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オルタネーター

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
20世紀せいき初頭しょとうハンガリーブダペスト製造せいぞうされ、水力すいりょく発電はつでんしょ利用りようされているオルタネーター

オルタネーター英語えいご: alternator)は交流こうりゅう(alternating current)の電気でんき生成せいせいする発電はつでんである。自動車じどうしゃオートバイ小型こがた航空機こうくうきなどに搭載とうさいされているものは、ダイオードなどを使つかった整流せいりゅう直流ちょくりゅうへと整流せいりゅうされる場合ばあいおおく、これらの分野ぶんやでは整流せいりゅうふくめてオルタネーターとばれる。オートバイの分野ぶんやおも原付げんつき)では、ぜんあきらとう尾灯びとうなど、バッテリーとおさずに交流こうりゅうのまま負荷ふかにつなぐ場合ばあいもあるため、整流せいりゅうふくめずにジェネレーター(えい: generator)ともばれる。

概要がいよう

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オルタネーターの基本きほん原理げんりはコイルを電機でんきとし、永久えいきゅう磁石じしゃくさかいとする永久えいきゅう磁石じしゃく同期どうき発電はつでんである。コイルと永久えいきゅう磁石じしゃくちかづけたりとおざけたりすることでコイルのなかとお磁束じそく密度みつど変化へんかさせ、電磁でんじ誘導ゆうどうによりコイルに発生はっせいする電流でんりゅう交流こうりゅうとしてす。おおくの場合ばあい永久えいきゅう磁石じしゃくかコイルの一方いっぽう回転かいてんさせ、もう一方いっぽう固定こていするが、回転かいてんするがわ回転子かいてんしえい: rotor)、固定こていされるがわ固定こていえい: stator)とぶ。永久えいきゅう磁石じしゃくとコイルの相対そうたいてき位置いち関係かんけい直線ちょくせんてき往復おうふくさせるものもあり、リニアオルタネーター英語えいごばんえい: linear alternator)とばれる。

自動車じどうしゃとう

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自動車じどうしゃとうオルタネーターの内部ないぶ構造こうぞう

自動車じどうしゃなどに搭載とうさいされるオルタネーターはエンジン回転かいてん動力どうりょくげんとして発電はつでんし、電装でんそう部品ぶひん必要ひつよう電力でんりょくむ。出力しゅつりょくじく回転かいてん直接ちょくせつオルタネーターの回転かいてんとする場合ばあいや、ベルトプーリーかいして伝達でんたつされる場合ばあいがある。発電はつでんした交流こうりゅう電力でんりょく直流ちょくりゅう変換へんかんされてバッテリー(蓄電池ちくでんち)やコンデンサたくわえられる。オートバイでは1950年代ねんだいなかばにイギリスせい車種しゃしゅはじめて搭載とうさいされた[1]自動車じどうしゃでは、ふるくは直流ちょくりゅう整流せいりゅう発電はつでんダイナモ)がもちいられてきたが、1960年代ねんだいからオルタネーターへとえがすすんだ[2]直流ちょくりゅう整流せいりゅう発電はつでん比較ひかくすると、オルタネーターは構造こうぞう簡単かんたんなため高速こうそく回転かいてん可能かのうで、アイドリングちゅう発電はつでんできることから採用さいようされるようになった[3]

オルタネーターで発電はつでんされた交流こうりゅう電流でんりゅう整流せいりゅう(レクチファイア、えい: rectifier)によって直流ちょくりゅう電流でんりゅう変換へんかんされる。ダイオードもちいた半導体はんどうたい整流せいりゅう利用りようされる。また、オルタネーターは回転かいてん速度そくどたかくなるほどたか電圧でんあつ発生はっせいするため、電圧でんあつレギュレータ(えい: voltage regulator)によって一定いっていたもたれる(整流せいりゅう一体化いったいかした「レギュレートレクチファイア」などもある)。ふるくはリレー抵抗ていこうもちいて段階だんかい制御せいぎょしていたが、近年きんねん集積しゅうせき回路かいろ(IC)で電圧でんあつ制御せいぎょしている。整流せいりゅうとICを利用りようした電圧でんあつレギュレータは冷却れいきゃくフィンがそなえられたアルミダイカストのケースにおさめられ、オルタネーターのケースに固定こていされている場合ばあいおおい。 オルタネーターは発電はつでん特性とくせいじょう負荷ふかおおかった(よりこう出力しゅつりょく電力でんりょくようとしてプーリーえたり回転子かいてんし電力でんりょく磁力じりょくすと発電はつでん抵抗ていこうす)が、固定こてい改良かいりょうにより負荷ふか軽減けいげんされたものが社外しゃがいひんとして発売はつばいされている。

旧来きゅうらい自動車じどうしゃではオルタネーターが常時じょうじ発電はつでんしていたため、バッテリーなまり蓄電池ちくでんち)がまん充電じゅうでんとなったのちも、バッテリーの電極でんきょくしょうじるみず電気でんき分解ぶんかい電力でんりょく消費しょうひさせていた(このため、電解でんかいえき減少げんしょうしていた)。一方いっぽう近年きんねん自動車じどうしゃでは燃費ねんぴ向上こうじょう目的もくてきとして、バッテリー電圧でんあつ監視かんしし、必要ひつよう電圧でんあつ下回したまわらない範囲はんいでオルタネーターの発電はつでんりょうおさえたり発電はつでん停止ていしさせたりする制御せいぎょおこな車種しゃしゅ充電じゅうでん制御せいぎょしゃ)もある。これはエンジンブレーキ使つか減速げんそくにオルタネーターの負荷ふかげ、わりに加速かそく定常ていじょうげることで発電はつでん使つかわれる燃料ねんりょう消費しょうひおさえつつ、エンジン出力しゅつりょくではなく車両しゃりょう運動うんどうエネルギー電力でんりょくえるもので、回生かいせいブレーキちか仕組しくみである。回生かいせいブレーキによる電力でんりょくをより効率こうりつてき充電じゅうでんするために、従来じゅうらいのバッテリーとはべつリチウムイオン電池でんちスズキ エネチャージ)を追加ついかしたり、キャパシタ追加ついかして可変かへん電圧でんあつしきのオルタネーターを採用さいようするれい(マツダi-ELOOP)もある。

オルタネーターは電圧でんあつあたえることでモーター(永久えいきゅう磁石じしゃく同期どうき発電はつでんであれば永久えいきゅう磁石じしゃく同期どうき電動でんどう)として駆動くどうさせることができるため、ISG(Integrated Starter Generator)やBSG(Belt Starter Generator)、BAS (Belted Alternator Starter) ひとし名称めいしょう自動車じどうしゃにおいては発電はつでん兼用けんようスターターとして利用りようされたり、マイルドハイブリッドばれる方式ほうしき採用さいようする車種しゃしゅではエンジンをアシストするハイブリッドモーターとして利用りようされる場合ばあいもある。ハイブリッドモーターとして採用さいようする場合ばあいにおいて一定いってい以上いじょう出力しゅつりょく必要ひつようとする場合ばあいでは12 Vではなく、36 Vや48 Vなどで発電はつでん/駆動くどうし、バッテリー充電じゅうでん電装でんそうひんへはDC-DCコンバーターかいして12 Vで供給きょうきゅうされる場合ばあいもあるが、一定いってい以下いか出力しゅつりょくであればコストとう勘案かんあんしコンバーターをかいさず12 Vでシステムを完結かんけつさせる場合ばあいもある[4]

オルタネーターは、自動車じどうしゃでは一般いっぱんてき搭載とうさいされる装置そうちであるが、ハイブリッドカーでは、モーターの回生かいせい動作どうさによって電力でんりょくせるため、搭載とうさいされていない車種しゃしゅもある。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ How Alternators Work”. Armoto Motor Units Ltd.. 2014ねん2がつ20日はつか閲覧えつらん
  2. ^ Alternators”. SRM Engineering Ltd.. 2014ねん2がつ20日はつか閲覧えつらん
  3. ^ 飯田いいだいちへん へんだいくるまりん自動車じどうしゃ情報じょうほう辞典じてん三栄書房さんえいしょぼう、2003ねんISBN 4879046787 
  4. ^ 日産にっさんのS-HYBRIDやスズキのSエネチャージ、マイルドハイブリッドなど

参考さんこう文献ぶんけん

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  • 電気でんき学会がっかいへん へん電気でんき工学こうがくハンドブック』(だい2はん電気でんき学会がっかい 

関連かんれん項目こうもく

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