三菱 みつびし ・ジープ
四 よん 輪 りん 駆動 くどう (よんりんくどう)とは、自動車 じどうしゃ などの駆動 くどう 方法 ほうほう の一種 いっしゅ である。4つある車輪 しゃりん すべてに駆動 くどう 力 りょく を伝 つた えて駆動 くどう 輪 わ として用 もち いる方法 ほうほう のこと。
二 に 輪 りん 駆動 くどう 、六 ろく 輪 りん 駆動 くどう などと対 たい になる言葉 ことば である。
このようなタイヤを5つ以上 いじょう 持 も つ車 くるま の場合 ばあい 、「4WD」と「AWD」では意味 いみ が全 まった く異 こと なる
フェラーリ・FF は前輪 ぜんりん 駆動 くどう ではなく四 よん 輪 りん 駆動 くどう である
四 よん 輪 りん 駆動 くどう の自動車 じどうしゃ は日本語 にほんご では四 よん 輪 りん 駆動 くどう 車 しゃ (よんりんくどうしゃ)、略称 りゃくしょう して四 よん 駆 か (よんく)と称 しょう される。英語 えいご ではfour-wheel driveの略 りゃく で4WD 、またはall-wheel drive(総 そう 輪 わ 駆動 くどう 、全 ぜん 輪 わ 駆動 くどう とも) の略 りゃく でAWD 、特 とく に欧州 おうしゅう では四 よん 輪 りん のうち四 よん 輪 りん とも駆動 くどう 輪 わ という意味 いみ で4x4 ( four-by-four、フォーバイフォー)とも呼 よ ばれる。2本 ほん の軸 じく についたタイヤで駆動 くどう するため、特 とく にトラックの場合 ばあい は「二 に 軸 じく 駆動 くどう 」と呼 よ ぶこともある。
一般 いっぱん 的 てき なタイヤを4つ備 そな えた自動車 じどうしゃ を語 かた る場合 ばあい 「4WD」と「AWD」は同義 どうぎ と捉 とら えて問題 もんだい ないが、5輪 りん 以上 いじょう を装備 そうび するトラックなどの自動車 じどうしゃ では異義 いぎ 語 ご となる。例 たと えば6輪 りん の自動車 じどうしゃ の場合 ばあい は「4WD」は欧州 おうしゅう 流 りゅう の表記 ひょうき で6x4 、「AWD」は6x6 とそれぞれ表 あらわ される。アメリカ 国内 こくない にかつて「Four Wheel Drive (英語 えいご 版 ばん ) 」社 しゃ が存在 そんざい し、商標 しょうひょう 登録 とうろく されていたことから、海外 かいがい では「4WD」は避 さ けられる傾向 けいこう にある。
古 ふる い四 よん 輪 りん 駆動 くどう 関連 かんれん の用語 ようご で「FWD」「FF」という単語 たんご が出 で てくることがあるが、前者 ぜんしゃ は上述 じょうじゅつ した「Four Wheel Drive」社 しゃ 、後者 こうしゃ は「Ferguson Formula」(ファーガソン・リサーチ (英語 えいご 版 ばん ) 社 しゃ の四 よん 輪 りん 駆動 くどう システム)の略 りゃく であり、前輪 ぜんりん 駆動 くどう とは一切 いっさい 関係 かんけい がない。
また古 ふる い資料 しりょう では「Four driven wheels」という表記 ひょうき も見 み られる[ 1] 。
「四 よん 駆 か 」「4x4」「4WD」などの語 かたり は、日本 にっぽん や欧州 おうしゅう では現代 げんだい でいうクロスカントリー 車 くるま やSUV といったカテゴリを指 さ す俗称 ぞくしょう として定着 ていちゃく していた時期 じき がある。この場合 ばあい は4WDは車種 しゃしゅ の区別 くべつ 、AWDは駆動 くどう メカニズムの区別 くべつ となり、言葉 ことば としては比較 ひかく できない全 まった く違 ちが う概念 がいねん となる。ただし、この時期 じき に乗用車 じょうようしゃ 型 がた の4WD車 しゃ の製造 せいぞう ・販売 はんばい を開始 かいし した富士重工 ふじじゅうこう (現 げん ・株式会社 かぶしきがいしゃ SUBARU )は、逆 ぎゃく にこの車種 しゃしゅ の製造 せいぞう は行 おこな っていない(一時期 いちじき 、いすゞ・ビッグホーン のOEM販売 はんばい をしていたのみ)が、同社 どうしゃ の4WD車 しゃ は車体 しゃたい 側面 そくめん や後方 こうほう に大 おお きく「4WD」の文字 もじ を掲示 けいじ していた。
自動車 じどうしゃ に四 よん 輪 りん 駆動 くどう を採用 さいよう する目的 もくてき は大 おお きく分 わ けて2つある。
立往生 たちおうじょう の発生 はっせい しやすい雪 ゆき 道 どう や泥濘 でいねい 地 ち などの悪 あく 路 ろ を走破 そうは するため。
ハイパワーエンジンの強大 きょうだい なトルクをより路面 ろめん に伝 つた えるため。
近代 きんだい 的 てき な四 よん 輪 りん 駆動 くどう 車 しゃ の先駆 さきが けとなったジープ (Bantam BRC40)
一般 いっぱん 的 てき な乗用車 じょうようしゃ や商用 しょうよう 車 しゃ 、軍用 ぐんよう 車 しゃ 、土木 どぼく ・建築 けんちく 用 よう 機械 きかい 、農業 のうぎょう 用 よう トラクター などは前者 ぜんしゃ の理由 りゆう である。特 とく に日本 にっぽん は世界 せかい 有数 ゆうすう の豪雪 ごうせつ 地域 ちいき に人口 じんこう の密 みつ な地域 ちいき が存在 そんざい し、雪 ゆき 質 しつ も湿 しめ っていて重 おも いため、他国 たこく に比 くら べて四 よん 輪 りん 駆動 くどう の需要 じゅよう が大 おお きい。そのため日本 にっぽん の自動車 じどうしゃ メーカーは四 よん 輪 りん 駆動 くどう を、セダン 、およびミニバン 、小型車 こがたしゃ 、軽 けい 乗用車 じょうようしゃ など広 ひろ く設定 せってい し、積雪 せきせつ 地 ち (寒冷 かんれい 地 ち )向 む けの需要 じゅよう を満 み たしている[ 注釈 ちゅうしゃく 1] 。一方 いっぽう 、海外 かいがい では降雪 こうせつ 量 りょう の多 おお い地域 ちいき に主要 しゅよう 都市 とし は少 すく なく、雪 ゆき 質 しつ は乾燥 かんそう してサラサラしている上 うえ 、平坦 へいたん な道 みち の移動 いどう が多 おお い。また北欧 ほくおう ではスパイクタイヤが認可 にんか されており、四 よん 輪 りん 駆動 くどう 車 しゃ の需要 じゅよう は日本 にっぽん に比 くら べ限定 げんてい 的 てき である[ 2] 。
四 よん 輪 りん 駆動 くどう を採用 さいよう する2つ目 め の理由 りゆう 、スポーツ性 せい を重視 じゅうし した高 こう 出力 しゅつりょく な車種 しゃしゅ に搭載 とうさい される場合 ばあい も近年 きんねん 増 ふ えてきている。アウディ がクワトロ で世 よ に問 と い、他 た のメーカー が追従 ついしょう し、現在 げんざい の日産 にっさん ・GT-R やランボルギーニ の各 かく モデルなどに至 いた る発想 はっそう である。後述 こうじゅつ の「SPYKER」はこのスポーツ性 せい を重視 じゅうし した最初 さいしょ の四 よん 輪 りん 駆動 くどう 自動車 じどうしゃ の一 ひと つである。
エンジン搭載 とうさい 位置 いち は他 た の駆動 くどう レイアウト同様 どうよう ほとんどがフロントエンジンで、前 ぜん 車軸 しゃじく がエンジン重心 じゅうしん よりも後 うし ろにあるものも多 おお い[ 注釈 ちゅうしゃく 2] 。
車体 しゃたい が旋回 せんかい する際 さい 、外側 そとがわ と内側 うちがわ のタイヤに回転 かいてん 差 さ が発生 はっせい するが、一般 いっぱん 的 てき な自動車 じどうしゃ はデファレンシャルギア(デフ、差 さ 動 どう 装置 そうち )を備 そな えており、エンジン出力 しゅつりょく を2つの異 こと なった回転 かいてん 速度 そくど に振 ふ り分 わ け、駆動 くどう 輪 わ がスリップを起 お こすことを防 ふせ いでいる。二輪 にりん 駆動 くどう 車 しゃ は左右 さゆう 一 いち 対 つい の駆動 くどう 輪 わ のためにデフを1つ備 そな えているが、四 よん 輪 りん 駆動 くどう 車 しゃ では前輪 ぜんりん の一対 いっつい および後 こう 輪 わ の一対 いっつい のために少 すく なくとも2つ必要 ひつよう になる。前後 ぜんご 輪 わ 間 あいだ で車体 しゃたい が折 お れて操舵 そうだ する建 けん 機 き などを除 のぞ けば、さらに前輪 ぜんりん と後 こう 輪 わ の間 あいだ でも内輪 うちわ 差 さ が生 しょう じるため、エンジン出力 しゅつりょく が前後 ぜんご のデフに向 む かう前 まえ に、前後 ぜんご 輪 わ の回転 かいてん 差 さ を吸収 きゅうしゅう するための機構 きこう が必要 ひつよう となる。
その機構 きこう の代表 だいひょう 例 れい がセンターデフ である。また現代 げんだい では前輪 ぜんりん 駆動 くどう をベースとする四 よん 輪 りん 駆動 くどう 車 しゃ については、電子 でんし 制御 せいぎょ を用 もち いたカップリング機構 きこう によってセンターデフの機能 きのう を代替 だいたい する場合 ばあい も増 ふ えている。現代 げんだい の四 よん 輪 りん 駆動 くどう の乗用車 じょうようしゃ のほとんどは、このいずれかを装備 そうび している。これらは1つの出力 しゅつりょく を4つの異 こと なった回転 かいてん 速度 そくど に振 ふ り分 わ けている。
ただしこれらの機構 きこう は設計 せっけい が複雑 ふくざつ 化 か しやすいことに加 くわ え、常 つね に動力 どうりょく とトランスファー を直結 ちょっけつ させているため、燃費 ねんぴ が悪化 あっか しやすい。そのため燃費 ねんぴ ・経済 けいざい 性 せい を重視 じゅうし する商用 しょうよう 車 しゃ や、メカニカルな雰囲気 ふんいき を重視 じゅうし した趣味 しゅみ 性 せい の強 つよ いクロスカントリー系 けい のSUVなどは、手動 しゅどう スイッチでトランスファーへの直結 ちょっけつ ・切 き り離 はな しをすることで二 に 輪 りん 駆動 くどう と四 よん 輪 りん 駆動 くどう の切 き り替 か えを行 おこな い、センターデフなどを省 はぶ く「パートタイム式 しき 」が多 おお い。
パートタイム式 しき では、舗装 ほそう 路 ろ で四 よん 輪 りん 駆動 くどう として走行 そうこう する場合 ばあい 、旋回 せんかい 時 じ に前後 ぜんご 輪 わ の内輪 うちわ 差 さ によってどちらかが強制 きょうせい 的 てき にスリップを起 お こすため、ブレーキ が掛 か かったような現象 げんしょう に見舞 みま われ、マニュアルトランスミッション 車 くるま では低速 ていそく 時 じ にエンスト することもある。これは「タイトコーナーブレーキング現象 げんしょう 」と呼 よ ばれる。また低速 ていそく で小回 こまわ りなどをした場合 ばあい は小刻 こきざ みにスリップが発生 はっせい するため、車体 しゃたい 全体 ぜんたい が不快 ふかい な振動 しんどう に見舞 みま われることがある。これらは故障 こしょう の原因 げんいん となりうるため、雪上 せつじょう や深 ふか い砂利 じゃり 道 どう のような摩擦 まさつ の低 ひく い路面 ろめん 以外 いがい では四 よん 輪 りん 駆動 くどう とするのは実質 じっしつ 的 てき に不可能 ふかのう である。
二 に 輪 りん 駆動 くどう と比 くら べた場合 ばあい の長所 ちょうしょ と短所 たんしょ について述 の べる。
最大 さいだい の長所 ちょうしょ はトラクション である。具体 ぐたい 的 てき には牽引 けんいん 力 りょく (英語 えいご 版 ばん ) が大 おお きく向上 こうじょう する。特 とく に駆動 くどう 力 りょく がタイヤのグリップ力 りょく (路面 ろめん との摩擦 まさつ 力 りょく )を上回 うわまわ り、空転 くうてん が発生 はっせい しやすい路面 ろめん では、各 かく タイヤのトレッド にかかる駆動 くどう 力 りょく を分散 ぶんさん させることができる。このため悪 あく 路 ろ でのスタックからの脱出 だっしゅつ や安定 あんてい した走行 そうこう が容易 ようい となる。このとき路面 ろめん を深 ふか 掘 ほ りして荒 あ らしたりする必要 ひつよう がないのも美点 びてん となる。また舗装 ほそう 路上 ろじょう で二 に 輪 りん 駆動 くどう ならタイヤが空転 くうてん しそうなほどの高 こう 出力 しゅつりょく エンジンでも、タイヤの性能 せいのう が許 ゆる す限 かぎ り地面 じめん に力 ちから を伝 つた えることが可能 かのう となる。
エンジンブレーキ による制動 せいどう 力 りょく も四 よん 輪 りん に分散 ぶんさん されるため、ホイールロック(タイヤ の滑走 かっそう )までの限界 げんかい が高 たか く、ロックからの回復 かいふく も早 はや い。
前輪 ぜんりん 駆動 くどう と比較 ひかく した場合 ばあい 、リアの駆動 くどう 系 けい の重 おも さの分 ぶん だけ荷重 におも が前 まえ に偏 かたよ りすぎず、前輪 ぜんりん タイヤの負担 ふたん も軽減 けいげん される。
後 こう 輪 わ 駆動 くどう と比較 ひかく した場合 ばあい 、総 そう じて直進 ちょくしん 安定 あんてい 性 せい に優 すぐ れる。
トルクベクタリング式 しき (後述 こうじゅつ )の場合 ばあい 、前輪 ぜんりん 駆動 くどう と比較 ひかく してコーナーリングの性能 せいのう と質感 しつかん に優 すぐ れる。
駆動 くどう 系 けい が追加 ついか される分 ぶん 、構造 こうぞう の複雑 ふくざつ さと重量 じゅうりょう の増加 ぞうか に由来 ゆらい するデメリットが多 おお い。
製造 せいぞう のコストが高 たか くなるため、二輪 にりん 駆動 くどう モデルに比 くら べて車両 しゃりょう 価格 かかく もその分 ぶん 高 たか くなる。
重量 じゅうりょう と抵抗 ていこう が増 ふ えるため燃費 ねんぴ が悪化 あっか する。燃費 ねんぴ の悪化 あっか 具合 ぐあい と重量 じゅうりょう の増加 ぞうか 具合 ぐあい では、エコカー減税 げんぜい や重量 じゅうりょう 税 ぜい など税制 ぜいせい 面 めん で不利 ふり となることもある。
ブレーキングでの制動 せいどう 性能 せいのう は二 に 輪 りん 駆動 くどう と比較 ひかく して同等 どうとう 以下 いか で、重量 じゅうりょう が重 おも い分 ぶん 制動 せいどう 距離 きょり が延 の びやすい。
デフを内蔵 ないぞう するライブアクスルでは、ばね下 か 重量 じゅうりょう も増加 ぞうか し、路面 ろめん 追従 ついしょう 性 せい や乗 の り心地 ごこち にデメリットを生 しょう じやすい。
ドライブシャフト やギア の追加 ついか は騒音 そうおん 面 めん で不利 ふり となる。
デフオイルの交換 こうかん は前後 ぜんご 2箇所 かしょ で必要 ひつよう となる。
設計 せっけい の自由 じゆう 度 ど が下 さ がる。例 たと えば小型車 こがたしゃ では、室内 しつない 容積 ようせき や駆動 くどう 系 けい のスペースを納 おさ める都合 つごう 上 じょう 、サスペンション を変 か えなければならない場合 ばあい もある。
最初 さいしょ の四 よん 輪 りん 駆動 くどう 車 しゃ は、1805年 ねん にアメリカメリーランド州 しゅう のオリバー・エバンス が製作 せいさく した浚渫船 しゅんせつせん (しゅんせつせん)だとされている。浚渫船 しゅんせつせん を製造 せいぞう した工場 こうじょう から陸路 りくろ を輸送 ゆそう するために、船 ふね に車輪 しゃりん が取 と り付 つ けられ、蒸気 じょうき 機関 きかん の動力 どうりょく をベルト で前後 ぜんご 輪 わ に伝 つた えることで走行 そうこう した。それ以降 いこう も蒸気 じょうき 機関 きかん を使用 しよう した四 よん 輪 りん 駆動 くどう 車 しゃ は製造 せいぞう された。1824年 ねん にイギリス ロンドン でウィリアム・ヘンリー・ジェームズによって作 つく られた蒸気 じょうき 自動車 じどうしゃ は、四 よん 輪 りん それぞれにシリンダー を持 も ち、デフを用 もち いずに各 かく 輪 わ の回転 かいてん 差 さ を吸収 きゅうしゅう するようになっていた。
電気 でんき モーター を使用 しよう した四 よん 輪 りん 駆動 くどう 車 しゃ も1900年 ねん ごろ作 つく られている。フェルディナント・ポルシェ が開発 かいはつ した「ローナーポルシェ 」は、インホイールモーター と呼 よ ばれる、各 かく 輪 わ のハブ に駆動 くどう 用 よう モーターを内蔵 ないぞう する方式 ほうしき で四 よん 輪 りん 駆動 くどう としていた[ 注釈 ちゅうしゃく 3] [ 3] 。
ガソリンエンジンを用 もち いた初 はつ の四 よん 輪 りん 駆動 くどう 車 しゃ SPYKER
ガソリンエンジン を使用 しよう した四 よん 輪 りん 駆動 くどう 車 しゃ は、1902年 ねん にオランダ のスパイカー兄弟 きょうだい によって作 つく られた「SPYKER 」が最初 さいしょ である。この車 くるま は、前進 ぜんしん 3速 そく ・後進 こうしん 1速 そく のトランスミッション と、2速 そく のトランスファー およびセンターデフを介 かい し、四 よん 輪 りん を駆動 くどう する設計 せっけい で、現代 げんだい のフルタイム式 しき 四 よん 輪 りん 駆動 くどう 車 しゃ と基本 きほん が同 おな じという画期的 かっきてき なものであった。
1903年 ねん には、ダイムラー の子会社 こがいしゃ であるオーストリア・ダイムラー社 しゃ で、四 よん 輪 りん 駆動 くどう 装甲車 そうこうしゃ が開発 かいはつ された。この車 くるま は装甲 そうこう と37 mm機関 きかん 砲 ほう を装備 そうび した砲塔 ほうとう を持 も ち、前進 ぜんしん 4速 そく ・後進 こうしん 1速 そく のトランスミッションとトランスファーを介 かい して四 よん 輪 りん を駆動 くどう した。またダイムラー本体 ほんたい でも、ドイツの植民 しょくみん 地 ち だったナミビア の駐在 ちゅうざい 員 いん のベルンハルト・デルンブルク の生活 せいかつ の足 あし のために、1907年 ねん に四 よん 輪 りん 操舵 そうだ の四 よん 輪 りん 駆動 くどう 車 しゃ 「デルンブルク・ワーゲン」を開発 かいはつ 。ダイムラー・ベンツとなった後 のち 、1926年 ねん からトラックや軍用 ぐんよう に4×4や6×4、6×6、8×8などの駆動 くどう システムを開発 かいはつ して技術 ぎじゅつ を洗練 せんれん させていった。これが現在 げんざい のGクラス やウニモグ にも繋 つな がっている[ 4] 。
ダイムラーのデルンブルグ・ワーゲン
アメリカでは1905年 ねん にトライフォード・モーターカンパニー が製造 せいぞう したのが最初 さいしょ だが、大量 たいりょう 生産 せいさん に成功 せいこう したのはフォー・ホイール・ドライブ(FWD)社 しゃ であった。同社 どうしゃ の3トンの「モデルB」は、第 だい 一 いち 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん 中 ちゅう はジェフリー・モーター・カンパニー (ランブラー自動車 じどうしゃ の当時 とうじ の社名 しゃめい )は四 よん 輪 りん 駆動 くどう トラック の設計 せっけい ・製造 せいぞう するクワッド・トラック (Quad Truckまたはジェフリー・クワッド、ナッシュ・クワッド)と共 とも に、欧州 おうしゅう で戦 たたか う連合 れんごう 軍 ぐん に提供 ていきょう され、ジョン・パーシング 指揮 しき の下 した 、重量 じゅうりょう 級 きゅう 軍用 ぐんよう 用途 ようと に用 もち いられた。四輪 よんりん 駆動 くどう に四 よん 輪 りん ブレーキ・四 よん 輪 りん 操舵 そうだ まで兼 か ね備 そな えたナッシュ・クワッドは15年 ねん に渡 わた って4万 まん 台 だい 以上 いじょう が製造 せいぞう された。
なおフォード・モデルT においても1910年代 ねんだい 以降 いこう に四 よん 輪 りん 駆動 くどう キットが販売 はんばい され、四 よん 輪 りん 駆動 くどう 化 か された車輌 しゃりょう があったが、これは、走破 そうは 性 せい 向上 こうじょう のためというよりも、もっぱら駆動 くどう 輪 わ である後 のち 輪 わ にしか働 はたら かないエンジンブレーキ を前輪 ぜんりん にも作用 さよう させるためであった。
九 きゅう 五 ご 式 しき 小型 こがた 乗用車 じょうようしゃ
日本 にっぽん においては1935年 ねん 頃 ころ 、前年 ぜんねん に帝国 ていこく 陸軍 りくぐん が依頼 いらい し日本 にっぽん 内燃 ないねん 機 き が開発 かいはつ した九 きゅう 五 ご 式 しき 小型 こがた 乗用車 じょうようしゃ (くろがね四 よん 起 おこり )が登場 とうじょう した。九 きゅう 五 ご 式 しき 小型 こがた 乗用車 じょうようしゃ はアメリカ軍 ぐん のジープ に先駆 さきが けて開発 かいはつ ・量産 りょうさん された日本 にっぽん 初 はつ の実用 じつよう 四 よん 輪 りん 駆動 くどう 車 しゃ であり、1936年 ねん から1944年 ねん まで計 けい 4,775台 だい が生産 せいさん され、日 にち 中 ちゅう 戦争 せんそう ・ノモンハン事件 じけん ・太平洋戦争 たいへいようせんそう などで偵察 ていさつ ・伝令 でんれい ・輸送 ゆそう 用 よう に幅広 はばひろ く使用 しよう された。
1941年 ねん 、アメリカにジープが登場 とうじょう した。ドイツ軍 ぐん のキューベルワーゲン (二 に 輪 りん 駆動 くどう 車 しゃ 。1940年 ねん 頃 ころ 登場 とうじょう )に相当 そうとう する軍用 ぐんよう 車両 しゃりょう として、アメリカ陸軍 りくぐん の仕様 しよう に対 たい し各社 かくしゃ の試作 しさく の中 なか からバンタム(英語 えいご 版 ばん ) 社 しゃ の案 あん が採用 さいよう されたものだった。バンタム社 しゃ は当然 とうぜん 自社 じしゃ での生産 せいさん を望 のぞ んだが、実際 じっさい には生産 せいさん 設備 せつび の規模 きぼ や品質 ひんしつ からほとんどがウィリス(英語 えいご 版 ばん ) 社 しゃ とフォード 社 しゃ に発注 はっちゅう され製造 せいぞう された。ジープは戦場 せんじょう の悪 あく 路 ろ を走破 そうは するための自動車 じどうしゃ として有益 ゆうえき であることが第 だい 二 に 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん で実証 じっしょう され、大量 たいりょう 生産 せいさん を経 へ て連合 れんごう 軍 ぐん に供給 きょうきゅう され世界 せかい 各地 かくち を走破 そうは した。ジープの活躍 かつやく はそのため世界 せかい 各地 かくち で注目 ちゅうもく を呼 よ んだ。日本 にっぽん でも陸軍 りくぐん が南方 なんぽう 戦線 せんせん で鹵獲 ろかく したバンタム・ジープを日本 にっぽん に持 も ち帰 かえ り、「ボディは似 に せないこと」という注文 ちゅうもん 付 つ きで製作 せいさく するようトヨタ自動車 とよたじどうしゃ に依頼 いらい したが、まもなく敗戦 はいせん となった。この戦争 せんそう 自体 じたい は不幸 ふこう なものだったが、結果 けっか 的 てき には四 よん 輪 りん 駆動 くどう に必要 ひつよう なデファレンシャルギアや等 ひとし 速 そく ジョイントの技術 ぎじゅつ を大 おお きく進歩 しんぽ させることとなった。
フォード・F-150
戦後 せんご は軍用 ぐんよう で磨 みが かれた四 よん 輪 りん 駆動 くどう システムを民間 みんかん のトラックや市販 しはん 車 しゃ 市場 いちば に流用 りゅうよう する動 うご きが活発 かっぱつ になった。特 とく に米国 べいこく ではジープが躍進 やくしん し、GM とフォードもピックアップトラック やSUVなどでこれに追随 ついずい 。現在 げんざい まで続 つづ くシボレー・ブレイザー やフォード・ブロンコ 、Fシリーズなどが生 う まれた。
カイザー・ジープ社 しゃ は、ジープの四 よん 輪 りん 駆動 くどう 技術 ぎじゅつ をステーションワゴン に搭載 とうさい したジープ・ワゴニアや、そのV8 エンジン版 ばん となるスーパーワゴニアを発売 はつばい した。その後 ご もジープは親会社 おやがいしゃ を転々 てんてん と変 か え続 つづ けながら、米国 べいこく のアウトドアブームに乗 の ってAMC・イーグル やジープ・チェロキー といった四 よん 輪 りん 駆動 くどう 車 しゃ のヒット作品 さくひん たちを世 よ に送 おく り出 だ すことになる。またビッグ3のロビー活動 かつどう によってピックアップトラック が税制 ぜいせい 上 じょう 優遇 ゆうぐう されたこともあり、ますます人々 ひとびと にとって四 よん 輪 りん 駆動 くどう 車 しゃ は身近 みぢか なものになっていった。
ルノー・R4 をシンパーが改造 かいぞう した「レーシングR4」
欧州 おうしゅう では戦後 せんご ローバー 社 しゃ が高級 こうきゅう SUVの先駆 さきが けとなるランドローバー を登場 とうじょう させた。最初 さいしょ はジープの模倣 もほう であったが、1970年 ねん にレンジローバー が登場 とうじょう し、現在 げんざい の高級 こうきゅう SUVの先駆 さきが けとなった。1979年 ねん にはメルセデス・ベンツ・Gクラス も発売 はつばい された。
フランスのシンパー 社 しゃ は、1960年代 ねんだい からルノー の乗用車 じょうようしゃ を四 よん 輪 りん 駆動 くどう のオフローダーに改造 かいぞう する事業 じぎょう を行 おこな っており、特 とく にスイスの山岳 さんがく 地帯 ちたい ではスバルが欧州 おうしゅう に進出 しんしゅつ するまでの間 あいだ 重宝 ちょうほう された。
1960年代 ねんだい にBMC のアレック・イシゴニス は、当時 とうじ 発明 はつめい したばかりのイシゴニス式 しき 前輪 ぜんりん 駆動 くどう の技術 ぎじゅつ を流用 りゅうよう して四 よん 輪 りん 駆動 くどう 車 しゃ のオースティン・アントを開発 かいはつ していたが、1968年 ねん に会社 かいしゃ が合併 がっぺい してブリティッシュ・レイランド となった際 さい 、ランドローバーとの共食 ともぐ いになると見 み 做され、計画 けいかく 自体 じたい が消失 しょうしつ した[ 5] [ 6] 。
三菱 みつびし ・ジープ
日本 にっぽん でも戦後 せんご 、民間 みんかん でも悪 あく 路 ろ を走破 そうは する車 くるま の需要 じゅよう が高 たか まったが、当初 とうしょ は軍用 ぐんよう 車 しゃ の払 はら い下 さ げや、似 に せて作 つく った国産 こくさん ジープ型 がた 車両 しゃりょう 程度 ていど の選択肢 せんたくし しかなかった。それでも、戦前 せんぜん (1930年代 ねんだい 以前 いぜん )の自動車 じどうしゃ しか知 し らない当時 とうじ の日本人 にっぽんじん にとって、ジープの技術 ぎじゅつ や品質 ひんしつ は、アメリカの技術 ぎじゅつ 的 てき 進歩 しんぽ を伝 つた えるものだった。1953年 ねん に新 しん 三菱重工業 みつびしじゅうこうぎょう (→三菱重工業 みつびしじゅうこうぎょう →三菱自動車工業 みつびしじどうしゃこうぎょう )は、ウイリスオーバーランド社 しゃ のジープを警察 けいさつ 予備 よび 隊 たい 向 む けにノックダウン生産 せいさん した。自社 じしゃ 開発 かいはつ のトヨタ・ジープ (後 のち にランドクルーザーと改名 かいめい )と日産 にっさん ・パトロール は警察 けいさつ 予備 よび 隊 たい の入札 にゅうさつ で三菱 みつびし に敗 やぶ れたため、国家 こっか 地方 ちほう 警察 けいさつ 向 む けや民需 みんじゅ の道 みち を開拓 かいたく した。三菱 みつびし ・ジープ はその後 ご 日本 にっぽん でも開発 かいはつ したモデルを加 くわ えていき、防衛庁 ぼうえいちょう 以外 いがい にも販路 はんろ を広 ひろ げ、独自 どくじ の進化 しんか を遂 と げながら1998年 ねん まで生産 せいさん された。「ジープ」は小型 こがた 四 よん 輪 りん 駆動 くどう 車 しゃ 全般 ぜんぱん の代名詞 だいめいし としても使 つか われるようになった。
スバル・レオーネ1600 4WD
1967年 ねん 、ホープ自動車 じどうしゃ が軽自動車 けいじどうしゃ (当時 とうじ は360cc)枠 わく で本格 ほんかく 的 てき な四 よん 輪 りん 駆動 くどう 車 しゃ 「ホープスター・ON型 がた 4WD 」を発売 はつばい した。この車両 しゃりょう は後 ご の「スズキ・ジムニー 」の前身 ぜんしん であり、四 よん 輪 りん 駆動 くどう 車 しゃ =大 だい 排気 はいき 量 りょう 車 しゃ という形式 けいしき に一 いち 石 せき を投 とう じた。そして1979年 ねん にスズキ (1990年 ねん 9月 がつ 以前 いぜん は鈴木 すずき 自動車 じどうしゃ 工業 こうぎょう )はアルト 、1981年 ねん にダイハツ はミラ にそれぞれパートタイム式 しき 四 よん 輪 りん 駆動 くどう グレードを設定 せってい することになる。一方 いっぽう 富士重工業 ふじじゅうこうぎょう (現 げん ・SUBARU )は「ジープより快適 かいてき で、通年 つうねん 使用 しよう 可能 かのう な現場 げんば 巡回 じゅんかい 用 よう 車輌 しゃりょう 」という東北電力 とうほくでんりょく の依頼 いらい を受 う け、「スバル・ff-1 1300G バン」に、日産 にっさん ・ブルーバード のリヤアクスルを装着 そうちゃく したパートタイム4WDの「スバル・ff-1 1300Gバン4WD」を製作 せいさく 。1972年 ねん にレオーネ1400エステートバン4WD として発売 はつばい された。これはスバルが、水平 すいへい 対向 たいこう エンジン +四 よん 輪 りん 駆動 くどう の組 く み合 あ わせをシンボルとするブランドへの道 みち を歩 あゆ み始 はじ めるきっかけとなった。このように軽自動車 けいじどうしゃ 規格 きかく や乗用車 じょうようしゃ との組 く み合 あ わせにより安価 あんか に四 よん 輪 りん 駆動 くどう 車 しゃ を入手 にゅうしゅ できるようになり、豪雪 ごうせつ 地帯 ちたい の日本 にっぽん でも一般人 いっぱんじん への普及 ふきゅう が進 すす んだ。
マツダ・ファミリア4WDターボ
また1970年代 ねんだい の米国 べいこく のカウンターカルチャー の影響 えいきょう を受 う けた日本 にっぽん ではアウトドア ブームが起 お こり、四 よん 輪 りん 駆動 くどう 車 しゃ やクロスカントリー カーが流行 りゅうこう した。この時点 じてん で、後 ご のRV という日本 にっぽん 仕様 しよう のレジャー車両 しゃりょう の概念 がいねん が形成 けいせい されはじめた。1984年 ねん にはクロカン車 しゃ としての悪 あく 路 ろ 走破 そうは 性 せい を保持 ほじ しつつ乗用車 じょうようしゃ としての扱 あつか いやすさを両立 りょうりつ させ、乗用 じょうよう クロスカントリー車 しゃ の先駆 さきが けとなった三菱 みつびし ・パジェロ が発売 はつばい され、四 よん 輪 りん 駆動 くどう 車 しゃ が一気 いっき に身近 みぢか な存在 そんざい となった。1985年 ねん には横 よこ 置 お きエンジン では世界 せかい 初 はつ となるフルタイム四 よん 輪 りん 駆動 くどう を搭載 とうさい した3代目 だいめ マツダ・ファミリア が登場 とうじょう し[ 7] 、センターデフを持 も つ常時 じょうじ 四 よん 輪 りん 駆動 くどう 技術 ぎじゅつ が乗用車 じょうようしゃ でも一般 いっぱん 的 てき になり始 はじ めた。1986年 ねん には日産 にっさん ・サニー 、1987年 ねん にはトヨタ・カローラ とホンダ・シビック でそれぞれフルモデルチェンジに合 あ わせて、横 よこ 置 お きエンジンのフルタイム又 また はスタンバイ式 しき の四 よん 輪 りん 駆動 くどう グレードが追加 ついか され、幅広 はばひろ い車種 しゃしゅ への普及 ふきゅう が一気 いっき に進 すす んだ。
ジェンセン・FF
日産 にっさん ・GT-R NISMO
高性能 こうせいのう スポーツカー ・GT 向 む けとしては、英国 えいこく のジェンセン・モーターズ 社 しゃ が1966年 ねん に量産 りょうさん GTカーとして初 はじ めてフルタイム式 しき 四 よん 輪 りん 駆動 くどう を採用 さいよう したFF を発売 はつばい したが、オイル・ショック や仕様 しよう の問題 もんだい などもあって、市販 しはん 車 しゃ のトレンドに影響 えいきょう を与 あた えることはできなかった。FFから10年 ねん 以上 いじょう 後 ご の1980年 ねん にアウディ・クワトロ が登場 とうじょう したことで、ようやく高性能 こうせいのう スポーツカー向 む けの四 よん 輪 りん 駆動 くどう 技術 ぎじゅつ が普及 ふきゅう し始 はじ めた。90年代 ねんだい まではグループB やグループA のような競技 きょうぎ 用 よう ホモロゲーションモデルを除 のぞ けば、BMW・ポルシェ・ランボルギーニのごく一部 いちぶ に採用 さいよう されるのみであったが、00年代 ねんだい 以降 いこう にはかつて後 こう 輪 わ 駆動 くどう をアイデンティティとしていたブランドたちも、高性能 こうせいのう 化 か のシンボルとして四 よん 輪 りん 駆動 くどう を搭載 とうさい したモデルを続々 ぞくぞく と発売 はつばい するようになった。
こうした流 なが れの末 すえ に、現在 げんざい では様々 さまざま な車種 しゃしゅ に四 よん 輪 りん 駆動 くどう のグレードが設定 せってい されている。四輪 よんりん 駆動 くどう は安全 あんぜん というイメージを売 う るメーカーのマーケティングの成功 せいこう や、数 すう 十 じゅう 年 ねん 単位 たんい で続 つづ くSUV ブームもあって、2013年 ねん の米国 べいこく の四 よん 輪 りん 駆動 くどう 車 しゃ の販売 はんばい 比率 ひりつ は32%となった[ 8] 。日本 にっぽん の軽自動車 けいじどうしゃ の四 よん 輪 りん 駆動 くどう 比率 ひりつ は乗用 じょうよう ・商用 しょうよう 合算 がっさん で2〜3割 わり [ 9] 、北海道 ほっかいどう の乗用車 じょうようしゃ 全体 ぜんたい の四 よん 輪 りん 駆動 くどう 比率 ひりつ は7〜8割 わり にも及 およ ぶ[ 10] 。かつて後 こう 輪 わ 駆動 くどう (FR)をブランドアイデンティティとしていたBMWは現在 げんざい 、「X-DRIVE」と呼 よ ぶ四 よん 輪 りん 駆動 くどう グレードがほぼ全車 ぜんしゃ にラインナップされており、販売 はんばい の1/3を占 し めている[ 11] 。
※ここに挙 あ げる名称 めいしょう はあくまで便宜 べんぎ 的 てき なものであり、明確 めいかく に定 さだ められているわけではない。
永久 えいきゅう 直結 ちょっけつ 式 しき とも呼 よ ばれる、最 もっと も原始 げんし 的 てき な四 よん 輪 りん 駆動 くどう 方式 ほうしき 。黎明 れいめい 期 き の試作 しさく 的 てき な四 よん 輪 りん 駆動 くどう 車 しゃ や、軍用 ぐんよう 車両 しゃりょう や農耕 のうこう 用 よう 車両 しゃりょう の一部 いちぶ にのみ見 み られる。現代 げんだい の乗用車 じょうようしゃ 技術 ぎじゅつ としては採用 さいよう されない方式 ほうしき である。
前後 ぜんご の回転 かいてん 差 さ を吸収 きゅうしゅう するセンターデフを持 も たないことはもちろん、トランスファー すら持 も たないか、あるいは、持 も っていても二 に 輪 りん 駆動 くどう の状態 じょうたい を選 えら べないため、通常 つうじょう 路面 ろめん での使用 しよう や、高速 こうそく 走行 そうこう にはまったく適 てき していない。
また、建設 けんせつ 機械 きかい などでは、前輪 ぜんりん と同 おな じ舵 かじ 角 かく で逆 ぎゃく 位相 いそう に後 こう 輪 わ を操舵 そうだ (四 よん 輪 りん 操舵 そうだ )、或 ある いは前後 ぜんご 輪 わ 間 あいだ で車体 しゃたい を折 お って操舵 そうだ し、前後 ぜんご 輪 わ の軌跡 きせき を一致 いっち させることで、タイトコーナーブレーキング現象 げんしょう を回避 かいひ する例 れい も存在 そんざい するが、極端 きょくたん なアンダーステア 特性 とくせい のために、スピードの向上 こうじょう には対応 たいおう 出来 でき ない。
日産 にっさん ・パトロール
ランボルギーニ・ウラカン
パーマネント式 しき (広義 こうぎ )、コンスタント式 しき とも呼 よ ばれる。前後 ぜんご 輪 わ を接続 せつぞく する駆動 くどう 軸 じく の間 あいだ にセンターデフと呼 よ ばれるデファレンシャルギア(デフギア)を置 お き、旋回 せんかい 時 じ や、前後 ぜんご 輪 わ の回転 かいてん 差 さ を吸収 きゅうしゅう する。常時 じょうじ 全 ぜん 輪 わ に適切 てきせつ にトルクを分配 ぶんぱい するため、高速 こうそく 走行 そうこう や雨天 うてん 時 じ の走行 そうこう における安定 あんてい 性 せい に優 すぐ れる。
この方式 ほうしき を採用 さいよう する黎明 れいめい 期 き の四 よん 輪 りん 駆動 くどう 車 しゃ は、差 さ 動 どう 制限 せいげん を持 も たない単純 たんじゅん なディファレンシャルギア を使用 しよう していた。その場合 ばあい 、悪 あく 路 ろ などで一 いち 輪 りん でも空転 くうてん を始 はじ めると、他 た の車輪 しゃりん には駆動 くどう 力 りょく がほとんど伝 つた わらなくなる。それを回避 かいひ するために、センターデフに直結 ちょっけつ 機構 きこう (デフロック )を備 そな えているものや、リミテッド・スリップ・デフを用 もち いるものが多 おお い。ただし、こうした名称 めいしょう にはメーカー間 あいだ で統一 とういつ された定義 ていぎ はなく、後述 こうじゅつ のスタンバイ方式 ほうしき のように前後 ぜんご の接続 せつぞく にデフギアやトランスファーではなく流体 りゅうたい クラッチ(カップリング)を用 もち いるものも一般 いっぱん 的 てき にフルタイム式 しき と(広義 こうぎ で)呼 よ ばれている。整備 せいび などのサービスの現場 げんば でも、ギアであれクラッチであれ、前後 ぜんご の接続 せつぞく 部分 ぶぶん は全 すべ てセンターデフと呼 よ んでいる場合 ばあい があるが、走行 そうこう 性能 せいのう については大 おお きな差 さ があり、後述 こうじゅつ のとおりである。
なお、軍用 ぐんよう 車両 しゃりょう やオフロード志向 しこう の強 つよ いクロスカントリー カーやSUV の一部 いちぶ では、走破 そうは 性 せい 向上 こうじょう のために、センターデフのみならず前後 ぜんご のデフ(アクスルデフ)も差 さ 動 どう 制限 せいげん したり、直結 ちょっけつ させることを可能 かのう とするものもある。
フルタイム式 しき 4WD。エンジン出力 しゅつりょく はセンターデフを介 かい して前後 ぜんご 輪 わ に配分 はいぶん される。
デフの直結 ちょっけつ スイッチの模 も 式 しき 図 ず 。左 ひだり から順 じゅん にセンターデフ、フロントデフ、リヤデフを独立 どくりつ 的 てき に直結 ちょっけつ させる機能 きのう を持 も つ。
後 こう 輪 わ 駆動 くどう を基本 きほん としたパートタイム式 しき 4WD。前輪 ぜんりん への駆動 くどう の接続 せつぞく は運転 うんてん 者 しゃ が任意 にんい に行 おこな う。
スズキ・ジムニー
マツダ・ボンゴ
セレクティブ式 しき とも呼 よ ばれる。通常 つうじょう は二 に 輪 りん 駆動 くどう を基本 きほん とし、必要 ひつよう 時 じ にのみ動力 どうりょく を取 と り出 だ すトランスファを接続 せつぞく し、四 よん 輪 りん 駆動 くどう に切 き り替 か える方式 ほうしき である。これはタイトコーナーブレーキング現象 げんしょう の発生 はっせい や、ハンドリングや燃費 ねんぴ の悪化 あっか などの多 おお くの不具合 ふぐあい を回避 かいひ し、舗装 ほそう 路面 ろめん でも使 つか える車両 しゃりょう とするのに必須 ひっす でもあった。また自動車 じどうしゃ 製造 せいぞう 上 じょう 、もともとの二 に 輪 りん 駆動 くどう 車両 しゃりょう に後 こう 付 つ け構造 こうぞう で四 よん 輪 りん 駆動 くどう にできる方式 ほうしき として、今 いま でも存続 そんぞく している。シンプルな構造 こうぞう と二 に 輪 りん 駆動 くどう 時 じ の燃費 ねんぴ の良 よ さから、特 とく に経済 けいざい 性 せい が重要 じゅうよう な商用 しょうよう 車 しゃ では採用 さいよう されやすい。
パートタイムの車両 しゃりょう にはセンターデフは無 な く、四 よん 輪 りん 駆動 くどう では前後 ぜんご の回転 かいてん 差 さ は全 まった く吸収 きゅうしゅう されず、タイヤと路面 ろめん の間 あいだ での強制 きょうせい 的 てき なスリップを発生 はっせい することで回転 かいてん 差 さ を吸収 きゅうしゅう する。つまり、四 よん 輪 りん 駆動 くどう 走行 そうこう は、滑 すべ りやすい悪 あく 路 ろ であることが前提 ぜんてい となる。
仮 かり に、パートタイムの四 よん 輪 りん 駆動 くどう で乾 かわ いた舗装 ほそう 路 ろ などを走行 そうこう するとタイヤと路面 ろめん の摩擦 まさつ 力 ちから が大 おお きくタイヤスリップが発生 はっせい できず、タイトコーナーブレーキング現象 げんしょう やトルク循環 じゅんかん が発生 はっせい する。駆動 くどう 系 けい を破損 はそん ・焼損 しょうそん する可能 かのう 性 せい も高 たか く注意 ちゅうい が必要 ひつよう である。前後 ぜんご のタイヤ径 みち が異 こと なる場合 ばあい にもトルク循環 じゅんかん が発生 はっせい する。カタログでのタイヤサイズが同 おな じで、モデル名 めい が異 こと なる程度 ていど (トレッドパターンや僅 わず かな直径 ちょっけい の違 ちが い)でも、タイヤの摩耗 まもう 度 ど が見 み てわかる程度 ていど 違 ちが っていても起 お こる。また、ハンドル舵 かじ 角 かく によらず非常 ひじょう に高 たか い直進 ちょくしん 性 せい をもつことになる。車両 しゃりょう の操縦 そうじゅう 性 せい や安定 あんてい 性 せい が大 おお きく損 そこ なわれることに大 おお きな注意 ちゅうい が必要 ひつよう である。二 に 駆 か と四 よん 駆 か の切 き り替 か えはステアリングを中立 ちゅうりつ にしての低 てい 速度 そくど 、または停止 ていし 状態 じょうたい で行 おこな うことが推奨 すいしょう される。このような車種 しゃしゅ は、車内 しゃない にコーションプレートが取 と り付 つ けられており、これらの旨 むね が注意 ちゅうい 書 が きされている。
悪 あく 路 ろ での使用 しよう を前提 ぜんてい とするなら、比較的 ひかくてき 機構 きこう が簡単 かんたん で信頼 しんらい 性 せい が高 たか くパーマネント式 しき やセンターデフ式 しき のデフロック状態 じょうたい の利点 りてん が得 え られるため、砂地 すなじ 、泥濘 でいねい 、岩山 いわやま など、過酷 かこく なオフロード走行 そうこう クロスカントリー やスタック からのリカバリーで用 もち いるのが有効 ゆうこう である。そういう本格 ほんかく 的 てき オフロード走行 そうこう を前提 ぜんてい としていないとメリットが少 すく ないため、乗用車 じょうようしゃ において過去 かこ に採用 さいよう 例 れい があったが、今 いま はほぼ廃 すた れている。
また、フリーハブなどを用 もち いて従 したがえ 駆動 くどう 輪 わ を機械 きかい 的 てき に断続 だんぞく することも一般 いっぱん 的 てき で、マニュアルハブ、AUTOフリーハブを持 も つ車両 しゃりょう が多 おお い。ランドローバー シリーズIのように、ワンウェイクラッチ などにより、前進 ぜんしん 時 じ にのみ四 よん 輪 りん 駆動 くどう になる方式 ほうしき もある。
パートタイム4WDは、ジープやスズキ・ジムニー のような伝統 でんとう 的 てき なクロスカントリーカーにおいてはFRを基盤 きばん にしているが、少 すく なくとも日本 にっぽん 車 しゃ においては、現在 げんざい 存在 そんざい する大半 たいはん はFF が基盤 きばん である[ 注釈 ちゅうしゃく 4] [ 注釈 ちゅうしゃく 5] 。逆 ぎゃく に、元来 がんらい のFR車 しゃ の大半 たいはん はフロントアクスルを置 お くスペースがない(そこはエンジンのスペースである)ため、4WD化 か は難 むずか しい。MRレイアウトの機械 きかい 式 しき パートタイム4WD車 しゃ は、日本 にっぽん の軽 けい トラック及 およ びキャブオーバースタイルミニバン[ 12] のうち、RR のサンバーとドミンゴを除 のぞ くほぼ全車 ぜんしゃ が採用 さいよう モデルを市販 しはん している。いわゆる「センターミッドシップ」は、ホンダ・アクティ の旧 ふる いモデルのみとなる。RRレイアウトのものについてはスバル・サンバー とその拡大 かくだい 型 がた であるスバル・ドミンゴ [ 注釈 ちゅうしゃく 6] 以外 いがい に例 れい がない。
三菱 みつびし ・パジェロ
パートタイム式 しき の切 き り替 か え式 しき トランスファーと、フルタイム式 しき のセンターデフの双方 そうほう を搭載 とうさい しており、フルタイム式 しき としてもパートタイム式 しき としても使 つか えるというものである。二 に 駆 か での省 しょう 燃費 ねんぴ 、センターデフによる駆動 くどう 力 りょく を配分 はいぶん しての安定 あんてい した走行 そうこう 、前後 ぜんご 直結 ちょっけつ での悪 あく 路 ろ 走破 そうは 性 せい 、いずれのメリットにも与 あずか かることができるようにしたもの。
差 さ 動 どう 吸収 きゅうしゅう 方式 ほうしき 、駆動 くどう 配分 はいぶん 方式 ほうしき などに差異 さい があり、ジープのセレック・トラック では、トランスミッション直後 ちょくご にビスカスによる配分 はいぶん 変更 へんこう 、そしてトランスファーを持 も つというデファレンシャルのない方式 ほうしき を採用 さいよう 。三菱自動車 みつびしじどうしゃ のスーパーセレクト4WD では、トランスミッション直後 ちょくご にデファレンシャル、そのあとにチェーンによるビスカスバイパスと、トランスファを持 も つ方式 ほうしき 。トヨタ のマルチモード4WDでは、スーパーセレクト4WDと同 おな じ順 じゅん だが、バイパスせずに配置 はいち する。いずれも、ラダーフレームやリジッドアクスルを備 そな える本格 ほんかく 的 てき クロスカントリー車 しゃ ではあるが、乗用車 じょうようしゃ パーツを流用 りゅうよう し乗 の り心地 ごこち や装飾 そうしょく に乗用車 じょうようしゃ テイストを持 も たせたRVに採用 さいよう されている。
二 に 重 じゅう 、三重 みえ の装備 そうび となり、重量 じゅうりょう がかさむという欠点 けってん があるが、車 くるま 格 かく の大 おお きなクロスカントリー車 しゃ では、元々 もともと トランスファーにローレンジ切 き り替 か えを受 う け持 も つ副 ふく 変速 へんそく 機 き (※CVTの燃費 ねんぴ 向上 こうじょう 用 よう のものではなく、悪 あく 路 ろ 走破 そうは 用 よう のローレンジ)を持 も つため、センターデフを持 も つことによるトランスファケースの大型 おおがた 化 か や、それに伴 ともな う重量 じゅうりょう 増加 ぞうか は、走行 そうこう 性能 せいのう 上 うえ さほどデメリットとはならない車種 しゃしゅ に採用 さいよう されている。
オン・デマンド式 しき /スタンバイ式 しき (パッシブ式 しき )[ 編集 へんしゅう ]
スバル・サンバー
ダイハツ・ブーン
パートタイム式 しき には、二 に 駆 か と四 よん 駆 か の切 き り替 か えに戸惑 とまど うユーザーも多 おお く、また直結 ちょっけつ 状態 じょうたい に気 き づかないまま舗装 ほそう 路 ろ で高速 こうそく 走行 そうこう をするなどで車 くるま を壊 こわ したり火災 かさい を起 お こしたりするトラブルも少 すく なくなかった。そこで、切 き り替 か え操作 そうさ を必要 ひつよう せず、自動 じどう 化 か を図 はか ったオン・デマンド式 しき が考案 こうあん された。センターデフの代 か わりに流体 りゅうたい クラッチ(流体 りゅうたい 継手 つぎて 、単 たん にカップリングとも呼 よ ばれる)を持 も ち、通常 つうじょう は前後 ぜんご どちらかの主 しゅ 駆動 くどう 輪 わ で走行 そうこう し、主 しゅ 駆動 くどう 輪 わ と残 のこ りの二 に 輪 りん (従 したがえ 駆動 くどう 輪 わ )に回転 かいてん 差 さ が生 しょう じると、従 したがえ 駆動 くどう 輪 わ にも駆動 くどう 力 りょく を自動的 じどうてき に伝達 でんたつ する方式 ほうしき 。従 したがえ 駆動 くどう 輪 わ の働 はたら きは補助 ほじょ 的 てき であり、長時間 ちょうじかん や強 つよ い駆動 くどう 力 りょく の伝達 でんたつ には不向 ふむ きである。必要 ひつよう となってから駆動 くどう 配分 はいぶん を行 おこな うため、パッシブ(受動 じゅどう )式 しき とも呼 よ ばれる(実際 じっさい にはカップリングは高 こう 粘 ねば 度 たび のオイルで満 み たされた湿式 しっしき クラッチなので完全 かんぜん に切 き れることはなく、従 したがえ 駆動 くどう 輪 わ にも常 つね にある程度 ていど のトルクが掛 か かっている)。従 したがえ 駆動 くどう 輪 わ の連結 れんけつ を切断 せつだん する必要 ひつよう がなく、4WD切 き り替 か えスイッチなどはほとんど設 もう けられない。
ビスカスLSD付 づけ センターデフ方式 ほうしき と混同 こんどう されがちであるが、長時間 ちょうじかん の耐久 たいきゅう 性 せい や駆動 くどう 力 りょく 配分 はいぶん でまったく別 べつ の動作 どうさ を示 しめ すもので、センターデフを持 も たないこのスタンバイ方式 ほうしき のほうが機構 きこう 的 てき に単純 たんじゅん である。頑丈 がんじょう な円筒 えんとう 形 がた ケースに多 た 板 いた クラッチとシリコーン樹脂 じゅし を封入 ふうにゅう し、前後 ぜんご 輪 わ の回転 かいてん 差 さ で発生 はっせい する攪拌熱 ねつ によるシリコンの膨張 ぼうちょう で多 た 板 いた クラッチを圧着 あっちゃく し、差 さ 動 どう を制限 せいげん するビスカスカップリング をリアデフの前 まえ のプロペラシャフトに挿入 そうにゅう した方法 ほうほう である。電子 でんし 的 てき な制御 せいぎょ 用 よう のデバイスが一切 いっさい 不要 ふよう で、特 とく にフォルクスワーゲン が採用 さいよう した初期 しょき の大型 おおがた のものは、レスポンスや効 き きも申 もう し分 ぶん ない物 もの であった。その後 ご 、ビスコドライブ社 しゃ への特許 とっきょ 料 りょう が不要 ふよう で、なおかつ製造 せいぞう も簡単 かんたん で安価 あんか なトリブレード(3葉 よう プロペラ )式 しき やデュアルポンプ 式 しき の流体 りゅうたい クラッチが登場 とうじょう したが、総 そう じてレスポンスが悪 わる く、繋 つな がりが唐突 とうとつ であるなど、洗 あらい 練度 れんど にも欠 か けるものであった。
特 とく に後者 こうしゃ のスタンバイ式 しき 4WDは、悪 あく 路 ろ で滑 すべ って後 こう 輪 わ が駆動 くどう するまでにはっきりとラグがあり、コーナーなどでフロントが滑 すべ ったあげくリアに駆動 くどう 力 りょく が加 くわ わり車体 しゃたい の大 おお きな動揺 どうよう 、スピンに陥 おちい ることもしばしばあり、「無 な い方 ほう がマシ」「なんちゃって4WD」などとと揶揄 やゆ されることも多 おお い。ただしタイヤや横滑 よこすべ り防止 ぼうし 装置 そうち の発達 はったつ した現在 げんざい では、その弱点 じゃくてん は緩和 かんわ されている。悪 あく 路 ろ を走破 そうは するためというよりは雪 ゆき 道 どう でのスタックからの脱出 だっしゅつ が主 おも な用途 ようと であり、「生活 せいかつ 四 よん 駆 か 」などとも呼 よ ばれる。現在 げんざい 中型 ちゅうがた 車 しゃ 以上 いじょう のカテゴリでの採用 さいよう は珍 めずら しくなったが、ケース内 ない 圧力 あつりょく を高 たか めるなどの改善 かいぜん を図 はか りつつシステムの軽 かる さ・安価 あんか さというメリットを生 い かし、排気 はいき 量 りょう 1500cc未満 みまん のコンパクトカー・軽自動車 けいじどうしゃ では多 おお く採用 さいよう されている。
ビスカスカップリング 式 しき やホンダ のデュアルポンプ 式 しき は、いずれか1つのタイヤが空転 くうてん した場合 ばあい 、片方 かたがた には駆動 くどう 力 りょく が伝 つた わらないオープンデフと呼 よ ばれる構造 こうぞう であるため、状況 じょうきょう によっては三 さん 輪 りん 駆動 くどう という見方 みかた もできる。
なお、本 ほん 項目 こうもく ではセンターデフ式 しき フルタイム4WDと区別 くべつ したが、日本 にっぽん においては、本田技研工業 ほんだぎけんこうぎょう (いすゞ自動車 ずじどうしゃ にOEM 供給 きょうきゅう されていた製品 せいひん を含 ふく む)が「リアルタイム4WD」の名称 めいしょう を使 つか った以外 いがい は、ほぼすべての乗用車 じょうようしゃ メーカーがビスカスカップリング式 しき 4WDを「フルタイム4WD」と呼称 こしょう している。特 とく に4WDの代名詞 だいめいし であった富士重工業 ふじじゅうこうぎょう (現 げん ・SUBARU )と、三菱自動車工業 みつびしじどうしゃこうぎょう がこれに倣 なら ったことの影響 えいきょう は大 おお きい。また市販 しはん ベース競技 きょうぎ 車 しゃ として「スズキ・アルトワークス 」「ダイハツ・ミラ TR-XX」が採用 さいよう し実績 じっせき を残 のこ したことも大 おお きい。
トルク・スプリット式 しき /アクティブ・トルク・スプリット式 しき /アクティブ・オン・デマンド式 しき [ 編集 へんしゅう ]
マツダ・MAZDA3
トヨタ・RAV4
オン・デマンド式 しき の発展形 はってんけい で、同様 どうよう に従 したがえ となる方 ほう の駆動 くどう 軸 じく に流体 りゅうたい 継 つ ぎ手 て のクラッチ機構 きこう を持 も つが、電子 でんし 制御 せいぎょ のポンプによりクラッチケース油圧 ゆあつ の増減 ぞうげん をコントロールし、前後 ぜんご 駆動 くどう 力 りょく 配分 はいぶん をアクティブに制御 せいぎょ する方式 ほうしき を用 もち いるもの。現在 げんざい の中型 ちゅうがた 以上 いじょう の乗用車 じょうようしゃ では主流 しゅりゅう となっている。
従来 じゅうらい のオン・デマンド(スタンバイ)式 しき が機械 きかい 的 てき に回転 かいてん 差 さ が生 しょう じてから後 こう 輪 わ に駆動 くどう 力 りょく が配分 はいぶん するのに対 たい して、こちらは各 かく ホイールの回転 かいてん 差 さ やハンドル切 き れ角 かく 、スロットル開 ひらき 度 ど 、Gセンサーなど車両 しゃりょう 走行 そうこう 状 じょう 況 きょう を電子 でんし 的 てき に演算 えんざん して、滑 すべ りを予測 よそく して駆動 くどう するため、より実 じつ 走行 そうこう 状 じょう 況 きょう に応 おう じた走破 そうは 性 せい ・安定 あんてい 性 せい を獲得 かくとく することができる。また発進 はっしん やわずかなハンドルの回転 かいてん に際 さい しても駆動 くどう コントロールがプログラムされており、舗装 ほそう 路 ろ でのハンドリングやドライバビリティにも貢献 こうけん するものも多 おお い。中 なか には運転 うんてん 者 しゃ が能動 のうどう 的 てき に乾燥 かんそう 路 ろ ・雨天 うてん 路 ろ ・凍結 とうけつ 路 ろ などの路面 ろめん 状況 じょうきょう による自動 じどう 演算 えんざん の傾向 けいこう を選択 せんたく (モード切替 きりかえ )できるようにしているものもある。
代表 だいひょう 的 てき なものとして、トヨタのダイナミックトルクコントロール、日産 にっさん のオールモード4X4 、ホンダのインテリジェント・コントロール・システム 、VTM-4 、スバルのACT-4 、三菱 みつびし のAWC、スズキのALL GRIP、BMWのxDrive (英語 えいご 版 ばん ) などが挙 あ げられる。またスウェーデン のハルデックス・トラクション社 しゃ 製 せい のアクティブ式 しき システムは評価 ひょうか が高 たか く、VW 系 けい 、ボルボ 、フォード 、GM 系 けい といった海外 かいがい 他社 たしゃ のメーカーで採用 さいよう されている[ 13] 。
2WDとの切 き り替 か えにおいてもトランスファー切 き り離 はな しなどではなく、電子 でんし 制御 せいぎょ のスイッチで配分 はいぶん を切 き り替 か える方式 ほうしき をとるものがほとんどでもある。車種 しゃしゅ によっては2WDの切 き り替 か えスイッチを設 もう けないものもある。なお2019年 ねん 発売 はつばい のトヨタ・RAV4 では、電子 でんし 制御 せいぎょ でありながらトランスファーを切 き り離 はな して2WD走行 そうこう で燃費 ねんぴ 悪化 あっか を防 ふせ ぐ機構 きこう が採用 さいよう されている[ 14] 。
アキュラ・TLX
前後 ぜんご 駆動 くどう 力 りょく 配分 はいぶん のアクティブ化 か に加 くわ え、ヨーコントロールデフ を組 く み合 あ わせ左右 さゆう の車輪 しゃりん 間 あいだ でも駆動 くどう 力 りょく を電子 でんし 的 てき に可変 かへん 配分 はいぶん させる高度 こうど な四 よん 輪 りん 駆動 くどう システム。
前後 ぜんご 左右 さゆう の駆動 くどう 力 りょく を自在 じざい に可変 かへん 配分 はいぶん 制御 せいぎょ することによって、旋回 せんかい 中 ちゅう にヨー・モーメント(旋回 せんかい 力 りょく )を強制 きょうせい 的 てき に発生 はっせい させることもでき、従来 じゅうらい 型 がた の四 よん 輪 りん 駆動 くどう システムが物理 ぶつり 的 てき な障壁 しょうへき として抱 かか えていた旋回 せんかい 中 ちゅう の走行 そうこう 特性 とくせい の安定 あんてい 低下 ていか という弱点 じゃくてん を克服 こくふく した。さらに、旋回 せんかい 特性 とくせい を積極 せっきょく 的 てき に制御 せいぎょ することもできるようになり、アクセル量 りょう の制御 せいぎょ であるトラクションコントロールシステム 機能 きのう や、個別 こべつ ブレーキ制御 せいぎょ である横滑 よこすべ り防止 ぼうし 装置 そうち システムとも合 あ わせ、総合 そうごう 的 てき な制御 せいぎょ を行 おこな うことで、後 こう 輪 わ 駆動 くどう 車 しゃ に勝 まさ る旋回 せんかい 性能 せいのう を獲得 かくとく した。制御 せいぎょ プログラムによって、様々 さまざま な特性 とくせい を付与 ふよ させることができ、スプリット・ミュー路面 ろめん などの不 ふ 整地 せいち 走行 そうこう においても優 すぐ れた走破 そうは 性 せい を発揮 はっき させることも可能 かのう である。三菱自動車工業 みつびしじどうしゃこうぎょう のS-AWC(Super All Wheel Control) が2001年 ねん 三菱 みつびし ・ランサーエボリューション シリーズの通称 つうしょう エボ7より採用 さいよう され、先鞭 せんべん をつけた。ホンダではセンターデフを用 もち いず流体 りゅうたい 継 つ ぎ手 て のみで前後 ぜんご を、左右 さゆう には遊星 ゆうせい ギアによるディファレンシャルを用 もち いて、それぞれの駆動 くどう をアクティブ(状況 じょうきょう に応 おう じて先 さき んじて電子 でんし 制御 せいぎょ )化 か したSH-AWD とよぶシステムをレジェンド やアキュラ で2004年 ねん に採用 さいよう した。日産 にっさん やトヨタ、BMWやアウディなどのメーカーも追従 ついしょう して左右 さゆう のアクティブデフシステムを採用 さいよう してきている。
左右 さゆう 別 べつ 駆動 くどう ・前後 ぜんご 連結 れんけつ 方式 ほうしき [ 編集 へんしゅう ]
スキッドステアローダー が採用 さいよう 。装 そう 輪 わ 式 しき ながら操舵 そうだ 機構 きこう は無 な く、無限 むげん 軌道 きどう 付 つ きの車両 しゃりょう と同様 どうよう に左右 さゆう 輪 わ の回転 かいてん 速度 そくど や回転 かいてん 方向 ほうこう の変化 へんか で車両 しゃりょう の進 すす む方向 ほうこう を変 か え、超 ちょう 信 しん 地 ち 旋回 せんかい も可能 かのう 。4輪 りん 油圧 ゆあつ 駆動 くどう ・無 む 段 だん 変速 へんそく だが、左右 さゆう それぞれの前後 ぜんご 2輪 りん はチェーンでつながれており、デフは存在 そんざい しない。
シトロエン・2CV 4x4
駆動 くどう する一 ひと つ一 ひと つの車輪 しゃりん 、または前後 ぜんご の車軸 しゃじく ごとに動力 どうりょく 源 げん を取 と り付 つ けたもの。
同種 どうしゅ の原動機 げんどうき を複数 ふくすう 備 そな えたもの[ 編集 へんしゅう ]
内燃 ないねん 機関 きかん 全盛 ぜんせい だった20世紀 せいき においては主流 しゅりゅう にはなりえなかったが、それでも歴史 れきし は古 ふる く、フェルディナント・ポルシェ によって試作 しさく されたモーター駆動 くどう の車両 しゃりょう が1900年 ねん のパリ万国博覧会 ばんこくはくらんかい に出品 しゅっぴん されている。
出力 しゅつりょく がほぼそのままタイヤの駆動 くどう 力 りょく となることからエネルギー損失 そんしつ が少 すく なく、4輪 りん の動力 どうりょく 配分 はいぶん を自由 じゆう に決 き められる反面 はんめん 、既存 きそん のディーゼルエンジン やガソリンエンジンの場合 ばあい 、小型 こがた 化 か に限界 げんかい があり、また部品 ぶひん 点数 てんすう が多 おお くなる、排気 はいき 処理 しょり が面倒 めんどう 、スロットル 動作 どうさ の同調 どうちょう に高度 こうど な制御 せいぎょ が必要 ひつよう なことから、実験 じっけん 的 てき に作 つく られた車両 しゃりょう 程度 ていど しか存在 そんざい しなかった。油圧 ゆあつ モーター駆動 くどう の四 よん 輪 りん 駆動 くどう 四 よん 輪 りん 装 そう 輪 わ 建設 けんせつ 機械 きかい では普通 ふつう に存在 そんざい する(油圧 ゆあつ 源 げん 動力 どうりょく 源 げん たるエンジンは一般 いっぱん に単発 たんぱつ )。
しかし電気 でんき 自動車 じどうしゃ の場合 ばあい は排気 はいき が無 な く、電力 でんりょく は配線 はいせん を延長 えんちょう すれば良 よ いだけなので、損失 そんしつ が少 すく なく、室内 しつない が広 ひろ く取 と れる点 てん からも有利 ゆうり である。三菱自動車 みつびしじどうしゃ のランサーエボリューションMIEV や、「8輪 りん 」駆動 くどう 車 しゃ ではあるがエリーカ がこの方式 ほうしき を採用 さいよう している。シリーズ式 しき ハイブリッドでも同様 どうよう の機構 きこう は実現 じつげん 可能 かのう なため、電動 でんどう 化 か の現代 げんだい においては重要 じゅうよう な技術 ぎじゅつ になっていく可能 かのう 性 せい が高 たか い。
内燃 ないねん 機関 きかん を用 もち いたものでは、競技 きょうぎ 用 よう 車両 しゃりょう にツインエンジンの例 れい が複数 ふくすう ある[ 注釈 ちゅうしゃく 7] が、市販 しはん 車 しゃ ではシトロエン・2CV 4x4、別名 べつめい 「サハラ 」がほぼ唯一 ゆいいつ と言 い える存在 そんざい である。本来 ほんらい 2CVのエンジンとトランスアクスル はフロントに収 おさ まっているが、それと同 おな じものをもう一 いち 組 くみ 、リアのトランク をつぶして押 お し込 こ んだものである。二 に 組 くみ の連携 れんけい は単純 たんじゅん で、スロットル はワイヤー、トランスミッション はシフトリンケージでつながれているだけで、それ以外 いがい では二 ふた つのエンジンは独立 どくりつ しており、メインスイッチが二 ふた つ備 そな わり、どちらかひとつのエンジンだけでも運転 うんてん が可能 かのう であるなど、駆動 くどう 力 りょく 確保 かくほ はもちろんのこと、砂漠 さばく などでの冗長 じょうちょう 性 せい 確保 かくほ の意味合 いみあ いが強 つよ い設計 せっけい と言 い える。一方 いっぽう 、シトロエン・メアリ 4x4 は、トランスファー と副 ふく 変速 へんそく 機 き を持 も つ一般 いっぱん 的 てき なパートタイム4WD である。
エンジンのみによる駆動 くどう 軸 じく とは別 べつ にモーター でもう一方 いっぽう の車軸 しゃじく を駆動 くどう させる方式 ほうしき である。
前者 ぜんしゃ は初期 しょき は生活 せいかつ 4WDとしてコスト面 めん から採用 さいよう された日産 にっさん のe-4WD のように、低 ひく μ みゅー 路 みち での発進 はっしん 時 じ のアシストを主眼 しゅがん とした低 てい 出力 しゅつりょく (5 ps ほど)の簡易 かんい 的 てき なものが存在 そんざい した。一方 いっぽう で16代目 だいめ トヨタ・クラウン の「デュアルブーストハイブリッド」はハイパフォーマンス志向 しこう のものとなっており、WEC (世界 せかい 耐久 たいきゅう 選手権 せんしゅけん )のLMP1 やLMハイパーカー 規定 きてい のハイブリッド四 よん 輪 りん 駆動 くどう もこれに当 あ たる。
オートマチックトランスミッション との組 く み合 あ わせが前提 ぜんてい だが、エンジン駆動 くどう 軸 じく の回転 かいてん 数 すう もしくはそれにかかるトルクに応 おう じて電動 でんどう 軸 じく の出力 しゅつりょく を制御 せいぎょ すれば、必 かなら ずしもマニュアルトランスミッション との組 く み合 あ わせは不可能 ふかのう ではない。
技術 ぎじゅつ が未熟 みじゅく であった頃 ころ の四 よん 輪 りん 駆動 くどう は様々 さまざま な面 めん で二 に 輪 りん 駆動 くどう に見劣 みおと りすることが多 おお く、一部 いちぶ を除 のぞ き敬遠 けいえん されがちであった。しかし研究 けんきゅう 開発 かいはつ の進 すす んだ1980年代 ねんだい から様々 さまざま なカテゴリで強力 きょうりょく な武器 ぶき として認識 にんしき されるようになり[ 注釈 ちゅうしゃく 8] [ 15] [ 16] 、現代 げんだい では同 どう 一 いち 条件下 じょうけんか で二 に 輪 りん 駆動 くどう が太刀打 たちう ちするのは難 むずか しくなった。F1 、GT 、LMP1 を乗 の り継 つ いできた小林 こばやし 可 か 夢 ゆめ 偉 えら は、強力 きょうりょく なトラクションゆえのセッティングやドライビングの容易 たやす さ・自由 じゆう 度 ど の高 たか さを理由 りゆう に挙 あ げて「レーシングカーは四 よん 輪 りん 駆動 くどう のほうが絶対 ぜったい に速 はや い」と断言 だんげん している[ 17] 。このため両者 りょうしゃ が混 こん 走 はし する場合 ばあい 、四 よん 輪 りん 駆動 くどう がハンデを背負 せお うか、クラスを分 わ けるのが一般 いっぱん 的 てき である。
ただし実戦 じっせん 的 てき には様々 さまざま な要因 よういん [ 注釈 ちゅうしゃく 9] が両者 りょうしゃ のパワーバランスに影響 えいきょう を与 あた えており、現代 げんだい でも二 に 輪 りん 駆動 くどう に利 り がある場合 ばあい も稀 まれ にだが存在 そんざい する。
ブガッティ・タイプ53
確認 かくにん できる最 もっと も古 ふる い四 よん 輪 りん 駆動 くどう の活躍 かつやく は1906年 ねん で、スパイカー がバーミンガム モータークラブが開催 かいさい したヒルクライム で優勝 ゆうしょう した記録 きろく が残 のこ っている[ 18] 。
1932年 ねん 、すでに前輪 ぜんりん 駆動 くどう 車 くるま でインディ500 を席巻 せっけん していたレースエンジニアのハリー・ミラー は、FWD社 しゃ と共同 きょうどう 開発 かいはつ した四 よん 輪 りん 駆動 くどう 車 しゃ 「FWDスペシャル」を送 おく り込 こ んだ。予選 よせん ではフロントローを獲得 かくとく したり、決勝 けっしょう でも長 なが い周回 しゅうかい をリードするなど速 はや さを見 み せたものの信頼 しんらい 性 せい の問題 もんだい が重 おも くのしかかり、1936年 ねん インディ500でマウリ・ローズにより4位 い に入 はい った以外 いがい は芳 かんば しい実績 じっせき は残 のこ せなかった。
ミラーは世界 せかい 大 だい 恐慌 きょうこう の煽 あお りを受 う けて1933年 ねん に廃業 はいぎょう したため、FWDスペシャルはロサンゼルス のビジネスマンに買 か われ、1934年 ねん に大西 おおにし 洋 ひろし を渡 わた ってF1の前身 ぜんしん であるヨーロッパ・ドライバーズ選手権 せんしゅけん にも持 も ち込 こ まれた。アメリカ人 じん のピート・デパオロ がドライブし、トリポリグランプリ でデビューし7位 い に入 はい ったが、次 つぎ に参戦 さんせん したドイツグランプリ では7位 い を走行 そうこう 中 ちゅう にエンジンが爆発 ばくはつ してリタイアとなった。なおその爆発 ばくはつ の時 とき の破片 はへん が、観戦 かんせん 中 ちゅう のアドルフ・ヒトラー 首相 しゅしょう の頭 あたま を掠 かす めたという逸話 いつわ がある[ 19] [ 20] 。
また同 おな じく1932年 ねん に、ブガッティ がタイプ53 を誕生 たんじょう させている。1934年 ねん ラ・テュルビー と1935年 ねん シャトー=ティエリ のヒルクライムで優勝 ゆうしょう を飾 かざ っているが、技術 ぎじゅつ 的 てき な問題 もんだい と300馬力 ばりき というハイパワーなエンジン、ドリフトが難 むずか しい運転 うんてん 特性 とくせい がドライビングをたいへん難 むずか しくしており、ドライバーを心身 しんしん ともに疲労 ひろう 困憊 こんぱい させた。このマシンは1932年 ねん モナコグランプリ にもエントリーしたが、ドライバーが練習 れんしゅう 走行 そうこう で音 おと を上 あ げてしまい、本番 ほんばん は二 に 輪 りん 駆動 くどう のタイプ51で出走 しゅっそう している[ 21] 。
第 だい 二 に 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん 後 こう もヒルクライムで四 よん 輪 りん 駆動 くどう システムの有用 ゆうよう 性 せい がしばし注目 ちゅうもく された。
英国 えいこく 人 じん のアーチー・バターワース は「AJBスペシャル」(S2)を製作 せいさく し、1948~1951年 ねん まで英国 えいこく ヒルクライム選手権 せんしゅけん に参戦 さんせん 。優勝 ゆうしょう こそできなかったが、しばし「Fastest time of the day」やクラス3位 い を獲得 かくとく するなどそこそこの速 はや さを見 み せた。
大 おお きな事故 じこ によりバターワースが引退 いんたい した後 のち は、かねてより同車 どうしゃ を欲 ほ しがっていた米国 べいこく 人 じん のビル・ミリケンJr. がこれを引 ひ き取 と った。生 う みの親 おや の名前 なまえ をもじって「バターボールスペシャル」と名付 なづ けられたこのマシンは、多 おお くの故障 こしょう と戦 たたか いながら1952~1957年 ねん の間 あいだ アメリカのヒルクライムを転戦 てんせん し続 つづ けた[ 22] 。
なおAJBスペシャルは1950年 ねん に、ノンタイトル戦 せん ではあるがF1世界 せかい 選手権 せんしゅけん に初 はじ めてエントリーした四 よん 輪 りん 駆動 くどう 車 しゃ でもある。しかし決勝 けっしょう ではたった1周 しゅう でクランクシャフト の破損 はそん によりリタイアした[ 23] 。
前出 ぜんしゅつ のFWDスペシャルもヒルクライムに戦場 せんじょう を移 うつ しており、誕生 たんじょう から20年 ねん 近 ちか く経 た った1950年 ねん 5月 がつ 22日 にち にイクイノックス 山 やま のヒルクライムにて同車 どうしゃ 初 はつ の優勝 ゆうしょう を挙 あ げている[ 24] 。
ファーガソン・P99
1960年代 ねんだい はサーキットも含 ふく めたオープンホイール の分野 ぶんや において、四 よん 輪 りん 駆動 くどう が大 おお きな注目 ちゅうもく を集 あつ めた時期 じき である。
ファーガソン・リサーチ社 しゃ は空冷 くうれい 式 しき V8エンジンを積 つ んだ四 よん 輪 りん 駆動 くどう 車 しゃ のP99を開発 かいはつ し、1961年 ねん F1のノンタイトル戦 せん に出場 しゅつじょう 。スターリング・モス が大雨 おおあめ の中 なか をドライブし、3位 い 以下 いか を周回 しゅうかい 遅 おく れにしてF1史上 しじょう 唯一 ゆいいつ となる四 よん 輪 りん 駆動 くどう 車 しゃ の優勝 ゆうしょう を記録 きろく している[ 注釈 ちゅうしゃく 10] [ 25] 。しかしミッドシップ への移行 いこう が進 すす む趨勢 すうせい の中 なか でP99はフロントエンジンであったため、参戦 さんせん はこの一 いち 戦 せん 限 かぎ りであった。
ファーガソンは新 あら たにミッドシップ四 よん 輪 りん 駆動 くどう システムの開発 かいはつ を行 おこな い、P104をインディ500に送 おく り込 こ んだ。これをボビー・アンサー がドライブしたが、1964年 ねん はクラッシュ、1965年 ねん は故障 こしょう でリタイアに終 お わっている。1967年 ねん にはファーガソン・フォーミュラ(ファーガソン社 しゃ の四 よん 輪 りん 駆動 くどう システム、略 りゃく して"FF")を組 く み込 こ んだガスタービン 車 くるま のSTP-パクストン・ターボカー がジョー・レオナルド のドライブで参戦 さんせん し、決勝 けっしょう で3位 い を獲得 かくとく した。ガスタービン車 しゃ への規制 きせい がされた1968年 ねん には同車 どうしゃ の改良 かいりょう 型 がた であるロータス・56 が4台 だい 体制 たいせい [ 注釈 ちゅうしゃく 11] で参戦 さんせん 。レオナルドはポールポジション を獲得 かくとく してトップを快走 かいそう するが、残 のこ り8周 しゅう でコーションが明 あ けた直後 ちょくご に燃料 ねんりょう 系 けい のトラブルに見舞 みま われて失速 しっそく 、無念 むねん のリタイアを喫 きっ した。直後 ちょくご に更 さら なるガスタービン車 しゃ 規制 きせい の強化 きょうか と四 よん 輪 りん 駆動 くどう の禁止 きんし を受 う けたため、インディ500での挑戦 ちょうせん は終 お わりを告 つ げた[ 26] 。
F1では、1968年 ねん にハイパワーなDFVエンジン が多数 たすう のチームに供給 きょうきゅう されるようになり、いかにトラクションを稼 かせ ぐかがマシン設計 せっけい の大 おお きな焦点 しょうてん となった。最初 さいしょ は手軽 てがる に大 おお きなダウンフォース を稼 かせ げるハイマウント式 しき のリアウイングが流行 りゅうこう したが、安全 あんぜん 上 じょう の問題 もんだい で1969年 ねん モナコグランプリ ハイマウント式 しき が禁止 きんし されたため、ロータス・63 、マトラ・MS84 、マクラーレン・M9A などファーガソン・フォーミュラを用 もち いた四 よん 輪 りん 駆動 くどう 車 しゃ が有力 ゆうりょく チームたちから続々 ぞくぞく と登場 とうじょう した。また当時 とうじ 無敵 むてき のDFV エンジンで鳴 な らしていたエンジンビルダーのコスワース も、チームとしての参戦 さんせん を目論見 もくろみ て四 よん 輪 りん 駆動 くどう 車 しゃ の開発 かいはつ を行 おこな っていた。
しかし左 ひだり 回 まわ りだけのオーバルコースや、路面 ろめん の摩擦 まさつ 抵抗 ていこう の低 ひく い公道 こうどう とは違 ちが い、よく整備 せいび された舗装 ほそう 路 ろ で左右 さゆう に曲 ま がり続 つづ けるF1では勝手 かって が違 ちが った。技術 ぎじゅつ の未熟 みじゅく さゆえコーナーリング時 じ の不安定 ふあんてい な挙動 きょどう と酷 ひど いアンダーステア が発生 はっせい してしまい、到底 とうてい 乗 の りこなせるものではなく、ドライバーたちからは極 きわ めて不評 ふひょう であった[ 注釈 ちゅうしゃく 12] 。さらに重量 じゅうりょう が重 おも い・マッチするフロントタイヤが無 な い・適切 てきせつ な重量 じゅうりょう 配分 はいぶん が分 わ からない・信頼 しんらい 性 せい が低 ひく い等 とう デメリットも山積 やまづ みで、背 せ の低 ひく い固定 こてい 式 しき リアウィングでダウンフォースを得 え るシンプルな二 に 輪 りん 駆動 くどう 車 しゃ に対 たい して明 あき らかに遅 おく れを取 と っていた[ 27] 。これらの内 うち 、入賞 にゅうしょう できた四 よん 輪 りん 駆動 くどう 車 しゃ はMS84(カナダグランプリ 6位 い )のみであるが、これは「フロントデフ の故障 こしょう により後 のち 輪 わ 駆動 くどう 状態 じょうたい だったから入賞 にゅうしょう できた」という皮肉 ひにく としか言 い いようのない真相 しんそう があった[ 28] 。
スリックタイヤ が導入 どうにゅう された1970年 ねん 以降 いこう は完全 かんぜん にトレンドから外 はず れ、四 よん 輪 りん 駆動 くどう 車 しゃ はロータス・56B が数 すう 戦 せん スポット参戦 さんせん しただけに留 とど まった。唯一 ゆいいつ 1971年 ねん オランダグランプリ では、大雨 おおあめ の決勝 けっしょう レースでデイヴ・ウォーカー が四 よん 輪 りん 駆動 くどう の強 つよ みを存分 ぞんぶん に活 い かし、スタートからわずか5周 しゅう で22番手 ばんて から5番手 ばんて までジャンプアップする活躍 かつやく を見 み せたが、スピンしてリタイアしてしまった。56Bの顛末 てんまつ を見届 みとど けたファーガソンはモータースポーツ事業 じぎょう から撤退 てったい し、「FFディベロップメント」社 しゃ に改名 かいめい して市販 しはん 車 しゃ の分野 ぶんや へと転身 てんしん していった[ 注釈 ちゅうしゃく 13] 。
このようにサーキットでは失敗 しっぱい に終 お わるケースが多 おお かったが、同 どう 時期 じき の英国 えいこく ヒルクライム選手権 せんしゅけん では活躍 かつやく 。P99が1964年 ねん に同 どう 選手権 せんしゅけん のタイトルを獲得 かくとく してからしばらくの間 あいだ 、四 よん 輪 りん 駆動 くどう 車 しゃ がチャンピオンシップの主役 しゅやく となった[ 注釈 ちゅうしゃく 14] [ 29] 。F1では走 はし れなかったBRM・P67 も1968年 ねん にチャンピオンマシンとなっている。しかし1970年代 ねんだい に入 はい ると、F1同様 どうよう にタイヤと空 そら 力 りょく でトラクションを確保 かくほ できるようになったため[ 30] 、重量 じゅうりょう 増加 ぞうか の原因 げんいん になる四 よん 輪 りん 駆動 くどう は廃 すた れていった。
同 どう 時期 じき には北米 ほくべい のCan-Am でも四 よん 輪 りん 駆動 くどう 車 しゃ を開発 かいはつ しようという動 うご きがいくつかあったが、技術 ぎじゅつ 的 てき 問題 もんだい によりいずれも決勝 けっしょう に出場 しゅつじょう できずに終 お わっている[ 31] [ 32] 。
1971年 ねん プレス・オン・リガードレス・ラリーのジープ・ワゴニア
上記 じょうき の通 とお りレース専用 せんよう としては不完全 ふかんぜん 燃焼 ねんしょう に終 お わったが、市販 しはん 車 しゃ としての四 よん 輪 りん 駆動 くどう 技術 ぎじゅつ が身近 みぢか になってきたこともあり、これをオフロード系 けい 競技 きょうぎ に活 い かそうという動 うご きが見 み られた。
1972年 ねん 、WRC(世界 せかい ラリー選手権 せんしゅけん )の前身 ぜんしん であるIMC(国際 こくさい マニュファクチャラーズ選手権 せんしゅけん )の米国 べいこく ラウンドとなったプレス・オン・リガードレス・ラリー において、ピックアップトラック をベースとするSUV で、400馬力 ばりき ものエンジンを備 そな えたジープ・ワゴニア が優勝 ゆうしょう 。これはFIA(国際 こくさい 自動車 じどうしゃ 連盟 れんめい )タイトルを冠 かん するラリーでの初 はつ の四 よん 輪 りん 駆動 くどう 車 しゃ の優勝 ゆうしょう となった。ただし当時 とうじ はラリーは乗用車 じょうようしゃ やスポーツカーで行 おこな うものであり、トラックやオフロード車 しゃ が活躍 かつやく するべきものではないという意識 いしき が強 つよ かったため反対 はんたい 運動 うんどう が起 お こった。そして1973年 ねん 4月 がつ にFIAは四 よん 輪 りん 駆動 くどう 車 しゃ の参戦 さんせん を禁止 きんし してしまったため、惜 お しくも歴史 れきし を変 か える出来事 できごと とはならなかった。WRCにおける四 よん 輪 りん 駆動 くどう の普及 ふきゅう は、アウディ がFIAを説得 せっとく して解禁 かいきん される1980年 ねん 以降 いこう を待 ま つことになる[ 33] 。
1970年 ねん 頃 ごろ に、まだ生 う まれたばかりのラリークロス では四 よん 輪 りん 駆動 くどう 車 しゃ は5秒 びょう または10秒 びょう のハンデ(「四 よん 輪 りん 駆動 くどう ペナルティ」)を負 お わされることが多 おお かったが、それにも関 かか わらずトライアンフ 、フォード 、DAF の四 よん 輪 りん 駆動 くどう 車 しゃ が活躍 かつやく した。
一 いち 台 だい のみが製作 せいさく された四 よん 輪 りん 駆動 くどう のトライアンフ・1300 は1968〜69年 ねん の雪上 せつじょう の英国 えいこく リッデンヒルでライバルを圧倒 あっとう した。フォードもまたボアハムにより、以前 いぜん から警察 けいさつ がフォード車 しゃ に用 もち いていたファーガソン・システムを組 く み込 こ んで四 よん 輪 りん 駆動 くどう のカプリ を試験 しけん 的 てき に開発 かいはつ し、雪上 せつじょう で勝利 しょうり を重 かさ ねた(ただし同 おな じ英国 えいこく でも活動 かつどう 地域 ちいき が違 ちが い、1300はラリー でクラッシュして退場 たいじょう した[ 34] ため、両者 りょうしゃ が相 あい 見 み えることはなかった)。70年 ねん にフォードは3台 だい のカプリで選手権 せんしゅけん 制圧 せいあつ に乗 の り出 だ し、キャドウェル・パークで1-2-3フィニッシュという大 だい 戦果 せんか を挙 あ げるが、最終 さいしゅう 的 てき には四 よん 輪 りん 駆動 くどう ペナルティを克服 こくふく できずにタイトルを逃 のが している。BBC が放送 ほうそう から降 お りたため、フォードも撤退 てったい した[ 35] 。これらは量産 りょうさん の計画 けいかく もされていたが、いずれも頓挫 とんざ した[ 注釈 ちゅうしゃく 15] [ 注釈 ちゅうしゃく 16] [ 36] 。
DAFの競技 きょうぎ 部門 ぶもん はカプリを参考 さんこう に、1971年 ねん からDAF・55を四 よん 輪 りん 駆動 くどう 化 か したDAF・555クーペ4x4を投入 とうにゅう [ 注釈 ちゅうしゃく 17] 。後 のち にツインエンジンの四 よん 輪 りん 駆動 くどう トラックであるDAF・ターボツイン を世 よ に送 おく り出 だ す、オランダのヤン・デ・ルーイと弟 おとうと のハリー・デ・ルーイは、これを用 もち いて国内外 こくないがい のラリークロス 界 さかい で四 よん 輪 りん 駆動 くどう ペナルティをものともしない大 だい 暴 あば れで、オランダ選手権 せんしゅけん を連覇 れんぱ した[ 37] [ 38] 。しかし1973年 ねん 以降 いこう に四 よん 輪 りん 駆動 くどう 自体 じたい が禁止 きんし され、DAFは競技 きょうぎ から撤退 てったい した[ 39] 。
バハ1000 やパリ・ダカールラリー を筆頭 ひっとう とする国際 こくさい 的 てき なクロスカントリー(ラリーレイド )はこの頃 ころ 始 はじ まったが、こちらでは四 よん 輪 りん 駆動 くどう は禁止 きんし されることはなく、SUVやトラック、改造 かいぞう された乗用車 じょうようしゃ など多数 たすう の四 よん 輪 りん 駆動 くどう 車 しゃ たちが参加 さんか した。
ただしバハ1000 のような米 べい 大陸 たいりく のデザートレースでは1969年 ねん に四 よん 輪 りん 駆動 くどう 車 しゃ として初 はつ 優勝 ゆうしょう したフォード・ブロンコ [ 40] 以降 いこう は、50年 ねん 近 ちか くもの間 あいだ 改造 かいぞう 無 む 制限 せいげん クラスに関 かん しては二 に 輪 りん 駆動 くどう が主流 しゅりゅう であった。これは四 よん 輪 りん 駆動 くどう はフロントアクスルの重量 じゅうりょう が嵩 かさ む・フロントのサスペンションストローク量 りょう が大 おお きく取 と れないなどの理由 りゆう により、1,000~2,000km近 ちか くの比較的 ひかくてき 平坦 へいたん で距離 きょり の長 なが いダート路面 ろめん を、修復 しゅうふく 無 な しに超 ちょう 高速 こうそく で走 はし り続 つづ ければならないデザートレースにおいて、十分 じゅうぶん な耐久 たいきゅう 性 せい をフロントアクスルに持 も たせるのが難 むずか しかったことや、フロントに十分 じゅうぶん な最低 さいてい 地上 ちじょう 高 だか が確保 かくほ できないことなどが理由 りゆう であった[ 41] [ 42] [ 43] 。
アウディ・スポーツクワトロS1
1980年代 ねんだい にアウディ・クワトロ を皮切 かわき りに欧州 おうしゅう の一般 いっぱん 乗用車 じょうようしゃ にも四 よん 輪 りん 駆動 くどう が普及 ふきゅう し始 はじ めると、ラリー やスポーツカーレース のような走破 そうは 性 せい よりも敏捷 びんしょう 性 せい が求 もと められる競技 きょうぎ でも四 よん 輪 りん 駆動 くどう 車 しゃ が主役 しゅやく となり始 はじ めた。
特 とく に印象 いんしょう 的 てき なのはWRCでの爆発 ばくはつ 的 てき な普及 ふきゅう である。四輪 よんりん 駆動 くどう 解禁 かいきん 後 ご の参戦 さんせん 自体 じたい は1980年 ねん スバル・レオーネ のサファリラリー へのスポット参戦 さんせん が最初 さいしょ であるが、選手権 せんしゅけん 全体 ぜんたい に広 ひろ まったのは1981年 ねん からのグループ4~グループB 規定 きてい におけるアウディ・クワトロの活躍 かつやく がきっかけであった[ 注釈 ちゅうしゃく 18] [ 44] 。当初 とうしょ は信頼 しんらい 性 せい 不足 ふそく や強烈 きょうれつ なアンダーステア 、駆動 くどう 損失 そんしつ による最高 さいこう 速度 そくど の鈍化 どんか などの弱点 じゃくてん を露呈 ろてい する場面 ばめん も多 おお く見 み られたが、それ以上 いじょう にクワトロの速 はや さはライバルに強烈 きょうれつ な印象 いんしょう を与 あた えた。グループBの公認 こうにん 取得 しゅとく に必要 ひつよう な最低 さいてい 生産 せいさん 台数 だいすう が実質 じっしつ 20台 だい と少 すく ないことを利用 りよう してプジョー・205ターボ16 やランチア・デルタS4 、フォード・RS200 のようなミッドシップ エンジンにすることでアンダーステアを解消 かいしょう した、過激 かげき な四 よん 輪 りん 駆動 くどう 車 しゃ が続々 ぞくぞく と登場 とうじょう して覇権 はけん 争 あらそ いを演 えん じた。
重大 じゅうだい 事故 じこ が相次 あいつ いだ結果 けっか WRCではグループBは廃止 はいし となるが、後 ご を継 つ いだグループA でもランチア・デルタ のマニュファクチャラーズ6連覇 れんぱ によって四 よん 輪 りん 駆動 くどう 車 しゃ は不動 ふどう の地位 ちい を確立 かくりつ し、結局 けっきょく 二 に 輪 りん 駆動 くどう 車 しゃ がWRCタイトルを獲得 かくとく したのは1983年 ねん 、イベント総合 そうごう 優勝 ゆうしょう を記録 きろく したのは1988年 ねん のアイボリーコースト・ラリー がそれぞれ最後 さいご となった[ 注釈 ちゅうしゃく 19] 。またラリークロス やパイクスピーク・ヒルクライム にはWRCで活躍 かつやく の場 ば を失 うしな ったグループB 車両 しゃりょう が流入 りゅうにゅう し、これらのカテゴリでも四 よん 輪 りん 駆動 くどう が一躍 いちやく 主役 しゅやく へと躍 おど り出 で た。
サーキットレースでも四 よん 輪 りん 駆動 くどう の採用 さいよう が見 み られた。先進 せんしん 的 てき な『可変 かへん トルクスプリット』式 しき 四 よん 輪 りん 駆動 くどう を備 そな えるポルシェ・961 がル・マン24時 じ 間 あいだ レース に2回 かい 参戦 さんせん 。アンダーステアが強 つよ く予選 よせん ではグループC (C1)勢 いきおい より一周 いっしゅう あたり20秒 びょう も遅 おそ かったが、1986年 ねん の決勝 けっしょう では荒天 こうてん で四 よん 輪 りん 駆動 くどう の利 り が存分 ぞんぶん に生 い きる展開 てんかい となり、予選 よせん 総合 そうごう 26位 い から総合 そうごう 7位 い までポジションを上 あ げた。
1988年 ねん の北米 ほくべい のトランザム・シリーズと1989年 ねん のIMSA-GTO では、WRCから転身 てんしん したアウディの90 がクワトロシステム で猛威 もうい を振 ふ るった。トランザムではチャンピオンを獲得 かくとく し、IMSAでも序盤 じょばん のデイトナ24時 じ 間 あいだ /セブリング12時 じ 間 あいだ を欠場 けつじょう さえしなければチャンピオンという勢 いきお いだった[ 45] 。
F1ではウィリアムズ が1982年 ねん に後 うし ろ二 に 輪 りん の六 ろく 輪 りん 車 しゃ による四 よん 輪 りん 駆動 くどう 車 しゃ のFW08B をテストし、好 こう タイムを叩 たた き出 だ していた。しかしかねてよりのグランド・エフェクト・カー をめぐる議論 ぎろん で速度 そくど と安全 あんぜん の問題 もんだい に過敏 かびん になっていたFISA は、1983年 ねん にグランド・エフェクトの禁止 きんし と併 あわ せてタイヤ本数 ほんすう の制限 せいげん と四 よん 輪 りん 駆動 くどう の禁止 きんし を明文化 めいぶんか してしまったため、実戦 じっせん 投入 とうにゅう されずに終 お わっている。
日産 にっさん ・スカイラインGT-R(R32)
電子 でんし 制御 せいぎょ 技術 ぎじゅつ が発達 はったつ した1990年代 ねんだい になると、ツーリングカーレース の分野 ぶんや でも四 よん 輪 りん 駆動 くどう は黄金 おうごん 時代 じだい を迎 むか える。グループAレースにおいて日産 にっさん ・スカイラインGT-R (R32型 がた )が『アテーサE-TS 』なるアクティブ・トルク・スプリット式 しき 四 よん 輪 りん 駆動 くどう 技術 ぎじゅつ を搭載 とうさい し、JTC(全日本 ぜんにほん ツーリングカー選手権 せんしゅけん )やN1耐久 たいきゅう (現 げん スーパー耐久 たいきゅう )でワンメイクレース 状態 じょうたい を築 きず き、海外 かいがい でもスパ・フランコルシャン24時 じ 間 あいだ やバサースト12時 じ 間 あいだ など各地 かくち のレースを制圧 せいあつ 。グループA規定 きてい を終了 しゅうりょう に追 お い込 こ むほどに勝 か ち続 つづ けた。ドイツ でもグループAベースの独自 どくじ 規定 きてい を用 もち いていたDTM(ドイツツーリングカー選手権 せんしゅけん )において、北米 ほくべい から戻 もど ったアウディが、クワトロシステムを使用 しよう するV8 で1990・1991年 ねん とシリーズを連覇 れんぱ している。
1993年 ねん から始 はじ まった『クラス1 』のDTM→ITC(国際 こくさい ツーリングカー選手権 せんしゅけん )では、アルファロメオ・155 V6 TI とオペル・カリブラV6 4X4 が四 よん 輪 りん 駆動 くどう 車 しゃ として活躍 かつやく 。しかし両者 りょうしゃ のリソース不足 ふそく や信頼 しんらい 性 せい の問題 もんだい もあり、先進 せんしん 的 てき な空 そら 力 りょく 設計 せっけい と凝 こ った電子 でんし デバイス[ 注釈 ちゅうしゃく 20] で武装 ぶそう した二輪 にりん 駆動 くどう のメルセデス・CクラスV6 とは互角 ごかく の戦績 せんせき に終 お わっている。
同 おな じく1993年 ねん からの『クラス2』(スーパーツーリング )規定 きてい の各国 かっこく のレースにもアウディがクワトロシステムを持 も ち込 こ んだ。1996年 ねん にはA4クワトロ が英 えい 独 どく 含 ふく む6カ国 かこく [ 注釈 ちゅうしゃく 21] を同時 どうじ に制覇 せいは するという無敵 むてき ぶりを示 しめ した[ 注釈 ちゅうしゃく 22] 。
このように一部 いちぶ を除 のぞ くほとんどのカテゴリで圧倒的 あっとうてき な戦闘 せんとう 力 りょく を示 しめ すようになった四 よん 輪 りん 駆動 くどう だが、一方 いっぽう で四 よん 輪 りん 駆動 くどう 技術 ぎじゅつ の得手 えて ・不得手 ふえて がメーカーごとにハッキリ分 わ かれたり、参戦 さんせん コスト高騰 こうとう の原因 げんいん になったりと、運営 うんえい にとってはエントラント招致 しょうち の障害 しょうがい にもなり始 はじ めた。そのため四 よん 輪 りん 駆動 くどう の規制 きせい 強化 きょうか ・禁止 きんし 、もしくは二 に 輪 りん 駆動 くどう を優遇 ゆうぐう する動 うご きが広 ひろ まった。
四 よん 輪 りん 駆動 くどう が多数 たすう 派 は となったラリー界 かい では、二輪 にりん 駆動 くどう 車 しゃ の優遇 ゆうぐう が行 おこな われた。WRCではフランス車 しゃ メーカーのロビー活動 かつどう により導入 どうにゅう された二輪 にりん 駆動 くどう 車 しゃ 規定 きてい 「F2キットカー 」が施行 しこう され、1999年 ねん にターマックイベント限定 げんてい だがシトロエン・クサラ [ 注釈 ちゅうしゃく 23] のF2キットカーが2回 かい 総合 そうごう 優勝 ゆうしょう を記録 きろく している。またダカール・ラリー でもプライベーター向 む けの二 に 輪 りん 駆動 くどう 規定 きてい を大幅 おおはば に緩和 かんわ した結果 けっか 、1999・2000年 ねん に二 に 輪 りん 駆動 くどう のシュレッサー・バギー [ 注釈 ちゅうしゃく 24] [ 46] が総合 そうごう 優勝 ゆうしょう を果 は たした。ただしこれらはメーカーの不満 ふまん の声 こえ が大 おお きかったこともあり、一時 いちじ 的 てき なものに終 お わっている。
一方 いっぽう で二 に 輪 りん 駆動 くどう が多数 たすう 派 は であったサーキットレースでは、四 よん 輪 りん 駆動 くどう 側 がわ への規制 きせい 強化 きょうか ・禁止 きんし が優先 ゆうせん 的 てき に行 おこな われた。上述 じょうじゅつ したDTMのアウディ・V8はその巨大 きょだい な車 くるま 格 かく も原因 げんいん とはいえ最大 さいだい で300kgという最低 さいてい 重量 じゅうりょう 差 さ をつけられた。クラス2規定 きてい のA4クワトロも1997年 ねん から100kgのウェイトを背負 しょ わされ、翌 よく 1998年 ねん には四 よん 輪 りん 駆動 くどう そのものが禁止 きんし されてしまった[ 47] 。スーパーツーリングの後継 こうけい となったスーパー2000 規定 きてい のツーリングカー規則 きそく やFIA-GT 、さらにはル・マンとデイトナ でも四 よん 輪 りん 駆動 くどう の禁止 きんし が明文化 めいぶんか されたため、メジャーなサーキットレースではほぼ完全 かんぜん に締 し め出 だ される格好 かっこう になってしまった。
日本 にっぽん ではJTC消滅 しょうめつ 後 ご の1994年 ねん からR32型 がた スカイラインGT-Rが大挙 たいきょ してJGTC(全日本 ぜんにほん GT選手権 せんしゅけん 、現 げん SUPER GT )へと転戦 てんせん したが、そこではJTCより太 ふと いタイヤや大型 おおがた ウィングの装着 そうちゃく ・サスペンションの大 だい 規模 きぼ な改造 かいぞう などが行 おこな えたため、二輪 にりん 駆動 くどう でも十分 じゅうぶん なトラクション性能 せいのう を得 え ることができた。また二 に 輪 りん 駆動 くどう への改造 かいぞう はエアリストリクター が装着 そうちゃく されてパワーダウンを強 し いられるものの、四 よん 輪 りん 駆動 くどう よりも太 ふと めのタイヤを履 は ける・設計 せっけい の自由 じゆう 度 ど が高 たか い・信頼 しんらい 性 せい を確保 かくほ しやすい・軽量 けいりょう 化 か できる・ハンドリングが軽快 けいかい になるなどのメリットの方 ほう が圧倒的 あっとうてき に大 おお きく、1995年 ねん のR33型 がた 投入 とうにゅう 以降 いこう はたちまち二 に 輪 りん 駆動 くどう 化 か するのが常識 じょうしき となった[ 注釈 ちゅうしゃく 25] [ 16] [ 48] [ 49] 。R33型 がた でも少数 しょうすう ながら四 よん 輪 りん 駆動 くどう のまま戦 たたか うチームもおり、ウェットコンディションで競争 きょうそう 力 りょく を発揮 はっき したが、舗装 ほそう 路面 ろめん では細 ほそ めのタイヤのライフの短 みじか さに悩 なや まされ、ほどなくして姿 すがた を消 け した。[ 50] 。
ポルシェ・919 HYBRID
2012年 ねん から始 はじ まったWEC(世界 せかい 耐久 たいきゅう 選手権 せんしゅけん 、ル・マン24時 じ 間 あいだ を含 ふく む)のLMP1規定 きてい 下 か でハイブリッド車両 しゃりょう に限 かぎ り四 よん 輪 りん 駆動 くどう が認可 にんか された。アウディ・R18 、トヨタ・TS050 HYBRID 、ポルシェ・919 HYBRID が、通常 つうじょう は後 こう 輪 わ 駆動 くどう で、モーターの出力 しゅつりょく 時 じ のみ前輪 ぜんりん も駆動 くどう するスタンバイ式 しき 四 よん 輪 りん 駆動 くどう システムを備 そな え、200kg軽 かる いF1マシンにも迫 せま る速 はや さを得 え て一時 いちじ 人気 にんき を集 あつ めた。LMP1はコスト高騰 こうとう が原因 げんいん で衰退 すいたい するが、2018年 ねん 以降 いこう のLMP1及 およ びこれに代 か わったLMハイパーカー 規定 きてい では性能 せいのう 調整 ちょうせい (BoP)を施 ほどこ すことを前提 ぜんてい にハイブリッド車両 しゃりょう の四 よん 輪 りん 駆動 くどう の採用 さいよう が引 ひ き続 つづ き認可 にんか され、トヨタ・GR010 HYBRID やプジョー・9X8 、フェラーリ・499P などが四 よん 輪 りん 駆動 くどう 車 しゃ として参戦 さんせん している。ただしこれらBoP規定 きてい では二 に 輪 りん 駆動 くどう 車 しゃ との共存 きょうぞん を前提 ぜんてい に、ごく限 かぎ られた速度 そくど 域 いき でしかモーターの出力 しゅつりょく が認 みと められないため、上 うえ で挙 あ げてきたような四 よん 輪 りん 駆動 くどう 車 しゃ たちのようなメリットを享受 きょうじゅ できない点 てん には注意 ちゅうい が必要 ひつよう である。
それ以外 いがい のメジャーなサーキットレースでは、四 よん 輪 りん 駆動 くどう の認可 にんか 事例 じれい は極 きわ めて少 すく ない。SUPER GTでは重量 じゅうりょう ハンデを条件 じょうけん に特認 とくにん の四 よん 輪 りん 駆動 くどう 車 しゃ としてGT300クラスに参戦 さんせん したスバル・インプレッサ が2008年 ねん に優勝 ゆうしょう を挙 あ げた例 れい があるが、開幕 かいまく 時 じ から175kgも重 おも くされるという規制 きせい 強化 きょうか を受 う けて撤退 てったい の憂 う き目 め にあっている[ 51] 。主 おも だったGT/ツーリングカー規定 きてい [ 注釈 ちゅうしゃく 26] たちは軒並 のきな み四 よん 輪 りん 駆動 くどう が禁止 きんし されており、スーパー耐久 たいきゅう やニュルブルクリンク24時 じ 間 あいだ などの、アマチュア色 しょく が強 つよ いレースの下位 かい クラスで認 みと められる程度 ていど に留 とど まっている。現在 げんざい の市販 しはん スーパーカー は高性能 こうせいのう なスポーツ四 よん 輪 りん 駆動 くどう システムを売 う りにするのがトレンドとなっているにも関 かか わらず、そういった事情 じじょう から自慢 じまん の四 よん 輪 りん 駆動 くどう を降 お ろさなければ主要 しゅよう レースに参戦 さんせん できない、というジレンマが存在 そんざい する。とはいえそれに対 たい する不満 ふまん の声 こえ はあまり聞 き かれず、メーカー・ファンともに業界 ぎょうかい の慣習 かんしゅう として受 う け入 い れているような状況 じょうきょう にある。
F1でも電動 でんどう 技術 ぎじゅつ を用 もち いた四 よん 輪 りん 駆動 くどう についての議論 ぎろん がしばし起 お きているが、安全 あんぜん の問題 もんだい やメーカー同士 どうし の思惑 おもわく の衝突 しょうとつ などもあり、今 いま のところは実現 じつげん していない[ 52] [ 53] 。
サーキット以外 いがい での競技 きょうぎ (ラリー、ラリーレイド、ヒルクライム[ 注釈 ちゅうしゃく 27] 、ジムカーナ 、ダートトライアル など)ではプロ・アマ問 と わず四 よん 輪 りん 駆動 くどう が認可 にんか されており、多数 たすう のエントラントが総合 そうごう 優勝 ゆうしょう を目指 めざ して四 よん 輪 りん 駆動 くどう を採用 さいよう している。
2013~2021年 ねん のダカール・ラリーでは、プライベーター向 む けに再 ふたた び規定 きてい が二 に 輪 りん 駆動 くどう に有利 ゆうり になったため、ワークスも含 ふく めた各社 かくしゃ が挙 こぞ って二 に 輪 りん 駆動 くどう 車 しゃ を開発 かいはつ ・投入 とうにゅう していたが[ 注釈 ちゅうしゃく 28] 、メーカーたちの協議 きょうぎ の末 すえ 、2022年 ねん 以降 いこう は四 よん 輪 りん 駆動 くどう 優位 ゆうい の規則 きそく に戻 もど されている。長 なが らく二 に 輪 りん 駆動 くどう が支配 しはい していたSCOREのトロフィー・トラックも、創意 そうい 工夫 くふう によって十分 じゅうぶん なサスペンションストローク量 りょう と信頼 しんらい 性 せい [ 注釈 ちゅうしゃく 29] [ 54] を確保 かくほ したマシンが、2010年代 ねんだい 後半 こうはん からトップコンストラクターたちの手 て によって産 う み出 だ され始 はじ め、時代 じだい の変化 へんか を迎 むか えている[ 注釈 ちゅうしゃく 30] [ 55] 。
電動 でんどう 技術 ぎじゅつ と四 よん 輪 りん 駆動 くどう を組 く み合 あ わせるタイムアタックマシンも増 ふ えている。モーターは一瞬 いっしゅん で凄 すさ まじいトルクを生 う み出 だ せることや、設計 せっけい の自由 じゆう 度 ど が高 たか いことから四 よん 輪 りん 駆動 くどう との相性 あいしょう は抜群 ばつぐん で、両者 りょうしゃ を組 く み合 あ わせたフォルクスワーゲン・ID.R やポルシェ・919 HYBRID Evo は各地 かくち のタイムアタックの最速 さいそく 記録 きろく を人知 じんち を超 こ えた速 はや さで塗 ぬ り替 か えていった。
特殊 とくしゅ な車両 しゃりょう の競技 きょうぎ の場合 ばあい [ 編集 へんしゅう ]
車両 しゃりょう を滑 すべ らせることが求 もと められるドリフト 競技 きょうぎ では後 こう 輪 わ 駆動 くどう (FR レイアウト)に勝 か つのは極 きわ めて難 むずか しく、さらに速度 そくど 域 いき によっては危険 きけん も伴 ともな うため、D1グランプリ やフォーミュラ・ドリフト では禁止 きんし されている。それどころか(FR車 しゃ そのものの減少 げんしょう という事情 じじょう もあって)「4WD車 しゃ の前輪 ぜんりん 駆動 くどう をキャンセルしFR化 か する」と言 い う改造 かいぞう が行 おこな われることすらある。
ドラッグレース は市販 しはん 車 しゃ クラスでは四 よん 輪 りん 駆動 くどう が有利 ゆうり だが、トップカテゴリの「ドラッグスター」では極端 きょくたん に駆動 くどう 輪 わ に荷重 かじゅう をかけられる設計 せっけい が可能 かのう なため四 よん 輪 りん 駆動 くどう のメリットは無 な く、軽量 けいりょう で駆動 くどう 損失 そんしつ の少 すく ない二 に 輪 りん 駆動 くどう 一辺倒 いっぺんとう となっている。
ダカールやモトクロス などで用 もち いられるスポーツ用 よう ATV(全 ぜん 地形 ちけい 対応 たいおう 車 しゃ 、四 よん 輪 りん バイク)は軽量 けいりょう な二 に 輪 りん 駆動 くどう が基本 きほん となっている。特 とく にダカールでは単 たん 気筒 きとう エンジン+二輪 にりん 駆動 くどう という軽量 けいりょう パッケージのヤマハ・ラプター700R が部門 ぶもん 創設 そうせつ から2022年 ねん 現在 げんざい まで無傷 むきず の14連覇 れんぱ を達成 たっせい しており、ポラリス やCan-Am の2気筒 きとう +四 よん 輪 りん 駆動 くどう の850cc勢 ぜい が付 つ け入 い る隙 すき の無 な い状態 じょうたい となっている[ 注釈 ちゅうしゃく 31] [ 56] [ 57] 。
^ 積雪 せきせつ 地 ち で多数 たすう 販売 はんばい されるという性格 せいかく 上 じょう 、四 よん 輪 りん 駆動 くどう モデルには寒冷 かんれい 地 ち 仕様 しよう を標準 ひょうじゅん 装備 そうび する車種 しゃしゅ ・メーカーも存在 そんざい する(日産 にっさん ・セレナ など)。
^ リアエンジン 4WD はポルシェ・911 、スバル・サンバー (3代目 だいめ - 6代目 だいめ )、シュタイア・プフ社 しゃ のハフリンガーなどに存在 そんざい する。またミッドシップ 4WD は、三菱 みつびし ・パジェロ 、トヨタ・エスティマ (初代 しょだい )、ホンダ・アクティ 、スズキ・エブリイ (3代目 だいめ )、ランボルギーニ 各 かく モデル、ブガッティ・ヴェイロン 、アウディ・R8 などの例 れい がある
^ 同車 どうしゃ は二 に 輪 りん 駆動 くどう 仕様 しよう も存在 そんざい している。発表 はっぴょう は二 に 輪 りん 駆動 くどう 仕様 しよう の方 ほう が先 さき であった
^ 嚆矢 こうし であるスバル・レオーネ が、FFの駆動 くどう 系統 けいとう を延長 えんちょう してトランスファーを介 かい して後 こう 輪 わ を駆動 くどう したものである。なお、富士重工業 ふじじゅうこうぎょう (現 げん ・SUBARU )は初代 しょだい レオーネ4WD発売 はつばい 当時 とうじ 、FR車 しゃ を生産 せいさん していなかったためリアアクスルの生産 せいさん ノウハウがなく、当時 とうじ 系列 けいれつ 企業 きぎょう だった日産自動車 にっさんじどうしゃ からブルーバード のものをOEM供給 きょうきゅう を受 う けていた。他社 たしゃ もトヨタ・スプリンターカリブ などこれに倣 なら った。
^ いわんや三菱 みつびし ・ミニカ (4代目 だいめ まで)とスズキ・カプチーノ 、それにスズキのOEM部品 ぶひん で製造 せいぞう されているケータハム の軽 けい モデルぐらいしかFRの例 れい のない軽 けい 乗用車 じょうようしゃ においてはジムニー以外 いがい 存在 そんざい していない
^ サンバーをベースにエンジンを1000ccとし、3列 れつ シート7人 にん 乗 の り乗用車 じょうようしゃ とした車種 しゃしゅ 。後 こう 1200ccとなった際 さい にはワンウェイクラッチ式 しき となったが、その後 ご のフルモデルチェンジで後述 こうじゅつ のビスカスカップリング式 しき となった。
^ 1970年代 ねんだい 北米 ほくべい Can-amで鮒 ふな 子 こ 田 た 寛 ひろし がドライブした「マックスイットスペシャル」、パイクスピーク・ヒルクライム で田嶋 たじま 伸博 のぶひろ が用 もち いたスズキ・エスクード 、パリ-ダカール・ラリー でヤン・デ・ローイが用 もち いたDAF・ターボツイン 、北米 ほくべい デザートレースにおけるガイザー・ブラザーズのトロフィートラックなどの採用 さいよう 例 れい がある
^ 星野 ほしの 一義 かずよし と長谷見 はせみ 昌弘 まさひろ はJTC(全日本 ぜんにほん ツーリングカー選手権 せんしゅけん )の1989年 ねん シーズン向 む けに日産 にっさん が開発 かいはつ したR32型 がた スカイラインGT-Rを最初 さいしょ に目 め にした際 さい に「ラリーカーじゃあるまいし、サーキットで四 よん 輪 りん 駆動 くどう なんて何 なに を考 かんが えているんだ」と正面 しょうめん から否定 ひてい したが、ひとたびドライブをするとこれは間違 まちが いなく最強 さいきょう の車 くるま だと掌 てのひら を返 かえ して絶賛 ぜっさん したと言 い われている。ただし長谷見 はせみ は、アンダーステア が強 つよ くコーナーでアクセルが踏 ふ めない特性 とくせい ゆえに楽 たの しくはなかったとも後年 こうねん 語 かた っている。
^ 改造 かいぞう 範囲 はんい の広 ひろ さ、コース特性 とくせい 、路面 ろめん 環境 かんきょう 、勝利 しょうり 条件 じょうけん 、コストや技術 ぎじゅつ の水準 すいじゅん 、タイヤの規格 きかく や性能 せいのう 、速度 そくど 域 いき など
^ フロントエンジン車 しゃ としてもF1史上 しじょう 最後 さいご の優勝 ゆうしょう 記録 きろく である。モスはこのマシンをいたく気 き に入 い っており、引退 いんたい 後 ご に「また乗 の りたい車 くるま 」としてこのP99を挙 あ げている
^ このうち1台 だい のマイク・スペンスは予選 よせん の事故 じこ で死亡 しぼう したため、決勝 けっしょう は3台 だい 体制 たいせい であった
^ ブルース・マクラーレン はM9Aの感触 かんしょく を、「誰 だれ かに肘 ひじ で小突 こづ かれながら、き手 きて ではない方 ほう の手 て でサインをしているようなものだ」と表現 ひょうげん している。コーナーリングで内輪 うちわ が浮 う き上 あ がってしまうのを抑 おさ えようにも、フロントへの駆動 くどう 系 けい を追加 ついか したせいでサスペンションストローク量 りょう が制限 せいげん されていたため、課題 かだい を解決 かいけつ できなかった
^ 後 のち にジェンセン・モーターズ 社 しゃ との提携 ていけい によるジェンセン・FF で、四 よん 輪 りん 駆動 くどう のセダン の市販 しはん を実現 じつげん している
^ 元 もと F1ドライバーのトニー・マーシュ は、直進 ちょくしん 時 じ は四 よん 輪 りん 駆動 くどう でコーナーリングだけ後 こう 輪 わ 駆動 くどう になるという極 きわ めて画期的 かっきてき な四 よん 輪 りん 駆動 くどう システムをヒューランド と共同 きょうどう 開発 かいはつ し、1967年 ねん のチャンピオンシップを制覇 せいは した。しかしマーシュは、「実際 じっさい にはこのシステムは作動 さどう せず、私 わたし が電磁 でんじ クラッチを持 も っているという事実 じじつ を人々 ひとびと に知 し らしめただけだった」と後 のち に語 かた っている。2度 ど の選手権 せんしゅけん 3連覇 れんぱ を達成 たっせい したマーシュはモチベーションを失 うしな って撤退 てったい したため、この1年 ねん 限 かぎ りの参戦 さんせん となった
^ 1300は元々 もともと 四 よん 輪 りん 駆動 くどう 化 か を前提 ぜんてい に設計 せっけい されていた。1300では叶 かな わなかったが、四 よん 輪 りん 駆動 くどう は基本 きほん 部品 ぶひん の多 おお くを共通 きょうつう するポニーピックアップへと受 う け継 つ がれた。
^ カプリの場合 ばあい 、同 おな じカプリでもFRグレード(RS2600とRS3100)によるサーキットでの活躍 かつやく の方 ほう が注目 ちゅうもく されたこと、フォードは当時 とうじ 製造 せいぞう する全 すべ てのFRクーペを十分 じゅうぶん に売 う り捌 は けていたことから、四 よん 輪 りん 駆動 くどう 版 ばん カプリは需要 じゅよう やコストの上 うえ で余計 よけい なものと見 み 做され、量産 りょうさん には至 いた らなかった。四輪 よんりん 駆動 くどう の量産 りょうさん には新 あら たな製造 せいぞう ラインが必要 ひつよう となるのもネックであった。しかし熱意 ねつい ある支持 しじ 者 しゃ がファーガソン・リサーチと契約 けいやく し、ごく少数 しょうすう が改造 かいぞう という形 かたち で製造 せいぞう された。
^ ベース車両 しゃりょう はDAF・55。3つめの5は、グループ5 規定 きてい を意味 いみ するものとしてつけられた
^ アウディとスバルは共 とも に四 よん 輪 りん 駆動 くどう の乗用車 じょうようしゃ の先駆 さきが けでもあるが、どちらも縦 たて 置 お きエンジン ・前輪 ぜんりん 駆動 くどう の構造 こうぞう を持 も った車 くるま を市販 しはん していたため、縦 たて 置 お きのギアボックスから駆動 くどう 軸 じく を後方 こうほう に取 と り出 だ し差 さ 動 どう 装置 そうち と後 こう 輪 わ ドライブシャフトを追加 ついか するなどの加工 かこう で済 す み、比較的 ひかくてき 四 よん 輪 りん 駆動 くどう 化 か しやすい構造 こうぞう であった。なおアウディのクワトロシステムは、センターにトルセンデフを用 もち いた「セルフロッキング・ディファレンシャル」による機械 きかい 式 しき 制御 せいぎょ で、通常 つうじょう 時 じ は50:50のトルク配分 はいぶん となっていた。
^ 日産 にっさん ・200SX(シルビア) による。グループB時代 じだい もターマックでルノー・5ターボ 、アフリカイベントでトヨタ・セリカツインカムターボ など、二輪 にりん 駆動 くどう 車 しゃ が複 ふく 数 すう 回 かい のイベント総合 そうごう 優勝 ゆうしょう を記録 きろく している
^ バラストを電子 でんし 制御 せいぎょ を用 もち いて動 うご かし、加速 かそく 時 じ に後方 こうほう へ移動 いどう させてトラクションを稼 かせ いだり、コーナーリングでも左右 さゆう に動 うご かしてロールを抑 おさ える「ムービングバラスト」が知 し られる。「これが無 な ければ四 よん 輪 りん 駆動 くどう 勢 ぜい には勝 か てなかった」と言 い われるほどに威力 いりょく を発揮 はっき した。
^ イギリス・ドイツ・イタリア・スペイン・ベルギー・南 みなみ アフリカ
^ この他 ほか 、フォードも四 よん 輪 りん 駆動 くどう のモンデオ で1995年 ねん のSTW(ドイツ・スーパーツーリング選手権 せんしゅけん )に参戦 さんせん したが、資金 しきん 不足 ふそく で開発 かいはつ がままならず、1年 ねん で撤退 てったい している。
^ 軽量 けいりょう シャシーとワイドボディ、吸気 きゅうき リストリクター装着 そうちゃく 義務 ぎむ の無 な いエンジン、さらにアクティブデフやトラクションコントロール などの電子 でんし デバイスで武装 ぶそう していた。
^ 二 に 輪 りん 駆動 くどう バギーにはサスペンションストローク量 りょう の制限 せいげん が無 な かった。また最低 さいてい 重量 じゅうりょう は四 よん 輪 りん 駆動 くどう 勢 ぜい より300kg軽 かる く、吸気 きゅうき リストリクター 径 みち も大 おお きめに設定 せってい された。加 くわ えてメーカーのプロトタイプ車両 しゃりょう による参戦 さんせん が1997年 ねん から2001年 ねん まで禁止 きんし されていたのも躍進 やくしん の大 おお きな要因 よういん であった。走破 そうは 性 せい では四 よん 輪 りん 駆動 くどう に一 いち 歩 ほ 譲 ゆず るが、フラットな高速 こうそく ステージで圧倒的 あっとうてき な速 はや さを示 しめ した。
^ そもそもスカイラインGT-Rが四 よん 輪 りん 駆動 くどう を採用 さいよう したのは、出力 しゅつりょく に対 たい してタイヤが細 ほそ い(265mm)グループAのレギュレーションに対応 たいおう するためであり、太 ふと いタイヤ(300mm以上 いじょう )が履 は ければ自 おの ずと必要 ひつよう 性 せい が下 さ がることになる。なお長谷見 はせみ 昌弘 まさひろ は試 ため しにR32の前輪 ぜんりん への駆動 くどう を切 き って二 に 輪 りん 駆動 くどう 状態 じょうたい で走 はし ってみたらスポーツランドSUGO で1秒 びょう 速 はや くなったと明 あ かしており、事実 じじつ 1994年 ねん のR32勢 ぜい は予選 よせん では5戦中 せんちゅう 4戦 せん で二 に 輪 りん 駆動 くどう が四 よん 輪 りん 駆動 くどう を上回 うわまわ った。しかし決勝 けっしょう は全 ぜん 戦 せん ドライコンディションながら、四 よん 輪 りん 駆動 くどう の影山 かげやま 正彦 まさひこ が安定 あんてい して高 たか い順位 じゅんい でポイントを稼 かせ ぎチャンピオンとなった。
^ グループGT3 /GT4 、TCR /eTCR、LM-GTE 、クラス1 、NGTC(BTCC の独自 どくじ 規定 きてい )など
^ ただし元々 もともと 上 のぼ りは後 こう 輪 わ への荷重 かじゅう が強 つよ いこともあり、欧州 おうしゅう のヒルクライムのオープンホイールやプロトタイプスポーツカーは、フロントを軽 かる くでき駆動 くどう 損失 そんしつ の少 すく ない二 に 輪 りん 駆動 くどう が主流 しゅりゅう である。高地 こうち で空 そら 力 りょく 効果 こうか の薄 うす いパイクスピーク・ヒルクライムでは四 よん 輪 りん 駆動 くどう のメリットが活 い きやすいが、2012年 ねん の全面 ぜんめん 舗装 ほそう 路 ろ 化 か の影響 えいきょう もあって、勢力 せいりょく 図 ず 次第 しだい では超 ちょう 軽量 けいりょう な二 に 輪 りん 駆動 くどう 車 しゃ が総合 そうごう 優勝 ゆうしょう を収 おさ めるケースも多 おお い
^ ワークス格 かく ではプジョー・スポール 、X-raid MINI 、トヨタ・南 みなみ アフリカ 、双竜 そうりゅう 自動車 じどうしゃ 、吉利 よしとし 汽車 きしゃ 。この内 うち トヨタは開発 かいはつ のみで実戦 じっせん 投入 とうにゅう はしなかった。
^ トラクションに優 すぐ れる四 よん 輪 りん 駆動 くどう であれば80%の全開 ぜんかい 率 りつ 、あるいは多少 たしょう のミスがあっても二 に 輪 りん 駆動 くどう の100%と同等 どうとう のペースが実現 じつげん できることから、信頼 しんらい 性 せい 上 じょう むしろ優 すぐ れている可能 かのう 性 せい があることが分 わ かっている
^ トップコンストラクターの一 ひと つであるメイソン・モータースポーツは等 ひとし 速 そく ジョイントを垂直 すいちょく に配置 はいち する独自 どくじ の機構 きこう でサスペンションストローク量 りょう を確保 かくほ した。基本 きほん は二 に 輪 りん 駆動 くどう で、加速 かそく 時 じ に後 こう 輪 わ のスリップを検知 けんち することで前輪 ぜんりん を駆動 くどう するスタンバイ式 しき である
^ ラプター700Rは出力 しゅつりょく 45馬力 ばりき /乾燥 かんそう 重量 じゅうりょう 425ポンドに対 たい して、ポラリス・スクランブラーは70馬力 ばりき /745ポンドでパワーウェイトレシオ に大 おお きな差 さ は無 な く、ホイールトラベル量 りょう も両者 りょうしゃ ほぼ同 おな じ長 なが さに設定 せってい されている。軽量 けいりょう で敏捷 びんしょう なボディと二 に 輪 りん 駆動 くどう ゆえの軽快 けいかい なハンドリング、最小 さいしょう 回転 かいてん 半径 はんけい の小 ちい ささなどにより駆動 くどう 輪 わ の少 すく なさを補 おぎな えている例 れい である。
自動車 じどうしゃ 部品 ぶひん
エンジン
方式 ほうしき 内部 ないぶ 構成 こうせい 部品 ぶひん 補 ほ 機 き 類 るい
足 あし 回 まわ り部品 ぶひん
緩衝 かんしょう 装置 そうち 制動 せいどう 装置 そうち 車輪 しゃりん
照明 しょうめい ・灯火 ともしび 装置 そうち 関連 かんれん
その他 た の部品 ぶひん ・関連 かんれん 項目 こうもく
安全 あんぜん 装置 そうち 安全 あんぜん 技術 ぎじゅつ ミラー セキュリティ常 つね 備品 びひん オプション部品 ぶひん 空調 くうちょう 設備 せつび 関連 かんれん 項目 こうもく