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ナマケグマ

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ナマケグマ
ナマケグマ
ナマケグマ Melursus ursinus
保全ほぜんじょうきょう評価ひょうか[1][2]
VULNERABLE
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
ワシントン条約じょうやく附属ふぞくしょI
分類ぶんるい
ドメイン : かく生物せいぶつ Eukaryota
さかい : 動物界どうぶつかい Animalia
もん : 脊索せきさく動物どうぶつもん Chordata
もん : 脊椎動物せきついどうぶつもん Vertebrata
つな : 哺乳ほにゅうつな Mammalia
: ネコ Carnivora
: クマ Ursidae
: クマ Ursinae
ぞく : ナマケグマぞく
Melursus Meyer, 1793
たね : ナマケグマ M. ursinus
学名がくめい
Melursus ursinus (Shaw, 1791)
和名わみょう
ナマケグマ
英名えいめい
Sloth bear
生息せいそくいき

ナマケグマものぐさぐま[3]学名がくめい: Melursus ursinus)は、哺乳ほにゅうつなネコ食肉しょくにくクマナマケグマぞく分類ぶんるいされるクマ[4]ほんしゅのみでナマケグマぞく構成こうせいする。

分布ぶんぷ[編集へんしゅう]

M. u. ursinus
インドネパールバングラデシュブータン[5][6][7][8]
M. u. inornatus
スリランカ[6][8]

形態けいたい[編集へんしゅう]

体長たいちょう140-190センチメートル[6][7][8]尾長おなが10-12.5センチメートル[8]かただか60-92センチメートル[6][7]体重たいじゅうオス80-145キログラム、メス55-90キログラム[8]頭部とうぶ大型おおがた[7]全身ぜんしんなが体毛たいもうおおわれる[6][7]もうころもくろいが、褐色かっしょく灰色はいいろ体毛たいもうじったり赤褐色せきかっしょく個体こたいもいる[5][6]胸部きょうぶにアルファベットの「U」や「Y」じょうしろ黄色おうしょく赤褐色せきかっしょくなどの斑紋はんもんはい[6][7]

頭骨とうこつ

みみかい小型こがた[7]鼻孔びこうじることができる[5][6]鼻面はなづらなが[5][7]くちびる突出とっしゅつ体毛たいもうがなく、吻端もふくめて可動かどうせいおおきい[6]上顎じょうがく門歯もんし左右さゆうに2ほんずつで上顎じょうがく中央ちゅうおう門歯もんしがなく、これによりシロアリをいこむのにてきしている[5][6][7][8]前肢ぜんし内側うちがわかい、後肢あとあしみじか[7]ゆび趾には湾曲わんきょくしたしろながつめえる[7]

分類ぶんるい[編集へんしゅう]

  • Melursus ursinus ursinus (Shaw, 1791)
  • Melursus ursinus inornatus Pucheran, 1855

生態せいたい[編集へんしゅう]

草原そうげん有刺ゆうし植物しょくぶつからなる低木ていぼくりん湿度しつどたか常緑樹じょうりょくじゅりんなどに生息せいそくする[7]夜行やこうせい[6][7]湾曲わんきょくしたつめ使つかにぶらがることも可能かのう[5][6]、その姿すがたナマケモノ連想れんそうさせることが名前なまえ由来ゆらい[7]

しょくせい雑食ざっしょくで、おもシロアリべるが昆虫こんちゅう鳥類ちょうるいたまご動物どうぶつ死骸しがいはな果実かじつ蜂蜜はちみつなどもべる[6][7][8]。シロアリはくちびるしたをすぼめてゴミをばしてから、いこんでべる[5][6][7]

繁殖はんしょく形態けいたい胎生たいせい繁殖はんしょくはインド北部ほくぶ個体こたいぐんは7がつだが、インド南部なんぶ個体こたいぐんしゅうねん繁殖はんしょくする[5][7]妊娠にんしん期間きかんは6-7かげつ[6]地中ちちゅうあなで1かいに1-3とう通常つうじょう2とう)のようじゅう[5][6][7]ようじゅう生後せいご3かげつ母親ははおや一緒いっしょあなにひきこもる[5][7]ようじゅう生後せいご1ねん6かげつ-3ねん母親ははおや一緒いっしょ生活せいかつ[6]ようじゅう母親ははおや背中せなかにつかまって移動いどうする[7][8]

人間にんげんとの関係かんけい[編集へんしゅう]

くま使づかいと訓練くんれんされたナマケグマ

胆嚢たんのう薬用やくようになるとしんじられている[7][9]。インドではオスの性器せいき媚薬びやくに、ほねつめ魔除まよけけになるとしんじられている[9]大道芸だいどうげいようようじゅうわなられることもある[9]

農作物のうさくもつ被害ひがいをもたらし、ひとおそうこともある[9]。オリッサしゅうでは1990-1995ねんに66にんが、マディヤ・プラデーシュしゅうでは1989-1994ねんに607にんほんしゅによって死亡しぼうしている[9]他方たほうで、人里ひとざとりてきて人間にんげんになつきペットしたれい[10]報告ほうこくされている。

農地のうち開発かいはつ放牧ほうぼく木材もくざいおよび果実かじつ蜂蜜はちみつなどの採取さいしゅたん一種いっしゅ植林しょくりんによる生息せいそく破壊はかい乱獲らんかくにより生息せいそくすう減少げんしょうしている[7][9]。インドでは法的ほうてき保護ほご対象たいしょうとされ、自己じこ防衛ぼうえい防除ぼうじょ目的もくてき以外いがい狩猟しゅりょう部位ぶい取引とりひきおよび輸出ゆしゅつ禁止きんしされている[9]

またインドではくま使づかによって大道芸だいどうげい仕込しこませるといったうごきもあったが、1972ねん研究けんきゅうと1973ねん研究けんきゅうではかず減少げんしょうられている[11]

日本にっぽんでは1965ねん野毛のげさん動物どうぶつえん飼育しいく繁殖はんしょく成功せいこうした(1960ねんおよび1963ねんにも繁殖はんしょくれいがあるがようじゅう生後せいご4かげつ以内いない死亡しぼう[6]。2015ねん4がつに、札幌さっぽろ円山まるやま動物どうぶつえん飼育しいくされている個体こたい(メス)がんだことにより、日本にっぽん個体こたい現存げんそんしない [12] [13]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ Appendices”. CITES. Convention on International Trade in Endangerd Species of Wild Fauna and Flora. 2019ねん3がつ22にち閲覧えつらん
  2. ^ Melursus ursinus (Sloth Bear)”. International Union for Conservation of Nature and Natural Resources.. 2018ねん8がつ5にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2019ねん3がつ22にち閲覧えつらん
  3. ^ 松村まつむらあきら へん「なまけぐま(ものぐさぐま)」『大辞林だいじりん 4.0三省堂さんせいどう、2019ねん 
  4. ^ Fred Bunnell 「クマ渡辺わたなべ弘之ひろゆきやく動物どうぶつだい百科ひゃっか1 しょく肉類にくるい今泉いまいずみよしのり監修かんしゅう D.W.マクドナルドへん平凡社へいぼんしゃ、1986ねん
  5. ^ a b c d e f g h i j 今泉いまいずみよしのり監修かんしゅう D.W.マクドナルドへん動物どうぶつだい百科ひゃっか1 しょく肉類にくるい』、平凡社へいぼんしゃ1986ねん、108-109ぺーじ
  6. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r 今泉いまいずみよしのり監修かんしゅう世界せかい動物どうぶつ 分類ぶんるい飼育しいく2 (食肉しょくにく)』、東京とうきょう動物どうぶつえん協会きょうかい1991ねん、75-76、200-201ぺーじ
  7. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v 小原おはら秀雄ひでおうらほん昌紀まさき太田おおた英利ひでとし松井まつい正文まさふみ編著へんちょ動物どうぶつ世界せかい遺産いさん レッド・データ・アニマルズ4 インド、インドシナ』、講談社こうだんしゃ2000ねん、26-27、146ぺーじ
  8. ^ a b c d e f g h Netrapal Singh Chauh, Shyamala Ratnayeke「ナマケグマ」『アジアのクマたち -その現状げんじょう未来みらい-』、日本にっぽんクマネットワーク、2007ねん、ivぺーじ
  9. ^ a b c d e f g Netrapal Singh Chauh「インドのナマケグマの現状げんじょう」『アジアのクマたち -その現状げんじょう未来みらい-』、日本にっぽんクマネットワーク、2007ねん、26-32ぺーじ[疑問ぎもんてん]
  10. ^ “This Sloth Bear Just Wants To Be A Dog” (英語えいご). BuzzFeedNEWS. BuzzFeed. (2012ねん8がつ19にち). http://www.buzzfeed.com/summeranne/this-sloth-bear-just-wants-to-be-a-dog 2017ねん5がつ21にち閲覧えつらん 
  11. ^ インド野生やせい生物せいぶつ研究所けんきゅうじょ2.4 インドのナマケグマの現状げんじょう」『アジアのクマたち―その現状げんじょう未来みらい―』26ぺーじ
  12. ^ 国内こくない唯一ゆいいつのナマケグマ札幌さっぽろ円山まるやま動物どうぶつえん」『47NEWS』(共同通信きょうどうつうしん)、2015ねん4がつ25にち2015ねん4がつ25にち閲覧えつらんオリジナルの2015ねん7がつ20日はつか時点じてんにおけるアーカイブ。
  13. ^ ナマケグマのめす「ゴマキ」が死亡しぼうしました”. 札幌さっぽろ円山まるやま動物どうぶつえん. 2015ねん4がつ25にち閲覧えつらん

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]