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パキリノサウルス

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
パキリノサウルス
生息せいそく年代ねんだい: 中生代ちゅうせいだいはく亜紀あき後期こうき, 74–66 Ma
パリキノサウルス
P. lakustai想像そうぞう
地質ちしつ時代じだい
中生代ちゅうせいだいはく亜紀あき後期こうき
分類ぶんるい
ドメイン : かく生物せいぶつ Eukaryota
さかい : 動物界どうぶつかい Animalia
もん : 脊索せきさく動物どうぶつもん Chordata
もん : 脊椎動物せきついどうぶつもん Vertebrata
つな : 爬虫つな Reptilia
つな : そうゆみつな Diapsida
下綱しもつな : しゅりゅうがた下綱しもつな Archosauromorpha
上目うわめ : 恐竜きょうりゅう上目うわめ Dinosauria
: とりばん Ornithischia
: しゅうかざりあたま Marginocephalia
下目しため : すみりゅう下目しため Ceratopia
: ケラトプス Ceratopidae
: セントロサウルス Centrosaurinae
ぞく : パキリノサウルスぞく Pachyrhinosaurini
ぞく : パキリノサウルスぞく Pachyrhinosaurus
学名がくめい
Pachyrhinosaurus
Sternberg1950
たね

パキリノサウルスPachyrhinosaurus=“分厚ぶあつはな爬虫類はちゅうるい”の)は中生代ちゅうせいだいはく亜紀あき後期こうきやく7,400まん ~ やく6,600まんねんまえ)のきたアメリカ大陸あめりかたいりく生息せいそくしていたすみりゅうぞくひとつ。

発見はっけんたね

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P. カナデンシスの頭骨とうこつ。カナダアルバータしゅうロイヤル・ティレル生物せいぶつがく博物館はくぶつかん展示てんじひん

パキリノサウルス・カナデンシスは1950ねんチャールズ・モートラム・スタンバーグにより、ホロタイプである頭骨とうこつ標本ひょうほん NMC 8867 とフリルをふく不完全ふかんぜん頭骨とうこつパラタイプ NMC 8866 にもとづいて記載きさいされた。パラタイプはフリルを保存ほぞんしているが、みぎしもあごほねくちばしほねいていた。これらの頭骨とうこつはアルバータしゅうホースシューキャニオンるいそうで1945ねんと1946ねん採集さいしゅうされた。すうねん、レスブリッジちかくのセントマリーリバーるいそうぞくするスキャビービュートでべつ標本ひょうほん発見はっけんされた。7,400~6,600まんねんまえ地層ちそうおもわれる。 そこは1880ねん、アルバータしゅう最初さいしょ化石かせき発見はっけんされた地層ちそうである。[2][3]

1955ねん、スキャビービュートでべつのパキリノサウルスの頭骨とうこつ発見はっけんされ、ワン・ラングストン・ジュニアひきいるちいさな探検たんけんたいによって追加ついか標本ひょうほん発掘はっくつされた。カルガリー大学だいがく学生がくせいのためのフィールド実習じっしゅうでその重要じゅうようなサイトを使つかうことを計画けいかくした。 スキャビービュートで発掘はっくつされた複数ふくすう標本ひょうほん(NMC 21863, NMC 21864, NMC 10669)が1975ねんにラングストンによって記載きさいされた。[4]

P. ラクスタイ頭骨とうこつ

1980年代ねんだい後半こうはんにアルバータしゅう北部ほくぶのビーバーロッジのみなみのワピチリバーでべつのパキリノサウルスのボーンベッドつかり、ロイヤル・ティレル生物せいぶつがく博物館はくぶつかんによって短期間たんきかん発掘はっくつ作業さぎょうおこなわれた。カルガリー大学だいがくはそこで2006ねんから毎年まいとしなつに2週間しゅうかん発掘はっくつ実施じっししている。標本ひょうほんはパキリノサウルス・カナデンシスであるとされる。1974ねんグランドプレーリー理科りか教師きょうしアル・ラクスタがパイプストーンクリークで巨大きょだいなボーンベッドを発見はっけんした。ロイヤル・ティレル生物せいぶつがく博物館はくぶつかんのスタッフとボランティアによって1986ねんと1989ねんあいだにそのエリアは発掘はっくつえられた。100平方へいほうメートルの範囲はんいないで14てん頭骨とうこつと3500てん以上いじょうものほねからなる膨大ぼうだいりょう化石かせき収集しゅうしゅうされた。これはおそらく洪水こうずいちゅうかわわたこころみが失敗しっぱいした、大量たいりょう場所ばしょであったとおもわれる。化石かせき成体せいたいから老齢ろうれい個体こたいいたるまでの、4つのことなる年齢ねんれいそうのものが混在こんざいしており、この恐竜きょうりゅうわか世代せだい世話せわをしていたことが示唆しさされている。 成体せいたい頭骨とうこつにはでこぼこしたこぶがあり、頭頂とうちょうこつ後部こうぶには一本いっぽんかくがある。凹型の様相ようそう風化ふうか関連かんれんし、雌雄しゆう関係かんけいない可能かのうせいがある。

P. ペロトルムのホロタイプ

2008ねんフィリップ・カリーワン・ラングストン・ジュニア、ダレン・タンケにより、パイプストーンクリークのパキリノサウルスの詳細しょうさい論文ろんぶん発表はっぴょうされ、新種しんしゅP. ラクスタイが設立せつりつされた。たね小名しょうみょうはアル・ラクスタへのけんじめい[5][6]

2013ねん、フィオリッロらによって不完全ふかんぜん鼻骨びこつもとづきさらなる新種しんしゅパキリノサウルス・ペロトルムが記載きさいされた。アラスカ北部ほくぶのクリーク(Kikaku-Tegoseaku)から採集さいしゅうされたものである。ホロタイプは DMNH 21460成熟せいじゅく個体こたいのものとおもわれる。この発見はっけん特定とくてい部位ぶいから本属ほんぞく年齢ねんれいかんする詳細しょうさい調しらべる方法ほうほうについての知見ちけんふかめた。

この標本ひょうほん鼻骨びこつ後部こうぶ装飾そうしょくゆうしており、成長せいちょうなかあいだ段階だんかいしめす。注目ちゅうもくすべきは、鼻骨びこつ後部こうぶ表面ひょうめん既知きちほかのパキリノサウルスのたねでは確認かくにんされないほど複雑ふくざつであることで、ほんしゅ独自どくじせい証拠しょうことされる。またその部分ぶぶん分厚ぶあつ角張かくばったさやじょう表皮ひょうひ構造こうぞうもと底部ていぶであることがわかった。その形状けいじょうかくじょうであったのか、たんこぶおお程度ていどのものだったかはいまのところ意見いけん一致いっちをみていない。[7]

形態けいたい

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人間にんげんとのおおきさ比較ひかく
P. perototum全身ぜんしん骨格こっかく
米国べいこくテキサスしゅうダラス佩洛とく自然しぜん科学かがく博物館はくぶつかん展示てんじひん

全長ぜんちょう5 - 7メートル。大型おおがたすみりゅうなかアケロウサウルスとともにかくたないとされる。わりに頭骨とうこつ前面ぜんめんあつくなっており、また凹凸おうとつはげしい。セントロサウルススティラコサウルスたようなおおきさであるにもかかわらず、なぜパキリノサウルスだけかくがないのか、理由りゆうははっきりしていない。せつとしては縄張なわばあらそいやメスをめぐるたたかいのさい相手あいて殺傷さっしょうさせないよう子孫しそんおおのこすというものがある。しかし、現生げんなまかくそなえた哺乳類ほにゅうるいカブトムシるい同種どうしゅのオス同士どうしたたかったさいに、殺傷さっしょうするケースが確認かくにんされていないため、このせつには反対はんたい意見いけんおおい。

鼻面はなづらのこぶには血管けっかんはしためみぞがあるが、フィリップ・カリーらは、その器官きかん丁度ちょうどつめのように、ケラチンしつ付着ふちゃく部分ぶぶんとしての役割やくわりをもっており、生体せいたいでは巨大きょだい頑丈がんじょうかるモノコックじょうかく、あるいは複数ふくすうちいさなかくえていたと主張しゅちょうしている。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ Charles Hazelius Sternberg (1850-1943) fossil collector or Charles Mortram Sternberg (1885-1981) fossil collector
  2. ^ Sternberg, C. M. (1947). “New dinosaur from southern Alberta, representing a new family of the Ceratopsia”. Geological Society of America Bulletin 58: 1230. 
  3. ^ Sternberg, C. M. (1950). “Pachyrhinosaurus canadensis, representing a new family of the Ceratopsia, from southern Alberta”. National Museum of Canada Bulletin 118: 109–120. 
  4. ^ Langston, W. Jr. (1975). “The Ceratopsian Dinosaurs and Associated Lower Vertebrates from the St. Mary River Formation (Maestrichtian) at Scabby Butte, Southern Alberta”. Canadian Journal of Earth Sciences 12 (9): 1576–1608. doi:10.1139/e75-142. http://www.nrcresearchpress.com/doi/pdf/10.1139/e75-142. 
  5. ^ Currie, P.J., Langston, W., and Tanke, D.H. (2008). "A new species of Pachyrhinosaurus (Dinosauria, Ceratopsidae) from the Upper Cretaceous of Alberta, Canada." pp. 1-108. In: Currie, P.J., Langston, W., and Tanke, D.H. 2008. A New Horned Dinosaur from an Upper Cretaceous Bone Bed in Alberta[リンク]. NRC Research Press, Ottawa, Ontario, Canada. 144 pp. ISBN 978-0-660-19819-4
  6. ^ E. B. Koppelhus. 2008. Palynology of the Wapiti Formation in the northwestern part of Alberta with special emphasis on a new Pachyrhinosaur bonebed. International Dinosaur Symposium in Fukui 2008: Recent Progress of the Study on Asian Dinosaurs and Paleoenvironments. Fukui Prefectural Dinosaur Museum, Fukui 65-66.
  7. ^ Fiorillo, AR; Tykoski, RS (2013). “An Immature Pachyrhinosaurus perotorum (Dinosauria: Ceratopsidae) Nasal Reveals Unexpected Complexity of Craniofacial Ontogeny and Integument in Pachyrhinosaurus”. PLoS ONE 8 (6): e65802. doi:10.1371/journal.pone.0065802. PMC 3686821. PMID 23840371. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3686821/. 

関連かんれん項目こうもく

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