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ルノー・4

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ルノー・4(Renault 4,R4)は、フランス自動車じどうしゃ製造せいぞう会社かいしゃであるルノー製造せいぞう販売はんばいしていた乗用車じょうようしゃフランス語ふらんすごでは「4」を「キャトル」、または「カトル」(ふつ: quatre)とむ。商業しょうぎょうてき成功せいこうした世界せかいはつハッチバックくるまとされ、やく835まんだい生産せいさんされた。モデルチェンジなしの量産りょうさんしゃとしてはフォルクスワーゲン・タイプ1フォード・モデルTぐ、累計るいけい世界せかいだい3生産せいさん台数だいすう記録きろくしている。

概要がいよう[編集へんしゅう]

ルノー・4
前期ぜんきがた
後期こうきがた
概要がいよう
製造せいぞうこく フランスの旗 フランス
アルジェリアの旗 アルジェリア
モロッコの旗 モロッコ
メキシコの旗 メキシコ
 コロンビア
ポルトガルの旗 ポルトガル
オーストラリアの旗 オーストラリア
スロベニアの旗 スロベニア
アルゼンチンの旗 アルゼンチン
販売はんばい期間きかん 1961–1992ねん
ボディ
ボディタイプ 5ドアハッチバック
2ドアバン
2ドアピックアップトラック
パワートレイン
エンジン 0.7/0.8/1.0/1.1L I4
車両しゃりょう寸法すんぽう
全長ぜんちょう 3,665mm
全幅ぜんぷく 1,485mm
ぜんこう 1,470 mm
車両しゃりょう重量じゅうりょう 600–750kg
系譜けいふ
先代せんだい ルノー・4CV
後継こうけい ルノー・トゥインゴ
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1950年代ねんだいのフランスにおける人気にんき車種しゃしゅであったシトロエン・2CV徹底的てっていてき研究けんきゅうして設計せっけい開発かいはつされた。

当時とうじルノーでは最小さいしょうモデルとして750ccきゅうリアエンジンルノー・4CV生産せいさんしていたが、リアエンジンは室内しつない空間くうかんひろくできるものの、車体しゃたい前部ぜんぶトランク容量ようりょうちいさく、使つか勝手がってがいいとはえなかった。また、エンジンタイヤエンジンオイル道路どうろ舗装ほそう進歩しんぽによる速度そくど路面ろめんグリップりょく向上こうじょうも、リアエンジンしゃにとっては不安ふあん要素ようそとなった。

4CVは1946ねんからながらく生産せいさんされており、時流じりゅうくらべてやや旧態きゅうたい依然いぜん陳腐ちんぷしていた。後継こうけいモデル開発かいはつにあたっては、前輪ぜんりん駆動くどうの2CVが当初とうしょ缶詰かんづめとう嘲笑ちょうしょうされつつも、着実ちゃくじつにフランスの路上ろじょう繁殖はんしょくしている以上いじょう、それを凌駕りょうがするくるまにすることが必須ひっすだった。

このため前輪ぜんりん駆動くどう方式ほうしき採用さいようするとともに、機能きのうせい優先ゆうせん小型こがた貨物かもつバンおもわせるバックドアきの2ボックスハッチバックスタイルを採用さいようした。乗用車じょうようしゃではあるが貨物かもつしゃのような汎用はんようせいそなえ、ラゲッジスペースにかぎりのあったシトロエン・2CVにけたのである[1]

ルノーのベーシックモデルとして企画きかくされた4シリーズ(当初とうしょ排気はいきりょう750cc。当初とうしょ600ccのルノー・3存在そんざいした)は、経済けいざいてき実用じつようせいたか小型車こがたしゃであったことから庶民しょみんれられ、ルノーの大衆たいしゅうしゃ市場いちばでの足場あしばかためた。

このモデルの基本きほん設計せっけい基礎きそとして、1968ねんルノー・61972ねんルノー・5かく前輪ぜんりん駆動くどうしゃ登場とうじょうし、それ以外いがいにも、商用しょうよう仕様しようの「4/F4、4/F6(フルゴネット)」や様々さまざま特別とくべつ仕様しようしゃレジャーようの『ロデオ』シリーズとう派生はせいした。2CVのような熱心ねっしんファンこそすくなかったものの、商業しょうぎょうてきにはおおきな成功せいこうおさめ、1992ねんまで生産せいさんつづけられた。

フルゴネット

特徴とくちょう[編集へんしゅう]

車体しゃたい[編集へんしゅう]

  • そうされるボディは、4ドアとテールゲート(ハッチバック)をわせたものだが、この2ボックスがた貨物かもつしゃふうボディ形式けいしきは、フォルクスワーゲン・ゴルフなど、おおくのハッチバックくるま先駆さきがけとなった。ライバルしゃシトロエン・2CV同様どうよう、コストダウンのため、すべてのまどには平面へいめんガラスを使用しようしている。よんまいあるドアウインドウはいわゆるちがしきで、2CVのしきよりは使つかいやすかったが、注意ちゅういしないとはずれて室内しつないちることがある。
  • 室内しつないからのドアの開閉かいへいは、ちょうどはいるサイズにひらいているあなに、んで操作そうさする簡素かんそ方式ほうしきである。
  • 換気かんきはフロントウインドシールドフラップしきベンチレーター利用りようした簡易かんい構造こうぞうで、このてんもシトロエン・2CVとおなじであり、ふる時代じだいクーラー[よう曖昧あいまい回避かいひ]搭載とうさい考慮こうりょしていない大衆たいしゅうしゃではごく標準ひょうじゅんてき方法ほうほうである。日本にっぽんなど各国かっこく気候きこうわせ、こうづけクーラーを搭載とうさいするくるま存在そんざいしたが、プーリーのベルトがゆるむトラブルを多発たはつさせる原因げんいんになった。
  • 内装ないそうはドアにかろうじてぬのってあるものの、基本きほんてき鉄板てっぱんきだしであった。
  • 座席ざせきぬのりにスプリングをわせた簡易かんい構造こうぞうながら良好りょうこうすわ心地ごこちであった[2]
  • ウインドウウォッシャーは電動でんどうしきではなく、ゆかのペダルをむことにより、水鉄砲みずでっぽう方式ほうしききかけられる。れるとペダルをつよさを調節ちょうせつしてきな位置いちくことができた。
  • のラテンしゃ同様どうようキャンバストップくるまおおく、純正じゅんせいのWサンルーフのほかこうけのキャンバストップ仕様しようおお存在そんざいする。

サスペンション・ドライブトレーン[編集へんしゅう]

  • サスペンションまえたてトーションバー・スプリングによるダブルウィッシュボーンしきうしろはよこきトーションバー・スプリングでささえられたフル・トレーリングアームしきだが、後部こうぶサスペンションのトーションバーは左右さゆうとも車体しゃたい全幅ぜんぷくちかながさをつ、やわらかでストロークおおきな設定せっていである。
    • ながいトーションバー・スプリング2ほんはどうしてもずらして配置はいちせざるをないが、上下じょうげ並行へいこうでは室内しつない空間くうかん圧迫あっぱくされることから、前後ぜんご平行へいこう配置はいちした。その結果けっか左右さゆうホイールベースに50 mmのずれがしょうじることとなったが、こうにこの程度ていどのわずかなずれがあってもおおきな問題もんだいにはならないという、前輪ぜんりん駆動くどうしゃならではのユニークなりによる手法しゅほうである。この結果けっかしつゆかたいらにでき、サスペンションセッティングの自由じゆうたかめて、すぐれたあく走破そうはせい確保かくほできた。ただしサスペンション・ストロークをおおきくっているため、空車くうしゃ状態じょうたいでは車体しゃたい後部こうぶおおきくがったまえのめりの格好かっこうとなる。
リアサスペンション平面へいめん
  • エンジンは当初とうしょ4CVのものをそのまま活用かつようし、搭載とうさい位置いちトランスミッション先頭せんとうで、その直後ちょくごディファレンシャルエンジンがたてされた。リアエンジンしゃようのドライブトレーンを、そのままのきで車体しゃたい前方ぜんぽう移植いしょくしたような体裁ていさいである。
    • シフトレバーはトランスミッションからながぼうかいし、エンジンをえ、くるましつ前方ぜんぽう隔壁かくへきつらぬいて、運転うんてんせきダッシュボード直接ちょくせつつながっている構造こうぞうで、シトロエンのトラクシオン・アバンや2CVとおな手法しゅほうである。変速へんそく操作そうさシトロエン・2CVた、ダッシュボードからえたレバーをまわしたり、きする方式ほうしきで、前進ぜんしん4そく後進こうしん1そくである。ちなみに1そく後進こうしんはカウンターギアをれしておなじギアを使用しようするが、この方式ほうしき初期しょき5(サンク)同様どうようである。

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ 2CVはラゲッジスペースとなる車体しゃたい後部こうぶおおきく傾斜けいしゃしているため、かさばるだい荷物にもつ場合ばあい、トランクぶた屋根やねのキャンバストップをはずして、荷物にもつ車外しゃがい露出ろしゅつさせる必要ひつようがあった。
  2. ^ 廃車はいしゃから座席ざせきって自宅じたくのソファーとして使つかっているマニアも存在そんざいした。

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]