ドイツ鉄道 てつどう 101型 がた 電気 でんき 機関 きかん 車 しゃ (DBAG Baureihe 101 ) は、ドイツ鉄道 てつどう が保有 ほゆう ・運用 うんよう する、特急 とっきゅう 旅客 りょかく 用 よう 交流 こうりゅう 電気 でんき 機関 きかん 車 しゃ 。ドイツ鉄道 てつどう 発足 ほっそく 後 ご の1996年 ねん から1999年 ねん にかけて、最初 さいしょ の試作 しさく 車 しゃ 3両 りょう を含 ふく む計 けい 145両 りょう がアドトランツ (AdTranz 、現 げん ・ボンバルディア・トランスポーテーション )で製造 せいぞう された。ICE と並 なら び、ドイツ鉄道 てつどう のフラッグシップ となる車両 しゃりょう である。
アメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく では、この101型 がた を基礎 きそ としたALP-46 機関 きかん 車 しゃ がニュージャージー・トランジット の通勤 つうきん 鉄道 てつどう に投入 とうにゅう されている。
前身 ぜんしん のドイツ連邦 れんぽう 鉄道 てつどう 時代 じだい の1970年代 ねんだい に製造 せいぞう され、30年 ねん 以上 いじょう にわたって特急 とっきゅう 列車 れっしゃ (TEE 、EC 、IC ) の牽引 けんいん を中心 ちゅうしん に使用 しよう されていた名 な 機 き ・103型 がた 電気 でんき 機関 きかん 車 しゃ の老朽 ろうきゅう 化 か により、それらを置 お き換 か えるための後継 こうけい 機 き として製造 せいぞう された。
本来 ほんらい ならば、高速 こうそく 旅客 りょかく 列車 れっしゃ から重 じゅう 貨物 かもつ 列車 れっしゃ まで幅広 はばひろ く対応 たいおう する万能 ばんのう 電気 でんき 機関 きかん 車 しゃ として1980年代 ねんだい に開発 かいはつ された120型 がた 電気 でんき 機関 きかん 車 しゃ が103型 がた の後継 こうけい 機 き となるはずであったが、特 とく に高速 こうそく 運転 うんてん 時 じ のトラブルが頻発 ひんぱつ したため、高速 こうそく 旅客 りょかく 列車 れっしゃ 専用 せんよう の機関 きかん 車 しゃ を開発 かいはつ することになった。それがこの101型 がた である。145両 りょう の製造 せいぞう 両 りょう 数 かず は、103型 がた 量産 りょうさん 機 き と同 おな じ両 りょう 数 かず である。
電気 でんき 機器 きき などは、ICE 1 で実績 じっせき のある三 さん 相 そう 交流 こうりゅう 誘導 ゆうどう 電動 でんどう 機 き を採用 さいよう している。車体 しゃたい はアルミニウム合金 ごうきん 製 せい で軽量 けいりょう 化 か されており、省 しょう エネルギー化 か が図 はか られている。また、"Eco2000 Design " と呼 よ ばれる環境 かんきょう 対策 たいさく 設計 せっけい も施 ほどこ されている。在来 ざいらい 線 せん に加 くわ えて高速 こうそく 新 しん 線 せん の走行 そうこう も可能 かのう である。
ヨーロッパの鉄道 てつどう では、折 お り返 かえ し時 じ などの機関 きかん 車 しゃ 付 つ け替 か えの手間 てま を省 はぶ くなどの目的 もくてき で、列車 れっしゃ 最前 さいぜん 部 ぶ の運転 うんてん 台 だい 付 つ き客車 きゃくしゃ から最後 さいご 部 ぶ の機関 きかん 車 しゃ を遠隔 えんかく 制御 せいぎょ し、機関 きかん 車 しゃ が客車 きゃくしゃ を押 お すような列車 れっしゃ 編成 へんせい 方法 ほうほう (推進 すいしん 列車 れっしゃ )が幅広 はばひろ く行 おこな われている。これは主 おも に普通 ふつう 列車 れっしゃ で用 もち いられ、最高 さいこう 速度 そくど 200km/h で走 はし る特急 とっきゅう 列車 れっしゃ では実施 じっし されていなかったが、101型 がた の登場 とうじょう で最高 さいこう 速度 そくど 200km/hでの推進 すいしん 列車 れっしゃ が可能 かのう となり(運転 うんてん 台 だい 付 つ き特急 とっきゅう 用 よう 客車 きゃくしゃ も同 どう 時期 じき に登場 とうじょう している)、折 お り返 かえ し時間 じかん や機関 きかん 車 しゃ 交換 こうかん 時間 じかん の削減 さくげん が実現 じつげん した。
塗装 とそう は、最初 さいしょ の試作 しさく 車 しゃ 3両 りょう は "Orientrot "(東洋 とうよう 赤色 あかいろ )と呼 よ ばれる多少 たしょう 暗 くら めの赤色 あかいろ 1色 しょく 塗装 とそう であるが、以降 いこう の量産 りょうさん 期 き ではドイツ鉄道 てつどう のコーポレートカラー で朱色 しゅいろ に近 ちか い赤色 あかいろ である "Verkehrsrot "(交通 こうつう 赤色 あかいろ )塗装 とそう となった。1998年 ねん からは全面広告 ぜんめんこうこく 塗装 とそう 車 しゃ が登場 とうじょう し、2011年 ねん 現在 げんざい ではさまざまなバリエーションの広告 こうこく 塗装 とそう 車 しゃ がドイツ全土 ぜんど を駆 か け巡 めぐ っている。
また、1999年 ねん から約 やく 5年間 ねんかん 、ハンブルク とケルン を結 むす ぶ全車 ぜんしゃ 一等 いっとう 車 しゃ の特急 とっきゅう 列車 れっしゃ 「メトロポリタン 」 (Metropolitan ) が運転 うんてん されていたが、この列車 れっしゃ の牽引 けんいん 機関 きかん 車 しゃ として灰色 はいいろ をベースとした塗装 とそう が施 ほどこ された専用 せんよう の101型 がた が用意 ようい されていた。
試作 しさく 車 しゃ の登場 とうじょう から10年 ねん 以上 いじょう が経過 けいか しているが、この間 あいだ のICE網 もう の拡充 かくじゅう により客車 きゃくしゃ による特急 とっきゅう 列車 れっしゃ は減少 げんしょう の傾向 けいこう にある。また、以前 いぜん はオーストリア のウィーン に乗 の り入 い れることもあったが、のちにドイツ国内 こくない の運用 うんよう がメインとなっている。それでも145両全 りょうぜん 機 き (101 092号機 ごうき は2001年 ねん の夜行 やこう 列車 れっしゃ 脱線 だっせん 転覆 てんぷく 事故 じこ で大破 たいは し、その後 ご 復旧 ふっきゅう )がハンブルク を拠点 きょてん として、最高 さいこう 速度 そくど 200km/hでドイツ国内 こくない の特急 とっきゅう 列車 れっしゃ の牽引 けんいん に使用 しよう されている。
仕様 しよう と技術 ぎじゅつ 的 てき 特徴 とくちょう [ 編集 へんしゅう ]
101形 かたち 009号機 ごうき 機関 きかん 車 しゃ 牽引 けんいん のインターシティー列車 れっしゃ
101形 かたち 機関 きかん 車 しゃ の目立 めだ った特徴 とくちょう は、同 どう 時代 じだい に制作 せいさく された他 ほか の機関 きかん 車 しゃ のように、広 ひろ い幅 はば で斜 なな めの頭部 とうぶ である。頭部 とうぶ の輪郭 りんかく は空気 くうき 抵抗 ていこう を最小限 さいしょうげん とする形状 けいじょう で、機関 きかん 車 しゃ と客車 きゃくしゃ の間 あいだ が長 なが くなる。その間 あいだ で発生 はっせい する渦 うず のため、角 かく のある頭部 とうぶ の利点 りてん は台無 だいな しになる。
運転 うんてん 台 だい は120形 かたち 電車 でんしゃ と401形 かたち 電車 でんしゃ の運転 うんてん 台 だい とように右側 みぎがわ に設置 せっち されて、一体化 いったいか されたフロントグラスの高 こう 費用 ひよう を避 さ けるのができる。台車 だいしゃ 覆 おお い(Drehgestellblende)は101形 かたち 機関 きかん 車 しゃ の特徴 とくちょう の一 ひと つで、台車 だいしゃ 枠 わく の側 がわ 梁 はり の外 そと に装着 そうちゃく され、下 した に車輪 しゃりん の軸受 じくう け高 たか さまで至 いた る。
機関 きかん 車 しゃ の車体 しゃたい はヘニヒスドルフ工場 こうじょう とヴロツワフ工場 こうじょう で溶接 ようせつ による結合 けつごう で制作 せいさく された。前 ぜん 頭部 とうぶ の緩衝 かんしょう 器 き は1000 kNの圧縮 あっしゅく 力 りょく を耐 た えて、前 まえ のガラスは700 kNの圧縮 あっしゅく 力 りょく を吸収 きゅうしゅう するよう設計 せっけい された。構体の側面 そくめん にはふみ版 ばん (Gerüst)が垂直 すいちょく の輪郭 りんかく で設置 せっち されている。屋根 やね はアルミニウムで三 みっ つの部分 ぶぶん で制作 せいさく されて、その部分 ぶぶん は5 mmの金属 きんぞく 版 ばん を溶接 ようせつ で組 く み合 あ わせたフランジ と繋 つな がっている。
101形 かたち 機関 きかん 車 しゃ の台車 だいしゃ 枠 わく の傾斜 けいしゃ (左上 ひだりうえ )と右 みぎ から伸 の びる引張 ひっぱ ・圧縮 あっしゅく のはり部材 ぶざい (下 した )
台車 だいしゃ は250 km/hの走行 そうこう 向 む けに設計 せっけい されて、401形 かたち 電車 でんしゃ の動力 どうりょく 車 しゃ にちなんで制作 せいさく された。台車 だいしゃ 枠 わく は他 た の軌間 きかん 向 む けの輪 わ 軸 じく が設置 せっち できるよう制作 せいさく されたが、スイス鉄道 てつどう のRe 460形 かたち 機関 きかん 車 しゃ の台車 だいしゃ に適用 てきよう されたものの、ドイツ鉄道 てつどう は軌間 きかん 変更 へんこう の可能 かのう 性 せい を放棄 ほうき した。
台車 だいしゃ の動力 どうりょく 伝達 でんたつ は車体 しゃたい と台車 だいしゃ の間 あいだ で引張 ひっぱ ・圧縮 あっしゅく のはり部材 ぶざい (Zug-/Druck-Stange)により生 しょう じる。台車 だいしゃ における四 よん 本 ほん のコイルばねにばねの圧縮 あっしゅく および垂直 すいちょく 方向 ほうこう の外力 がいりょく が作用 さよう する。コイルばねが台車 だいしゃ で沈 しず むところへ、台車 だいしゃ 枠 わく は容易 たやす くすこし下 した へ傾 かたむ く。両 りょう 端 はし の棒 ぼう (Kopfträger)は圧縮 あっしゅく 空気 くうき および制動 せいどう キャリパーの作用 さよう による力 ちから を受 う けてコイルばねの縁 えん より下 した へ傾 かたむ く。内部 ないぶ 両端 りょうたん の棒 ぼう はかなり重 おも い枕 まくら ばりの旋回 せんかい 軸 じく を支 ささ えて引張 ひっぱ ・圧縮 あっしゅく のはり部材 ぶざい を上 あ げる。「不 ふ 均衡 きんこう の車輪 しゃりん 荷重 かじゅう 」(Tiefanlenkung)により引張 ひっぱ ・圧縮 あっしゅく のはり部材 ぶざい の末端 まったん はレール上端 じょうたん からおよそ150 mmの上 うえ に下 さ がる。横 よこ ばりの代 か わりに台車 だいしゃ 枠 わく にはねじでつめられた補助 ほじょ はり(Hilfeträger)が追加 ついか されて、その部材 ぶざい は主 しゅ 電動 でんどう 機 き を構体に固定 こてい するのに役 やく に立 た つ。モーターは振 ふ り子 こ を介 かい して両 りょう 端 はし の棒 ぼう と連結 れんけつ されている。駆動 くどう 装置 そうち の荷重 かじゅう は台車 だいしゃ の水平 すいへい 方向 ほうこう に全然 ぜんぜん かからないものの、重量 じゅうりょう の4割 わり は台車 だいしゃ の垂直 すいちょく 方向 ほうこう に分散 ぶんさん する。残 のこ りの6割 わり は衝撃 しょうげき 緩和 かんわ 可能 かのう な構体が支 ささ えている。
台車 だいしゃ の軸 じく 距はIC先頭 せんとう 動力 どうりょく 車 しゃ の場合 ばあい と違 ちが って2650 mmである。短 みじか い軸 じく 距で機関 きかん 車 しゃ はICE列車 れっしゃ と比 くら べて急 きゅう な曲線 きょくせん 区間 くかん でも走行 そうこう できる。車輪 しゃりん は顧客 こきゃく の要求 ようきゅう により最大限 さいだいげん に直径 ちょっけい 1250 mmで制作 せいさく されて、摩耗 まもう の場合 ばあい 直径 ちょっけい 1170 mmまで使用 しよう できる。台車 だいしゃ の密集 みっしゅう 構造 こうぞう の理由 りゆう で構体と台車 だいしゃ の相対 そうたい 変位 へんい は少 すく なくなって、モーターの電源 でんげん ケーブルが伸 の びるようとなった。その故 ゆえ に、部品 ぶひん の組 く み合 あ わせが容易 たやす くて寿命 じゅみょう が長 なが くなった。
ドイツ鉄道 てつどう 株式会社 かぶしきがいしゃ の製品 せいひん 要求 ようきゅう 仕様 しよう 文書 ぶんしょ (Lastenheft)によれば、主 しゅ 電動 でんどう 機 き のモーターおよび変速 へんそく 機 き は200万 まん km走行 そうこう の期間 きかん に故障 こしょう なしに動 うご くことが要求 ようきゅう されて[1] 、101形 かたち 向 む けの、新 あたら しい部品 ぶひん の開発 かいはつ が必要 ひつよう であった。ABB は、新 あたら しい半 はん 吊 つ り掛 か け駆動 くどう 方式 ほうしき として、電動 でんどう 機 き が車体 しゃたい および中空 なかぞら 軸 じく に吊 つ り掛 か けられている統合 とうごう クイル式 しき 駆動 くどう 装置 そうち (Integrierter Gesamtbetrieb)を開発 かいはつ した[2] 。変速 へんそく 機 き ハウジングの内部 ないぶ にあるピニオンにフランジがつけられている。潤滑油 じゅんかつゆ 損失 そんしつ は軸受 じくうけ にジョイントの接触 せっしょく を防止 ぼうし する方式 ほうしき で最小 さいしょう となった。
駆動 くどう トルクは中間 ちゅうかん 歯車 はぐるま (Zwischenrad)から一 いち 番目 ばんめ のゴム製 せい 自在 じざい 継手 つぎて 、中空 なかぞら 軸 じく 、向 む こう側 がわ の大 だい 歯車 はぐるま (Antriebsrad)上 じょう に固定 こてい された六 むっ つの大形 おおがた ボルトを経 へ て、大 おお きい車輪 しゃりん に伝達 でんたつ される。変速 へんそく 機 き の場合 ばあい 、大 だい 歯車 はぐるま とピニオンとの比率 ひりつ は3.95対 たい 1と設計 せっけい されている。主 しゅ 電動 でんどう 機 き 回転子 かいてんし の回転 かいてん 数 すう は3940 rpmに制限 せいげん している。中間 なかま 歯車 はぐるま の組 く み立 た てを介 かい してモーターと中空 なかぞら 軸 じく は、ブレーキディスクが中空 ちゅうくう 軸 じく に結 むす び付 つ けられるように、十分 じゅうぶん な距離 きょり で離 はな れている。その上 うえ ブレーキディスクの設置 せっち 空間 くうかん はよこはりと旋回 せんかい 軸 じく の抜 ぬ きで確保 かくほ されている。
ブレーキディスクはそれぞれ設置 せっち されて周 まわ りに空気 くうき が循環 じゅんかん する。交換 こうかん 時 じ ディスクは下 した へ分離 ぶんり されて、中空 なかぞら 軸 じく を分解 ぶんかい する必要 ひつよう はない。機関 きかん 車 しゃ の制動 せいどう 時 じ 、発電 はつでん ブレーキ および回生 かいせい ブレーキ も作動 さどう する。制動 せいどう 装置 そうち のコンピューターは発電 はつでん ブレーキと空気 くうき ブレーキ の相互 そうご 作用 さよう を制御 せいぎょ する。ことごとくのブレーキディスクではシリンダーがあって、車輪 しゃりん あたり一 ひと つのシリンダーはばねの復元 ふくげん 力 りょく による列車 れっしゃ 制動 せいどう に用 もち いられる。
主 しゅ 電動 でんどう 機 き ではハウジングがなくて、固定 こてい 子 こ コイル束 たば は引張 ひっぱ り部材 ぶざい と圧縮 あっしゅく 板 ばん により結 むす び付 つ けられている。それにより固定 こてい 子 こ の外形 がいけい が作 つく られてハウジングは必要 ひつよう がなくなる。冷却 れいきゃく 用 よう 空気 くうき は導管 どうかん と開 あ けられた穴 あな を通 つう じて流 なが れる。回転子 かいてんし ではケイ素 けいそ 鋼 こう 磁心が用 もち いられて、磁心は圧縮 あっしゅく 板 ばん により結 むす び付 つ けられている。
変圧 へんあつ 器 き の重量 じゅうりょう は13トンで、今 いま までドイツで制作 せいさく された機関 きかん 車 しゃ の変圧 へんあつ 器 き のなかでもっとも重 おも い。皮相 ひそう 電力 でんりょく 1.6 MVAは主 しゅ 電動 でんどう 機 き の変換 へんかん 器 き に、皮相 ひそう 電力 でんりょく 800 kVAは機関 きかん 車 しゃ と客車 きゃくしゃ の連結 れんけつ 器 き および機関 きかん 車 しゃ の補助 ほじょ 電源 でんげん 装置 そうち (Hilfsbetriebe)[注釈 ちゅうしゃく 1] に分配 ぶんぱい される。ポリエステルは冷却 れいきゃく 用 よう 油 ゆ として活用 かつよう される。変圧 へんあつ 器 き は機械 きかい 室 しつ 床 ゆか の下 した で構体と接触 せっしょく する台車 だいしゃ の間 あいだ にかけている。主 しゅ 変圧 へんあつ 器 き の設置 せっち 場所 ばしょ では列車 れっしゃ 脱線 だっせん および同等 どうとう の事態 じたい に関 かん する保護 ほご 策 さく が必要 ひつよう である。ドイツ鉄道 てつどう は85 %の変圧 へんあつ 器 き 効率 こうりつ を要求 ようきゅう したので、その条件 じょうけん を満足 まんぞく し最適 さいてき な効率 こうりつ を得 え るために、半導体 はんどうたい 分野 ぶんや の研究 けんきゅう が促進 そくしん された。補助 ほじょ 電源 でんげん 装置 そうち の場合 ばあい 、インバーターに絶縁 ぜつえん ゲート二 に 極 きょく トランジスター が活用 かつよう されて、それが全体 ぜんたい 的 てき な変圧 へんあつ 器 き の効率 こうりつ 向上 こうじょう に寄与 きよ した。
変圧 へんあつ 器 き には名目 めいもく 電圧 でんあつ 1514 Vの駆動 くどう 装置 そうち 側 がわ コイル四 よん 巻 ま き、ノイズフィルター 回路 かいろ 一 いち 個 こ 、230 Vおよび351 Vの補助 ほじょ 電源 でんげん 装置 そうち 側 がわ コイルそれぞれ一 いち 巻 ま き、1000 Vの客車 きゃくしゃ の連結 れんけつ 器 き 側 がわ コイル一 いち 巻 ま きが装置 そうち されている。351 Vのコイルは補助 ほじょ 電源 でんげん 装置 そうち のインバーターに必要 ひつよう で、空気 くうき 圧縮 あっしゅく 機 き 、インヴァーター用 よう 、変圧 へんあつ 器用 きよう 、主 しゅ 電動 でんどう 機 き 用 よう 冷却 れいきゃく ファン、インヴァーター用 よう 送風 そうふう 機 き などに電流 でんりゅう を供給 きょうきゅう する。230 Vのコイルは運転 うんてん 室 しつ の暖房 だんぼう 機 き 、空調 くうちょう 装置 そうち などに電流 でんりゅう を供給 きょうきゅう する。
駆動 くどう 装置 そうち の電流 でんりゅう [ 編集 へんしゅう ]
機関 きかん 車 しゃ には主 しゅ 電動 でんどう 機 き の牽引 けんいん 力 りょく が個別 こべつ 的 てき に統制 とうせい されることで、ことごとくの状況 じょうきょう で全 ぜん 車輪 しゃりん の摩擦 まさつ 力 りょく は最適 さいてき の数値 すうち で作用 さよう するのが可能 かのう である。車輪 しゃりん の制御 せいぎょ にはまた、一 ひと つの駆動 くどう 装置 そうち が止 と まる場合 ばあい 、75 %の駆動 くどう 装置 そうち だけで機関 きかん 車 しゃ が走行 そうこう できる長所 ちょうしょ もある。
変圧 へんあつ 器 き の主 しゅ 電動 でんどう 機 き 側 がわ コイルに可変 かへん 周波数 しゅうはすう インバーターが連結 れんけつ されて、Hブリッジ回路 かいろ (Vierquadratensteller)、直流 ちょくりゅう 電圧 でんあつ の電力 でんりょく 変換 へんかん 回路 かいろ (Gleichspannungs-Zwischenkreis)、パルスインバーターから構成 こうせい される。Hブリッジ回路 かいろ とパルスインバーターは普遍 ふへん 的 てき に適用 てきよう 可能 かのう な電力 でんりょく 変換 へんかん 回路 かいろ モジュール(Stromrichtermodule)から組 く み立 た てられ、モジュールは電力 でんりょく 用 よう 半導体 はんどうたい 、電線 でんせん 、保護 ほご 装置 そうち から構成 こうせい されている。電力 でんりょく 変換 へんかん 回路 かいろ におけるGTOサイリスターは、駆動 くどう 制御 せいぎょ 装置 そうち から光 ひかり ファイバーを経 へ てくるイムパルス信号 しんごう により制御 せいぎょ される。半導体 はんどうたい 素子 そし および変圧 へんあつ 器 き はポリエステル油 ゆ で冷 ひ える。共振 きょうしん 回路 かいろ (Saugkreis)は電力 でんりょく 変換 へんかん 回路 かいろ の内部 ないぶ に配置 はいち されて、33 ⅓ Hz へるつ に同調 どうちょう し電力 でんりょく 波形 はけい を平 たい らにする役割 やくわり を果 は たす。
機関 きかん 車 しゃ の走行 そうこう 時 じ 、電気 でんき エネルギーはDSA 350 SEK機種 きしゅ の集 しゅう 電 でん 装置 そうち に通 つう じて供給 きょうきゅう され、変圧 へんあつ 器 き の一 いち 次 じ コイルに至 いた り二 に 次 じ コイルから抜 ぬ ける。ことごとくのコイルの交流 こうりゅう 電圧 でんあつ はHブリッジ回路 かいろ に供給 きょうきゅう される。パルスインバーターは様々 さまざま な周波数 しゅうはすう と電圧 でんあつ の三 さん 相 そう 交流 こうりゅう を直流 ちょくりゅう 電流 でんりゅう に転換 てんかん して駆動 くどう 装置 そうち である誘導 ゆうどう 電動 でんどう 機 き に供給 きょうきゅう うる。機関 きかん 車 しゃ の制動 せいどう 時 じ 、主 しゅ 電動 でんどう 機 き は発電 はつでん 機 き として作動 さどう して、パルスインバーターに電流 でんりゅう を供給 きょうきゅう する。パルスインバーターはその時 とき 直流 ちょくりゅう 変換 へんかん 器 き として作動 さどう する。Hブリッジ回路 かいろ から直流 ちょくりゅう は交流 こうりゅう に転換 てんかん されて、電力 でんりょく は変圧 へんあつ 器 き を経 へ て駆動 くどう 機 き の回路 かいろ へ供給 きょうきゅう される。
制御 せいぎょ およびディスプレー・ソフトウェア[ 編集 へんしゅう ]
機関 きかん 車 しゃ に装着 そうちゃく された自動 じどう 運行 うんこう 制動 せいどう 制御 せいぎょ 装置 そうち は、登録 とうろく された速度 そくど を保 たも つことで運転 うんてん 士 し を支援 しえん する。車輪 しゃりん の滑 すべ り止 ど めの制御 せいぎょ 器 き は車両 しゃりょう の実際 じっさい 速度 そくど と車輪 しゃりん の回転 かいてん 速度 そくど 間 あいだ の巨視的 きょしてき な差 さ を検出 けんしゅつ ・統制 とうせい する。その制御 せいぎょ を通 つう じて、車輪 しゃりん とレールの間 あいだ の粘着 ねんちゃく 力 りょく が消 き える。この滑 すべ り止 と め制御 せいぎょ (Schlupfregelung)のために非常 ひじょう に正確 せいかく な速度 そくど データが必要 ひつよう なので、速度 そくど の測定 そくてい にはレーダーが用 もち いられる。同時 どうじ に滑 すべ り止 と めの制御 せいぎょ はレーダーなしでも機能 きのう する事実 じじつ が判明 はんめい している。
101形 かたち 機関 きかん 車 しゃ にはアセア・ブラウン・ボヴェリ社 しゃ の開発 かいはつ した16ビット・コンピューターシステムの MICAS S モデルが駆動 くどう 系 けい 統制 とうせい システム(Traktionsleitsystem)として装着 そうちゃく されている。MICAS Sシステムは上位 じょうい の車両 しゃりょう 統制 とうせい 機能 きのう および駆動 くどう 機能 きのう 向 む けの周辺 しゅうへん 機器 きき の制御 せいぎょ を担当 たんとう する。機関 きかん 車 しゃ の操縦 そうじゅう 、監視 かんし 、診断 しんだん のために、データ用 よう バスは設備 せつび されて、複雑 ふくざつ に連結 れんけつ された電線 でんせん が画期的 かっきてき に減 へ らされた。バスシステム用 よう 電線 でんせん はほとんど構体の側面 そくめん に配線 はいせん されている。MICAS Sや診断 しんだん システムに集 あつ まるすべてのデータ、他 た のデータは中央 ちゅうおう 制御 せいぎょ 装置 そうち (Zentrale Steuergerät, ZSG)に伝送 でんそう される。機関 きかん 車 しゃ の主要 しゅよう 機能 きのう に関 かん する指令 しれい はZSGにより実行 じっこう される。四 よん 組 くみ のコンピューターは中央 ちゅうおう 制御 せいぎょ 装置 そうち として客車 きゃくしゃ とバスシステム制御 せいぎょ を実行 じっこう して、自動 じどう 列車 れっしゃ 停止 ていし 装置 そうち や機関 きかん 車 しゃ の状態 じょうたい をチェックする。またこのコンピュターは車両 しゃりょう の診断 しんだん も実行 じっこう する。
列車 れっしゃ 保安 ほあん の車 くるま 上 じょう 装置 そうち としてLZB 80 向 む けの装置 そうち およびPZB 90 向 む けの装置 そうち が採用 さいよう されている。140号機 ごうき から144号機 ごうき までの機関 きかん 車 しゃ にはETCS 向 む けの車 くるま 上 じょう 装置 そうち が試験 しけん 用途 ようと で2001年 ねん 中期 ちゅうき まで設置 せっち された[3] 。2021年 ねん 1機 き の機関 きかん 車 しゃ にETCS装置 そうち を備 そな えさせるプロジェクトが開始 かいし されて[4] 、2022年 ねん 2月 がつ に試運転 しうんてん が実行 じっこう された。また車両 しゃりょう 診断 しんだん システムも開発 かいはつ されて、すべての機関 きかん 車 しゃ の故障 こしょう メッセージを鉄道 てつどう 網 もう の特定 とくてい 地点 ちてん と無関係 むかんけい で探索 たんさく するのが可能 かのう である。その故 ゆえ に、次 つぎ の探索 たんさく と期限 きげん 内 ない 作業 さぎょう の場合 ばあい に必要 ひつよう な業務 ぎょうむ が準備 じゅんび され機関 きかん 車 しゃ の待機 たいき 時間 じかん は短縮 たんしゅく できる。この整備 せいび 作業 さぎょう を通 つう じて、すでに受 う けたあるいは目下 めした のエラーに関 かん する、正確 せいかく なデータを取 と って、運転 うんてん 士 し がエラーを分析 ぶんせき して取 と り除 のぞ く場合 ばあい に、運転 うんてん 士 し の支援 しえん が可能 かのう である。エラーは運転 うんてん 席 せき のディスプレーへ、自動的 じどうてき にあるいは運転 うんてん 士 し の必要 ひつよう な操作 そうさ により表示 ひょうじ される。
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^ 補助 ほじょ 電源 でんげん 装置 そうち (Hilfsbetriebe)は主 しゅ 電動 でんどう 機 き 以外 いがい の機器 きき に電流 でんりゅう を供給 きょうきゅう する装置 そうち である。
^ K. G. Baur (2013) p. 33
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