ポンツーン

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ポンツーンポントゥーンポントンは、以下いか構造こうぞうぶつ多義たぎてきかたり

水上みずかみ構造こうぞうぶつ[編集へんしゅう]

水上みずかみ構造こうぞうぶつとしてのポンツーンのれい[編集へんしゅう]

自動車じどうしゃ[編集へんしゅう]

乗用車じょうようしゃのデザイン[編集へんしゅう]

自家用じかよう自動車じどうしゃのデザイン思想しそうにおけるポンツーンには、対象たいしょうとする部品ぶひんべつおもに2しゅがあるが、ポントン場合ばあいおも前者ぜんしゃを、ポンツーン場合ばあいおも後者こうしゃす。

ドイツ発祥はっしょう[編集へんしゅう]

ボルクヴァルド・ハンザ 1500 コンビ(ステーションワゴン:これは1952ねんモデル)
フォード・タウナス 12 M (G13) (1952ねんモデル)
メルセデス180a - W120 (1957ねん-1959ねん)

ドイツ自動車じどうしゃ産業さんぎょう由来ゆらいするポンツーンボディまたはドイツみでポントンボディとは、ボディサイドをスムーズな形状けいじょうにし、前後ぜんごフェンダーボンネットトランク一体いったいとしたデザインのものをす。

もとはだい世界せかい大戦たいせんなかのドイツで、戦車せんしゃ無限むげん軌道きどう防御ぼうぎょするためのカバーのデザインじょう名称めいしょうとして使用しようされたかたりである。このカバーはながはこじょうで、はこ上端じょうたん車体しゃたいけられた。これは戦場せんじょう兵士へいし橋渡はしわたしするため臨時りんじはしをかけるさい舟橋ふなばしていたことから、「ポントン」とばれるようになる。これがのちに自動車じどうしゃ用語ようごとして使つかわれ、フェンダーがボディとはべつパーツとしてつくられたり、ランニングボードがべつけだったそれ以前いぜん車種しゃしゅたいし、一体いったい形成けいせい(フロントフェンダーがリアフェンダーまでながくつづいている)のフェンダー形状けいじょうにすることによってボディサイドがスムーズな形状けいじょうとなった車種しゃしゅを、車体しゃたいのショルダーラインからしたのすべてを戦車せんしゃの「ポントン」に見立みたてて、同様どうようぶようになったものである。

1949ねんボルクヴァルト・ハンザ・1500 (Borgward Hansa 1500) がそのようなデザイン思想しそうった最初さいしょ車種しゃしゅであり、いで1952ねんドイツ・フォード英語えいごばんカルマン)のフォード・タウヌス(Ford Taunus)Mシリーズ・12Mが発表はっぴょうされた。メルセデス・ベンツでも1950年代ねんだい中期ちゅうきからのモデルがポントンタイプとばれた。日本にっぽんで「ポントン」といえばこの1950年代ねんだいちゅう後期こうきW120、W121W128す。

ポントンボディでは従来じゅうらいよりもひろ室内しつない容積ようせきがとれるようになるため、おおくの乗用車じょうようしゃがポントンボディになっていった(現代げんだい乗用車じょうようしゃのほとんどすべてがこのデザイン定義ていぎぞくする)が、1960年代ねんだいでもまだそうでないものもあった。ポントンでない代表だいひょうてきなものとしてはフォルクスワーゲンビートルがある。

後述こうじゅつするデザインを「ポンツーン」とするアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく米国べいこく)では、このようなデザインは区別くべつのためにPontonとつづるか、メルトアウェイ (meltaway)、フル・フェードアウェイ (full fade-away)あるいはラウンドボディとぶ。

米国べいこく発祥はっしょう[編集へんしゅう]

コード812(1937ねんモデル)
コード812

米国べいこく自動車じどうしゃ産業さんぎょう由来ゆらいするポンツーンフェンダー、ポントゥーンフェンダー(pontoon fenders)とは、フロントやリアのフェンダーがボディから独立どくりつしている(いている)ようなデザインのものをす。フェンダーを、前述ぜんじゅつ水上すいじょう構造こうぞうぶつとしてのポンツーンが水面すいめん浮揚ふようしている様子ようす見立みたてるかんがかたである。1935ねん コード英語えいごばん810/812など、1930年代ねんだい米国べいこくしゃおおられるデザインである。

当時とうじボンネットとフロントフェンダーはべつ構造こうぞうにすることが一般いっぱんてきだったが、このようなデザインの場合ばあいでは、通常つうじょうフェンダーうしはしにあたるティアドロップ部分ぶぶんランニングボード(ドアステップ)とつなげ、一体化いったいかしていた。810/812にはランニングボード自体じたいがなく、フェンダーはボディから独立どくりつしたおおきなデザインで、非常ひじょうにエレガントにえた。これよりまえ、コードしゃは、オーバーン・ボートテール・スピードスターのフロントおよびリアフェンダーに、すでにこのデザインをれていた。

フランスカロッセリエでもフィゴーニ・エ・ファラッシ英語えいごばんなどなんしゃかがこのデザインで高級こうきゅうしゃ製作せいさくしていた。

レーシングカーのデザイン[編集へんしゅう]

ミハエル・シューマッハ運転うんてんするF1レーシングカー (2004 USグランプリ)

F1などのレーシングカーのデザインでもちいられるサイドポンツーンりゃくこうまえにおかれるボディの部分ぶぶん。サイドポッドともいう。

前部ぜんぶ吸気きゅうきこうがあり、内部ないぶ通過つうかする気流きりゅうによってラジエターのねつ交換こうかんおこなう。その排気はいき集合しゅうごうかん衝撃しょうげき吸収きゅうしゅう構造こうぞうなども格納かくのうしており、エアロダイナミクス考慮こうりょした形状けいじょう整形せいけいされている。底面ていめん地面じめん効果こうかによりダウンフォース獲得かくとくするじょう重要じゅうよう役割やくわりつ。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ ぐんきょうはオーストリアがわブラウナウ・アム・インとドイツがわのジムバッハのあいだわたされた。アメリカぐん工兵こうへいけたはしわたって帰国きこくする、ドイツへい車列しゃれつだい世界せかい大戦たいせん終結しゅうけつのち撮影さつえい

出典しゅってん[編集へんしゅう]

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]