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ネメシス (小説しょうせつ)

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

ネメシス』(Nemesis)は、アイザック・アシモフSF小説しょうせつ1989ねん刊行かんこうされた。

概要がいよう

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太陽系たいようけい近傍きんぼう発見はっけんされた赤色あかいろ矮星ネメシスをめぐり、太陽系たいようけいだっしてネメシスけい移住いじゅうした植民しょくみん衛星えいせいローターと、それをうべくちょう光速こうそく航法こうほう「ハイパースペース・トラベル」の開発かいはついど地球ちきゅうとの、2つの舞台ぶたい物語ものがたり進行しんこうする。

執筆しっぴつ当時とうじ統合とうごうすすめられていたファウンデーションシリーズロボットシリーズのどちらにもぞくさない独立どくりつした作品さくひんだが、りょうシリーズの重要じゅうよう小道具こどうぐであるハイパースペース・トラベルの開発かいはつがストーリーのじくになっており、のちに『ファウンデーションの誕生たんじょう』でほんさくのエピソードに言及げんきゅうしているなど関連かんれんおおきい。

たん編集へんしゅうゴールド-黄金おうごん所収しょしゅうのエッセイ「アイデア」にて、ほんさくのプロット考案こうあん過程かてい紹介しょうかいされている。

あらすじ

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23世紀せいき人類じんるいちょう過密かみつ状態じょうたい地球ちきゅうむ80おく人々ひとびとと、太陽系たいようけいない建設けんせつされたいくつかの植民しょくみん衛星えいせいスペースコロニー)にすうおく人々ひとびととにかれていた。その植民しょくみん衛星えいせいのひとつローターは極秘ごくひ光速こうそく航行こうこう技術ぎじゅつ「ハイパー・アシスト駆動くどう」を実用じつようし、ふか宇宙うちゅう探査たんさロケットをおくす。ローターの天文学てんもんがくしゃユージニアは、そのデータをもと地球ちきゅうからわずか2光年こうねん距離きょりにありながらオールトのくもによってかくされていた赤色あかいろ矮星を発見はっけん、「ネメシス」と命名めいめいする。

やがて指導しどうしゃピット長官ちょうかんした、ローターはハイパー・アシスト駆動くどうによって太陽系たいようけい離脱りだつし2ねんがかりでネメシス太陽系たいようけい到達とうたつ巨大きょだい惑星わくせいメガスをめぐる衛星えいせいエリスロの軌道きどうる。やがてユージニアはネメシスが太陽系たいようけい将来しょうらいおよぼす脅威きょうい発見はっけんするが、地球ちきゅう植民しょくみん衛星えいせいによるローターへの干渉かんしょうきらうピットは、地球ちきゅうへの警告けいこく禁止きんしする。

一方いっぽう地球ちきゅうでも、ユージニアのもとおっとだった情報じょうほう局員きょくいんクライルの示唆しさによって、ネメシスの存在そんざいとその脅威きょういあきらかとなる。ネメシスとローターの調査ちょうさのため、情報じょうほう局長きょくちょう実質じっしつてき地球ちきゅう支配しはいしゃであるタナヤマと後継こうけいしゃコロパツキィの指揮しきした物理ぶつり学者がくしゃテッサを中心ちゅうしんしんちょう光速こうそく航法こうほう「ハイパースペース・トラベル」の研究けんきゅうすすめられる。12ねん歳月さいげつついはつちょう光速こうそく宇宙船うちゅうせん「スーパールミナル」が完成かんせい、テッサとクライルをふくむ5にんのクルーをせてネメシス探索たんさくへと旅立たびだつ。

そのころエリスロでは、ユージニアとクライルのむすめで、人並ひとなはずれた知性ちせい直感ちょっかん能力のうりょく少女しょうじょ・マルレイネが、エリスロを支配しはいするなぞ知的ちてき存在そんざいとコンタクトしようとしていた…。