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チオシアンさん水銀すいぎん(II)

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チオシアンさん水銀すいぎん(II)
Mercury(II) thiocyanate
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識別しきべつ情報じょうほう
CAS登録とうろく番号ばんごう 592-85-8
特性とくせい
化学かがくしき Hg(SCN)2
モル質量しつりょう 316.79 g/mol
外観がいかん 白色はくしょくたんはすあきらけい結晶けっしょう
密度みつど 3.71 g/cm3固体こたい
融点ゆうてん

165℃で分解ぶんかい

みずへの溶解ようかい 0.070 g/100 mL
希塩酸きえんさんへの溶解ようかい [1]
危険きけんせい
NFPA 704
1
3
1
特記とっきなき場合ばあい、データは常温じょうおん (25 °C)・つねあつ (100 kPa) におけるものである。

チオシアンさん水銀すいぎん(II)(チオシアンさんすいぎん、えい: Mercury(II) thiocyanate)は水銀すいぎんチオシアンさんしおで、化学かがくしきHg(SCN)2あらわされる無機むき化合かごうぶつ

性質せいしつ

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ブドウ糖ぶどうとうなどを補助ほじょ燃料ねんりょうとして点火てんかすると分解ぶんかいし、へび花火はなびのように膨張ぼうちょうする[2]。このとき発生はっせいする水銀すいぎん蒸気じょうき有毒ゆうどくである。

ねつ分解ぶんかい反応はんのうしきは、

4 Hg(SCN)2 → 4 HgS + 2 CS2 + 3 (CN)2 + N2

生成せいせい

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塩化えんか水銀すいぎん(II)などの水銀すいぎん化合かごうぶつを、チオシアンさんカリウムなどのチオシアンさんしお溶液ようえきぜるとチオシアンさん水銀すいぎん(II)の沈殿ちんでんしょうじる。


ほかにも金属きんぞく水銀すいぎん硝酸しょうさん反応はんのうさせて硝酸しょうさん水銀すいぎんにし、チオシアンさんカリウムチオシアンさんナトリウム硝酸しょうさん水銀すいぎん水溶液すいようえきみずぜたものを濾過ろかすることで生成せいせいできる

安全あんぜんせい

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日本にっぽん毒物どくぶつおよげきぶつ取締とりしまりほうでは毒物どくぶつ分類ぶんるいされる。半数はんすう致死ちしりょう(LD50)はラットへの経口けいこう投与とうよで46mg/kg、ラットへのけいがわ投与とうよで685mg/kg。ヒトの皮膚ひふ刺激しげきせいがあり、摂取せっしゅすると腎臓じんぞう中枢ちゅうすう神経しんけい中毒ちゅうどく症状しょうじょうおよぼす。グラスシュリンプの96あいだ半数はんすう致死ちし濃度のうど(LC50)は0.09mg/Lと、水生すいせい生物せいぶつたいする毒性どくせいがある[3]

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ Lide, David R. (1998), Handbook of Chemistry and Physics (87 ed.), Boca Raton, FL: CRC Press, pp. 4–70, ISBN 0849305942 
  2. ^ ぞわぞわする化学かがく実験じっけん。チオシアンさん水銀すいぎん(II)を分解ぶんかいさせてなぞ生物せいぶつしてみた
  3. ^ 製品せいひん安全あんぜんデータシート(安全あんぜん衛生えいせい情報じょうほうセンター)