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ズコット

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ガッタイオーラドルチのズコット

ズコットズッコット: zuccotto)とはイタリアトスカーナ地方ちほう都市としフィレンツェルネサンス誕生たんじょうしたまるドームかたの、セミフレッドもちいたケーキである。

名称めいしょうは15〜16世紀せいき兵士へいしのドームがた金属きんぞくせいかぶと「ズッコット」、またはカトリック教会きょうかい聖職せいしょくしゃ半球はんきゅうがた頭巾ずきんカロッタのトスカーナ俗語ぞくごでの別名べつめい「ズッケット」(zucchetto)に由来ゆらい。ズッコット、ズッケットはどちらともズッカ(zucca、カボチャ)から派生はせいしたかたりである。

16世紀せいきなかごろフィレンツェで、建築けんちく彫刻ちょうこく画家がか軍事ぐんじ技術ぎじゅつしゃ演劇えんげきデザイナーであったベルナルド・ブオンタレンティイタリアばんメディチのために創作そうさくしたとされている。ブオンタレンティはこおり硝石しょうせきくわえる食品しょくひん冷凍れいとう技術ぎじゅつ発明はつめいしゃとしてもられる。半球はんきゅうがたかたち敬愛けいあいするフィリッポ・ブルネレスキ代表だいひょうさくでありフィレンツェの象徴しょうちょうであるサンタ・マリア・デル・フィオーレだい聖堂せいどうクーポラへのオマージュともわれる。

フランスのオルレアンこうアンリ(アンリ2せい)にとついだメディチカテリーナ・デ・メディチ菓子かし職人しょくにんとともにセミフレッドをフランスにんだとわれ、現代げんだいアイスクリーム原型げんけいひとつとされる。現代げんだいアイスクリームとのちがいはクリーム鶏卵けいらんふくまず乳製品にゅうせいひん主体しゅたいであることである。

ズッコットはながわすれられていたが、1950年代ねんだいにフィレンツェの老舗しにせ洋菓子ようがしてんシエニ(Antica Pasticceria Sieni)が16世紀せいきのレシピを復元ふくげんし、復活ふっかつさせた。フィレンツェのリストランテトラットリアデザートメニューとしても登場とうじょうするが、ティラミスパンナコッタなどにくら製法せいほう複雑ふくざつ時間じかんがかかることから自家製じかせいである場合ばあいすくなく、また家庭かていつくられることも比較的ひかくてきまれである。

製法せいほうは、オーブンパン・ディ・スパーニャ[1]き、帯状おびじょうけ、半球はんきゅうがたかた内側うちがわにパン・ディ・スパーニャの表面ひょうめんしょくをクーポラのあばら見立みたて放射状ほうしゃじょうならべる。 パン・ディ・スパーニャにヴィン・サントなど酒精しゅせい強化きょうかワインアマレットサンブーカベネディクティンフランボワーズグラン・マルニエなどリキュールませ(近年きんねんでは酒類しゅるいれないものもおおい)、こまかくきざんだヘーゼルナッツアーモンドなど種実たねざねるい果物くだもの砂糖さとうけやきざんだチョコレートれたなまクリームあまみをつけたリコッタチーズヨーグルトチーズなどをめ、パン・ディ・スパーニャでぶたをして冷凍庫れいとうこなどでこおらせる。 かたからし、室温しつおんでセミフレッド(はん解凍かいとう状態じょうたい)にもどけてきょうする。こな砂糖さとうココアパウダーかしたチョコレートなどで表面ひょうめんかざ場合ばあいもある。

本来ほんらいのセミフレッドのズコットとはべつに、イタリアのジェラートみせには、スポンジ生地きじ卵白らんぱくふくむジェラートをめたズコット・ジェラート(zuccotto gelato)をいているところもある。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ 直訳ちょくやくすると「スペインパン」で、スポンジケーキのこと。18世紀せいきなかジェノヴァのドメニコ・パッラヴィチーニ侯爵こうしゃく(il marchese Domenico Pallavicini)の料理人りょうりにんジョバッタ・カボーナ(Giobatta Cabona)がスペインよりつたえた製法せいほうであることからこのばれる。フランスではジェノヴァ経由けいゆつたわったことからパータ・ジェノワーズ(pâte à génoise、「ジェノヴァの生地きじ」)のばれる。現代げんだいではパン・ディ・スパーニャとパータ・ジェノワーズは湯煎ゆせん有無うむなど製法せいほうじょう差異さい区別くべつされるほか後者こうしゃ狭義きょうぎ共立きょうりつほうのスポンジ生地きじす。

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]