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パデル

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パデル
統括とうかつ団体だんたい 国際こくさいパデル連盟れんめい
特徴とくちょう
身体しんたい接触せっしょく
選手せんしゅすう 2人ふたり
男女だんじょ混合こんごう ゆう
カテゴリ 屋外おくがい競技きょうぎ
テンプレートを表示ひょうじ
Padel area en ISPO 2014

パデルpadel)は、1980年代ねんだいから競技きょうぎしゃ人口じんこうはじめたラケットスポーツである。スペインはじめポルトガルやイギリス、イタリア、フランス、スウェーデン、またアルゼンチン、メキシコ、ブラジル、カナダ、ウルグアイ、そしてチリなどの国々くにぐにでスポーツとして発展はってんげており、近年きんねんアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくひろまりつつある。近年きんねん競技きょうぎ人口じんこうえているスポーツとして注目ちゅうもくされている。

歴史れきし[編集へんしゅう]

2014ねんのパデルのラケット
1998ねんのパデルのラケット

このスポーツは1970年代ねんだい中頃なかごろスペインのAlfonso de Hohenloheによって考案こうあんされた。現在げんざいはスペインおよびラテンアメリカ諸国しょこくでもっとも一般いっぱんてきであるが、ヨーロッパや国々くにぐにあいだへも急速きゅうそく普及ふきゅうしつつある。スペイン南部なんぶコスタ・デル・ソル多数たすうのイギリスじんおとずれる保養ほようであるが、ここでもパデルはさかんにおこなわれており、これがイギリス普及ふきゅうするきっかけとなっている。

スペイン国内こくない普及ふきゅう[編集へんしゅう]

1980年代ねんだいはじめ、パデルはスペインの大都市だいとしであるマドリッドやバルセロナのスポーツクラブから普及ふきゅうがはじまり、そののスペイン地域ちいきへとひろがる。国内こくない各所かくしょでパデルコートが建設けんせつされ、かく地域ちいき有名ゆうめいクラブが国内こくないのトーナメントを主催しゅさいするようになる。

  • 1987ねん、スペイン・パデル協会きょうかい設立せつりつされる。
  • 1991ねん、パデル国際こくさい連盟れんめい設立せつりつされる。
  • 1997ねん、スペイン・パデル連盟れんめい設立せつりつされる。

スペイン国内こくないのパデル人口じんこうは2010ねんやく200まんにん記録きろくし、2013ねんには300まんにんえた。

テニスチャンピオンRafael Nadal(ラファエル・ナダル)やNovak Djokovic(ノバク・ジョコビッチ)らもパデルにせられたひとたちである。

ヨーロッパへ普及ふきゅう[編集へんしゅう]

1990年代ねんだいわりからパデルはヨーロッパ各国かっこくへとひろまり、フランス、イタリア、ポルトガル、イギリス、ドイツ、ベルギー、スイスなどでそれぞれの連盟れんめい設立せつりつされる。

アメリカへ普及ふきゅう[編集へんしゅう]

1975ねん、Alfonso de Hohenloheの親友しんゆうであり、あししげくマルベージャにかよっていたアルゼンチンの富豪ふごう、Julio Menditenguiはパデルの成功せいこうたりにし、これを自国じこく輸入ゆにゅうすることを決意けついする。その結果けっか、パデルはアルゼンチンで人気にんきになり、現在げんざいでは国内こくないで2番目ばんめにポピュラーなスポーツとして、200まんにん以上いじょう競技きょうぎ人口じんこう存在そんざいし、国内こくないつくられた1まん以上いじょうのコートでアルゼンチンの人々ひとびとはパデルをたのしんでいる。そしてパデルはブラジル、ウルグアイ、メキシコ、チリ、パラグアイなどにもひろがりをせた。また、こうしたブームは北米ほくべいにもおよび、いまではアメリカやカナダにも競技きょうぎしゃ人口じんこうえている。

日本にっぽんはつのパデルコート[編集へんしゅう]

パデルを日本にっぽん上陸じょうりくさせようとSpainPadel Project=パデル普及ふきゅう計画けいかく発足ほっそくされ、2013ねん埼玉さいたまけん所沢ところざわの「所沢ところざわフットサルパーク」に日本にっぽんはつとなるパデルコート2めん建設けんせつされた[1]。その日本にっぽん国内こくないのパデルコート普及ふきゅうすすみ、2014ねんはる関西かんさいはつのパデルコートが大阪おおさか完成かんせいした。現在げんざい日本にっぽんパデル協会きょうかい名誉めいよ会長かいちょうは『キャプテンつばさ』の作者さくしゃである高橋たかはし陽一よういち就任しゅうにん。『キャプテンつばさマガジン』でもパデルを特集とくしゅうするほど、高橋たかはし陽一よういちはパデル愛好あいこうである。

特徴とくちょう[編集へんしゅう]

パデルはテニスとくら肉体にくたいてき負担ふたんすくなく、年齢ねんれい技能ぎのう巧拙こうせつかかわらずたのしむことができる。ほとんどのひとは20ふんもあればプレーの要領ようりょうをつかむことができ、ゲームを堪能たんのうすることができる。これはテニスのようにつよいショットやサーブりょく左右さゆうされることがすくないからである。

ボール、ラケット、コートの3つは必須ひっすである。基本きほんはダブルス競技きょうぎであるが、近年きんねんはシングルス専用せんようコートも設置せっちされ、シングルスの試合しあいおこなわれている。

コート[編集へんしゅう]

コートのおおきさ(ダブルスの場合ばあい

パデルコートのサイズは、ダブルスの場合ばあいは20 m × 10 m の長方形ちょうほうけい[ちゅう 1]、シングルスの場合ばあいは20 m × 6 m の長方形ちょうほうけいで、コートの周囲しゅうい強化きょうかガラス(かべ)と金網かなあみ(フェンス)によりかこまれている(センターネットがあるくち付近ふきんのぞく)。りょうサイドのおくたかさ3 mの強化きょうかガラス(金網かなあみふくめると全長ぜんちょう4 m)が「コ」のがた設置せっちされている。その部分ぶぶん全長ぜんちょう3 mの金網かなあみにより仕切しきられている。

コートはなかに「センターネット」が設置せっちされる。ネットでけられたかくサイドは、センターネットから6.95 mのところが「サービスライン」であり、それを二分にぶんする「センターライン」がかれている。ラインのはばはすべて 50 mmである。

舗道ほどうおよ障害しょうがいぶつとのあいだ許容きょようだかは6 mとするが、とくにコート上方かみがたには侵入しんにゅうぶつがないようにする。

ラケット[編集へんしゅう]

ラケットは最大さいだいたて455 mm、よこ260 mm、あつさ38 mmとし、中心ちゅうしん部分ぶぶんかず限定げんていしない9 mm~13 mmのあなひらいている。表面ひょうめんは300 mm × 260 mmというサイズをえないことと平面へいめんでなければいけないが、規定きてい範囲はんいないでラケットの表面ひょうめん凹凸おうとつけたものも存在そんざいする。

事故じこ防止ぼうしのために、ラケットを手首てくびつなぐためのストラップがいている。そのながさは最長さいちょう35 cmで、競技きょうぎちゅう着用ちゃくよう義務付ぎむづけられる。

本稿ほんこう執筆しっぴつ時点じてんで、ラケットめん形状けいじょう以下いかの3種類しゅるいかれている。

  • 円型えんけい
スイートスポット(最適さいてき打球だきゅう場所ばしょ)がラケットめん中心ちゅうしん存在そんざいする。重心じゅうしん手元てもとちかく、一般いっぱんてきにコントロールのしやすさを重視じゅうしする形状けいじょう。そのわり、打球だきゅうにスピードをあたえる性能せいのう形状けいじょうくらべておとる。
  • ダイヤモンドがた
スイートスポットがラケットめん上方かみがた存在そんざいする。重心じゅうしん手元てもとからとおく、一般いっぱんてき打球だきゅう威力いりょくあたえることを重視じゅうしする形状けいじょう。そのわり、重心じゅうしんとおぶん、コントロールのしやすさは形状けいじょうくらべておとる。
  • なみだしずくがた
スイートスポットがラケットめんのやや上方かみがた存在そんざいする。円型えんけいとダイヤモンドがた中間ちゅうかん性能せいのう

ボール[編集へんしゅう]

パデルのボールは形状けいじょういろ、サイズどもテニスとほぼおなじといえるが、内圧ないあつはテニスボールより1気圧きあつひくい。

ルール[編集へんしゅう]

得点とくてんかぞかたはテニスとおなじ。0(ラブ)、15、30、40。たとえば15-0を英語えいごではフィフティーンラブ、15-15をフィフティーンオールとぶ。40の状態じょうたいから相手あいてに2ポイント以上いじょうをつけることにより、そのゲームに勝利しょうりすることができる(れい:40-30からさらに1ポイントをると勝利しょうり)。

40-40の状態じょうたいを、とくにルールをもうけないかぎりデュースとぶ。デュースになった場合ばあいも、相手あいてに2ポイントをつけることにより、そのゲームに勝利しょうりすることができる。サービスがわが1ポイントリードしている状況じょうきょうをアドバンテージサーバー、レシーブがわがリードしている状況じょうきょうをアドバンテージレシーバーとぶ。公式こうしき試合しあいではサーバーまたはレシーバーの部分ぶぶん選手せんしゅ2めいせいぶ。

  • サーブ
    • 一度いちどバウンドさせてからアンダーサーブでたいかくがわのサービスコートにれる。テニスと同様どうよう2かいまでサーブできる。
    • サーブを位置いちは、1ポイントはデュースサイド(ネットにかってみぎ半分はんぶんのコート)のサービスラインより後方こうほう、2ポイントはアドバンテージサイド(ネットにかってひだり半分はんぶんのコート)のサービスラインより後方こうほうからつ。3ポイントみぎから、4ポイントひだりからと交互こうごつ。
    • 打点だてん自分じぶんこしたかさよりした
    • サーブをさいせんんだり、えてはいけない。
    • 一度いちどバウンドさせる位置いちも、せんたったり、えてはいけない。
    • 相手あいてのサービスコートにはいったのちかべたるのは有効ゆうこうだが、フェンスにたってはいけない。
    • サーブの失敗しっぱい(フォールト)を2かいおかすとファールとなり、相手あいてがわ得点とくてんとなる。
    • サービスのみ、ネットにたって相手あいてがわのコートに有効ゆうこうはいった場合ばあいはプレーが続行ぞっこうされず、1かいまたは2かいのサーブのやりなおしとなる。ネットにたったのち、フェンスにたるひとしのフォールトの状況じょうきょうはフォールトのあつかいとなる。
  • ファール(相手あいてがわ得点とくてんになる状況じょうきょう
    • 自分じぶんのコートにはいったボールが地面じめんに2バウンド以上いじょうしてしまった。
    • ったボールが自分じぶんのコートにバウンドしてしまった。
    • ったボールが直接ちょくせつ相手あいてがわかべ自分じぶんがわまたは相手あいてがわのフェンスにたってしまった(自分じぶんがわかべ利用りようしてかえすのはかまわない)。
    • ボールがからだたってしまった。
    • かえされたボールがコートで1バウンドしたあと、かこっているフェンスをえてコートのそとされてしまった(ただしコートのそとたボールが2バウンドするまえ相手あいてコートにかえせた場合ばあいはプレイ続行ぞっこうする)。
    • 以上いじょう場合ばあいはファールとなり、相手あいてがわ得点とくてんとなる。

パデル用語ようご[編集へんしゅう]

ショット[編集へんしゅう]

グロボ (Globo)
相手あいて後方こうほうちるように、放物線ほうぶつせんえがいて、たかゆるいボールをやまなりでかえすショット。テニスでいうロブのこと。
コルタード (Cortado)
テニスでいうスライスショットのこと。
デハーダ(Dejada)
ボールにぎゃく回転かいてんあたえ、相手あいてコートのネットぎわとすショット。テニスでいうドロップショット。
デレチャ(Derecha)
スペインで「みぎ」という意味いみがあり、ラケットの方向ほうこうつこと。
レベス(Reves)
スペインで「ぎゃく」という意味いみがあり、テニスでいうバックハンドのこと。
バンデッハ (Bandeja)
背丈せたけぐらいのたかさを打点だてんとして相手あいてコートのふかところねらってバウンドのひくいボールをつプレー。
ビボラ(Vibora)
ネットプレーのさい背丈せたけぐらいのたかさのボールにスライスをかけ、ボールをはずませないショット。バンデッハとはちがい、スピードとスライスを重視じゅうしする。
ボレア(Volea)
ラケットをっている方向ほうこうかって、相手あいて打球だきゅう自陣じじん地面じめんちないうちにかえすショット。
ボレア レベス(Volea Reves)
ラケットをっているとはぎゃく方向ほうこうかって、相手あいて打球だきゅう自陣じじん地面じめんちないうちにかえすショット。
レボテ(Rebote)
スペインで「はねかえり」という意味いみがあり、うしろのかべからかえってきたボールをつショット
レボテ・ラテラル(Rebote Lateral)
スペインで「側面そくめんではねかえる」という意味いみがあり、よこかべからかえってきたボールをつショット
レマテ(Remate)
スマッシュショット

プレー[編集へんしゅう]

チキータ (Chiquita)
相手あいて足元あしもとにボールをとすプレー。
バッハーダ・デ・パレッド (Bajada De Pared)
スペインで「したかべ」を意味いみし、たかいレボテが発生はっせいした場合ばあいうえからラケットをろすパデル独特どくとくのプレー。
レマテ・ポル・トレス(Remate por tres)
レマテのさいに、ボールがサイドのかべすプレー。
コントラ・パレッド(Contra Pared)
レボテを自分じぶんがわ背面はいめんかべ使つかって相手あいてコートに返球へんきゅうするプレー。
コントラ・パレッド・ラテラル(Contra Pared Lateral)
自分じぶんがわのラテラルを使つかって相手あいてコートに返球へんきゅうするプレー。
ドルミローナー(Dormilona)
スペインで「ぎ」という意味いみがあり、相手あいてがレマテをってきたさい、レボテのボールをネットぎわ返球へんきゅうするプレー。
ドブレ・パレッド (Doble Pared)
2つのパレッドにレボテしたボールを返球へんきゅうするプレー。

その[編集へんしゅう]

パレッド (Pared)
スペインで「かべ」を意味いみし、ここではコートない四方しほうかべのこと。
ラテラル (Lateral)
スペインで「側面そくめん」を意味いみし、とく側面そくめんかべかべをさす。

国際こくさい大会たいかい[編集へんしゅう]

1992ねんはじめてパデル世界せかい選手権せんしゅけんがスペインで開催かいさいされ、以降いこう2ねんきに開催かいさいされている。

2005ねんからプロツアーが「パデルプロツアー」により開催かいさいされる。

2013ねんから名前なまえ変更へんこうし、「ワールドパデルツアー」となる。

しかし一方いっぽうでこれに対抗たいこう措置そちとしてFIP公認こうにんプレミアパデルも2022ねん創設そうせつ。さらに2020ねんからA1パデルきゅうAPTパデルツアー)も存在そんざいしている。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ ながさには0.5 %の許容きょよう誤差ごさみとめられているので、正確せいかくには20 m ± 0.10 m、10 m ± 0.05 m である。

出典しゅってん[編集へんしゅう]

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]