ナノティラヌス

ナノティラヌス Nanotyrannus
	Nanotyrannus lancensisの模も式しき標本ひょうほん
地質ちしつ時代じだい
	白はく亜紀あき
分類ぶんるい
学名がくめい
	Nanotyrannus; Bakker, Currie & Williams, 1988
シノニム
	Gorgosaurus lancensis Gilmore, 1946; Deinodon lancensis (Gilmore, 1946); Aublysodon lancensis (Gilmore, 1946); Albertosaurus lancensis (Gilmore, 1946);
種たね
	N. lancensis;

ナノティラヌス (Nanotyrannus) は小型こがたのティラノサウルス類るいの一いち属ぞく。ただし別種べっしゅではなく、単たんにティラノサウルスの若わかい個体こたいである可能かのう性せいもあり議論ぎろんがされている（後述こうじゅつ）。2012年ねん春はるまでに見みつかっている標本ひょうほんは、北米ほくべいの後期こうき白はく亜紀あき・マーストリヒト期きの地層ちそうより発掘はっくつされた2個体こたいのみである。全長ぜんちょうは約やく5m。学名がくめいは、「小ちいさい(nanos)」+「王おう、暴君ぼうくん(tyrannus)」より「小ちいさな暴君ぼうくん」を意味いみする。

研究けんきゅう史し[編集へんしゅう]

ナノティラヌスは、その研究けんきゅうの歴史れきしにおいて複雑ふくざつな経緯けいいを持もつ属ぞくである。ナノティラヌスの模も式しき標本ひょうほん（CMN 7541）は、もともと1946年ねん、ゴルゴサウルス属ぞく（Gorgosaurus）の新種しんしゅ“ゴルゴサウルス・ランケンシス（Gorgosaurus lancensis）”として記載きさいされたものである。^[1]しかし1988年ねんにロバート・バッカーらがこの化石かせきを再さい調査ちょうさして特有とくゆうの構造こうぞうを認みとめ、独立どくりつした属ぞくとして新あらたにナノティラヌス属ぞく（Nanotyrannus）が設もうけられた。^[2]当時とうじ、頭蓋とうがいの癒合ゆごうの程度ていどなどからこの化石かせきは成体せいたいと解釈かいしゃくされており、それに基もとづいてナノティラヌスは「成体せいたいでも全長ぜんちょう約やく5.2メートルほどの小型こがたのティラノサウルス類るい」として発表はっぴょうされた。

しかし、1999年ねん以降いこうの研究けんきゅうで、実際じっさいにはこの個体こたいが若齢じゃくれいであるとの論文ろんぶんが発表はっぴょうされた。^[3]^[4] それ以降いこう、これらの化石かせきはティラノサウルスの幼体ようたいであって、“ナノティラヌス”を無効むこうとする解釈かいしゃくも多おおくなる一方いっぽう、森林しんりん地帯ちたいに住すんでいたために小型こがた化かした独立どくりつ属ぞくだという説せつも依然いぜんとして強つよく存在そんざいしている。^[5] ^[6]

2001年ねんには、より状態じょうたいの良よいティラノサウルス類るいの若齢じゃくれい個体こたい、通称つうしょう“ジェーン”（標本ひょうほん番号ばんごう：BMRP 2002.4.1）が発掘はっくつされた。これにより既存きそんのナノティラヌス化石かせきと合あわせて、依然いぜん、ティラノサウルス・レックスの幼体ようたい説せつ、ティラノサウルス・レックスに近きん縁えんな別べつ属ぞく説せつなどの検証けんしょうが進すすんでいる。

解剖かいぼう学がく的てき特徴とくちょう[編集へんしゅう]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]

^ Gilmore, C.W. (1946). "A new carnivorous dinosaur from the Lance Formation of Montana." Smithsonian Miscellaneous Collections, 106: 1–19.
^ Bakker, Williams, and Currie (1988). "Nanotyrannus, a new genus of pygmy tyrannosaur, from the latest Cretaceous of Montana." Hunteria, 1: 1–30.
^ Currie, Henderson, Horner and Williams (2005). "On tyrannosaur teeth, tooth positions and the taxonomic status of Nanotyrannus lancensis." In "The origin, systematics, and paleobiology of Tyrannosauridae”, a symposium hosted jointly by Burpee Museum of Natural History and Northern Illinois University.
^ Henderson (2005). "Nano No More: The death of the pygmy tyrant." In "The origin, systematics, and paleobiology of Tyrannosauridae”, a symposium hosted jointly by Burpee Museum of Natural History and Northern Illinois University.
^ Larson (2005). "A case for Nanotyrannus." In "The origin, systematics, and paleobiology of Tyrannosauridae”, a symposium hosted jointly by Burpee Museum of Natural History and Northern Illinois University.
^ 近年きんねん放送ほうそうされたヒストリーチャンネル製作せいさくの『ジュラシックファイトクラブ♯3小ちいさな暴君ぼうくん』においては、歯はの形かたちだけでなく、頭骨とうこつのCTスキャンの結果けっか、脳のうの構造こうぞうがティラノサウルスと異ことなっており、明確めいかくな別種べっしゅであるとしている。

ナノティラヌス

研究けんきゅう史し[編集へんしゅう]

解剖かいぼう学がく的てき特徴とくちょう[編集へんしゅう]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]