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トレッド (タイヤ)

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
オールシーズンタイヤのトレッドパターン

トレッド(tread)とは、タイヤ構造こうぞうのうち、路面ろめん接触せっしょくする部分ぶぶんす。

概要がいよう[編集へんしゅう]

一般いっぱんてきにタイヤのトレッドはゴム構成こうせいされ、トレッドが道路どうろ接触せっしょくすること摩擦まさつりょくによってエンジンから発生はっせいした動力どうりょく地面じめんつたえる。

トレッドにはしばしばその車輪しゃりん摩擦まさつ性能せいのう(トラクション性能せいのう)を制御せいぎょするためみぞきざまれる。このみぞはグルーブとぶ。トレッドの表面ひょうめん模様もようことトレッドパターン(tread pattern)しくはパターン(pattern)とぶ。

グルーブによってえがされ独立どくりつした接地せっちめん部分ぶぶんをブロックとび、ブロックにほどこされたじょうみをサイプとぶ(一般いっぱんてき略称りゃくしょう問題もんだい同様どうようにトレッドパターンのパターンがりゃくされ、この紋様もんようやグルーブ自体じたいがトレッドとして誤認ごにんされていることおおい。タイヤ製造せいぞうメーカーの記載きさいではパターンをパタンとカタカナ転写てんしゃされているが、本稿ほんこうではパターンと記載きさいする。)。

また、自動車じどうしゃ構造こうぞうのうち、左右さゆう車輪しゃりんあいだ距離きょり(/en:Axle_track)も日本にっぽんではトレッドばれる。

自動車じどうしゃようタイヤのトレッド[編集へんしゅう]

レーシングタイヤ[編集へんしゅう]

モータースポーツ使用しようされるタイヤは、サーキットオーバルコースでのグリップ性能せいのう最大限さいだいげんたかめるために、特殊とくしゅなゴムがトレッドにもちいられる。このようなタイヤは走行そうこうによる摩擦まさつねつでトレッドがけ、路面ろめんくようにしてきわめて強力きょうりょくなグリップ性能せいのうとトラクション性能せいのう確保かくほする。その反面はんめんたい摩耗まもうせいきわめてひくく、すうじゅうしゅう走行そうこう交換こうかん必要ひつようほど摩耗まもうすすことや、たったいちきゅうブレーキでトレッドの一部いちぶへん摩耗まもうフラットスポットとなり、タイヤ回転かいてんともなってはげしい振動しんどう発生はっせいして結果けっかてき交換こうかん必要ひつようとなることめずらしくはない。

一般いっぱんてきにはまったみぞいトレッドパターンのスリックタイヤもちいられることおおいが、レース趣向しゅこうにより接地せっち面積めんせきらしてグリップ性能せいのうえてとす目的もくてきたて方向ほうこうみぞ(グルーブ)をきざんだグルーブドタイヤもちいられることもある。このたてみぞ市販しはんしゃようのタイヤのたてみぞことなり、排水はいすいせい目的もくてきとしたものではないため降雨こううには専用せんようのブロックパターンがきざまれたレインタイヤ別途べっと用意よういされている。レインタイヤは排水はいすいせいたか反面はんめん乾燥かんそう路面ろめんではトレッドパターンが過熱かねつしブロックが剥離はくりするなどの弊害へいがいがあるため、レースにおいてはあめがったのち乾燥かんそう路面ろめん過熱かねつしたレインタイヤをやす目的もくてき水溜みずたまりをえらんでラインりをおこな光景こうけいがしばしばみられる。これらのレーシングタイヤはその競技きょうぎカテゴリーのレギュレーションにわせてホイールとも専用せんようサイズが開発かいはつされることおおため市販しはんしゃけられることはまずい。

市販しはんしゃをベースにした車両しゃりょうおこなわれるツーリングカーレース(GTレース)では、スリックタイヤをベースに若干じゃっかんみぞきざんだSタイヤ(セミスリックタイヤ)がもちいられることおおい。Sタイヤもスリックタイヤとおなじく、たかいグリップ性能せいのう反面はんめんきわめてたい摩耗まもうせいひくく、ウエット路面ろめんでのグリップ性能せいのうひくため市販しはんしゃのホイールサイズに適合てきごうするサイズのものであっても、一般いっぱん公道こうどう使用しようすることまった推奨すいしょうされていない。

市販しはんしゃようなつタイヤ[編集へんしゅう]

市販しはん自動車じどうしゃ装着そうちゃくされるタイヤ(なつタイヤ)には、降雨こうう路面ろめんみずをタイヤのトレッドからすみやかに排出はいしゅつするためたてみぞグルーブ)がタイヤの回転かいてん方向ほうこうを1しゅうするようにもうけられ、ハイドロプレーニング現象げんしょう低減ていげんするため設計せっけいおこなわれている。タイヤのサイドウォール付近ふきんのトレッドにはよこ方向ほうこうみぞきざまれ、ブロックパターンが形成けいせいされる。この横溝よこみぞによりやや路面ろめん状況じょうきょうわる場所ばしょ走行そうこうするさい接地せっちせい改善かいぜんしている。

グリップ性能せいのう縦横じゅうおうめぐらされたみぞいた表面積ひょうめんせき多寡たかにより決定けっていされる。また、道路どうろをタイヤがころがるさいノイズ(ロードノイズen:Roadway_noise)を低減ていげんするためかくメーカーが様々さまざま工夫くふうらしたパターンの設計せっけい開発かいはつ(en:Noise mitigation)をおこなっている。トレッドのみぞ多寡たかとグリップ性能せいのうおよびロードノイズはトレードオフの関係かんけいにあり、[1]一般いっぱんてきには高速こうそく道路どうろでの高速こうそく走行そうこうにおけるロードノイズがもっと問題もんだいとなるため市販しはんしゃようなつタイヤは装着そうちゃくされるくるま性格せいかくおうじていくつかの方向ほうこうせい分化ぶんかした。

なお、市販しはんしゃようタイヤのトレッドパターンにはいくつかの箇所かしょスリップサインばれるみぞあさ場所ばしょもうけられている。一定いってい以上いじょう摩耗まもうすすむとタイヤ表面ひょうめんみぞくなった箇所かしょあらわれ、ドライバーに早期そうきのタイヤ交換こうかんらせることでハイドロプレーニングの発生はっせい抑止よくしする仕組しくみになっているのである。なお、日本にっぽん車検しゃけん制度せいどじょうへん摩耗まもうなどによりタイヤのどこか一部いちぶにでもスリップサインがあらわれた場合ばあいには車検しゃけん通過つうかすること出来できない。

また、市販しはんしゃようタイヤは、装着そうちゃく想定そうていする車両しゃりょう重量じゅうりょう動力どうりょく性能せいのうおうじて検討けんとうされたホイールリムはば空気圧くうきあつ指定していされており、適合てきごうするホイールに装着そうちゃく空気圧くうきあつ適切てきせつ管理かんりすること最適さいてきなトレッド接地せっち面積めんせき(en:contact patch)となるため適合てきごうがいのホイールに装着そうちゃくすることや指定してい空気圧くうきあつより大幅おおはばはずれた空気圧くうきあつ走行そうこうすること推奨すいしょうされない。

標準ひょうじゅんタイヤ[編集へんしゅう]

標準ひょうじゅんタイヤとは市販しはんしゃようなつタイヤのなかでももっと一般いっぱんてきなもので、自動車じどうしゃメーカーのライン装着そうちゃくひんもこのなかふくまれる。後述こうじゅつする、特徴とくちょうある各種かくしゅタイヤが開発かいはつされたためにもちいられるようになったレトロニムであり、なんらかの標準ひょうじゅん基準きじゅんもとづく呼称こしょうではない。メーカーによってはパッセンジャータイヤノーマルタイヤ場合ばあいもある。このようなタイヤのトレッドパターンは心地ごこちたい摩耗まもうせい確保かくほ目的もくてきとしたトレッドパターンがきざまれる。ごく一般いっぱんてきにはタイヤ中央ちゅうおう部分ぶぶんすうほんのグルーブをもうけ、サイドウォール付近ふきんにのみ横溝よこみぞもうけたブロックパターンを配置はいちすることおおく、タイヤ中央ちゅうおう部分ぶぶんにブロックパターンが存在そんざいしないことでオールシーズンタイヤとの判別はんべつおこなえる。

標準ひょうじゅんタイヤのうちとくにライン装着そうちゃくひん[2]たい摩耗まもうせいさい優先ゆうせんにしているものもおおため、タイヤの性能せいのう不満ふまんがあるきにおいてはきわめて早期そうき交換こうかんされるれいおおい。たい摩耗まもう性能せいのうもっと極端きょくたん重視じゅうしされているのがタクシーよう標準ひょうじゅんタイヤであり、グリップ性能せいのうなどが犠牲ぎせいになっている反面はんめん、10まんkmをえる走行そうこうえられるたい摩耗まもう性能せいのうたせられている。

近年きんねんでは軽自動車けいじどうしゃコンパクトカーエコカーけにころがり抵抗ていこうおさえたゴムをトレッドに採用さいようしたエコタイヤ登場とうじょうしており、ライン装着そうちゃくひんにおいても従来じゅうらい標準ひょうじゅんタイヤからのえがすすみつつある。

エコタイヤ[編集へんしゅう]

エコタイヤとは、標準ひょうじゅんタイヤのなかでもとくころがり抵抗ていこうおさえたゴムしつのトレッドをつものをす。メーカーによってはてい燃費ねんぴタイヤしょう燃費ねんぴタイヤしょうする場合ばあいもある。JAFはキャリアトレーラーじょうからエコタイヤとそれ以外いがいのタイヤを装着そうちゃくしたどういち車種しゃしゅをエンジンをめた状態じょうたいしだし、そらはし状態じょうたいでどこまで車両しゃりょうすすむかの製品せいひんテストをしばしばっており、エコタイヤはハイグリップタイヤにくらべてすうメートルから10メートル前後ぜんこうとおくまでむなしはしする結果けっかしめされている。

メーカーはエコタイヤの装着そうちゃくかず%の燃費ねんぴ向上こうじょうおこなえることうたっており、近年きんねんまでは技術ぎじゅつ基準きじゅん存在そんざいしないまま宣伝せんでんおこなわれている現状げんじょうがあったが、JATMAは2010ねん1がつからてい燃費ねんぴタイヤの技術ぎじゅつ基準きじゅんであるタイヤラベリング制度せいど実施じっしすること発表はっぴょう、いくつかのメーカーでは従来じゅうらいのエコタイヤの基準きじゅん適合てきごう作業さぎょうすすめている。[1]

なお、このようにころがり抵抗ていこうひく状態じょうたいであっても、トレッドのゴムそのものはライン装着そうちゃくひんよりもグリップ重視じゅうしのものがもちいられるためたい摩耗まもうせいがやや犠牲ぎせいになっている反面はんめん、コーナリング性能せいのうなどはライン装着そうちゃくひんよりも向上こうじょうしているものが大半たいはんである。

ハイグリップタイヤ[編集へんしゅう]

ハイグリップタイヤとは市販しはんしゃようなつタイヤのなかでもとく高性能こうせいのうスポーツカーやハイパワーセダンけに製作せいさくされたものである。メーカーによってはパフォーマンスタイヤスペシャリティタイヤ場合ばあいもある。このようなタイヤのトレッドパターンは適切てきせつ排水はいすい性能せいのう確保かくほしつつ、スリックタイヤにちかおおきなトレッド接地せっち面積めんせき確保かくほするためにタイヤの中央ちゅうおうに1ほんから2ほんのグルーブをきざみ、そのがわかたにタイヤ中央ちゅうおうから左右さゆうななめにみぞきざんだVじょうのパターンをもちいることおおい。ゴムしつもグリップやトラクション性能せいのう確保かくほ最大限さいだいげん目的もくてきとしたものが選定せんていされるため、ロードノイズ抑制よくせい性能せいのうたい摩耗まもうせい心地ごこちなどは商品しょうひんラインのものと比較ひかくして犠牲ぎせいになっている場合ばあいおおい。

なお、タイヤ回転かいてん方向ほうこうたいしてななめのみぞもうけているハイグリップタイヤはタイヤの回転かいてん方向ほうこう指定していされていること一般いっぱんてきである。これら回転かいてん方向ほうこう指定していがある場合ばあいや、装着そうちゃくする車両しゃりょうのタイヤサイズ[3]によっては、タイヤローテーションおこなえない場合ばあいもあるので要注意ようちゅういである。

コンフォートタイヤ[編集へんしゅう]

コンフォートタイヤとは市販しはんしゃようなつタイヤのなかでもとく高級こうきゅうしゃ大型おおがたセダンツーリングワゴンミニバンけに製作せいさくされたものである。メーカーによってはツーリングタイヤ場合ばあいもある。このようなタイヤのトレッドパターンは長時間ちょうじかん高速こうそく走行そうこうにおいてもドライバーや同乗どうじょうしゃ不快ふかいかんあたえない心地ごこち確保かくほとロードノイズの抑制よくせい最大限さいだいげん目的もくてきとしているため標準ひょうじゅんタイヤをベースに左右さゆう非対称ひたいしょうパターンなどのさらに複雑ふくざつなパターンをきざんだものがおおい。メーカーによってはタイヤの内側うちがわに吸音スポンジなどをけ、さらなるロードノイズ低減ていげんはかった製品せいひん存在そんざいする。ゴムしつ比較的ひかくてきやわらかいものがもちいられることおおく、ハイグリップタイヤにくらべておだやかな心地ごこちとなる場合ばあいおおい。

なお、タイヤのトレッドめんたいして左右さゆう非対称ひたいしょう複雑ふくざつなパターンをもちいているコンフォートタイヤはタイヤの回転かいてん方向ほうこう指定していされていること一般いっぱんてきである。製品せいひんによっては車体しゃたいたいする方向ほうこうわせて指定していされているものもあり、このようなタイヤもVみぞがたのハイグリップタイヤと同様どうよう装着そうちゃくする車両しゃりょうによってはタイヤローテーションがおこなえない場合ばあいもあるので要注意ようちゅういである。

オールシーズンタイヤ[編集へんしゅう]

オールシーズンタイヤとは標準ひょうじゅんタイヤをベースにスノータイヤ性格せいかくあわつように設計せっけいされたタイヤである。トレッドはたて方向ほうこうよこ方向ほうこうみぞ規則きそくてき配置はいちされ、スタッドレスタイヤ正方形せいほうけいしくは長方形ちょうほうけいさまのブロックがトレッド全面ぜんめん規則正きそくただしくならんだパターンをしめしていることおおい。みぞはややふかめにられており、ある程度ていどまでのオフロード走行そうこう積雪せきせつ路面ろめん走行そうこう許容きょようしたマッド&スノー(M&S、M+S)基準きじゅんをクリアーしているものが大半たいはんである。

くもわるくも中途半端ちゅうとはんぱ性格せいかくのタイヤのため日本にっぽんではあまり普及ふきゅうしていないが、地域ちいきによる気候きこういちじるしいアメリカヨーロッパにおいては高速こうそく道路どうろ走行そうこうちゅう降雪こうせつ見舞みまわれたさい比較的ひかくてき安全あんぜん走行そうこう出来できるタイヤとして一定いってい以上いじょう需要じゅよう存在そんざいする。

日本にっぽんでは「M+S」基準きじゅんをクリアしていることからチェーン規制きせいとなった場合ばあい走行そうこうできるが、安全あんぜんじょう推奨すいしょうされていない。

市販しはんしゃようふゆタイヤ[編集へんしゅう]

標準ひょうじゅんタイヤ(ひだり)とスタッドレスタイヤ(みぎ)のトレッドパターン。サイプ構造こうぞう有無うむと、トレッドめんたいするブロックパターンの割合わりあい多寡たか比較ひかくできる。

スタッドレスタイヤ代表だいひょうされるふゆタイヤは、ふゆ氷点下ひょうてんかえる低温ていおん環境かんきょうでもやわらかさをたも特別とくべつなゴムがトレッドめん採用さいようされている。トレッドパターンもメーカーによって多種たしゅ多様たようであるが、基本きほんてきにはオールシーズンタイヤにたブロックパターンをベースに、ブロックそのものに多数たすう横溝よこみぞきざんだサイプ構造こうぞう採用さいようされること一般いっぱんてきである。

なお、ふゆタイヤにはスリップサインのほかに、スリップサインのばい程度ていどたかさのプラットフォームもうけられており、このプラットフォームまで摩耗まもうすすんだふゆタイヤは積雪せきせつ走行そうこうには法令ほうれいじょう使用しよう出来できなくなる。ふゆタイヤはみぞ自体じたいがかなりふかために、ある程度ていどまでのオフロード走行そうこう許容きょようしたマッド&スノー(M&S、M+S)基準きじゅんをクリアーしているものもおおい。

かつてはオフロードタイヤをベースにややブロックを複雑ふくざつしたスノータイヤ主流しゅりゅうであり、スノータイヤの凍結とうけつ路面ろめん性能せいのうおぎなためにトレッドパターンに金属きんぞくせいびょうんだスパイクタイヤ使用しようされることおおかったが、路面ろめんけず粉塵ふんじん公害こうがい問題もんだいからスパイクのみが法律ほうりつ禁止きんしされ、その結果けっかスパイクにたよらずとも氷雪ひょうせつめんいつく性能せいのう確保かくほするためのゴムしつやトレッドパターンの改良かいりょうすすみ、今日きょうスタッドレスタイヤ成立せいりつした歴史れきしてき経緯けいい存在そんざいする。

オフロードタイヤ[編集へんしゅう]

フォード・GPW。だい世界せかい大戦たいせんなか大量たいりょう生産せいさんされた標準ひょうじゅんてきジープ典型てんけいてきなゲタやまパターンのマッドテレーンタイヤが装着そうちゃくされている。

オフロードタイヤのトレッドパターンはどろよごれをすみやかに排出はいしゅつし、タイヤがやわらかい路面ろめんいつくようにノビータイヤばれるふしくれだったパターンをつタイヤや、よこ方向ほうこうはばひろみぞもうけられたリブパターンがもちいられることおおい。このトレッドのふしじょうのブロックのおおきさによっていくつかの種類しゅるいかれるが、オフロード指向しこうつよいタイヤほどふしちいさく、間隔かんかくひろ配置はいちされる反面はんめん舗装ほそう路面ろめんでははげしいロードノイズが発生はっせいするためアメリカではen:Department_of_Transportation(DOT)によって舗装ほそう路面ろめんでも使用しよう可能かのうなノビータイヤのテストがおこなわれており、これに承認しょうにんされた"DOTノビータイヤ"でなければ公道こうどう走行そうこうすること禁止きんしされている。

なお、オフロードタイヤのおおくはふかみぞつトレッドパターンを関係かんけいじょう、ある程度ていどまでの積雪せきせつ路面ろめん走行そうこう許容きょようしたマッド&スノー(M&S、M+S)基準きじゅんをクリアーしていること一般いっぱんてきである。

マッドテレーン[編集へんしゅう]

マッドテレーンタイヤとは、オフロードタイヤのなかでもとく泥濘でいねいなどの路面ろめん状況じょうきょう劣悪れつあく場所ばしょ使用しようされること想定そうていして開発かいはつされたタイヤである。戦後せんごもなくの時期じきまではタイヤのよこ方向ほうこうおおきなみぞもうけたリブパターンタイヤ使用しようされていた。このタイヤはその外見がいけんから日本にっぽんではゲタやまタイヤ(下駄げたやまタイヤ)とばれていた。リブパターンタイヤはそのみぞ路面ろめんるようにいつくため整地せいちでの走破そうはせい非常ひじょうたかかったが、リブが周期しゅうきてき路面ろめんせっする関係かんけいじょう舗装ほそう路面ろめんではうなりおんきわめてやかましいロードノイズが発生はっせいすること欠点けってんであった。

その、リブパターンタイヤをベースにタイヤ中央ちゅうおうたて方向ほうこうみぞもうけてブロックパターン(ラグ)を形成けいせいするリブラグタイヤ登場とうじょうのちにはとく競技きょうぎ指向しこうつよいタイヤにはタイヤの空気圧くうきあつ意図いとてきげて走行そうこうすること見越みこし、オートバイようノビータイヤ同様どうようにサイドウォール部分ぶぶんにまでリブをはいした設計せっけいのものも登場とうじょうして現在げんざいいたっている。

オールテレーン[編集へんしゅう]

オールテレーンタイヤとは、オフロードタイヤのなかでも市街地しがいち走行そうこう考慮こうりょして開発かいはつされたタイヤである。日本語にほんごではぜん地形ちけいタイヤばれることもある。リブラグパターンのマッドテレーンタイヤをベースにさらこまかく複雑ふくざつなブロックパターンをほどこし、オフロードから舗装ほそうまでどのような地形ちけいでも快適かいてき走行そうこうできることを目的もくてき開発かいはつされており、4WDくるまのライン装着そうちゃくひんとしてもひろもちいられている。

近年きんねんではさら高速こうそく走行そうこうすすんでいくSUV対応たいおうするため、このタイヤからハイウェイテレーンタイヤが派生はせいした。

ハイウェイテレーン[編集へんしゅう]

ハイウェイテレーンタイヤとは、オフロード指向しこう車両しゃりょう装着そうちゃくされるタイヤのなかでも市街地しがいち走行そうこうおよ高速こうそく道路どうろでの走行そうこうのみに焦点しょうてんしぼって開発かいはつされたタイヤである。そのパターンは製品せいひんにより千差万別せんさばんべつで、標準ひょうじゅんタイヤとあまわらないパターンをつにいたったものもあれば、オールシーズンタイヤてきにある程度ていど積雪せきせつ舗装ほそうにも対応たいおうしたマッド&スノー(M&S、M+S)基準きじゅんをクリアーしているものも存在そんざいする。

ゴムしつ一般いっぱんてきたい摩耗まもうせい重視じゅうししたものが選定せんていされ、舗装ほそうでの経済けいざいせい考慮こうりょしたタイヤとなっている。

ラリータイヤ[編集へんしゅう]

ラリータイヤとは、オフロードタイヤのなかでもとくラリージムカーナ競技きょうぎ専用せんようもちいられるものをす。ラリータイヤは走行そうこう路面ろめん状況じょうきょうわせてグラベルターマックダートなどにてきした専用せんようのパターンをち、そのなかでもとくにウエットけ、ドライけなどにこまかく用途ようと分類ぶんるいされて選択せんたくできることが一般いっぱんてきである。

カテゴリーによってはトレッドめんをメカニック[4]任意にんい切削せっさくするタイヤカットゆるされている競技きょうぎもあり、路面ろめん状況じょうきょうまぐるしく変化へんかするステージがつづ局面きょくめんでは、このタイヤカットがタイム短縮たんしゅく死命しめいせいする場合ばあいもある。
ラリータイヤはその時代じだいおうじてもっとひろ利用りようされている市販しはんしゃベースのラリーカーにわせて製造せいぞうタイヤサイズが決定けっていされるため過去かこにラリーの現場げんば主力しゅりょく車種しゃしゅであった車両しゃりょうのタイヤサイズにてきしたラリータイヤを今日きょうあらためて入手にゅうしゅしようとしても、製造せいぞう廃止はいしにより入手にゅうしゅ困難こんなんとなる場合ばあいすくなくない。また、市販しはんしゃようオフロードタイヤにちかいタイヤサイズのものおおいものの、たい摩耗まもうせい舗装ほそう路面ろめんでのグリップなどの関係かんけいから、公道こうどう使用しようすること推奨すいしょうされない。

トラックようタイヤ[編集へんしゅう]

トラックもちいられるタイヤはそのトラックの使用しようされる用途ようとわせて様々さまざま種類しゅるいのものから選択せんたくされる。高速こうそく道路どうろでの走行そうこうおお運送うんそうトラックの場合ばあいにはオールシーズンタイヤさまのブロックパターンのものがもちいられ、ダンプトラックひとし市街地しがいちおよ舗装ほそうでの走行そうこうおおいトラックの場合ばあいにはリブラグパターンのオフロード指向しこうつよいタイヤが装着そうちゃくされる。

タイヤ一本いっぽんたりの価格かかく高価こうかため中古ちゅうこタイヤのトレッドをえたリトレッドタイヤもちいられることおおいのも特徴とくちょうである。

オートバイようタイヤのトレッド[編集へんしゅう]

オートバイもちいられるオートバイようタイヤは、オートバイというもの性質せいしつじょう車体しゃたいかたむけてコーナリングするバンク対応たいおうするためにトレッドは半円はんえん形状けいじょうつくられていること一般いっぱんてきである。これによって車体しゃたいおおきくかたむけた場合ばあいでもつね一定いってい面積めんせき以上いじょうタイヤが地面じめん接地せっちつづけ、グリップ性能せいのうやトラクション性能せいのううしなわれないようになる。

ビジネスバイクなどのまちりのおおいオートバイのタイヤはたてみぞおお配置はいちしてゴムしつたい摩耗まもうせい重視じゅうししたものが装備そうびされる。オンロードバイクやスーパースポーツ装備そうびされるタイヤのなかにはスリックタイヤにたゴムしつをベースにななみぞ配置はいちしたグリップ性能せいのう重視じゅうしのものがもちいられる。オフロードバイク装備そうびされるタイヤはノビータイヤばれるふしくれったブロックパターンがもちいられ、舗装ほそう舗装ほそう走行そうこう割合わりあいおうじていくつかの種類しゅるいから選択せんたくおこなえること一般いっぱんてきである。

自転車じてんしゃようタイヤのトレッド[編集へんしゅう]

マウンテンバイクスパイクタイヤ

自転車じてんしゃもちいられる自転車じてんしゃようタイヤもオートバイようタイヤとおなじく、車体しゃたいかたむけて旋回せんかいするバンクに対応たいおうするためにトレッドは半円はんえん形状けいじょうつくられていること一般いっぱんてきである。舗装ほそう路面ろめんおも走行そうこうする一般いっぱん自転車じてんしゃのタイヤは動力どうりょく人力じんりきであることからころがり抵抗ていこう低減ていげん重視じゅうしされ、そのためタイヤ回転かいてん方向ほうこう直交ちょっこうするグルーブはすくなく、円周えんしゅうじょうにストレートなグルーブでトレッドが構成こうせいされている。競技きょうぎよう自転車じてんしゃタイヤのなかには自動車じどうしゃレースよう同様どうようにスリックタイヤも存在そんざいする。

航空機こうくうきようタイヤのトレッド[編集へんしゅう]

旅客機りょかくきエアバスA340のタイヤ

航空機こうくうきようタイヤのトレッドには、離着陸りちゃくりく滑走かっそう横風おうふう滑走かっそう路面ろめん雨水あまみず抵抗ていこう直進ちょくしんたもつために、タイヤ円周えんしゅう方向ほうこうにストレートなグルーブがほどこされる。タイヤに駆動くどうりょくからないことと離陸りりく滑走かっそうころがり抵抗ていこう低減ていげんから、タイヤ回転かいてん方向ほうこう直交ちょっこうするグルーブがほどこされることはい(着陸ちゃくりく滑走かっそう制動せいどうりょくくわわるため直交ちょっこうグルーブをほどこ意味いみ皆無かいむではないが、旅客機りょかくき制動せいどうりょくのほとんどはぎゃく推力すいりょく装置そうちによってるため離陸りりく抵抗ていこう低減ていげん離着陸りちゃくりく直進ちょくしんせい優先ゆうせんされている)。タイヤは着陸ちゃくりく滑走かっそう路面ろめんによってはげしく回転かいてん開始かいしさせられるため、トレッドの損傷そんしょう磨耗まもうのタイヤ部分ぶぶん(カーカスやサイドウォールなど)にして非常ひじょうはげしく、リキャップすることが常識じょうしきしている。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ C.Michael Hogan, Analysis of highway noise, Journal of Water, Air, & Soil Pollution, Volume 2, Number 3, Biomedical and Life Sciences and Earth and Environmental Science Issue, Pages 387-392, September, 1973, Springer Verlag, Netherlands ISSN 0049-6979
  2. ^ OEMタイヤともばれ、一般いっぱん販売はんばいもうには流通りゅうつうしていないことおおい。
  3. ^ たとえば前後ぜんごのタイヤサイズがことなる場合ばあい
  4. ^ スポンサーのタイヤメーカーから派遣はけんされた専属せんぞく技師ぎし担当たんとうすることおおい。

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]