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ストラットタワーバー

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
ストラットタワーバー(単体たんたい
エンジンルームに装着そうちゃくされたストラットタワーバー(画像がぞう中央ちゅうおう横切よこぎ銀色ぎんいろ棒状ぼうじょう部品ぶひん

ストラットタワーバー (えい: Strut Bar)とは、サスペンション車体しゃたいタイヤハウス上部じょうぶ位置いちする)左右さゆう連結れんけつするぼう(バー)じょう部品ぶひんのこと。一部いちぶスポーツカーやスポーティーグレードには標準ひょうじゅん装備そうびとなっているが、一般いっぱん自動車じどうしゃには装備そうびされておらず、このみでこう用品ようひんとして購入こうにゅうすることがおおい。

効果こうか[編集へんしゅう]

この部品ぶひんけると車体しゃたい剛性ごうせいアップにも寄与きよするため、サスペンションがうごきハンドリングがシャープになるが、サスペンションスプリングやブッシュやわらかい場合ばあいや、速度そくどひくい(路面ろめんからの入力にゅうりょくちいさい)場合ばあい効果こうかかんじない。

運転うんてんしゃ運転うんてん方法ほうほうこのみ(感覚かんかくてき=フィーリング)にえばタイムアップに寄与きよするが、たんにこの部品ぶひんけただけでタイムアップするというものではないため、けても効果こうかいと誤解ごかいされる場合ばあいがある。

また、この部品ぶひんけた状態じょうたい左右さゆうどちらかのサスペンションを破損はそんした場合ばあい被害ひがい反対はんたいがわストラットにまでおよび、おもわぬ損害そんがいまねくことがあるが、タワーバー自体じたい衝撃しょうげき吸収きゅうしゅう構造こうぞうになっていれば被害ひがいけられる場合ばあいおおい。

日産自動車にっさんじどうしゃのテストドライバーであった三好みよし俊秀としひでによると、タワーバーを前輪ぜんりんがわにのみけた場合ばあいには車体しゃたい剛性ごうせい前後ぜんごバランスがくるって唐突とうとつ挙動きょどうたり、FRくるま場合ばあいわだちふか路面ろめん直進ちょくしんせい悪化あっかするなど、操作そうさがシビアになる場合ばあいもあるとされる[1]

方式ほうしき[編集へんしゅう]

おおきくけると、溶接ようせつ固定こていしきボルト調整ちょうせいしきの2種類しゅるいになる。

調整ちょうせいボルトおよ調整ちょうせいしき[編集へんしゅう]

  • 利点りてん - 車体しゃたい誤差ごさ商品しょうひん誤差ごさ調整ちょうせいするため加工かこう必要ひつようはない。
  • 欠点けってん - 簡単かんたん調整ちょうせい作業さぎょう必要ひつよう応力おうりょくかる場所ばしょにネジが必要ひつようなため剛性ごうせいすのが困難こんなんで、サーキットよりも、おもストリート使用しようされることがおおい。

溶接ようせつ固定こていおよ固定こていしき[編集へんしゅう]

  • 利点りてん - 車体しゃたい商品しょうひん誤差ごさ場合ばあい車体しゃたいへのけするだけでい。たか剛性ごうせい確保かくほできるのでレーシングカーなどで採用さいようされることがおおい。
  • 欠点けってん - 車体しゃたい商品しょうひん誤差ごさがあれば加工かこう必要ひつようで、溶接ようせつするぶんあそびがなくなるため、衝撃しょうげき吸収きゅうしゅう構造こうぞう場合ばあい片方かたがたのサスペンションの破損はそん反対はんたいがわにまで悪影響あくえいきょうおよぼすことがある。

車体しゃたい取付とりつけ種類しゅるい[編集へんしゅう]

てつスチール)・アルミニウム合金ごうきんチタン合金ごうきんなどがある。

てつ[編集へんしゅう]

ブラケットを溶接ようせつするのが一般いっぱんだが、プレス加工かこう製品せいひんもある。

  • 利点りてん - 生産せいさんがたやすく、てい価格かかく車種しゃしゅ設定せっていおおい。
  • 欠点けってん - アルミ、ステンレスにくらやすい。

アルミニウム[編集へんしゅう]

アルミニウム合金ごうきんとして使用しようする。ブラケットを溶接ようせつする。切削せっさく加工かこうされている場合ばあいもある。

チタン合金ごうきん[編集へんしゅう]

ブラケットを溶接ようせつするのが一般いっぱん

  • 利点りてん - チタンの比重ひじゅうてつやく50 %だが、アルミニウムのやく2ばい強度きょうどがあり、腐食ふしょくしにくい。
  • 欠点けってん - 材料ざいりょう高価こうかで、加工かこうしにくい(工作こうさく機械きかいたない)。

パイプの種類しゅるい[編集へんしゅう]

てつ(スチール)・アルミニウム合金ごうきん・アルカーボン・ドライカーボン・GUDPP(GPP)・チタン合金ごうきんなどがある。

てつ[編集へんしゅう]

こうづけ用品ようひんでは採用さいようされることがすくない。

  • 利点りてん - 安価あんか材料ざいりょう
  • 欠点けってん - 車種しゃしゅ設定せっていすくない、アルミ、チタンにくらびやすい。

最終さいしゅう処理しょり) - 焼付やきつ塗装とそう、カチオン塗装とそうでん塗装とそう)、メッキなど 。

アルミニウム[編集へんしゅう]

アルミニウム合金ごうきんとして使用しようする。こうづけ用品ようひんでは主流しゅりゅう商品しょうひん

  • 利点りてん - 車種しゃしゅ設定せっていおおい。比重ひじゅうてつやく30%でかるく、腐食ふしょくしにくい。
  • 欠点けってん - 強度きょうどひくい。元素げんそくわえアルミニウム合金ごうきんとして使用しようする。

最終さいしゅう処理しょり) - 陽極ようきょく酸化さんか処理しょり(アルマイト)、焼付やきつ塗装とそう、バフ(鏡面きょうめん加工かこう)など。

アルカーボン[編集へんしゅう]

ふくあい素材そざいのような名称めいしょうであるが、そうではなく、アルミニウム合金ごうきんぼう炭素たんそ繊維せんい織物おりもの(カーボンクロス)をきつけただけのもの。ドレスアップ効果こうか見栄みば向上こうじょう)をねらった商品しょうひんおおい。

  • 利点りてん - カーボン自体じたい強度きょうど部材ぶざいではないためカーボンファイバーの使用しようりょうすくなく、製品せいひん単価たんかひくくできる。
  • 欠点けってん - カーボンクロスに、高温こうおんこう圧力あつりょくをかけてない場合ばあいもある。

最終さいしゅう処理しょり) - 繊維せんいせるため、塗装とそうかクリア塗装とそうおおい。

ドライカーボン[編集へんしゅう]

ドライカーボンのパイプでもおおきくけて、こう強度きょうどのみのものと、こう強度きょうど/こう反発はんぱつ両立りょうりつさせた場合ばあいがある。

  • 利点りてん - ちょう軽量けいりょうこう強度きょうど、また製作せいさく方法ほうほうによって衝撃しょうげき吸収きゅうしゅう能力のうりょくのあるこう反発はんぱつ商品しょうひん製作せいさく可能かのう
  • 欠点けってん - オートクレーブや、高温こうおんこうあつえる炭素たんそこうかた必要ひつようなため、製品せいひん単価たんかたかくなる。
  • 最後さいご保護ほごをするためとドレスアップ効果こうかねらった、カーボンクロスをきつけているのはおなじだが、こう強度きょうどのみの場合ばあい、プリプレグ[2]カーボンを積層せきそうして、こうあつ真空しんくう高温こうおんかためるが、 こう強度きょうど/こう反発はんぱつ 両立りょうりつさせるにはプリプレグ以外いがいにも繊維せんいケプラーではい)をぜながら積層せきそうする必要ひつようがある。

最終さいしゅう処理しょり) - カーボン繊維せんいせるため、塗装とそうかクリア塗装とそうおおい。

チタン合金ごうきん[編集へんしゅう]

タワーバーとして使用しようされることはすくない。

  • 利点りてん - 比重ひじゅうてつやく50 %だが、アルミニウムのやく2ばい強度きょうどがある。
  • 欠点けってん - 材料ざいりょう高価こうか

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ 三好みよし俊秀としひで『テストドライバーのないしょばなし山海さんかいどう、2006ねん、34ページ
  2. ^ だいくるまりん (2004ねん). “プリプレグ”. Weblio. 2020ねん6がつ15にち閲覧えつらん

関連かんれん項目こうもく [編集へんしゅう]