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ツルウメモドキ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
ツルウメモドキ
ツルウメモドキ(果実かじつ
分類ぶんるいAPG III
さかい : 植物しょくぶつかい Plantae
階級かいきゅうなし : 被子植物ひししょくぶつ angiosperms
階級かいきゅうなし : 真正しんしょうそう子葉しようるい eudicots
: ニシキギ Celastrales
: ニシキギ Celastraceae
ぞく : ツルウメモドキぞく Celastrus[1]
たね : ツルウメモドキ
C. orbiculatus [2]
変種へんしゅ : ツルウメモドキ
C. o. var. orbiculatus
学名がくめい
Celastrus orbiculatus Thunb. var. orbiculatus (1784)[3]
シノニム
和名わみょう
ツルウメモドキ
英名えいめい
Oriental staff vine,
Japanese bittersweet

ツルウメモドキづるうめなずらえ[5]学名がくめい: Celastrus orbiculatus または Celastrus orbiculatus var. orbiculatus)は、ニシキギツルウメモドキぞく落葉らくようつるせい木本もくほん

名称めいしょう

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和名わみょう「ツルウメモドキ」は、つるになるウメモドキ意味いみであるが、ウメモドキはモチノキである[5]中国ちゅうごくめいは「みなみへびふじ[3]

分布ぶんぷ生育せいいく

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日本にっぽんふくひがしアジア一帯いったい自生じせいし、日本にっぽんでは北海道ほっかいどう本州ほんしゅう四国しこく九州きゅうしゅう沖縄おきなわまで分布ぶんぷする[5]低地ていち山地さんち山野さんや[6][7]日当ひあたりのよいはやしなどに生育せいいくし、都市としみなどにもられる。

きたアメリカには緑化りょくかよう導入どうにゅうされ装飾そうしょくようにも使つかわれたが、野生やせい外来がいらいしゅとして各地かくちひろがり、森林しんりんおおうなど問題もんだいとなっている。きたアメリカ在来ざいらいしゅとしてはきんえんC. scandens があり、りょうたね交雑こうざつ可能かのうであるためとく遺伝子いでんし汚染おせん問題もんだいされている。

特徴とくちょう

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落葉らくようつるせい木本もくほんで、植物しょくぶつからみつく[6][5]全体ぜんたい[7]。つるは、はじめはまっすぐにびるが、植物しょくぶつがあるとびやかにからまりながらみぎき(Sき)へのぼ[8]、よく生長せいちょうほかおおうこともある。本年度ほんねんどのつるは緑色みどりいろをしており、2ねん以降いこうくきして茶褐色ちゃかっしょくになり、かわ目立めだつようになってふとくなっていき、くものがないと直径ちょっけい5センチメートル (cm) にもなる場合ばあいもある[8]樹皮じゅひはい褐色かっしょくで、成木なりきではあら網目あみめじょうあされる[7]わかえだ赤褐色せきかっしょくから灰色はいいろたんえだもでき、菱形ひしがたかわがある[7]いちねんえだ基部きぶにはふるうろこのこっていることもおお[7]

互生ごせいし、ながさ5 - 10センチメートル (cm) の倒卵形とうらんけいから楕円だえんがた[5]葉柄ようへいは2 cm前後ぜんこうえんにはあさ鋸歯きょしがつき、なみがたまる形状けいじょうをしており、とおウメウメモドキる。表面ひょうめん裏面りめんともで、全体ぜんたいうす紙質かみしつで、網目あみめじょう葉脈ようみゃくがある[9]あきになると、ややうす黄色おうしょくからあざやかな黄色おうしょく紅葉こうようしてちる[6][8]紅葉こうよう条件じょうけんがよいと黄色おうしょくまる[6]

花期かきは5 - 6がつ[5]雌雄しゆうかぶ[5]葉腋ようえきからみじか集散しゅうさん花序かじょばして、緑色みどりいろないしあわ緑色みどりいろすうミリメートル (mm) 程度ていどちいさく地味じみな5べんはな多数たすう[5]雄花おばなは5雄蕊おしべ目立めだち、雌花めばな中心ちゅうしん雌蕊めしべ1個いっこに、3きれした柱頭ちゅうとうがつく[5][9]

はてあき(10 - 12月)[5]めすかぶにつく果実かじつ蒴果で、あきあわ黄色きいろじゅくすと3つにきれひらけし、あざやかなだいだい赤色あかいろかり種皮しゅひおおわれた種子しゅしあらわれる[5][10]種子しゅし落葉らくよう冬場ふゆばのこってだいだい赤色あかいろ目立めだ[7]とりべられて散布さんぷされる。

冬芽とうがぐき互生ごせいし、円錐えんすいがた球形きゅうけい花芽かがまるみがあり、6 - 10まいうろこのうち外側そとがわ2まいがややひらいている[7]互生ごせいするがわさきとがるものがある[7]こんには維管たばあと1個いっこみられる[7]

利用りよう

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果実かじつは、れてもいろあざやかさをたもつため、これがうつくしいのでばななどリースやインテリアの装飾そうしょくよう素材そざいとして使つかわれる[5][9]

きんえんしゅ

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同属どうぞくアジアオーストラリアからアメリカ分布ぶんぷする。日本にっぽんには類似るいじしゅとしてオオツルウメモドキC. stephanotiifolius[11]イワウメヅルC. fragellaris)などがある。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ 米倉よねくら浩司こうじ邑田むらたひとし監修かんしゅう『維管たば植物しょくぶつ分類ぶんるいひょう』(初版しょはんきたたかしかん、2013ねん4がつ、78ぺーじISBN 978-4-8326-0975-4 
  2. ^ 米倉よねくら浩司こうじちょ 邑田むらたひとし監修かんしゅう日本にっぽん維管たば植物しょくぶつ目録もくろく』(初版しょはんきたたかしかん、2012ねん4がつ、130ぺーじISBN 978-4-8326-0970-9 
  3. ^ a b 米倉よねくら浩司こうじ梶田かじたただし (2003-). “Celastrus orbiculatus Thunb. var. orbiculatus ツルウメモドキ(標準ひょうじゅん”. BG Plants 和名わみょう学名がくめいインデックス(YList). 2023ねん1がつ1にち閲覧えつらん
  4. ^ 米倉よねくら浩司こうじ梶田かじたただし (2003-). “Celastrus articulatus Thunb. ツルウメモドキ(シノニム)”. BG Plants 和名わみょう学名がくめいインデックス(YList). 2023ねん1がつ1にち閲覧えつらん
  5. ^ a b c d e f g h i j k l 西田にしだ尚道なおみち監修かんしゅう 学習がくしゅう研究けんきゅうしゃへん 2009, p. 94.
  6. ^ a b c d はやし将之まさゆき 2008, p. 59.
  7. ^ a b c d e f g h i 鈴木すずき庸夫みちお高橋たかはしふゆやすのべ尚文なおふみ 2014, p. 213.
  8. ^ a b c 谷川たにがわ栄子えいこ 2015, p. 48.
  9. ^ a b c 谷川たにがわ栄子えいこ 2015, p. 49.
  10. ^ 菱山ひしやま忠三郎ちゅうざぶろう監修かんしゅう 2011, p. 199
  11. ^ 日本にっぽんのレッドデータ検索けんさくシステム(ツルウメモドキ)”. エンビジョン環境かんきょう保全ほぜん事務じむきょく. 2012ねん1がつ10日とおか閲覧えつらん

参考さんこう文献ぶんけん

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関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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