジン故障こしょう場合ばあい想定そうていしているためであり、エンジン故障こしょうそく飛行ひこう不可能ふかのうとなる単発たんぱつ存在そんざいしない。小型こがたのひとりりスポーツにおいては単発たんぱつれい存在そんざいするが、これは操縦そうじゅうひとりが機外きがい脱出だっしゅつできれば人命じんめい安全あんぜん確保かくほできるためである。そのような訓練くんれんんでいない乗客じょうきゃくせる旅客機りょかくきにおいて、単発たんぱつという選択せんたくはありえない[ちゅう 1]

双発そうはつにおいても、エンジンが1まった場合ばあい60ふん以内いない緊急きんきゅう着陸ちゃくりく可能かのう空港くうこうがある航路こうろのみを運航うんこうできるという規則きそく存在そんざいし、太平洋たいへいよう大西おおにしひろしなどのひろうみ横断おうだんする航路こうろ設定せっていできないなど、運航うんこうじょう制約せいやくができてしまう。したがって長距離ちょうきょり旅客機りょかくき場合ばあいは、すべてが3はつ、あるいは4はつのエンジンを搭載とうさいしていた。しかし近年きんねんではエンジン単体たんたい信頼しんらいせい向上こうじょうしたため、ETOPSルールにより双発そうはつでも外洋がいよう航行こうこうできるようになっている。上記じょうきとおりエンジンすうすくなければ機体きたい価格かかく燃費ねんぴめん有利ゆうりになるため、航空こうくう会社かいしゃのコスト削減さくげん要求ようきゅうきびしい近年きんねんにおいては、可能かのうであればエンジンすうすくないほうがのぞましい。

軍用ぐんようとく戦闘せんとうにおいては、単発たんぱつ双発そうはつ場合ばあいおおい。訓練くんれんされた軍人ぐんじんのみが搭乗とうじょうする軍用ぐんようにおいては、性能せいのう目的もくてき合致がっちしていれば安全あんぜんせい要求ようきゅう民間みんかん場合ばあいよりもゆるいものとなるためである。ばくげき輸送ゆそうなど大型おおがたにはエンジンを4はつ搭載とうさいしたれいられるが、これは機体きたい規模きぼたいして必要ひつよう推力すいりょくるためである。推力すいりょく十分じゅうぶんであれば、エンジンすうらすことこのましいこととされ、近年きんねん単発たんぱつ推力すいりょくにおいて、過去かこ双発そうはつ以上いじょう機体きたい推力すいりょく合計ごうけい上回うわまわるケースもしばしばられる。典型てんけいてきれいとして、F-5戦闘せんとう改良かいりょう発展はってんがたF-20は、双発そうはつから単発たんぱつへとエンジンすうらし、かつ推力すいりょく増大ぞうだいしている。

さらにおおくのエンジンを搭載とうさいする飛行機ひこうきとして、ボーイング B-47の6はつや、ボーイング B-52の8はつがある。これらはパイロン1つに小型こがたエンジン2をセットにしている。これは機体きたい規模きぼおおきいこととあわせて、当時とうじ技術ぎじゅつでは必要ひつよう推力すいりょくるためにエンジンすうやす必要ひつようがあったからである。B-52は現役げんえきばくげきであり、新型しんがたのエンジン4はつかわそうするプランが提案ていあんされている。

近年きんねん機体きたいとしてアントノフ An-225 という6はつ存在そんざいするが、これは最大さいだい離陸りりく重量じゅうりょう世界一せかいいち大型おおがたである。

エンジン配置はいち[編集へんしゅう]

ジェット機じぇっときにおいて、ジェットエンジンの配置はいち方法ほうほうおも以下いかの2種類しゅるい分類ぶんるいされる。

外装がいそう方式ほうしき
主翼しゅよく、ないし胴体どうたい外部がいぶなど、機体きたい外側そとがわにエンジンを配置はいちするもの。
内蔵ないぞう方式ほうしき
主翼しゅよくない、あるいは胴体どうたいないに、エンジンをむもの。

外装がいそう方式ほうしき[編集へんしゅう]

主翼しゅよくパイロン懸架けんか方式ほうしき[編集へんしゅう]

旅客機りょかくきひとし大型おおがたでは、偶数ぐうすうエンジンすう場合ばあい主翼しゅよくしたパイロン懸架けんか方式ほうしき主流しゅりゅうとなっている。MD-11 のような3はつ場合ばあい主翼しゅよくパイロン懸架けんか2はつ胴体どうたい後部こうぶ垂直すいちょく尾翼びよく)1はつ配置はいちとなる。

この方式ほうしきには以下いかのような特徴とくちょうがある

利点りてん
  • エンジンという重量じゅうりょうおおきなものを機体きたい前後ぜんご重心じゅうしんちかくにくことができる
  • 主翼しゅよくげさせることにより、飛行ひこうちゅう主翼しゅよくしょうずる揚力ようりょくによってつばさくわわる、げモーメント緩和かんわさせることが出来でき
欠点けってん
  • エンジンと地上ちじょうとのクリアランスをるために、あしなが降着こうちゃく装置そうち必要ひつようとなり、重量じゅうりょう増加ぞうかする(しもつばさしき場合ばあい顕著けんちょうえつばさしき場合ばあい問題もんだいになりにくい)
  • 主翼しゅよく集中しゅうちゅう質量しつりょうがあることによる主翼しゅよくフラッター特性とくせい悪化あっか
  • 機体きたい左右さゆう方向ほうこうたいしては、むしろ重心じゅうしんよりはなれた位置いちになるため、ロール方向ほうこうたいしてはむしろモーメントがおおきくなる。

胴体どうたいがい配置はいち方式ほうしき[編集へんしゅう]

主翼しゅよくパイロン懸架けんか方式ほうしき以外いがいおおいのは、胴体どうたい外側そとがわ取付とりつけるものである。最初さいしょれいハインケルHe162であり、生産せいさん簡易かんいにする目的もくてきでエンジン1はつ胴体どうたい上部じょうぶ背負せおうようなかたち配置はいちしている。

比較的ひかくてき小型こがた旅客機りょかくきコミューター小型こがたビジネスジェット機じぇっときでは、2はつのエンジンを胴体どうたい後部こうぶ左右さゆう取付とりつけたれいおおい。プロペラのないジェットエンジンのコンパクトさに着目ちゃくもくした手法しゅほうで、1955ねんフランスせい双発そうはつ旅客機りょかくきシュド・カラベル最初さいしょれいである。大型おおがたでは代表だいひょうてきマクドネル・ダグラスしゃげんボーイングしゃ)のDC-9をはじめ、イギリスVC-10ロシアせい機体きたいられる。

この方式ほうしきには以下いかのような特徴とくちょうがある:

利点りてん
  • 主翼しゅよくがクリアになることにより主翼しゅよくそらりょく特性とくせい向上こうじょうする
  • みじか降着こうちゃく装置そうちむので降着こうちゃく装置そうち重量じゅうりょう軽減けいげん出来でき

小型こがたには都合つごうがいい形態けいたいである

欠点けってん
  • 胴体どうたい後部こうぶ配置はいちした場合ばあいは、重量じゅうりょう機体きたい後部こうぶ集中しゅうちゅうすることから、重心じゅうしん後方こうほうになってしまう。そのため、水平すいへい尾翼びよく垂直すいちょく尾翼びよくきが低下ていかしてしまう。水平すいへい尾翼びよく垂直すいちょく尾翼びよく大型おおがたするか、重心じゅうしんよりうしろの胴体どうたい延長えんちょうすることで解決かいけつできるが、重量じゅうりょう増加ぞうかやさらなる重心じゅうしん後退こうたいまねく。
  • エンジンが胴体どうたい直接的ちょくせつてきせっするためにエンジン振動しんどうおよ騒音そうおん後方こうほうキャビンないつたわりやすい(前方ぜんぽうしずかおんとなる)
  • まれではあるが、冬季とうき除雪じょせつ作業さぎょう不備ふびにより、主翼しゅよくじょういたこおりゆき胴体どうたい後部こうぶのエンジンにまれ、事故じこにつながる場合ばあいがあった。

主翼しゅよく上面うわつら配置はいち[編集へんしゅう]

採用さいようれい非常ひじょうすくないが、主翼しゅよく上面うわつらにパイロンじょうのストラットで支持しじした方式ほうしきがある。これを採用さいようしているのは、ドイツせいVFW 614 や、2004ねん飛行ひこう試験しけん実施じっししたホンダジェットなどがある。また、水上すいじょう滑走かっそうにエンジンがみず飛沫しぶき吸引きゅういんすることをふせぐためBe-200などのジェット飛行ひこうていおなじようなエンジン配置はいちをとる。この方式ほうしき特徴とくちょうとして以下いかのようなものがげられる

利点りてん
  • 主翼しゅよくパイロン懸架けんか方式ほうしき同様どうように、機体きたい重心じゅうしん機体きたい中心ちゅうしんちかくにくことができる
  • 主翼しゅよくじょう支持しじさせることにより、飛行ひこうちゅう主翼しゅよくしょうずる揚力ようりょくによってつばさくわわる、げモーメントを緩和かんわさせることが出来でき
  • 主翼しゅよくがクリアになるため、降着こうちゃく装置そうちみじかくてみ、降着こうちゃく装置そうち重量じゅうりょう軽減けいげん出来でき
  • ウォーターラインでの重心じゅうしん位置いちちかくに推力すいりょくせんくことが出来できる(ていつばさ場合ばあい
  • 地面じめんとエンジンとの距離きょりをとれるため、エンジンへの異物いぶつ侵入しんにゅうふせぎやすい
欠点けってん
  • 主翼しゅよく上面うわつらにエンジンナセルがあることにより、つばさ上面うわつら圧力あつりょく分布ぶんぷみだれにともな揚力ようりょく分布ぶんぷ悪化あっか
  • 主翼しゅよく集中しゅうちゅう質量しつりょうがあることによる主翼しゅよくのフラッタ特性とくせい悪化あっか
  • 胴体どうたいとエンジンナセルあいだがチャネルフローになり、この部分ぶぶんそらりょく特性とくせい把握はあくむずかしい
  • 民間みんかん場合ばあい主翼しゅよくちかくの乗客じょうきゃく視野しやせばまったり、ちかくにエンジンがあることによる心理しんりてき影響えいきょう否定ひてい出来できない(ていつばさ場合ばあい

内蔵ないぞう方式ほうしき[編集へんしゅう]

胴体どうたい内蔵ないぞう方式ほうしき[編集へんしゅう]

おおくの戦闘せんとう攻撃こうげきは、胴体どうたいないにエンジンをんでいる。

利点りてん
  • 外装がいそう方式ほうしきくらべて、空気くうき力学りきがくてき洗練せんれんされた外形がいけいとなり、高速こうそくせい発揮はっきしやすい。
  • 基本きほんてき機体きたい左右さゆう方向ほうこう重心じゅうしん配置はいちされるため、ロール方向ほうこうのモーメントがちいさくなり、機体きたい運動うんどうせいたかめることができる。
欠点けってん
  • 外装がいそう方式ほうしきくらべて、エンジンの整備せいび交換こうかんむずかしい。
  • 機体きたい前後ぜんご方向ほうこうたいして重心じゅうしんちかくに配置はいちすること困難こんなん重心じゅうしんちかくに配置はいちした場合ばあい、ジェットエンジンの排気はいき機体きたいそとみちびさいに、設計せっけいじょう工夫くふう必要ひつようとなる)。
  • 外装がいそう方式ほうしきくらべて、エンジンの吸気きゅうきむずかしい(機体きたい形状けいじょうとあわせて、最適さいてきエアインテーク設計せっけい要求ようきゅうされる)。

主翼しゅよく内蔵ないぞう方式ほうしき[編集へんしゅう]

主翼しゅよくにジェットエンジンをませた方式ほうしき世界せかいはつのジェット旅客機りょかくきであるデ・ハビランド コメットやそれをベースに開発かいはつされたニムロッドたいせん哨戒しょうかい巨大きょだい主翼しゅよくアブロ バルカンひとし、イギリスせい航空機こうくうきおおくみられた方式ほうしき。ただし当然とうぜんことながらエンジンを内蔵ないぞうした主翼しゅよくはよりあつくする必要ひつようがある。ジェット機じぇっとき高速こうそくにより主翼しゅよくうすくする方向ほうこう発展はってんしていったため、主翼しゅよくにエンジンを内蔵ないぞうする方式ほうしきはこれとは矛盾むじゅんするものであるため、採用さいようれいおおくない。

中間ちゅうかんてきなもの[編集へんしゅう]

外装がいそう方式ほうしき内蔵ないぞう方式ほうしきなかあいだてきなものとして、機体きたい内部ないぶ半分はんぶんエンジンをんだようなものも存在そんざいする。たとえばステルス爆撃ばくげきとして有名ゆうめいぜんつばさB-2機体きたい内部ないぶ半分はんぶんむようなかたちになっている。

F-14Su-27のように、なかばエンジンを機外きがい露出ろしゅつしたような外形がいけい機体きたい存在そんざいする。

ふくあい形式けいしき[編集へんしゅう]

上述じょうじゅつのそれぞれのエンジン配置はいちふくあわした機体きたいが、おもに3はつにおいて存在そんざいする。DC-10はエンジンのうち2はつ主翼しゅよくに、1はつ胴体どうたい後方こうほう上部じょうぶ外装がいそうしている。ボーイング727はエンジン2はつ胴体どうたい後方こうほう左右さゆう側面そくめん外装がいそう、1はつ胴体どうたいない内蔵ないぞうしている。

スラストリバーサ[編集へんしゅう]

大型おおがたジェット機じぇっときではスラストリバーサ(thrust reverser、またはぎゃく推力すいりょく装置そうちぎゃく噴射ふんしゃ装置そうち)を装備そうびしている場合ばあいおおい。スラストリバーサはエンジンの噴気ふんききを前面ぜんめんなな方向ほうこうえることにより、ぎゃくきの推力すいりょくはたらきがある。おも着陸ちゃくりくどき制動せいどう距離きょり短縮たんしゅくするために使用しようされる。日本にっぽんではまずられることはないが、トーイングカーのプッシュバックによらない自力じりきでの後退こうたい(パワーバックとぶ)にもちいられる場合ばあいがある。

ターボジェットエンジンやていバイパスターボファンエンジンでは、エンジンの排気はいき直接ちょくせつさえぎ形式けいしきこうバイパスターボファンエンジンにおいては、ファンをとおった空気くうきだけをさえぎ形式けいしきのスラストリバーサがもちいられる。

なおプロペラにおけるスラストリバーサはプロペラのピッチを逆転ぎゃくてんすることにより実現じつげんされている。

エアインテーク[編集へんしゅう]

ジェット機じぇっときにおいては、エアインテーク(空気くうきこう)が重要じゅうよう設計せっけい要素ようそになる場合ばあいがある。とくにエンジンを胴体どうたいむコンフィギュレーションを採用さいようした場合ばあい、エアインテイクのかず機体きたいたいする配置はいち形状けいじょう、ダクトの形状けいじょう要求ようきゅうされる飛行機ひこうき性能せいのう左右さゆうする。

主翼しゅよくパイロン懸架けんか方式ほうしき胴体どうたい後部こうぶがわかた配置はいち方式ほうしき機体きたいではふつうエンジンすうとエアインテイクすう一致いっちするが、胴体どうたいない方式ほうしきでは一致いっちしない場合ばあいもある。MiG-19イングリッシュ・エレクトリック ライトニングのように機首きしゅにエアインテークをもうけている機体きたい双発そうはつだがエアインテークが1であり、F-104サーブ 39 グリペンなど胴体どうたいりょう側面そくめんにエアインテークをもうけている機体きたい単発たんぱつだがエアインテークが2つになる。昨今さっこん小型こがた高性能こうせいのう戦闘せんとうは、こうむかいかく飛行ひこうでも空気くうき流入りゅうにゅう比較的ひかくてきやすい胴体どうたい設置せっちされる場合ばあいおおくなっており、この場合ばあいはエアインテークとエンジンのかず一致いっちする(F-16F-CK-1など)。(2008ねん現在げんざい

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ 軽量けいりょう小型こがたのプロペラレシプロあるいはターボプロップエンジン)ではエンジンストールさいにも最低限さいていげん滑空かっくう性能せいのう補助ほじょつばさ操作性そうさせいわる確保かくほされているものがおおく、ふく以上いじょう単発たんぱつ多数たすう存在そんざいする。また、ジェット機じぇっときであっても少数しょうすう乗客じょうきゃく最大さいだい5 - 6にん程度ていど)をせるVLJばれるカテゴリにおいては、近年きんねん単発たんぱつ開発かいはつれいえている。くわしくは、該当がいとう項目こうもくあるいはこちら参照さんしょうされたい。

出典しゅってん[編集へんしゅう]

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]